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2008年1月31日 (木)

インプラント治療が制限されるケース2

昨日の続きです。本日も増岡先生の著書よりお届けいたします。

インプラント治療が制限される可能性のあるケース

インプラントの治療に制限がかかる可能性のあるパターンとして、これまで年齢、金属アレルギー、骨粗鬆症、妊娠の問題を取り上げましたが、ここではそのほかの例を見ていきましょう。特に、全身疾患に関してはインプラントの治療の際には注意を要するものもあります。

⑤糖尿病

糖代謝の異常によって引き起こされ、血液中のブドウ糖濃度が病的に高くなることでさまざまな合併症を引き起こす危険性のある病気です。日本での患者数は約700万人にまでのぼるともいわれています。

一般的に糖尿病の方はバクテリアなど細菌の感染に弱いとされていて抵抗性が低下する症状が見られることもあります。したがって歯周病になる確立も高く、病状が進行するにつれてインプラントの治療にも影響を及ぼす恐れが出てきます。

また、糖尿病の方の場合には、インプラントと骨が結合するときの骨吸収量が多くなりインプラントが外れてします可能性があります。いずれにしても、主治医との相談が必要になるでしょう。血糖値を低くコントロールすつなど徹底的な管理が行われている場合にはインプラントの治療も不可能ではないようです。

⑥高血圧症・心疾患

現在、心臓に不安があって通院している方や過去にこのような病歴がある場合、主治医と相談することをおすすめいたします。インプラントの治療に際しては、通常の約20~30は血圧が上昇する方が多いといわれています。インプラントを埋入する手術で使用する部分麻酔にも血圧を上昇させる作用があり、慎重にならざるをえないでしょう。

高血圧の状態による過度な心臓への負担も考慮すると、血圧を下げる薬の投与などの処置も対策としては考えられますが、安全な治療を行うために医師の指導のもと、十分な血圧のコントロールが必要になるでしょう。

心臓への負担に関しては、狭心症や心筋梗塞同じ事がいえます。普段から動悸や息切れを自覚している方は特に診察を受けてインプラントの治療を受ける旨を相談するといいでしょう。

そのほか、肝臓や腎臓についても同様に、インプラントの治療の前に念のため、内科で相談する方が安心して治療に臨めると思います。肝臓疾患で懸念されることとしましては、止血がしずらいこと、薬を服用することで肝機能のさらなる低下が危惧されることが指摘されています。腎臓については、疾患の進行が激しい場合には抵抗力の低下によりインプラントの定着がスムースにいかないケースもみられるようです。

インプラントという選択肢だけが残された方法というわけでは必ずしもありません。自分に合った治療方法が必ず見つかるはずなので、あきらめずに勇気をもって一歩ふみだしてみることが大切です。

⑦喫煙

インプラントの治療を行うにあたって、いろいろな情報を見聞きすることと思いますが「喫煙」に限ってはどの文献をあたっても共通の見解が述べられているのではないでしょうか。いずれの場合も「禁煙」をすすめています。

喫煙を続けていると、傷口の治りが悪く手術の成功を妨げる要因になるからです。そもそも、喫煙者とそうでない方では歯肉の色からして違います。

健康な歯肉がピンク色であるのに対して、喫煙者の歯肉は黒みがかったピンク色になっています。これは、喫煙により血管が収縮していることで口腔内の隅々まで十分な血流が行き渡らなくなるからです。

血流が行き渡らなくなるということは、末端の細い血管まで酸素が運ばれなくなるということです。

実際にインプラントの治療の現場となる歯肉や歯槽骨は、この「末端」の部分に該当します。その大切な治療の場所が、自己責任の管理下において血管収縮や血流障害を起こしているのだとしたらどうでしょう。せっかくはじまる治療が、自ら招いた不摂生によって失敗に終わるとしたらもったいないと思いませんか。

また、喫煙は白血球の機能障害にも引き起こすことが分かっています。傷の治癒を遅くするだけでなく、手術の時に痛みを感じる場合もあるといいます。口腔内のバクテリアも喫煙者には多いという報告もあります。全身疾患と違って「禁煙」は自分でコントロール出来ることです。健康な歯を取りもどすことと、「禁煙」について改めて考える良い機会かもしれませんね。

参考文献 絶対失敗しないインプラント 増岡健司著 廣済堂

2008年1月30日 (水)

インプラント治療が制限されるケース1

今回は、増岡健司先生がお書きになった「絶対失敗しないインプラント」からお届けいたします。

治療が制限される可能性のあるケース 1

これまで、インプラント治療に関してプラスとなる情報が多かったのですが、インプラントにも課題となる問題があります。

入れ歯やブリッジなど従来の治療方と比べると、どうしてもメリットの多さが目立つインプラント治療ですが、「インプラントにはデメリットはないのでしょうか?」と質問されることもあります。

インプラントの治療のすべてを知ってもらうためにも、あらゆる面から説明をしたいと思います。インプラントの良い面、悪い面も理解した上で治療を希望するかどうかを決定するのも選択方法の一つだと私は思います。

さて、まずはインプラントの治療が制限される可能性のあるケースについて説明しましょう。

①年齢制限について

インプラントの治療に年齢の上限の制限は無いといっていいでしょう。実際の年齢よりも重要なのは口腔内と身体の健康状態です。高齢の方でも口腔内と身体が健康であればインプラントの治療は可能でしょう。逆に若年齢の場合には、骨や歯の成長が終わった時点で可能になるので一般的にいって18歳前後からインプラントの治療は可能ということになると思います。つまり、成長が終わっていて健康に安全に手術が受けられる方なら、年齢を問わずインプラントの治療は可能になるでしょう。

ただし、インプラントの「寿命」についても頭の片隅に置いておかなければならないことも事実だと思います。

インプラント本体はチタン製で耐久性に優れているので理論上は半永久的に持つものとされています。ただし、たとえば60歳の方にインプラントを装着した場合と20歳の方にインプラントを装着した場合では、両者がそれぞれ80歳になった時点でのインプラントの疲労度は異なると考える方が自然でしょう。

この事に関しては、今後もさらにいろいろな臨床の結果が報告されると思います。少なくとも現段階では、健康な歯を削るブリッジよりも、隣接する歯に負担がかからないインプラントを選択する方法が支持されています。

②金属アレルギー

金属が体内で溶け出すことによってタンパク質と結合して抗体となってアレルギー反応を起こすことが考えられているのが金属アレルギーです。

水銀、ニッケル、コバルト、スズ、パラジウム、金などで発生するケースが多いと言われています。

インプラントの材料であるチタンはどうでしょう。純チタン製のインプラントの場合、正確にいうと純チタンと骨が結合するのではなく、純チタンの周囲に出来た何重もの酸化膜と骨の結合です。ですから、チタンが体に溶け出すことはあり得ません。

万が一、体内にへ入ったとしても心配はないといわれています。現在は歯科医療の領域をこえて人工心臓や人工関節にも使用されているチタンですが、極めて金属アレルギーを起こしにくい金属であることは間違いありません。どうしても心配な方は皮膚科やアレルギー外来で、チタンのアレルギー反応を検査してもらうのもいいでしょう。

③骨粗鬆症

日本には約1000万人以上が患っているといわれ、中高年に多い病気の一つである骨粗鬆症には、骨に小さな穴が多数開いてしまう状態のことです。

患者の多くは女性で、実際には骨量が低下して骨が弱くなることで骨折しやすくなると言われています。インプラントの治療をスタートさせる前には、治療を受ける方の骨の状態を十分に検査します。

骨粗鬆症のみならず骨量がすくなかったり、歯周病が原因で骨が溶けてなくなっていたりする方でもGBR法やGTR法といった何らかの策を講じることによってインプラントの治療は可能になります。

④妊娠

インプラントの治療に直接影響があるというよりは、治療に際して必要になるレントゲンや麻酔に対する懸念から「妊娠中は治療は控えた方がいいでしょう」というように一般的にいわれています。虫歯や歯周病の治療で継続して歯科医院に通っている方や、個人的な事情のあるケースもあり、ひとりひとり状況は異なりますので、まずは一度、担当医に詳しく相談してみましょう。

明日へ続きます。

参考文献 絶対失敗しないインプラント 増岡健司著 廣済堂

2008年1月29日 (火)

虫歯はこうして出来る2

昨日の続きです。本日も丸橋賢先生の著書「歯で守る健康家族」からお届けいたします。

虫歯予防の基本

①家族を予防の拠点に

約30年前、東京の中心部の開業医に勤務していたとき、その周辺の子供の虫歯が極めて少ないことに気づきました。

治療に来院する子供を診ると、虫歯が1本だけといった例がほとんどで、ブラッシングも良くなされていて歯も歯肉もとてもきれいなのです。

なるほど、住民の衛生意識の高さの程度に虫歯は少なくなるのだ、と私は理解しました。

その周辺は大企業の本社が多く、住民の衛生意識も高いらしく、子供を連れてくるお母さんの態度もとてもきちんとしていました。

当時の日本は、子供の口のなかは虫歯だらけで、とくに地方ではみそっ歯(ランパントカリエス)といってほぼすべての歯が急速にみその様に腐ってしまう虫歯も見られたのです。そのような状況の中で、都心に住む子供たちの虫歯の少なさ、口腔内の清潔さには驚きに値しました。

将来の虫歯予防の一つの方向性も示唆していました。生活の向上とともに衛生意識や健康観が向上することが大切なことがよく分かったのです。それから現在まで、日本の子供達の虫歯も少しずつ減少傾向をしめしています。

しかし、日本の中でも口腔衛生思想の教育活動の熱心さや普及程度により、子供の虫歯普及率は地域によって大きな差があります。平成7年度の群馬県内の1歳6ヶ月児検診データを見ると高崎市では4.3%でしたが、ある農村では36.4%にもなっています。高崎市では、保健所を中心に予防活動が熱心に行われ、その成果が上がっているといえます。

1歳6ヶ月児では虫歯のある子供ほんの少数で、親がほとんど注意せずに育てている場合に限られます。この時期に36.4%の子供に虫歯があったら、3歳児検診時にはほぼ全員が虫歯になってしまうと心配です。

1歳6ヶ月児で4.3%しか虫歯がない高崎市ですら、3歳児のときは41%の子供が虫歯になっているのです。そして就学児童検診では、虫歯のない子供は、ほんの少数しか見られなくなるのです。

前述したようにしっかりした衛生意識をもつ家族の住む地域では虫歯は極めて少ないのです。お母さんを中心に理解を深め、家族単位で予防の拠点作りをすることが大切だと思います。

②虫歯の少ない北欧に学ぶもの

ノルウェー、スウェーデン、フィンランドなどでは虫歯は極めて少なく、子供は皆美しい歯をしております。北欧で虫歯の少ない理由の第一は、土曜日をお菓子の日を決めていて、他の日に甘い物を子供に与えない節度ある習慣にあると思います。

日本では親の教育的態度が確立しておらず、子供を甘やかしたり放任したりしてお菓子を節度無く与えてしまいがちです。

理由の第二は、自然の恵みをそのまま食べる食生活にあります。ジャガイモ、パンを主食とし、魚、肉、野菜などを食材の形が残っているような調理で食べます。自然そのものを食としていれば、体も歯も丈夫になり、虫歯にもなりにくいのです。

第三は健康教育が充実していることです。保健衛生教育、福祉、医療などが充実していることでは有名ですが、衛生意識レベルは相当高く国民に浸透しています。

残念ですが、戦後急速に経済発展を遂げた日本は、物資的には豊かになったものの、国民の健康思想などの立ち後れは明らかで、まだ途上国と考えなければいけないでしょう。

フッ素やキシリトールの使用が虫歯を少なくしていると主張している人がいますが、これは間違いです。それよりずっと昔から北欧の虫歯は少ないのです。キシリトールなどは最近売り出されたばかりです。

③文化的に成熟した家族・民族になろう

私は40カ国あまりをみて回りましたが、虫歯をはじめとする歯科疾患が少ない国は、次の二つのいずれかに属します。

未開民族などに見られるまだ昔からの食や暮らしがあまり変化していない民族や国かまたは長い歴史を経て成熟した文化を築いた国です。

マサイ族やモンゴルの遊牧民、中国の少数民族などが前者に属し、ヨーロッパ諸国が後者の代表です。

物資文化や経済ばかり発展し、文化的成熟が追いつかない国では虫歯が多く、健康的な問題も多く見られるのです。日本、アメリカ、ブラジルなどがその代表で、中国や東南アジア諸国がその仲間に加わりつつあります。

このような現実を考え、日本の地域格差を比較検討すると、私たちがまず始めるべきことは、家族という小世界の文化的質を高め、健康観を充実させていくことであると考えるのです。

参考文献 歯で守る健康家族 丸橋 賢著 現代書館

2008年1月28日 (月)

虫歯はこうして出来る1

本日は、丸橋賢先生の著書「歯で守る健康家族」からお届けいたします。

虫歯はこうして出来る

現代の日本人は、中学生で90%以上の人が虫歯をもっています。他の国と比べ、日本人は虫歯が非常に多く、見た目にも汚い歯をしている民族だと思います。文明国でもヨーロッパなどでは、かなり美しい歯をしていますし、特にノルウェー、スウェーデンなどでは、口元に虫歯が見える人はほとんど見かけません。

このように虫歯の多い日本人も人類学者の研究によるとほとんど虫歯が無かったのです。それが食生活の変化、特に砂糖の摂取量の増加に比例して、虫歯が急増して閉まったのです。

面白いグラフがあります(興味のある方は、本書P48を参照してください)。日本における砂糖の消費量の推移と虫歯罹患率を示したグラフですが、砂糖の消費量と虫歯の罹患数が見事に比例していることがわかります。昭和17年頃から砂糖の消費量が急降下している時期があります。

戦争のために砂糖の消費量が低下したのですが、その時期、虫歯の急減していることが分かります。

①細菌が砂糖を分解すると酸ができ、この酸が歯を溶かして虫歯を作る

虫歯できるためには、細菌と砂糖(蔗糖)が必要です。口腔内にはたくさんの細菌が存在します。細菌は、何かを食べて生活しますが、口腔内には様々な食べかすが残っていて、それらを食べ、発酵させます。発酵の産物として乳酸などの酸もできますが、特にニュータンスなど一部の菌が砂糖を発酵させると、酸がたくさんでき、この酸がエネメル質を溶かして虫歯が出来るです。

歯はとても強いもので、特にエナメル質は自然界でダイヤモンドの次ぎに硬く、とても丈夫です。しかし、弱点があり、酸には溶かされやすいのです。

エナメル質は、主にカルシウムをたくさん含みますが、このカルシウムが酸に溶かされやすいのです。カルシウムが酸に溶かされることを脱灰といいます。

エナメル質が溶かされ、穴が象牙質に達すると、象牙質は有機成分が多く、ここに様々な細菌がとりつき、有機質を腐敗させ、虫歯は急速に進行します。

硬いエナメル質よりも軟らかい象牙質で虫歯は速く進行するため、虫歯は外見上の入り口は小さく、中で大きく進行します。

糖分には砂糖のほかにブドウ糖、果糖、乳糖などがありますが、虫歯つくる力がもっとも強力なのは砂糖で、他の糖はかなり弱くなります。ですから甘いものを食べたいときは、果物などを食べた方が虫歯になりくいのです。

以上の様に虫歯が出来る原理を知れば、虫歯を予防するポイントを知ることになります。虫歯予防にちては後で詳しく述べますが(明日以降)、まず、食生活に注意して硬く丈夫な歯を作ること、砂糖を食べ過ぎないこと、細菌が多くならないように食後に正しいブラッシングを行うこと、が三大原則になります。

②虫歯はこうして進行する

歯は中心に神経(歯髄)その上に象牙質、そして表装にエナメル質という構造をしています。歯冠部の表層は硬いエナメル質で覆われ、その内部は有機質が多く、軟らかい象牙質となっています。そして中心部には血管や神経があり、歯髄と呼んでいます。

脱灰の程度が軽く、虫歯がエネメル質にとどまっている物をC1 といいます。C1では無症状で、しみることもありません。また、C1も軽いうちならば、予防を徹底すれば再石灰化が起こり、虫歯の進行が止まったり、治ったりすることもあります。

虫歯が象牙質に達したものをC2といいます。C2も軽いうちは、しみたりする症状もありませんが、深部に達してくると冷たいものや甘いものを飲食した時、しみるようになってきます。

この状態では虫歯はかなり歯髄に接近しています。削って充填したり、金属冠などを被せたりするのみで治せるのはこの進行程度までです。

C2もさらに歯髄に接近すると冷たいものでなく、熱いものの飲食でもしみるようになります。こうなると特殊な歯髄保護処置をしないと歯髄を助けられなくなる場合もあります。

さらに放置すると、虫歯は歯髄に達します。そうすると歯髄が細菌に感染し、炎症を起こし、歯痛が始まるのです。最初は軽いこの痛みを放置するとまもなく、あのズキンズキンとうずく、激しい痛みになってしまいます。(この状態をC3といいます)

こうなるともう抜髄(神経を取る)しかなくなるのです。これでも治療せずに放置すると歯冠部は崩壊し、歯根しか残らないC4の状態となります。こうなると歯根の中心の穴(根管)を通って細菌が顎骨に達し、腫れ上がることになります。虫歯の各段階で治療方法はことなりますが、それは後でまとめて説明します。

あすへ続きます。

参考文献 歯で守る健康家族 丸橋 賢著 現代書館

2008年1月27日 (日)

顎が捻れることにより体は歪む

本日は、ひきた歯科医院院長である疋田 渉先生の著書「顎関節症 頭痛・腰痛~なぜ私たちは治ったのか!」からお届けいたします。

顎が捻れることにより体は歪む

歯は顎に生えています。また、顎は舌とつながっています。そして、下顎は筋肉でぶら下がっているです。骨は、すべて筋肉でつながっています。

もし、歯に不具合があり顎が捻れてしまったら、頭の先から足の先まですべての骨が順番に捻れてしまうのです。そして、脳。内臓も歪んでいくのです。

顎関節症

私が考える顎関節症には、3つのタイプがあります。

1:顎関節症状のみの顎関節症

2:全身症状を伴う顎関節症

3:全身症状と精神症状を伴う顎関節症

皆さんが顎関節症を本やインターネットで調べる時、注意しなければいけないことがあります。この医療機関は顎だけを診ているのか、それとも顎と全身を関連付けて診ているのかをまず判定しないと、後悔することになります。

顎に歯が生えています。そして顎と頭蓋骨は、筋肉でつながっています。また、背骨も筋肉でつながっています。ですから歯と顎と全身を関連づけて診ていかなければいけないのです。

☆症例:全身を診ず顎関節のみを治療した悲劇

顎関節症は治ったのですが、その後のひどい肩こり・腰痛に悩んでいるKさん(28歳)の場合。

数年前に某大学病院口腔外科でのスプリント治療(マウスピース)で顎関節症は治りました。しかし、1年後肩こり・腰痛などの不定愁訴に襲われました。なぜこのようになったのでしょう。

顎関節痛がでていた時は、顎関節部分に歪みが集中していました。ところがスプリントを装着することで顎関節部分の歪みが首と腰の部分に分散してしまったために、顎関節症痛は治ったが1年後肩こり・腰痛として症状が出現するのです。

ここで皆さんは疑問を感じると思います。なぜ1年も経ってから症状がでるのでしょうか。これは、すぐ他部位に症状が出る方は理解しやすいのですが、数年経てから出るので、全く関係無いと思われています。

しかし、体はすべてつながっています。症状が出るということは、ひどい状態に一番成っているところです。そこの歪みを治せば他に分散して歪みます。

ただ、2番目に悪いところがさほど歪んでなければ、症状が出るまでに時間がかかるのです。そして、もう一つ疑問が出ると思います。

これでは、歪みが体のあちこちいき、いつまでも症状は治まらないのではないか?その通りです。原因を除去するまでは、症状は治まらないのです。

この方の原因は、左右の噛み合わせの高さが違うために顎が捻れていました。それを治さなければ、いつまでも体の捻れは治まらないので、症状は繰り返されるのです。

通常は、顎関節痛・顎関節症・開口障害・関節雑音の症状を訴える場合を顎関節症といいます。

ところが、この3症状以外に全身の症状や精神症状を訴えるものがあります。これを私は、「歯による全身病」と呼びます。

主に歯の不具合が原因により、顎が捻れ、頭蓋骨が歪み、脳が歪み、背骨が歪み、臓器が歪み、血管・神経が歪み、骨盤が歪み、足の長さが違ってしまったため、体が歪み、全身・精神面に色々な症状・病気を引き起こす、非常に怖い病気です。

一見、歯には関係なさそうな病気も実は歯が原因であることがあります。また、顎関節に症状がなくても全身に症状が出ている場合もあります。

このように、歯だけを診ている歯科医師には、得たいのしれない病気のため、治療法が確立できず、以前の私のようにドクターショッピングを繰り返し、苦しみに悩んでいる人が大勢いるのです。

参考文献 顎関節症 頭痛・腰痛~なぜ私たちは治ったのか! 疋田渉著 講談社出版

2008年1月26日 (土)

歯医者の仕事って

今から10年近く前、所属していた講座の準教授から、こんな話しを聞きました。

「歯医者の治療は、基本的に引き算です。削るのが基本です。足すことも出来ますが、その場合は歯科材料になります。とても本来の歯にかなうものではありません。ですから、出来るだけ削らないで治療することが重要です。」

しかし、これが難しいのです。

痛ければ、どうしても神経を抜いてしまうのが一番楽です。でも患者さんにとってはとても切ない話。

出来るだけ神経を抜かないで対処出来ないかを考える必要があります。

人間の口の中の症状には、「関連痛」というものがあります。口の中を支配している神経の関係で、原因では無い歯が痛み出す事があるのです。そのため、痛い歯の神経を抜いても痛みがとれない場合があります。間違って違う歯を削ってしまうと大変な事になります。痛みがとれないばかりか、健康な歯の削り損になってしまうのです。

どんな仕事でもそうですが、患者さん(お客さん)からお金をいただいて、治療(サービス)を施すと言うことは、自分が持っている能力を切り売りしていることだと思います。

自分の持っている能力が枯渇してしまえば、患者さんは非常に不幸です。大げさに言えば自分の中の能力をアウトプットしてお金を稼いでいるということだと思います。

そのためには、常に新しい技術と古くてもしっかりした技術の両方をしっかりとインプットし続ける努力が必要だと思うのです。余計な歯を削らないように。

最近私の尊敬している先生が、大きな医療事故を起こしました。神の手を持つといわれている先生がです。人間の体は本当に神秘的で謎だらけです。診断に診断を重ねても事故が起こってしまうのです。

常に体調を管理し、勉強を続けていかなければ、大変なことになると痛感しています。

大変な仕事です。

2008年1月25日 (金)

口の中のガン

本日は、徳島大学創立30周年記念において出版された「なるほど現代歯塾」よりお届けいたします。

口の中の怖い話

口の中のガン

「舌が動かしにくい」、「舌をさわると硬いしこりがある」、あるいは「歯肉に潰瘍ができ、歯磨きする時に出血しやすい」などの理由で歯科医院や大学病院を受診される患者さんは結構多いのではないのでしょうか。

このような場合、たいていは簡単な治療で治るのですが、なかには入院したうえで治療が必要なケースがあります。

いわゆる「口腔ガン」といわれる、生命に危機を及ぼす病気です。

口腔ガンや咽頭ガン、喉頭ガンを含めて「頭頸部ガン」といいますが、世界的にみて肺ガンや大腸ガンなどにつぐ第六番目に多く発症する「ガン」です。

世界で年間50万人が新たに頭頸部ガンと診断されています。疾学的研究より、ガンの発症率は年齢とともに指数関数的に増大するため、今後の高齢化社会を考えた場合、口腔ガンの発症の増加が容易に予想されます。

口腔ガンの主たる発症リスクファクターは、「喫煙」と「アルコール摂取」であることは広く認められています。これまでの報告で、46歳以下のヘビースモーカー、ヘビードリンカーあるいは両者を嗜好する人は、飲酒・喫煙をしない人に比較して、それぞれ20倍、5倍。50倍、口腔ガンの発症リスクが増大することが明らかにされています。

口腔ガンがどのように発症するかについては、他の部位のガンと同様に、他段階発ガン(*)であることが示されています。すなわち、前ガン病変とされる「白板症」や「紅板症」を経て、ガンの発症に至ります。

(*)口腔ガンの他段階発ガンとは

正常口腔粘膜→上皮過形成→軽度上皮異形性症→中等度上皮異形性症→高度上皮異形性症→上皮内ガン→浸潤性ガンと進むこと。

転移

「ガン」の最大の特徴として「転移」があげられます。

この転移には「リンパ行性転移」と「血行性転移」があり、一般にリンパ行性転移は所属リンパ節への転移であり、血行性転移は肺や肝臓、骨などの他臓器への転移です。

口腔の所属リンパ節は頸部、すなわち首のリンパ節です。口腔ガンが発見された場合、頸部リンパ節転移があるかないかは、予後を大きく左右するので、ガンの診断と同様にリンパ節転移のい有無は慎重に検査(造影CT法、超音波検査法、MRI、PET-CTなど)されます。

その個人の「ガン」がリンパ行性転移や血行性転移を起こしやすいか否かは、ガン細胞を産生する因子、たとえば血管内皮細胞増殖因子(VFGF)や塩基性線維芽細胞増殖因子などの産生量によって決定されます。

ちなみに、1cm3 の「ガン」があれば24時間に100万個以上のガン細胞が血液系へ流れ込みますが、大部分のガン細胞は、血流内で受ける障害のため死滅します。このため、転移は多くの場合起こりません。

口腔ガンの治療

それでは、実際に口腔ガンが見つかった場合、どのような治療がなされるのでしょうか?

①外科的手術療法②放射線療法③抗ガン剤による化学療法が挙げられます。これらの治療法を単独あるいは併用(集学的治療法)して用いる事により、ガンの撲滅をはかります。

けれども口腔領域には、①話すこと②噛むこと③飲み込むこと④息をすることといった、人が生きていくために必要な機能が備わっているため、これらの機能を出来るだけ残した治療法(機能温存療法)の構築が研究・開発されています。

最近ガン治療におけるトピックとして、「分子標的治療法」が挙げられます。この治療法は、たとえば非小細胞肺ガンに対する上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤であるゲフェニチブや、大腸ガンに対する坑VEGF抗体であるアバスチンなどのように、ガンに特異的に高発現している分子のシグナルを遮断することにより、坑腫瘍効果を発揮させる治療法であり、次世代の化学療法の主役と目されています。

現在、分子標的治療法薬で口腔ガン治療に保険適用された薬剤はありませんが、今後の臨床研究・臨床試験により。適応できる分子標的治療薬を開発していきたいと思います。

参考文献 なるほど現代歯塾 徳島大学創立30周年記念出版 医歯薬出版

2008年1月24日 (木)

口腔ケアで命を救う

本日は東京都立駒込病院歯科口腔外科部長である茂木伸夫先生の著書「歯医者さんにかかると寿命が延びる」から予防の大切さについてお伝えします。

☆口腔ケアで命を救う

日本口腔ケア学会会長の鈴木俊夫先生のお話からですが、「8020運動で表彰された患者さんが体調が悪化して一時寝たきり状態になったため、介護認定を受け、訪問看護で栄養指導も受けるようになりました。患者さんは寝たきり状態になっても《歯磨きと歯石除去》を忘れずに訴え、家族から訪問歯科診療の要望により数回の訪問診療後、体調も好転し再び通院できるようになった。」そうです。

訪問歯科診療と訪問介護のケアの的確なコンビネーションが命を救ったのだと思います。

☆肺炎も降参、口腔ケア

重症な入院患者さんをお見舞いに行って少し話しを聞かされた時、患者さんの口の周辺に何か腐敗臭を感じた経験はございませんか。

おそらく、このアンモニア様のにおいが口のケアをしていないときににおいかと思います。

これは口を清潔に保ち、保湿などに気をつければ、におわなくなると思います。口のケアを怠りますと肺炎、ここ数年、言われています誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)になってしまうかもしれません。

誤嚥性肺炎というのは、本来気管に入ってはいけないもの、例えば食べ物の残りかすなどが気管に入り肺炎を起こすものです。

口や気道で繁殖していた細菌を含む唾液や分泌液や胃液などが気管に入り、その結果、肺炎を起こしてしまいます。誤嚥性肺炎を起こさないためにも、しっかりとした口腔ケア対策が必要であると思われます。

米山武義先生らは「要介護高齢者における2年間の肺炎発生率を調べ、要介護高齢者366名のうち182名の口腔ケアを受けなかった患者さん(平均年齢82歳)のうち34名(約19%)が肺炎を発症し、184名の口腔ケアを受けた患者さん(平均年齢82歳)のうち肺炎を発症したのは21名(11%)であった」と報告しています。

口腔ケアを行ったことでの肺炎発症率がかなり減少していることがわかりました。

☆口腔ケアでは免疫力アップ

中年のある患者さんが都立駒込病院に来院してきた時には、すでに多くの歯が重症の虫歯になっていまして、残せる歯は上顎の前歯2本だけでした。

結核で療養中に調子が悪くなり、歯も磨けなかったそうです。残り2本の歯は十分に大切にするように口腔清掃の歯を全部抜歯いたしまして、義歯を入れました。

今では何でも食べられると喜んでいます。早く歯医者さんに行けば良かったと言っていました。口腔ケアは、口の中の清掃だけでなく、きちんとものが噛めることが出来るまでケアしています。

参考文献 歯医者にかかると寿命が延びる 茂木伸夫著 愛育社出版

2008年1月23日 (水)

足をみて健康状態を知る

本日は、日本経済新聞平成19年11月25日分健康の面よりお届けいたします。

足をみて健康状態を知る

じわじわと生活習慣病に蝕まれる体の異変が、足から表れるケースがあります。普段見舞われたことのない痛みやむくみが続くようなら要注意。一度、専門家の診察を受けるのが良いでしょう。

☆痛み

散歩やゴルフなどの最中、大して疲れていないのに急にふくらはぎが痛くなり、立ち止まったり、しゃがみ込んだりした経験はないだろうか。2~3分じっとしていると歩けるようになるが、またしばらくすると痛みが襲ってくる。

こうした走行中に突然歩けなくなる状態を「間欠性跛行(はこう)」といい、五十代以降の中高年に多い足の動脈硬化症である閉塞(へいそく)性動脈硬化症の特徴的な症状です。

閉塞性動脈硬化症は下肢の動脈硬化で血液が流れにくくなるため、初期症状では足が冷たくなったり、しびれたりします。しかし、この段階で病気だと考える人は少ないです。多くの場合、間欠性跛行の症状が出るまで異変に気がつきません。

医療機関では血圧計を使って、検査します。足首の上の血圧(収縮期)を上腕の上の血圧で割った値が0.9以下だと、足の動脈硬化の疑いがあります。

血流が流れにくくなっている事が原因で、心臓よりも遠くなる足首の血圧が下がっているからです。

ただ、家庭用血圧計で足首の血圧を測るのは難しいです。間欠性跛行のほか「手足の冷えがつらい」「足の指の色がおかしい」などの症状に心当たりある人は、一度検査を受けるとよいでしょう。

東京医科大学の重松宏教授は「閉塞性動脈硬化症は全身の動脈硬化症の窓」と言います。患者は、脳や心臓の血管でも動脈硬化が進行していることが多いです。海外の追跡調査では、患者の約6割に足以外でも動脈硬化があったといいます。

「間欠性跛行の症状をもつ患者の5年生存率は約7割。乳ガンより悪く、大腸ガンと同じレベル。早めに気づいて専門医に診てもらってほしい」と重松教授はアドバイスします。

☆むくみ

立ち仕事が続いたり夜遅くまで働いたりすると足のむくみが気になります。いつもはふくらはぎがむくみますが、見慣れないところに症状が表れたら、腎臓や心臓などに異常があるかもしれません。

見分けるコツは「弁慶の泣きどころなど、日頃むくみにくいところをみる」(慶應大学医学部総合医科学研究センター井口教授)。

立ちっぱなしで重力の影響を受けて起こるむくみと違い、病気による可能性が高いです。足だけがむくむ場合は心臓に、手足両方がむくむ場合は腎臓に何らかの異常がある場合があります。

立った状態でふくらはぎの内側がみみず腫れのようになったら静脈瘤など静脈の疾患を抱えているかもしれません。靴下の跡がひどい場合や寝てもとれない時は特に注意しましょう。血管内の弁の機能が落ちてむくみやすくなり、倦怠感や歩くと痛む場合もあります。

静脈瘤は日本人の1~2割が抱えています。症状が軽いため見過ごすことが多いですが、長時間坐ったままでいると血栓が出来て、命にも関わる「エコノミークラス症候群」の危険因子。覚えておきましょう。

足は第二、第三の心臓といわれ、血液を心臓に戻す働きを担います。井口教授は「足は心臓や頭から一番遠い。その経路にある体の変化や血液などの循環が悪いと、影響を受けやすく症状がでやすい」と指摘します。

☆感覚がない

糖尿病になると知覚神経が侵されて鈍くなります。足を怪我しても気が付かなかったり、冬場にストーブに近づけて温めているつもりが分からずにやけどをしたりすることもあります。

糖尿病患者は体の免疫力が弱くなるため、傷の炎症がひどくなり腫れることが多いです。悪化すると静脈や動脈がつぶれて血液が届かなくなります。最悪の場合、壊死(えし)してしまいます。小さな傷でも見過ごせません。

糖尿病治療では足の健康が特に重要です。フットケア外来を持つ病院もあります。東京女子医大学糖尿病センターの新城講師は「糖尿病患者は特に足の状態を意識するようにしてほしい」と話します。(松田省吾さん 筆)

2008年1月22日 (火)

離乳食を食べ始める

本日は、金子芳洋先生、菊池武先生監修の「上手に食べるために~発達を理解した支援~からお届けいたします。

離乳食を食べ始める

☆離乳開始のサイン

離乳食は、「嘔吐反射が消えてきた」「ミルク以外の食物に興味を示すようになってきた」などのサインがみえたら開始しましょう。

「嘔吐反射」のあるうちは、自分の意思で口を動かすことが出来ないので、どんな食べ物が入ってきても、おっぱいを飲むときの動きしかできません。これでは本人もお母さんもストレスでいっぱいになってしまいます。生活のリズムという点では、離乳間隔が規則的に3~4時間あいている事も大切です。

また、内臓の機能が発達するのは、生後5ヶ月頃です。このことからも、早すぎる離乳は、消化不良やアレルギーの問題を引き起こすため注意が必要です。

急がず、慌てず、それぞれの赤ちゃんのペースで進めて行きましょう。

指しゃぶりは大切

離乳食がスタートすると、いろいろな硬さ、粘り気、形、味の食べ物が口の中に入ってくることになります。また、いままではお母さんやほ乳瓶の乳首が食器がわりだったわけですが、これからはいろいろな材質のスプーンやフォークなどを使うようになっていきます。それまでとは違う、様々な刺激が口やその周りに与えられるようになっていくので、そのための準備が必要です。

赤ちゃんは、生後2ヶ月くらいから、指しゃぶりなどによって、自分の口の周りにいろいろな刺激で触れられる経験を増やし、離乳の準備をしているのです。

食べる準備

おっぱいを飲むときには、お母さんに抱っこされて飲むことが多いですよね。離乳食になっても、はじめのうちはお母さんが抱っこして食べさせてあえてよいのですが、だんだんに赤ちゃん用の椅子に座ることに慣れさせ、坐って食べるようにしてきましょう。

椅子に座ってしっかりした姿勢を保つためには、首がすわっていることが大切です。また、首がすわっていることで、口や顎を上手に動かすことができます。

食具は、赤ちゃんが嫌がらない材質、形のスプーンを用意し、少しずつ慣れさせていきます。形の目安としては、スプーンのボール部(食べ物をのせるところ)の幅が、赤ちゃんの唇の幅より狭く、深さは浅めのほうが良いでしょう。赤ちゃんはまだ唇を閉じる力が弱いので、ボール部が大きくて深いと、なかなか食べ物を取り込めません。

食べ物の準備

味に慣れさせることから始めます。離乳食の開始は「嘔吐反射」が消えるサインが目安になりますが、味ならしは、果汁やだし汁などの薄味の液体をほ乳瓶から与えることで始めます。これは生後2~3ヶ月くらいから初めても良いでしょう。

ただし、「ほ乳反射」が消え、5~6ヶ月ころから実際の離乳食として与える場合には、ペースト状の食べ物からはじめていきます。

参考文献 上手に食べるために~発達を理解した支援~ 金子芳洋、菊池武監修 医歯薬出版

2008年1月21日 (月)

乳幼児の食生活Q&A

今回は池田市歯科医師会 母親Q&A検討委員会が作成した「すぐに役立つ歯育て支援Q&A」よりお届けいたします。

乳幼児の食生活に関するQ&A

Q1:甘いものは虫歯になると聞いたが、甘いものが好きなので、どうすれば良いですか?

甘いものだけでは虫歯にならないので、寝る前にきちんと歯を磨く、フッ素を使うなど、他のカリエスリスクとなる要因を減らし、甘いものを食べる時には、だらだら食べるのではなく、時間を決めて食べるようにしてください。

また、おやつの後、歯磨きをするかキシリトールガムを噛むなどすれば、虫歯のリスクを抑えることが出来ます。しかし、甘いものばかりを多量に摂ることは、全身の健康、発育のためにも望ましくないので、少しずつ減らすようにしましょう。

Q2:ノンカロリー(ノンシュガー)のスポーツドリンク、100%の野菜ジュース・果汁ジュースでも虫歯になりますか?

ノンシュガーであれば、虫歯にはなりませんが、100%野菜ジュースや果汁ジュースには果糖などが含まれており、虫歯の原因になります。砂糖、果糖、ブドウ糖の表示のある場合は、気を付けてください。

Q3:一切甘いものを食べたり、飲んだりしなければ虫歯にはなりませんか?

甘いものをまったく食べなければ虫歯は出来にくいと考えられますが、虫歯菌はパンやスナック菓子などからでも酸を産生しますので、注意が必要です。

Q4:チョコレートのカカオ成分は歯を虫歯にしないと聞いたのですが、本当ですか?

チョコレートの主成分であるカカオ豆に虫歯を予防する成分が含まれているようだということが分かってきました。

ポリフェノールと脂肪酸、タンニンなどが含まれており、これらが虫歯を抑える働きをしていると考えられています。しかし、チョコレートには砂糖が多く入っているため、虫歯に成りやすい商品といえます。

Q:寝る前に風邪薬のシロップを飲ませてそのまま寝るのですが、虫歯になりますか。

薬の甘み成分は砂糖が一般的です。短期間の場合は心配いりませんが、長期間続けていると虫歯の原因になると思われますので、気を付けてください

Q:寝る前にお茶を飲ませますが、夜中に虫歯になりやすいですか?

いいえ、お茶にはフッ素やポリフェノールが含まれているので、虫歯予防の一助になります。

参考文献 すぐに役立つ歯育て支援Q&A  池田市歯科医師会 母親Q&A検討委員会著 クインテッセンス出版

2008年1月20日 (日)

ついになくなった・・・・。

今住んでいる家は、1階が診療室で、2階が自宅なのです。

そのため、自宅ができあがったのが、開業と同じ時。当たり前といえば当たり前です。

自分の家を作る時に、設計士の大木さんにお願いしたのは、とにかく本棚をたくさん欲しいとお願いしました。

そのため、廊下に面する壁がすべて本棚になっています。自分の書斎の壁もすべて本棚。

今までは、本棚が少ないために、読み終わると友人にあげるか、古本屋に売っていました。今の家になってから、好きなだけ本が買えたので、とても幸せでした。

しかし、ついにその本棚が埋まってしまいました。

今は、学生の頃みたいに、丁寧に本を読んでいません。風呂にも持ち込むし、寝床にも本を持ち込みます。そのため、本は湿気を含んでバリバリになりますし、かなり表装も痛みます。ですから、あふれた本を本屋に売ることもできません。

今後は、買う本の数をセーブして、厳選して本を捨てるしかないのでしょうか。

今度の週末にでも本を片づけようと思います。

それとも、医院の待合室に「ご自由に持っていってください」とかいて置いておくかな・・・・。

2008年1月19日 (土)

歩けばやせる?

本日は、日本経済新聞 平成19年10月28日分の【健康】のページからお届けいたします。

歩けばやせる?

減量のために歩く人は多いが、本当にやせるのだろうか?

答えは「やせる人もいる」が「やせない人もいる」。

肥満とは体脂肪率がある一定基準以上に多いことを示します。一般的には、体重(㌔)を身長(㍍)で二回割って算出する体格指数(BMI)で判断します。

日本では25以上が肥満です。肥満といっても、体脂肪の多い人も少ない人もいます。骨太で体脂肪の少ない太った人は歩いてもやせません。

体重の増減は脂肪の分布にも関係しています。脂肪には内臓脂肪と皮下脂肪の二種類あり、内臓脂肪はウォーキングで減りやすい反面、歩かないとすぐ増えます。皮下脂肪は増加しにくいですが、一度増えると歩いてもなかなか落ちません。

肥満を内臓脂肪を主体とする内臓脂肪型、皮下脂肪を主体とする皮下脂肪型、両方多い混合型とに分類しています。

内臓脂肪型と混合型が生活習慣病と深い関連があり、内蔵型脂肪の蓄積に高血圧、高血糖、脂肪異常を伴った状態をメタボリック症候群と呼びます。

皮下脂肪型と混合型の見分け方は、肥満に高血圧か高血糖、脂質異常があるかどうかで判断、一つでも合併しているときを混合型とします。

内臓脂肪型と混合脂肪型の見分け方は、腹囲が基準(男性85センチ、女性90センチ)以上で、普通体重が軽度の肥満の場合を内臓脂肪型、かなり太っている場合を混合型といいます。

内臓脂肪型は中高年では過食というより長年に渡って日常生活で歩かない事が主の原因です。ライフスタイル・ウォーキングを習慣化出来ると歩数の増加に応じて検査値は安易に改善してきます。

皮下脂肪型は病気という観点から見ると特に減量する必要はありません。ウォーキングだけでは消費エネルギーが少なく、減量には結びつかないのです。食事制限が必要です。

混合型では「一に運動、二に食事」というように歩くことが第一。内臓脂肪が減少出来れば皮下脂肪(体重)はそんなに減らなくても検査値は改善します。ただ、改善が少ない場合や短期間で急に太った場合は食事制限も追加して減量することも大切です。(日本ウォーキング協会副会長 泉さん)

2008年1月18日 (金)

口呼吸が免疫システムを乱す

本日は、西原克成先生の「これだけでは病気にならない 顔と口の医学」の中からお届けいたします。

口呼吸が免疫システムを乱す

呼吸には内呼吸と外呼吸があります。肺で血液のガス交換を行うのが外呼吸であり、細胞内で行われるエネルギー代謝が内呼吸です。

そして、外呼吸と内呼吸を取り持つのが血液とリンパ液であり、血液とリンパ液は心臓循環系におよって全身をめぐります。

人には他の哺乳動物にはない、「口呼吸が可能」という構造的な欠陥があります。口呼吸では、扁桃リンパ輪が乾燥してカビが生えたような状態になり、症状のないまま扁桃組織にウィルスや毒性のない常在菌が棲みついてしまいます。

扁桃リンパ輪に棲みついたウィルスや常在菌は、リンパ濾胞(りんぱろほう リンパ節においてT細胞やB細胞がそれぞれ集合して形成している細胞集団)のM細胞から、とめどなく白血球に取り込まれます。

リンパ濾胞内で産生される抗体のIgAは、分泌先の唾液と鼻水と涙が口呼吸で涸れてしまうと行き場を失ってしまいます。そこでIgAは、リンパ液を経て血液中に入り込み、腎臓のミトコンドリアに達し、これを破壊します。これによって「IgA腎症(ネフローゼ)」を発症するといわれています。

口呼吸の習癖を持っていて、浅い呼吸をし、冷たいもの中毒で腸を冷やすと、すぐに循環系が障害されます。その結果、全身の細胞で行われている内呼吸の主役であるミトコンドリアの働きが阻害されます。同じ遺伝子を持つ60兆の個々の細胞は、もともと一つの細胞で生きている原生動物とまったく同じシステムで生きており、なおかつその60兆の細胞が協同して一個体を形成して原生動物を同じように生きているので、外呼吸が直接内呼吸に影響医するのです。

口呼吸による典型的な慢性疲労

外呼吸が循環系をどのように障害し、それがさらに肺や腸、脳、膵臓、生殖器にいたるまでの全身にいかに障害を及ぼすかの症例をしましましょう。

激しいめまいがするといって受診した50歳代の男性の医師がいました。既往歴として、心筋梗塞、潰瘍性大腸炎、じんま疹、不眠、慢性疲労、筋肉痛などがありました。

体温を測ると、35.5度しかありませんでした。口呼吸と冷たい物中毒と骨休め不足の結果です。

そこで、口呼吸を鼻呼吸に矯正するトレーニングを行うとともに、ノーズリフト(呼吸をしやすくする装置)を使用し、鼻呼吸体操で横隔膜呼吸を施行し、さらには体を温めすようにすると、めまい症状もじんま疹に治まり、体温も正常に戻りました。

しかし、デパートで長時間の買い物をする程度で下痢をしたり、心肺に不調が生じたりするというので、血液を観察しました。

今日では、採血を3000倍ほどに拡大して血液の状態を観察することが出来ます。すると、血球は凝集して重層をなしており、完全な酸欠状態でした。

口呼吸の名残で、喉に炎症が残っているのです。そこでさらに全身を温め、人工太陽光線を照射し、鼻呼吸体操をして、再び血液検査をしました。しかし、改善はほとんど見られませんでした。

これは、長年口呼吸と冷たいもの中毒と骨休め不足による過剰な重力作用のせいで、心臓の筋肉と、肺胞の上皮と間質細胞が腸の常在菌ですっかり汚染されていて、数ヶ月の鼻呼吸体操と保温では心肺の細胞内感染が治っていなかったことを意味します。

鼻呼吸体操で肺が酸素を吸収しても、肺胞の細胞に感染している好気性菌が酸素と栄養を横取りしてしまうので、赤血球に酸素が行きわたらないのです。心筋も細胞内感染をしているので、重い物を持ったり、長時間歩いたりすると、心臓が酸欠状態になって痙攣するのです。

そこで、この患者さんには、100%の酸素吸入を行い、外呼吸を活性化させるために20万倍に希釈したアドレナリン2リットルを粘膜下に注入し、同時に副作用のない抗生物質を点滴投与しました。

この治療によって、にわかに元気を回復し、「この20年間は体調不良で空腹感を思えなかったのに空腹を自覚するようになり、若い頃のように力がみなぎってきました」と行っていました。

この患者さんは、かつて、体力に自身のあるスポーツマンだったそうです。この症例は、こういうタイプの人が、超多忙、口呼吸、冷たいもの中毒によって陥る慢性疲労の典型です。

酸素吸入とアドレナリン注入後に血液検査をしたところ、血液内の酸欠状態はすっかり解消していました。

参考文献 これだけでは病気にならない 顔と口の医学 西原克成著 祥伝社新書

2008年1月17日 (木)

まああ、これも親ばかなのでしょうね

先日の連休に、昨年末生まれた娘が妻の実家より戻りました。

年末年始、体調不良のため、ろくに外出も出来ず、ほとんど会いにも行けなかったので、再開は本当に久しぶりでした。

しかし、乳児というのは、本当に不思議です。

一日何時間でも寝ていますし、動作が反射のみなので、予測不可能です。小さい手のひらに物を乗せると、ぎゅっと握りますし、口にほ乳瓶を当てると吸い始めます。

手足はまだ自然に動かせないのか、伸び縮みを繰り替すばかり。でも、目を覚ますと、大人と同じように両手を上に挙げ、しっかりと伸びをします。ますます不思議。

しかし、私は親なので、その動作どれもが安心と愛嬌に満ち満ちている感じです。

うんちをすれば、「あ~しっかりと腸の働きが出来ているね」とか、しゃっくりが出れば、「こんなに小さいのに、ちゃんと横隔膜の痙攣が起きているんだ」とか、薄目で眼球を動かしていたりすると、「まだ、人生経験が少ないのに、しっかり夢をみているのだな」と小さな動作に一喜一憂です。

まだまだ人生始まったばかりですが、小さい我が子に教わることは多そうです。

2008年1月16日 (水)

職人気質

私が開業して、今年で5年目になろうとしています。

私が開業する際に頭にイメージしていた歯科医院というのは、表側と裏側のある仕事場だということでした。

もちろん表側は診療するところ、裏側は技工物を作るところということです。

ほとんどの歯科医院は、技工室のない表だけの感じだと思います。なぜなら、技工物を作る歯科技工所が必ず近所にありますし、必要ありません。

私のお爺ちゃんや父がやっていた歯科医院は、技工所が一緒にあって、必ず、技工物を院内で作っていました。小さい頃から技工物を作るところを見ながら育ちましたので、どうしても技工所のない歯科医院といのがイメージ出来なかったのです。

で、実際に技工所を併設させてみての感想ですが、大正解でした。

まず、技工に対するストレスがまったくありません。作って欲しいものをとことん追求できますし、治療をやり直すときも、技工代がかかりませんので、すぐに壊して治療に専念できます。

それに、技工士さんを見ているのが好きなんです。その道のプロというか、職人気質というか、こだわって技工物を作っている姿に惹かれます。

今までは、私の技工机をあったのですが、今年に入って新しい技工士さんが入ってしまったので、私の技工机がなくなってしまいました。

もうすこし大きい技工室を作れば良かったと後悔しています。

2008年1月15日 (火)

口から始めるアンチエイジング5

昨日の続きです。

抗酸化物質の効能

さまざまな抗酸化物質は健康補助食品としてだけではなく、これを配合した美容的効果を謳った化粧品も多く出回っているので、とりわけ女性に人気があるようです。

特にコエンザイムQ10はもともと心臓病の治療薬として認可されていたもので、強力な抗酸化物質としてフリーラジカルの除去作用を持っていることが数多く報告されたいます。

コエンザイムQ10は、私たち人間の体の細胞の総てに存在しています。人間の体内で生合成され、また少量とはいえ、魚介類など多くの食品からも摂取することができます。

コエンザイムQ10が重要なのは、ミトコンドリア内でエネルギーの生産に関わる補酵素として働くなど、私たちが健康に生きていくうえで必要不可欠なものだからです。しかし、残念なことに、コエンザイムQ10は肝臓や心臓、肺などの臓器の中では、年齢を重ねると減少してしまいます。

年を取るとともに、抗酸化作用のあるコエンザイムQ10が減少するということは、活性酵素などのフリーラジカルを除去する働きが弱まるということです。となると、フリーラジカルの攻撃にさらされやすくなるわけですから、老化のスピードが速まる事になります。

このような事から、個人差はありますが目安として1日100ミリグラム程度のコエンザイムQ10の摂取を推奨します。コエンザイムQ10はイワシやサバなどの青魚や牛肉などの食品にも含まれますが、その量は決して多くはありません。

30ミリグラムのコエンザイムQ10を摂るためには、イワシなら6匹、牛肉なら950グラムも食べなければならない計算になります。必要な量を食事から摂取しようとすれば、必然的にカロリーオーバーになってしまうわけです。そういう理由もあって、サプリメントとして採取するほうがいいと考えられています。

歯科医として私が抗酸化物質に注目しているもう一つの理由は、歯周病に対する予防効果も認められているからです。アメリカではいろいろな抗酸化物質入りの歯磨き粉が売られている程です。

コエンザイムQ10を利用して口腔機能の維持や改善に役立てたいということで、私たちは現在、コエンザイムQ10入りのチューイングガムの臨床研究を行っているところです。錠剤を服用する形ではなく、ガムのように噛んでサプリメントを摂取する方法は、吸収率が優れているというメリットがあります。

ビタミンCを配合したガムに関する研究を例としてあげましょう。

ビタミンCは100ミリグラムを配合したガムと錠剤では、どちらが摂取後に血中のビタミンC濃度が高くなるかを比較したところ、ガムによる摂取のほうが高いことが分かったのです。また、同じ量のビタミンCでも、一度に摂取するより、時間をあけて分割で摂取したほうが吸収率が良いことも明らかになりました。

サプリメントを錠剤やカプセルの形で摂ると、消化管内を移動するにしたがって吸収率が低下することがわかっています。ビタミンCは調理の際の加熱によって破壊されることも知られています。

また、カボチャやキュウリなど他の食品に含まれる成分によってビタミンCが破壊されることもあります。しかし、ビタミンCをガムに含ませて噛めば、口腔粘膜から成分を吸収させる事になり、吸収率の低下や他の食品による破壊などのデメリットがありません。

もともと、口腔粘膜は吸収率が高いことで知られています。そのため、口腔粘膜によるドラッグデリバリー・システム、つまり薬をすぐに体内に迅速に効果を発揮させる性質を利用した薬剤も多いのです。

たとえば、狭心症など心臓疾患のある人がニトログリセリンを舌下錠として服用していますが、飲み薬のように飲み込まずに舌の下に入れて使用するものは、口腔粘膜からすぐに吸収されるからです。

ニトログリセリンをごくんと飲んでいたら、肝臓で代謝されて体の中をぐるっと回っている間に心臓発作が起きて死に至る、ということもあり得るでしょう。すぐに薬の効果が表れる舌下錠だからこそ、患者さんも安心して使用出来るのです。

禁煙したいと望んでいる人達を対象とした、ニコチンを含んだガムも同様です。口腔粘膜のh下にある毛細血管からダイレクトにニコチンが入り、すぐにニコチンが体内に回るため、タバコを吸いたいという気持ちが抑えられる効果があると言われています。

これらの事を考えると、抗酸化物質入りガムは、錠剤よりも優れているといえるでしょう。もちろん、ガムですから、噛むことによって唾液の分泌も促されるはずです。その点でも十分なメリットがあるのです。

参考文献 「現代病」ドライマウスを治す  斉藤一郎著 講談社

2008年1月14日 (月)

口から始めるアンチエイジング4

昨日の続きです。

唾液分泌の促進を

ここで、鶴見大学歯学部付属病院アンチエイジング専門外来における取り組みの内容を踏まえて、アンチエイジングに対してどのような歯科的アプローチが可能か見ていきましょう。

老化対策としてまず考えたいのは、「唾液分泌の促進です」。

唾液に含まれる様々な成分が、脳や体の老化を防止したり、細胞を活性化したりすることは、すでに述べたとおりです。さらに、外部からの病原菌の侵入を防ぐ抗菌作用や、粘膜を修復する作用、あるいは歯の再石灰化を促す作用など、人間の体をトータルにケアしている唾液ですから、全身のアンチエイジングには欠かせない要素と言えます。

唾液の分泌を良くする方法についてはすでに述べましたが、病気や機能的な障害がない限りは、基本的にはよく噛むことで唾液の分泌量が増えるはずです。唾液は単なる水分ではないということをよく理解して、普段の生活の中で唾液をよく出すように心がけたいと思います。

アンチエイジングに対する次の取り組みは、「筋機能療法による顔面・口腔周囲筋のトレーニング」です。

口の周りの筋肉が衰えることによって咀嚼筋が弱まり、それによって唾液の分泌量が減少し、脳の働きや体の筋力も低下するわけですから、口腔の周りにある筋肉のトレーニングが重要になります。

顔の表面に表れるシワやたるみも、口腔周囲筋や表情筋を鍛えることによって改善することができます。見た目の若さも大切ですから、トレーニングも日常的に習慣づけることが大切です。

サプリメントを取り入れる

次ぎに、「坑酸化物質の口腔粘膜からの採取」がアンチエイジング対策としてあげられます。簡単に言えば、サプリメントを採取して老化に対抗しようというものです。

アンチエイジング医学の普及・啓発を行っている日本坑加齢医学学会では、アンチエイジングの実施として、サプリメントを「第三のステップ」と位置づけています。

「第一のステップ」はライフスタイルの改善によって生活習慣病の改善を図ることです。生活習慣病の改善なくして若返えいは望めませんから、これが最も重要なポイントになります。参考までに、ライフスタイルの改善・チェック項目も挙げておきましょう。

・ライフスタイルの改善~チェック項目

【呼吸に注意を払う】

体に十分な酸素を取り入れるように心がける。出来れば、簡単なものでいいから本などをみて呼吸法を実施

【水をよく飲む】

一日に体重の30分の1の水を飲むようにする

【食事に注意を払う】

高タンパク、高ファイバーを心がけ、「グラセミックインデックス=GI値(その食物が血糖値を上げる高さの指標)」に注意を払った食事を実施する。なるべく血糖値を上げない食物をとるのが理想的です。(GI値60以上の食品はなるべく避けるか、食事の後半に食べましょう。なお、話題のインスリンダイエットはこの理論が基になっています。)

【運動を生活に組み込む】

ストレッチ、エアロビクス、筋力トレーニングの三つのプログラムを生活の中に取り入れる

【快適快眠を心がける】

一日に7~8時間を目安に質の高い睡眠を心がける

【ステレスマネジメント】

自分なりのストレスマネジメントを考え、笑いを増やし、快適な生活を選択する

そして、最後の「第三のステップ」に、サプリメントが来ます。最初からサプリメントに頼るのではなく、正しい知識を得て栄養や運動に配慮し、次ぎに生活習慣を正し、そのうえで体に足りないものを取り入れる、という考え方から三番目のステップになっているわけです。

アンチエイジングのための代表的なサプリメントには、「抗酸化作用」と「免疫賦活作用」を持つビタミンやミネラルなどがあります。

抗酸化作用とは、活性酵素の害から体を守ってくれる作用のことです。発生した活性酵素を捕捉し、安定させる防御機構として注目されているサプリメントとしては、ビタミンA(βカロテン)、ビタミンC(フリーラジカルを捕捉)、ビタミンE、コエンザイムQ10などが挙げられます。

抗酸化作用以外にも、ビタミンAは皮膚や粘膜を健康に保ち、ビタミンCは、コラーゲンの生成に不可欠とされ、筋肉、血管、皮膚、骨を強化し、ビタミンEは細胞膜を健全に保つとされています。

実は、唾液の専門家としては、この抗酸化物質に非常に注目しているのです。

明日へ続きます。

     

参考文献 「現代病」ドライマウスを治す  斉藤一郎著 講談社

2008年1月13日 (日)

口から始めるアンチエイジング3

昨日の続きです。

老化を促進するフリーラジカル

フリーラジカルは酵素だけではありません。例えば、大気汚染やタバコの煙などで問題になっている一酸化窒素(NO)もフリーラジカルの仲間です。また、放射線や紫外線、次亜塩素酸などもふくまれます。

これまでの説明で、ほとんどの人は「フリーラジカルは恐ろしい」という印象を抱きます。しかし、強い毒性を利用して、フリーラジカルを医療や日常の生活に役立てている面もあります。

例えば、放射線はガン治療に紫外線は殺菌灯に、次亜塩素酸はプールや歯科治療の際の消毒剤に、その殺菌作用が利用されています。有害なものを利用する人間の知恵といえるでしょう。

ところで、何の抵抗もせずに人間の体が活性酵素による攻撃を受けているのかというと、そうではありません。活性酵素の害から体を守る「酵素防御機構」というシステムが備わっているのです。その役割を担っているのは、細胞内にあるミトコンドリアです。

ミトコンドリアはそれ自身の中で、食べ物に含まれている水素と、呼吸によって体内に取り入れた酵素を使ってエネルギーを生産しています。その過程ですべての酵素を使い切れば問題ありません。ところが、数%の酵素はどうしても漏れだし、それが活性酵素となると考えられています。

もっとも、漏れだした活性酵素を捕まえるシステムも、体には備わっています。「フリーラジカルスカベンジャー」という坑酸化物による酸化防御機構です。

フリーラジカルスカベンジャーには、SOD(スーパーオキシドディスメーターゼ)、CAT(カタラーゼ)、GPO(グルタチオンペルオキシターゼ)といった抗酸化酵素やビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどがあります。

これらのフリーラジカルスカベンジャーは、スカベンジャー(掃除人)という名の通り、活性酵素の発生を抑えたり、すでに発生した活性酵素を消去したりする掃除人としての役目を担っているわけです。

こうした酸化防御機構がきちんと働いていれば体も酸化せず、したがって老化も進まないはずですが、実際には何らかの理由でフリーラジカルスカベンジャーの働きが弱まり、そのために体のあちこちが痛み始め、老化が進むと考えられています。

また、ミトコンドリアは細胞のDNAとは異なるDNAを持っています。現在はDNAの変異が老化の主因であるという説も有力視されています。それを裏付けるように、人為的にミトコンドリアDNAを操作したマウスは、そうでないマウスよりも明らかに寿命が短くなることが発表されています。これによって、DNAの変異が老化スピードを速めたと考える事が出来るわけです。

余談ですが、私たち人間の細胞はそれぞれDNAをもっていますが、細胞内にいるミトコンドリアも自分自身のDNAを持っているというのは不思議な感じがするのではないでしょうか。実は、ミトコンドリアは、もともと別の生命体の細胞内に入り込んで寄生した細菌だったと考えられています。

いずれにしても、ミトコンドリアは体に取り入れた酵素を取り扱っているのですから、体の酸化(老化)と深い関係があることは間違いありません。

そこで生じた活性酵素を始めとするフリーラジカルが、老化を考えるうえで重要なポイントになると言うわけです。

明日へ続きます。

参考文献 「現代病」ドライマウスを治す  斉藤一郎著 講談社

2008年1月12日 (土)

口から始めるアンチエイジング2

昨日の続きです。

本日も、斉藤教授の著書からお届けいたします。

老化のプロセス

老化のプロセスを見てみましょう。

私たち人間の体は、約60兆個の細胞で構成されています。目も、耳も、口も、手足も、すべて細胞から出来ていますが、細胞は分裂を繰り返しながら増殖しています。

細胞を構成する細胞膜や核などは、常に外部からの障害を受け傷つけられていますが、傷付けられながらも、多くの細胞は本来備わっている防御機構が働いてちゃんといけるわけです。

しかし、その防御機構は完全なものではありません。

中には重い障害を受けてしまう細胞もあります。障害を受けた細胞が年を取るとともに蓄積してしまうと、全身の機能にも悪影響を及ぼします。こうしたプロセスが進行することで、人間は老化していくのです。

このあたりの事を、もう少し詳しく見てみましょう。

現在、老化を促進する主因に「フリーラジカル説」が考えられます。フリーラジカルとは「不対電子」のことで、不安定な状態でも対になろうとするための反応性が強く、ラジカル(過激)な働きにより、近くにある物質とすぐに結合する習性があります。

私たちの一番身近にあるフリーラジカルは、酵素です。

大気中の酵素は不対電子を二個持っていて、それ自身は比較的安定しているのですが、生体内に取り込まれると、「活性酵素」に変化します。

よく、フリーラジカルを活性酵素と同じものと考える人がいますが、実際にはフリーラジカルの一つに活性酵素がある、ということになります。

酵素が体の中に入って活性酵素になると、いったいどんなことが起こるのでしょうか。

鉄が時間の経過とともに錆びたり、切ったリンゴを放置すると変色したり、使い古した油が黒く変色したりします。これらは酸化減少によるものです。これと同じ事が人間の体の中でも起こっているのです。細胞や組織を構成する核酸、タンパク質、糖質、脂質も、時間の経過とともに酸化し、劣化します。

酵素は私たち人間にとって必要不可欠である反面、体内では有害な生成物を発生させるのです。

人間のように、エネルギー生産に酵素を必要とする生物は、必然的に活性酵素を生じてしまいます。こうして肉体が酸化されていくのです。この世に生を受けた瞬間から休むことなく進行し、体の構成部分を酸化し、劣化させ続けています。

さらに、活性酵素はDNAを徐々に劣化させ、生活習慣病を始めとする多種多様の病気を発生させてしまいます。というのも、活性酵素は単独でも共同でも、あるいは相互反応によっても、体内のタンパク質、脂質、核酸、酵素などを攻撃するするからです。

特に著名なのは、細胞膜に対する攻撃です。細胞の一番外側にある細胞膜は、細胞と細胞を仕切っていますが、役割はそれだけではありません。

細胞間の情報伝達という重要な役割を持っています。つまり、外からの情報を受けて細胞内に伝えるというインターフェースとしての役割を担っているのです。また、生理活性物質の素材や酵素としての機能も持ち合わせています。

こうしてみると、細胞膜は単なる膜ではないことが分かります。「生命が誕生したときに最初に必要だったのが細胞膜」と言われるぐらい、重要な働きをしているのです。

細胞膜は不飽和脂肪酸で構成されますが、フリーラジカルによって簡単に攻撃されてしまい、毒性の強い過酸化脂質を生成してしまいます。

したがって、フリーラジカルによる攻撃は膜構造の破壊だけではなく、そこで働く受容体の機能にも障害を与えるわけです。

明日へ続きます。

参考文献 「現代病」ドライマウスを治す  斉藤一郎著 講談社

2008年1月11日 (金)

口から始めるアンチエイジング1

本日は、鶴見歯科大学教授で、ドライマウスを研究なされている斉藤一郎先生の著書「現代病ドライマウスを治す」からお届けいたします。

口から始めるアンチエイジング

鶴見歯科大学付属病院のドライマウス専門外来にいらっしゃった2000人を超える患者さんを診察する中で、非常に興味深い事実が浮かび上がったので、述べておきましょう。

ドライマウスの患者さんの中で、シェーグレン症候群などの病気で唾液腺が完全に破壊されているケースは全体のわずか8%であり、残りの92%は唾液腺そのものは正常なのにうまく機能していない、ということが明らかになったのです。

さらに、ドライマウスによって分泌量が少なくなっている患者さんの唾液はフリーラジカル(不対電子)のレベルが高く、唾液の分泌量が正常な人はフリーラジカルのレベルが低い、問いいうことも分かりました。

つまり、フリーラジカルによる唾液腺の機能不全がドライマウスの直接的な原因となっていると考えることが出来るのです。したがって、フリーラジカルを除去することが出来れば、ドライマウスも改善されると予測出来る訳です。

さらには、フリーラジカルが関与しているさまざまな生活習慣病も予測・改善できるでしょう。

それだけではありません。フリーラジカルは老化を促進させる主因とされていますから、フリーラジカルを除去することによって、若さを維持したり取り戻したりすることも可能になるはずです。

唾液には老化の元凶となるフリーラジカルを分解・除去する成分が含まれていることは明らかです。良く噛んで、唾液の分泌量を増やすことが老化の防止や若返りといったアンチエイジングに繋がるわけです。

アンチエイジング歯科医学

一般に、人は歯が抜け始め、義歯を装着するようになると、とたんにQOL(生活の質)が落ちてしまいます。

いうまでもなく、口は、食べる・味わう・飲む・話すといった人間の根本的欲求を司る器官です。したがって、口の機能が落ちると、とたんにエイジング(老化)のスピードが速まってしまうのは明らかです。

口の機能や唾液は、医療の最前線で大きな注目を集めています。というのも、唾液には若さを保ち老化を防ぐ物資が含まれていることが明らかになり、また、「噛む」という行為そのものが脳細胞を活性化させることも分かって来たからです。

つまり、「口の働き」は「老化」と密接に繋がりがあることから、予防医学の中心を担うアンチエイジング医学の観点からも盛んに研究が進められているのです。

予防医学は、医療体制崩壊の危機に瀕している現在の日本では特に重視されています。病気を治すことも重要ですが、病気にならないように予防することはさらに大事なことであり、健康で生産的な老後を送れる人口が増えることは、そのまま社会における経済の活力にも繋がるからです。

病気にならないこと-これは、そのままアンチエイジングに繋がります。そのためにはやはり心身の状態を把握することが重要課題となります。

心身の状態を踏まえてライフスタイルの変更や改善を促していくというのが、アンチエイジング医学の核となる部分といえます。

アンチエイジングに対して、歯科ではどのようなアプローチが可能でしょうか。ここでは、歯科医学がどのようにアンチエイジングに取り組んでいるか、その実態を知っていただくために、私が所属する鶴見歯科大学歯学部における取り組み方を例に挙げてご説明しましょう。

鶴見歯科大学歯学部付属病院の専門外来では、ドライマウス、口臭、摂食・嚥下リハビリテーション、白くて美しい歯外来に続き、2005年7月にアンチエイジング外来を開設し、医科と同様の検査や対処法とともに、歯科独自の対応も行っております。

取り組みの内容は、「唾液分泌の促進」「抗酸化物の口腔粘膜からの摂取」「筋機能療法による顔面・口腔周囲筋のトレーニング」「医科と歯科の連携による坑加齢医学の実践」と、大きく6つに分けることができます。

私たちは、根拠のない医療を行うことはありません。これは、現在の医療の主流となっているEMBの考え方にも通じています。

EMBとは「エビデンス・ベイスド・メディシン」のことで、日本語に訳すと、「科学的根拠に基づいた医療を行うこと」です。

EBM における「科学的根拠」とは、科学的証明力の高い情報の事をいいます。特に臨床的なエビデンスとは、「特定の偏りのない方法で、人を対象として行われた臨床データを、適切な方法で統計学的に分析して得られた結果」と言うことになります。

ですから、研究室レベルの実験によって得られたデータをもとにあくまでも実際の臨床の現場で検証し、そこで得られたデータを解析することで効果があるかどうかを判定します。

当然、検討する症例数が多ければ多いほど、その結果の信頼度は高くなります。わかりやすく言えば、実際にたくさんの人に効果が認められる療法なら、他の患者さんのにもその効果が期待出来るということになります。

明日へ続きます。

参考文献 「現代病」ドライマウスを治す  斉藤一郎著 講談社 

2008年1月10日 (木)

味覚を育て本物志向に

本日は、平成19年11月4日に福島民報に掲載されたミシュランの一つ星を獲得した中村勝弘さんの寄稿文です。

味覚を育て本物志向に

「飽食の時代」と言われて久しく、「食べる」ことへの関心は低下しています。しかし、このような時代だからこそ、本物の味を知り、正しい食習慣を身につける必要があるのです。

私たちは「食べ物に関する感謝の気持ちを自然に持ち、味覚を育てることが食育」と考え、十歳前後の子供達を対象にした活動を続けています。

フランス農務省から農事功労賞を受賞した料理や教育など各分野の専門家が集まった私たちの「フランス農事功労者協会(MOMAJ)は今年、東京ガスなどと協力して半年間、毎月一回の味覚教室を実施しました。

実はフランスは1970年代から国を挙げて子供に対する味覚教育に取り組んでおり、私たちはその第一人者であるジャク・ピュイゼ教授の手法を基本に、日本の風土に合わせたカリキュラムを作成しました。

具体的には私が先生になり、小学生に甘みや苦みをいった味覚や、加熱で素材の味がどのように変化するかなどを体験してもらいました。

さらに野菜や魚、肉などがどのような経路をたどって食卓に届くかなどを勉強したり、農場を見学し、その場で収穫した野菜を使って一緒にカレーを作ったりもしました。

とはいえ、今回はあくまでも試行であり、この経験を基に全国のMOMAJ会員が取り組めるようなテキストを作成する事を考えています。

食育には、栄養上のバランスに注目したり、肉や野菜がどのように作られるかを紹介したりするなど、さまざまな取り組み方があります。その中でも、味覚を磨き、正しい食習慣を体得することは非常に重要なポイントとなります。

しかし、偏食や過食など誤った食習慣を送っている人は少なくありません。これを防ぐには子供の頃から本物の味を知り、食習慣を含めた正しいマナーを身につけることが一番なのです。

例えば、さまざまな化学調味料を使ったり、素材の味を隠してしまうような濃い味付けは、刺激が強いだけに一度慣れ親しんでしまうと、なかなか抜けだすことは出来ません。

こうした味に慣れ親しむ前に、卵と酢だけで作ったマヨネーズや、季節ごとの素材の素晴らしい味を知ることが大切となります。

そしてその過程で、料理を作ってくれる人や食材そのものなどに対する感謝の心が自然に育ってくるはずです。もちろん、このような取り組みは私たち達でけでなく、家庭の参加が不可欠です。小さなころの体験は一生を左右します。そのことを忘れないでください。(MOMAJ食育担当理事)

2008年1月 9日 (水)

咳は口に・・・なぜ?

本日は、松矢・古郷両先生の著書「のどちんこの話」よりお届けいたします。

咳(せき)は「くしゃみ」ほどすっきりした気分になりません。

風邪を引いて「ゴホンゴホン」と連続して出るものから、人前でわざとらしい空咳もあります。

一般に咳は気管・気管支または咽頭などの粘膜への刺激により、反射的に起こるものです。咳はくしゃみのように短く痙攣的に息を吸うことはなく、突然「ゴホン」と出たり、あるいは連続した咳では大きく息を吸って「ゴホンゴホン」とやっています。

ところで、口をしっかり閉じて咳をしようと思うと、なかなか大変です。普通は口を閉じては咳は出ません。しかし、不思議に思うのは、気管や気管支から放出された粘液や異物は、口から出ても鼻から出てもどちらからでも良いように思うのですが、なぜ口から出なければならないのかということでしょう。

気管・気管支あるいは咽頭の粘液や異物を排出させるためには、これらの部位での呼気のスピードが速くなければならないということは想像のつくことです。

そこで、声門を閉じて内肋間筋の収縮で声門下での呼気圧を上昇させ、一気に声門を解放して呼気を排出させているのが咳なのです。ですからすっきりしないときは、意識的に咳をして異物などを排出させることが出来るのです。

声門を閉じる筋肉は後筋以外の内咽頭筋の働きであって、これらの筋肉が働くと「くしゃみ」とは反対に「のどちんこ」が挙上させられる(促進する)のかというと、実はそのような反射作用は存在しないのです。

犬を用いた実験で、声帯を閉じる筋肉が働かなくなっても、声門下圧(声門下での空気の圧力)が上昇すると「のどちんこ(軟口蓋)」が挙上するという反射が、脳幹を介して声門下粘膜の圧力センサーと軟口蓋との間に存在することが明らかになっています。

すなわち、咳では「のどちんこ」から鼻への通路を遮断した状態で、口にのみ勢いよく呼気が出る仕掛けとなっているので、口を閉じて鼻では咳は出来ないのです。

ところで、咳では声門を十分に開大していないし、勢いよく呼気が通過するので、その際に「ゴホン」という声が出るのは仕方がないことで、下品でも何でもないことです。

参考文献 のどちんこの話 松矢篤三 古郷幹彦著 医歯薬出版

2008年1月 8日 (火)

種実は天然のサプリメント

本日は、日本経済新聞2007年12月1日に掲載された「医食同源」からお届けいたします。

種実は天然のサプリメント

種実類は中国では古くから不老長寿食、千人食とも言われてきました。

それはコンパクトに詰まった栄養素からみると木の実は二つのタイプがあります。一つは炭水化物を多く含むくりやぎんなんなど、もう一つはタンパク質と脂肪、ビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含むアーモンド、カシューナッツ、くるみ、松の実、落花生などです。

若々しく元気を保ち、健康を維持するのには、後者のタイプをおすすめいたします。

タンパク質と脂肪を多く含む種実は、高血圧を予防するカリウム、骨を丈夫にしたり、心筋梗塞のような心臓病を防いだりするカルシウム、マグネシウムを含有。貧血を防ぐ鉄、味覚障害を抑える亜鉛、強い坑酸化力があり、活性酵素を消化するビタミンE、炭水化物などの代謝を促すビタミンB1、B2、便秘を防ぐ食物繊維も豊富です。

種実には脂肪が多いので、エネルギーが高く、メタボリックシンドロームの原因になるのではと思う人もいますが、心配は無用です。

種実の脂肪に含まれる脂肪酸は、わずかな飽和脂肪酸、そして多くの一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)と多価不飽和脂肪酸(リノレン酸やアルファリノレン酸)から成り立っています。

飽和脂肪酸は体脂肪や血中コレステロール値を上げる働きがありますが、不飽和脂肪酸は、むしろ体脂肪になりにくく、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を促すコレステロールを減少させる働きがあります。

以上の点から、アーモンドや落花生などをポケットに入れ、一日ひとつかみくらい食べたり、酒の肴にしたりするのが、健康長寿には効果的です。

2008年1月 7日 (月)

今年の目標

今年の仕事もすでに始まっているのですが、改めて今年の目標を掲げてみます。

それは、「毎日のペースを崩さない事」。

起床から始まり、歯磨き、洗顔、食事、仕事、睡眠など、毎日出来る限り同じように生活する事を目標にして行きます。

やはり、生活の乱れは、仕事の乱れに繋がりますので、つまらないようですが大事な事だと思います。

それと、少しつまらない人生になりそうですが、危険な所には近づかない、危険な真似はしないと言うことも上げられます。

遊びや楽しみは老後にとっておいて、今は学ぶことや仕事に専念すべきだと思っています。

2008年1月 6日 (日)

自然治癒力を高める

本日は、山田唯勝先生の著書「正しい噛み合わせが健康なカラダをつくる」からお届けいたします。

自然治癒力を高める

口腔ケアが、介護予防に取り入れられる時代となってきました。これは、口腔と全身の健康が、社会的にも注目されてきた証拠ともいえます。

ある患者が「健康は知恵である」と述べています。

「患者であると同時に、医師となり、看護婦となり、賢く健康を守る」

確かに、知恵があれば、病気を未然に防ぐことも出来ます。普段健康な人でも、寒い夜、急に屋外に出れば、血管が収縮し、血圧が急上昇し、心筋梗塞や脳出血で倒れることもあります。

人間の身体は、急激な気温の変化に弱いのです。急に冷え込むと風邪を引きます。低温・乾燥が人から抵抗力を奪い、病原菌に感染しやすくなるのです。

病原菌は、どこにでも隠れています。風邪の大半は、手や指に付着したウィルスが感染するそうです。しかし、手洗い、洗面、うがいで風邪から守れます。

健康に何ら不安がない人は、本当に幸福です。国民の方々を1億総半健康・半病人、などと形容したくはありません。

しかし、何となく、身体の具合が悪い人、心や神経がスッキリしないためにそれを苦にしている人は、意外に多いのが現状です。薬におぼれる人、食事、栄養に神経を使う人が増えています。健康補助食品も氾濫しており、いわゆる健康雑誌が相次いで発刊されています。

また、医療はあまりにも医薬品に依存し過ぎることは否定できません。医療費に占める薬の割合は、日本は31%と非常に高く、アメリカは11%です。

なぜ日本の薬は高いのか?これまで様々に論議されてきました。国民医療に占める薬剤の比率は年々二桁で増え続け、約6兆円にも膨らんでいます。このようなこともあって、薬に依存しすぎる西洋医学に限界があると思えてなりません。

歩くことはとても良いことですね。ところが、飛行機に長時間乗っていて、いわゆるエコノミークラス症候群となり、命を落とすという事例があります。しかし、飛行機ばかりではなく、自動車や列車でも起こりえることです。

足の血管に生じた血栓(血の固まり)が心臓に達して、心筋を詰まらせれば心筋梗塞です。これが脳まで達すれば脳梗塞になります。狭く窮屈な座席に座り続け、運動不足となれば、体に良いわけありません。

歩くことの効用は何かといえば、足が心臓の第二ポンプの役割を果たしているからです。同様に手にもポンプの役割があると思います。

体の末梢の血管が次第に詰まる糖尿病の副作用は15年、20年という長い年月をかけて、じわじわと進行します。自覚症状がまったくないだけに、とても厄介な病気です。目の血管が詰まれば失明です。また、足の血管が詰まれば組織は壊死し、切断という最悪な事態に至ります。糖尿病の合併症が腎臓にまで及べば、人工透析を受けなければなりません。

ところで東京・日本橋で歯科医院を開業していた故・松平邦夫先生は、「口腔機能は脳に血液を送るポンプ機能がある」とこれまでにない、まったく新しい発想から、歯科関係の専門新聞、雑誌などに考えを発表しました。「歯科分野からの新発見だ」と高く評価する人もいまた。

参考文献  正しい噛み合わせが健康なカラダをつくる 山田唯勝著 新風舎

2008年1月 5日 (土)

まだ、お正月気分が抜けませんが、アマルガムの話です。

本日のテキストは、藤井佳朗先生の著書からお届けいたします。

アマルガムの人体への影響

体に害を及ぼすものは、歯科医療の材料にも存在しています。その代表が歯に詰めるアマルガムです。

アマルガム中の有害な水銀の含有量は、約50%にのぼります。水銀含有量は長期間口の中に置かれると、少しずつ蒸発し、体の中に入っていきます。

熊本県水俣湾の例を挙げるまでもなく、水銀の毒性は広く社会に知られています。アマルガムを作製する歯科医師や歯科助手が水銀中毒にかかる事例は世界で報告されています。その水銀を含んだ詰め物が、歯に充填(抜けた歯や欠けた歯に歯科材料を使用して治療すること)されているのです。

歯科材料としてのアマルガムは、昔から安定した合金だと見なされ、歯の詰め物に使用されてきました。ところが、1800年代からその安全性は疑問視されており、1980年代頃からはアマルガムが健康に大きな影響を与えることが、世界中で次々と発表されてきました。

日本でもアマルガムの危険性は指摘され、難治性の疾病との関連性が報告されています。

ヨーロッパでも国によっては、こうした毒性の高いアマルガムに対し、使用を法律で禁止しています。

しかし、アメリカの歯科医師会ではアマルガムを安全であるとし、アマルガムを除去した医師の免許を剥奪した程です。

アメリカの歯科医師会がこうもアマルガムの安全性を主張する背景には、アメリカが訴訟社会であり、これまで広く使用し続けてきた歯科材料の危険性など口が裂けても言えないという事情があります。しかし、一方で「アマルガム治療の犠牲者の会」なるものも存在し、集団訴訟も起きています。

日本ではどうかというと、アマルガムによる治療は保険の適用になっています。つまり、国が承認する形で、様々な病気の原因となる危険な物質が歯に詰まられているのです。

もちろん、私はアマルガムを除去しても、詰めることはしていません。アマルガムを除去することでアトピー性皮膚炎をはじめ、さまざまな不定愁訴が表れている患者さんを治療して来たからです。

アマルガムの使用によって引き起こされる症状は、多岐にわたります。『口の中に潜む恐怖~アマルガム水銀中毒からの生還』(ダニースタインバーグ著 マキノ出版刊)によると、アメリカ、スウェーデン、デンマーク、カナダの患者さん(合計1569名)が訴える症状のトップ10は、疲労感、頭痛、視覚障害、ふさぎ込み、めまい、皮膚炎、注意散漫、物忘れ、舌のざらつき、胃腸障害となっています。

この報告では、患者さんのアマルガム除去後の快復率も示しています。アマルガム除去後の症状に快復率は平均で80%を超え、最も多い症状の疲労で86%、ふさぎ込みは91%、舌のざらつきは95%もの快復率を上げています。これは驚くべき結果と行って良いでしょう。アマルガムを口の中から取りさることによって、症状が回復する可能性がいかに高いかがわかります。

こうした危険性の高いアマルガムを、放置していいはずがありません。

日本でも多くの歯科医師が、アトピー性皮膚炎などの各種金属アレルギー、神経疾患、慢性症候群と歯科材料との関連を報告しています。さらに電磁波障害への関与も疑われています。

歯に詰めたアマルガムが、携帯電話などの電磁を吸収しやすくしているのではないかという意見もあるのです。

民主党の歯科医療改革案については、桜井充参議院議員は、2002年10月に、国会で歯科用水銀アマルガムに関する質問を提出しています。

日本におけるアマルガムの使用程度、水銀が口腔内で気化する可能性、アマルガム使用を禁止しない理由などについて質問したのです。ところが、厚生労働省の答弁では、アマルガムは毒物だが世界保健機構(WHO)主催の専門家会議(1997年)で、安全であると報告されているという理由から、禁止する予定はないという見解を示しました。

水銀は毒物だがアマルガムは毒物でないという人がいますが、これは誤りです。アマルガムは毒物と認定されています。

厚生労働省がWHO主催の専門家会議におけるアマルガムは安全という報告を支持しているとなると、安全な毒物がこの世に存在するという矛盾が生じます。

電磁波にしろ、水銀アマルガムにしろ見えない危険性を見て見ぬ振りするのではなく、解明していく努力をしなければいけないのです。

ちなみに、、1999年の薬事工業生産動態統計によると、歯科用水銀にお出荷量は64万3444グラムとなり、これに歯科アマルガム用合金に含まれる水銀の量を合わせると、1999年に歯科治療に用いられた水銀の量は、およそ700㌔グラムになると推定されています。現在アマルガムを使用する歯科医師は減少傾向を示していますが、今でも数千万人の日本人の口の中にアマルガムが存在していると考えられます。

参考文献 歯科からの医療革命 藤井佳朗著 現代書林

2008年1月 4日 (金)

今日から仕事始めです

今日から しろくま歯科医院の一年が始まります。

9時からいつも通り診療いたします。

今年もよろしくお願いします。

院長 猪狩弓彦

2008年1月 3日 (木)

リハビリにはキーボードが一番なのか?

お正月も3日目ですね。

まだ正月気分が抜けない感じですよね。

本当にそうです。

今年に入って最初の思い出は、昨年末に生まれたばかりの娘と初めて一緒に一晩過ごしました。

今まではサポートに徹していて、親という実感がうまく自分でも表現出来なかたのですが、一緒に過ごしてみて、娘の喜怒哀楽を間近でみて、守る物が一つ増えたことの喜びに浸っています。

さて、明日から今年初めての仕事が始まります。

今までの経験から、急に手を動かそうと思ってもなかなかうまくいかないのです。元来不器用なのでしょう。

私の場合、そのリハビリに一番よいのは、コンピュータのキーボードをパタパタと叩くことが一番だと思っています。

10本の指を満遍なく使えますし、なにより楽しい。キーボードが大好きで、ずっと叩いていたい。

私のブログが続くのは、たぶんこの性だと思います。

明日から、仕事ですが、それまでに10日分くらいブログを書こうかなと思っています。

2008年1月 2日 (水)

お正月ですが、噛み合わせの話です。

あけましておめでとうございます。

皆さんは、どんな新年を迎えましたでしょうか。今年一年、またよろしくお願いします。

さて、お正月気分が抜けない状態の私ですが、ここでは気合いを入れて、また噛み合わせについての論文をご紹介します。

本日ご紹介するのは、疋田渉先生の著書「顎関節症・頭痛・腰痛」からです。

歯で体は歪む-口の中(歯)に健康の秘密があった

成人病から生活習慣病へと呼び名が変わったように、病の原因は生活習慣病にあったということです。

しかし、生活習慣病をいくら正しても改善の見られない方は、山ほどいると思います。人間の体とは、ある程度のバランスが保たれていなければ健康を害してしまうように作られているのです。

ただ、個人差が相当あるのも事実です。もしあなたが長期間健康でいたいなら、体と心の環境整備をしなければなりません。食事、睡眠、呼吸、体の歪み、適度の運動、心の6つ、これらの環境整備を正しく行われなければ、ほとんど健康は、約束されます。

この6つは、すべて歯で良い方向にコントロール出来ます。

現在、色々な情報が氾濫しているために「歯の重要性」が正しく理解されていない方も多いと思います。

もう一度あなたの知識が正しいか、確認してください。

歯の不具合で体が歪むことをご存じですか?

歯科治療で体が歪むことがあることをご存じですか?

体に適合しない金属は、病気の原因になることをご存じですか?

金属があなたの体にちゃんと適合しているか、調べる検査法があることをご存じですか?

これらのことをもし知らないのであれば、あなたは、歯で病気になるかもしれません。

正しい噛み合わせとは、カチカチして違和感がないというレベルの話ではありません。歯は顎に付いているわけですから、顎がずれていれば噛み合わせの異常があるということです。

あなたは、立方体前屈や首を前に曲げたとき、下顎がわずかに前に出てくるのをご存じですか?

このように体を曲げたり、回したり、捻ったりする時は、必ず下顎が少し動くのです。もし、噛み合わせにこの遊びがなく、顎がずれていたら、体はどなってしまうのでしょうか。

当然体の柔軟性がなくなり、体を動かすたびに筋肉、骨、歯にダメージを与えているのです。その結果、体の凝り~痛み~動かない、歯がしみる~痛くて噛めない~ぐらつくなどに発展していくのです。

さらに、この状態が続けば病気へと移行していくのです。ですから、正しい噛み合わせとは、体に歪みがなく、頭蓋骨に歪みがなく、下顎に歪みがない時、初めて達成できるものです。

このことから、「体はすべて繋がっている」という考えで治療を行っていくことが大変重要なことだと分かると思います。

ですから、歯科界の、食べることだけを目標にした咬合理論(噛み合わせ)では、病人を作る可能性が高いのです。

参考文献 顎関節症・頭痛・腰痛「なぜ私たちは治ったのか?」 疋田渉著 講談社出版

2008年1月 1日 (火)

あけましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。

ことしもよろしくお願いします。

今年はどんな希望や夢を叶えることが出来るのでしょうか?

楽しみです。