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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
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2010年1月31日 (日)

「つば」は汚いのか?

本日は、斉藤滋先生の『よく噛んで食べる~忘れられた究極の健康法~』よりお届けいたします。

◇「つば」は汚いのか?

唾液の事を私たちは日常「つば」と呼んでいます。この「つば」という言葉には汚いもの、悪いっものというイメージがついて回ります。

いやな相手に「つば」をかけるのは本当にいやな意思表示でしょう。ケチな人を指して「“つば”も出さないという表現もあります。また、「天に“つば”する」ということわざも、他人を害しようとしてかえって自分の身を損なう、つまり上を向いて唾を吐けば唾が自分の顔に落ちてくるというように、「つば」は汚いイメージで捉えられがちです。

私は、大学で唾液の講義を始める前に、いつも学生達に「人間の体液で大切なものは?」という質問をしてみます。すると、彼らが答える順位は1位:血液、2位:尿、3位:唾液という結果になります。

これは唾液が生体で非常に大切な役目を果たしているにもかかわらず、一般にはそれが理解出来ないことを表しています。私にすれば、単に理解されないとか評価されていないというより、むしろ「とんでもない「冤罪」といえるくらいです。

唾液は汚いものという悪い風評を払拭し、人間にとって重要な役割を担っていることを正しく理解してもらいたいと思っています。私にとって、人間の体液で大切なもののナンバーワンは唾液なのです。

さて、どなたもご存じのように、血液は、全身の臓器や細胞に栄養や酸素を供給し、老廃物や二酸化炭素を運搬・除去するという重要な働きをする、人間にとって最も大切な体液です。血液が通わない組織は生きていけません。

また、尿は、血液が腎臓の糸球体という毛細血管で濾過された体液で、一日の排泄量は約1000~2000ml程度です。腎臓から膀胱に流れていく尿細管で、選択的な再吸収によって、主にタンパク質や筋肉の代謝産物である尿素、尿酸、クレアチニンや多くの老廃物などが濃縮されています。尿の基本的成分は血漿(血液から血球成分を除去したもの)と類似しています。いずれも細胞の外側を流れる体液(細胞外液)ですから、血液と尿の共通した性質として、薄めの塩味があるということがあげられます。

では、唾液はどうでしょうか?もし、「今日の唾液は少し塩味が強めかな?」などと感じた人は何か体に異常があると考えなければなりません。おそらく、口内に炎症か出血があるものと思われます。

唾液は、血液や尿とはまったく異なる体液です。三大唾液腺である耳下腺(耳の下側)、舌下腺(舌の付け根)、顎下腺(下あご)から、それぞれの導管(パイプ)を通って、上顎第一大臼歯の頬粘膜、舌の下側の付け根付近から口の中に分泌されます。

唾液腺の細胞では、毛細血管から栄養をもらって、唾液を作ります。細胞膜の一部がシャボン玉のように膨れて、次々に細胞内の体液を取り込み、細胞外に放出したものが唾液の主成分です。これを体外に放出するので、「外分泌」と呼んでいます。つまり、唾液は自分の細胞内液であり、「液化した自分」ともいえます。

次に、唾液の成分の一部は再び毛細血管へ呼び戻され、全身に運搬されていきます。これは「内分泌」と呼ばれ、唾液由来の重要なホルモンを全身に供給するための非常に大切な仕組みです。

ある医学書によると、人間の顎下腺は睾丸とほぼ同じ重量、耳下腺は睾丸の約2倍、舌下腺は睾丸の3分の1なので、これら三大唾液腺は合わせて睾丸の3.78倍の重量になると報告しています。

これは大変興味深い数字です。唾液腺は、生殖やホルモン分泌に大切な役割を果たしている睾丸よりも大きな分泌臓器でありながら、そこから分泌される唾液は、汚いとか食物を飲み込むための水分程度にしか考えられていないのです。このように誤った歴史的先入観を変えてもよい時代になってきました。

実際のところ、唾液がなくても、すぐに死ぬことはありません。しかし、ようやく最近の研究で、健康な活力を作り出すために、唾液は非常に重要な働きをすることがわかってきました。

唾液は、人体というシステムを円滑に維持・向上させる役割を担っていることがわかってきたのです。

とくに、私たちがイキイキとした活力のある健康を維持するためには、唾液は血液や尿と同じように、あるいはそれ以上に重要な体液なのです。唾液が必須の水源地であるということは、強調してもしずぎることはありません。

参考文献 よく噛んで食べる~忘れられた究極の健康法~ 斉藤滋 NHK出版 

2010年1月30日 (土)

予約なし、そく治療。

朝の朝礼は大体8時半頃始めるのですが、そのとき、そわそわし始める従業員がたまにいます。

昼休みの時にもたまに出没します。

何が出没するかといえば、歯の痛い従業員です。

もちろん、歯が痛いと集中力が出ませんので、そく治療です。

私もたまに歯が痛いときがあるのですが、そんなときは、友人の先生に予約をとって、休みまで我慢しなければならないので、彼女達がすこしうらやましいです。

2010年1月29日 (金)

『なるほど』とうなる内容~子ども大図鑑~

私、かなりの親ばかです。その親ばかな私が、子どもに『子ども大図鑑』なる本を与えました。

その内容なのですが、とてもすごいです。30961540

子どもがわかるように、しかも簡潔に書いてある。十分大人が読んでも満足出来るないよう。

今日は、ここにいくつかその説明を紹介します。

まずは、『血液』の説明。

血液はからだ中を流れて、何兆もの細胞へ栄養分や酸素など重要なものを届け、不要な物を運びだします。またからだ中に熱を伝え、病気にならないよう防ぎます。血漿という黄色い液体も作られ、血球はその中に入っています。

赤血球は肺の中の酸素を受け取り、体の細胞へと配ります。白血球は病気を起こす細菌から体を守ります。さらに、血小板が含まれ血管の傷ついた場所に集まり、かたまってふさぎます。

心臓は3種類の血管を使って、からだ中へ血を送り出します。動脈は血液を心臓から運び出します。静脈は心臓へ血液を戻します。毛細血管は動脈や静脈とつながって、細胞へ血液を運びます。

すごいわかりやすいですよね。

続いて、『X線』

X線は高いエネルギーを持ち、人間や動物の肉、プラスティックのスーツケースなどを通るが、骨や金属は通らない。

この性質のため、X線は病院で骨の具合を見たり、空港で武器がないか調べたりするのに使う、とても役に立つものである。

おお~、今度もわかりやすい。

続いて、『水』

水は味もにおいもない液体です。色が無いように見えますが、本当はごくうすい青色です。

水の分子は2つの水素原子と一つの酸素原子で出来ているので、化学記号はH2Oです。

水は地球上でもっとも多い化合物で、この星の71パーセントをしめる海から、すべての生きものの細胞一つ一つまで、あらゆるところに見られます。

続いて『リトマス試験紙』

リトマス試験紙を液体にひたすと色が変わる。その色をph スケールと比較すると、液体の酸性の度合いを調べることが出来る。phは、その液体がもっている水素イオンの量を表すのにつかう。

続いて『キューバ革命』

1956~59年に、フィデルカストロとチェ・ゲバラの率いるキューバの反政府グループが、独裁者フルヘンシオ・バティスタの悪の道に落ちた政権を倒した。

今度はカストロ自身が独裁者となって、国を支配したが、彼は貧しいキューバ人の生活をよりよくした。そのおかげで、貧しい人々も病院や学校へ行けるようになった。

とまあ、とても、子ども用とは思えない内容と充実ぶり。子どもに質問されたときに、うっsweat01と困らない為にも、一度百科事典をみてみては。

2010年1月28日 (木)

『インプラント使い回し』について考えること

1月29日の週間朝日にスクープ記事として、『インプラント使い回し』の記事が出ていました。テレビ等でも大々的に報道されていましたので、知っている方も多いかもしれません。

その記事の内容は大まかにいえば、こういう事になります。

「埋めたインプラントが骨にくっつかず、抜ける場合があります。関歯科ではそのインプラントを洗い、消毒して、滅菌バッグに封入します。それをストックして、他の患者さんに使っていました。」

つまり、患者の骨に埋めて抜けたインプラントを、他の患者の骨に埋めるために、使い回していたというのだ。告発した助手Aの方によると、新品のインプラントを出したものの、太さや長さが合わないときにはそれをケースに戻して、使い回しのインプラントを埋めることが多かったという。

同じく勤務経験のあるBさんは「洗浄、消毒したいっても明らかに不潔なものが多かった」と話す。

「数週間前に治療して抜けた患者さんのインプラントもストックするように関院長から指示されました。洗うからといっても、台所洗剤の「ママレモン」で他の治療器具と一緒に洗いますから、汚れを取りきれず、タンパクのような付着物が残っているものもたくさんありました。とても不潔そうでした。」

実は、この関院長のブログは2年ほど前からたまに読んでいました。すごくインプラントの埋入本数が多く、一日の来院患者数もすごく多くて、いつも関心していたのです。この院長はとても尊敬されていて、インプラント希望者が多いのだろうなと、感心していたのです。しかも、良いインプラントを使用しているのに、信じられない安さを実現している。

インプラントは基本的に患者さんとの話し合いが非常に大事なのです。1本埋入するのでも、念入りに歯牙や骨の状態を整え、本当に入れ歯では対応出来ないのかなど、何度も何度もカウンセリングを重ね、手術を行うものなのです。

それに、インプラントが一番嫌うものが、タンパク質の変性です。昔、手術中にインプラントに術者の汗(タンパク質)が落ちたのを見たことがあります。その時の対応としては、いったん手術を中止して、患者の口腔内をもう一度清掃しなおし、まったく新しいインプラントを入れました。そのくらい、インプラントは他人のタンパク質を嫌うのです。それが、今回の話では、他人の骨片の付いたインプラントを埋入するなんて・・・・。ここにインプラント手術の低価格の秘密があったのかもしれません。

また、ほかのインターネットを探したら、関歯科についてのその後対応に関する記事も見つけました。以下に添付します。

◇東日新聞~豊橋のインプラント問題広がる

インプラント(人工歯根)の使い回し疑惑が浮上している豊橋市南大清水町、関歯科クリニック(関志乃武院長)問題で、豊橋市歯科医師会(豊橋市三ノ輪町、朽名正也会長)には連日、同院でインプラント埋入を受けた患者から心配する相談電話が相次ぎ、対応に追われている。

 歯科医師会は、理事ら7人による「インプラント対策委員会」を設置。会員には、患者が同院から転院してきた場合、きちっと対応するように通達を出した。

 相談件数は、告発記者会見翌日の20日に25件。21日に29件、22日は午後5時までに36件あり、日に日に増えている。

 電話相談は日中、歯科医師会事務局が受け、相談者の氏名や連絡先などをいったん控える。その後、診療を終えた同委員会の歯科医師が、午後8時ごろから歯科医師会館に集まり、あらためて相談者に電話を掛け、相談に応じるようにしている。合間には対策会議を開き、今後の対応を協議するなど、てんてこ舞いだ。

 相談内容は「何の説明もなくインプラントを埋入された」というものがほとんどだ。「とりあえず相談に行ったつもりが、いきなり麻酔を打たれた。『検査のためかな』と思っていたら、『はい、(インプラントを)入れておきました』と関院長に言われ、治療費を請求された」というもの。

 「(同様の手口でインプラントを入れられ)治療費を請求されたが、お金の用意がなく、そのまま通院を止めて未払いになっているが、払わなければいけないのか」というものも複数あったという。

 相談者に共通するのは「もう(関歯科には)戻りたくないが、ほかで診てもらえるのか」という問い合わせだ。

 対応に当たる歯科医は「この先、相談件数がどれだけ増えるのかは、全く予想できない。でもやるしかない」と早くも疲労感をにじませる。
 木下洋専務理事は「体の不調に対する治療はもちろんだが、相談者は最も精神的なケアを必要としている。不安を取り除くことを最優先して対応に当たりたい」と話す。

 歯科医師会の相談窓口は、電話0532(62)1565=まで。受付時間は午前8時45分から午後5時まで。

この関院長は患者の同意も得ずにインプラントの埋入を独断で行っていた形跡もあります。インプラント治療はとても優れた治療法だけに、今後インプラント治療を検討していた患者さんに悪い影響を与えないかとても不安です。

私が現在教えを受けている三好先生は、万一の事を考え、1本のインプラントにサイズや長さの違うもの、同じものなど5本の余裕をもって手術に望まれています。どんな状況にも対応できるようにです。ここまでしっかり考えて手術を行うのが普通になりつつあります。歯科医師も命がけなのです。そのため、インプラント治療は多少高額になってしまう傾向にあるのです。しかし、安全と安心を手に入れるためにはしょうがないのかなとも思っています。

安すぎるインプラントと説明のない歯科医院には気をつけましょう。

2010年1月27日 (水)

どうしてうちの子だけむし歯に?~最近の考え方

本日は、田中英一先生他の著作である『お母さんの疑問に答える すこやかな口 元気な子ども~小児歯科医からのメッセージ』よりお届けいたします。

◇歯磨きしているのにむし歯になる!

診療室にいらっしゃるお母さん方のなかで、お子さんのむし歯が見つかると、「歯磨きしているのに、どうしてうちの子はむし歯になるのでしょう?」と方を落とされる方がいます。

家庭での生活の様子をよく聞いてみると、一日に朝晩2回はお子さん自身が歯が磨いているようです。それだけ聞いていると、ナルホド、お子さんの歯に関心をもって生活しているようです。

しかし、お母さんは、「うちの主人は歯が悪く、私も小さいころからむし歯で苦労しているので遺伝でしょうか?子どもがむし歯になっても、しょうがないとあきらめています」と言います。

実際に、遺伝的に歯の質が悪く、どうしてもむし歯になってしまいやすいという人はいますが、私が臨床に携わっている30年近くでそういう方に遭遇したのはごく希でした。

最近のお母さん方は、自分の経験を含めて、知識や情報をよくおもちです。がしかし、それらが本当に正しいことなのか、ここでよく考えてみましょう。

◇実は生活習慣病

平成17年の厚生労働省の歯科疾患実態調査によると、近年では乳歯の健全な歯の割合が増えてきており、全くむし歯のない乳幼児に割合も増えてきています。それには、いろいろな要因がありますが、一つは保護者たちの口腔保健に対する意識が高くなってきたことが上げられます。家庭でのケアやかかりつけの歯科医をもつことなど、大人を含めて、以前とはかなり違う状況です。

しかし、一方で、社会全体のIT化が進み、スピーディーで、コンビニエンスな生活様式が喜ばれ、ストレスの多い社会になっているのも事実です。そのなかで、日本人の生活は深夜化し、生理的な生活リズムに狂いが生じてきています。子ども達もその影響を受け、文部科学省、日本学校保健会の調査などでも「こどもたちの生活時間の大人化」に警鐘を鳴らしています。

子どもたちの健全な成長を考えると、とても心配な状況です。それに加えて、保護者が保護者の便利さを子どもに押しつけて、子ども達にとっては本来好ましくない生活習慣を余儀なくされていることが多々見受けられます。

たとえば外出時に、周りに迷惑をかけないよう、静かにしていてもらいたいがために、子どもの口にアメを放り込んだり、お菓子を箱ごと子どもに持たせて、自由に食べさせている、といったことなどです。

診療室にいらっしゃるお母さんた方に聞いてみると、「その時は、アメが“黙らせ薬”のように感じていた」と言っていました。

現代のように、予防歯科医学が進み、保護者たちの知識や意識も高まってきた中でのむし歯の原因は、普段の何気ないことのくり返し、つまり生活習慣から発生することが多いのです。

現に、厚生労働省では、歯肉炎、歯周病は「生活習慣病」としていますし、文部科学省では、歯肉炎、歯周病だけでなくむし歯も生活習慣病として子ども達に指導しています。

参考文献 お母さんの疑問に答える すこやかな口 元気な子ども~小児歯科医からのメッセージ 田中英一先生他著 医歯薬出版 

2010年1月26日 (火)

インプラント新年会に行ってきました。

今月17日に、今年初めの研修・インプラント新年会に参加してきました。

研修と言いましても、実際は歯科医師同士の横のつながりをキチッと作って強力し合いながらがんばっていきましょう というものでした。

歯科医師一人一人が自己紹介をし、私は現在の福島における患者さんの傾向やインプラントの現状をお話してきました。

研修は、本当に短時間でしたが、大切な確認事項をいくつもあげてくれて、とてもありがたかったです。

その後、新年会になったのですが、なかなか帰してもらえず、新幹線最終ぎりぎりで滑り込みました。

疲れましたがとても有意義な一日でした。

2010年1月25日 (月)

『国境事変』を読んで

02931440 誉田哲也さんが書く警察小説は、ものすごいリアリティがあり、あながち本当に起こってもおかしくない事ばかり。

新刊が出る度に無意識に購入してしまうほど。

この小説はサスペンス小説になると思うのだけれど、今回、このブログに取り上げた理由は、いわゆる『北朝鮮問題』

常々疑問に思っていたのだけれど、なぜ、日本以外の諸国は、北朝鮮問題に消極的なのだろうと疑問に思っていた。

アメリカは、核がないかもしれないという状況(結局は無かったのだが・・)なのにも関わらず、中東諸国と戦争を行った。確実に核のある北朝鮮とは戦争をせず対話路線。

別にアメリカに日本の北朝鮮問題をどうにかして欲しいという他力本願的な考え方はないけれど、それにしても国によって温度差がありすぎる。

この小説を読んで、すべての疑問が氷解する思いだった。

やはり、アメリカもただでは動かないのである。日本ばかりが損をしているなぁ。

2010年1月24日 (日)

美味しく食べるには自前の歯を大切に

本日は、NPO団体DOC(デンタルハイジニスト&オーラルヘルスセラピー協会)編著の『歯から始まる健康と医療』よりお届けいたします。

◇歯は表情や発音にも影響する

歯の役割は、食べると言うことだけではありません。キラリと光る白い歯は、美しい笑顔に欠かせませんし、歯をむき出しにして威嚇するという動物的な怒りの表現もあります。

魅力ある表情について考えてみましょう。

「明眸皓歯(めいぼうこうし)」という言葉があります。明るい瞳と口元の白い歯、これは中国で古くからの美人の要件です。この「美人」は、女性ばかりを対象にしているのではなく、美しい顔、美しい表情をいいます。我々の顔は社会の門戸として演じているわけです。

顔が利くという言葉も普段よくつかうでしょう。ほかにも、目は口ほどにものをいう。目元千両、口元万両。これは目が千両役者なら、口元はそれに倍して演ずることが多いということです。魅力ある表情には、口元は非常に大きな役割を果たしています。

昨今、日本歯科審美学会をはじめ、口元の美に関するいろいろな研究が学会として進んでいます。

次に、好感をもって相手に意思が伝えられるかどうかです。

アナウンサー、歌手、俳優の方々が、私どものところにいらっしゃいます。義歯を入れるようになって、皆さんが特に心配されるのは発音です。特にS音。「し」のS音が聞こえず、「い」が強く聞こえてしまうことがあるのです。

しばらく見ている患者さんで、国立劇場の舞台に立ている方ですが、「し」のS音がどうしても強くでない。この場合は、S音が出るように義歯の形態を変える必要があります。あるいは「がぎぐげご」がうまく発音できない。それは入れ歯の形態をなおせばおおかた治る発音です。

そういうことで、歯は食生活、あるいは審美、あるいは会話など、生きる上での基本的な喜びを与えてくれるものです。

◇健康は正しい噛み合わせから

最近は体のコントロールにも、噛み合わせが大きな影響を与えるということがわかってきました。

15年前にスポーツ歯学医学会が出来ましたが、全国の大学あるいは開業の先生方が参加されて、皆さんが歯を健康に保つことで、スポーツを楽しく、あるいは自分の体を上手にコントロールされてできるようにと研究しています。

数年前、ある射撃の選手が私の診察室にいらっしゃいました。近くの歯医者さんで臼歯の7番、一番奥の上の歯にインレーという詰め物をしたら、的が今までどおりうまく当たらない。どうも的を外す。的中率が悪くなったとおっしゃる。そこで、拝見して、数ミクロン、ほんのちょっと削りました。後日頂いた電話では、元にもどったということでした。正しい噛み合わせ、きちっと歯をあわすことが、全身の関節を固定する、姿勢をコントロールするのに非常に大事なのです。

また十数年前には、あるプロゴルファーが私の所にいらっしゃいました。臼歯が三カ所ほど噛み合わせが壊れていました。私もスポーツ歯学を始めて2年か3年からいたっていた頃だったと思います。9月に試合があるというので、2ヶ月くらいである意味で突貫工事でしたが、治療しました。するとなんとそれまで2年間トーナメントで優勝から離れていたのに、いきなり2連勝しました。

このように、噛み合わせは、全身の運動や、口元の美、発音と深く関わっているのです。

◇日本の食文化を楽しむために

これまでお話したことを簡単にまとめますと、味覚、嗅覚、見た目、これは世界の文化のいずれも大事にしていると思いますが、触覚、聴覚、音を大事にしているのは日本の食文化なのだということです。五つの感覚をフルに使って、我々日本人は日本の食文化の中で食を楽しんでいます。

食材を単味でそれと確かめ、料理そのものの特徴として記憶の中にとどめています。

日本人は複合味を感覚するのは不得手と言われますが、食材のひとつひとつの持ち味をおいしさと結びつける五つの感覚には鋭いものがあります。

日本の食文化は、繊細な食感覚を育て、精緻で豊富な擬音語、擬態語を生みました。言葉の文化にも大きな影響を与え、豊かな表現力を与えました。

デパートの地下街にならぶ焼き魚、天ぷらでは日本の食文化は語れません。地下街に山と盛られたきんぴらごぼうは圧力釜でどんと軟らかくして、後からきんぴらのたれで和えると聞きます。これでは歯ごたえなど味わえるはずもありません。

四季折々に魅せる旬の味、香り、彩り、それに歯ざわり、歯ごたえと音を一つ一つ確かめながら、季節の味、家庭の味として記憶し、生涯を通じて楽しめるのが日本の食文化であるはずです。

世界に類を見ない擬音語、擬態語を豊富にしかもひじょうに細かい精緻な表現、感覚表現を私たちは食文化の中で学び取って、日常生活で使っているわけです。そういう意味では、日本人こそ自前の歯を大事にしなければいけないと思います。

参考文献 『歯から始まる健康と医療』 NPO団体DOC(デンタルハイジニスト&オーラルヘルスセラピー協会)編著 九天社 

2010年1月23日 (土)

花王、歯磨き行動の脳への作用を研究

本日は、YAHOO! JAPANニュースに掲載された歯磨き行動の脳への作用への記事をそのまま記載します。

◇疲れたあとに歯磨きをすると、脳が活性化し、気分リフレッシュ

花王  の ヒューマンヘルスケア研究センターは、現在、むし歯や歯周病などのさまざまな口のトラブルに関する研究や美しい歯に関する研究などを通し、口内の健康価値の提案に取り組んできた。

 今回は、千葉大学フロンティアメディカル工学研究開発センター脳機能計測解析研究部門 下山一郎教授と共同で、脳が疲れたあとの歯磨き行動が脳や心理に与える作用を研究。このほど、歯磨き行動が脳を活性化し、気分をリフレッシュする効果を持つ可能性を見い出した。

 具体的な研究内容としては、計算作業による疲労付与後に歯磨き行動をしたときの脳への作用を客観的に評価するため、脳と心理の状態を同時に測定する“統合生理研究手法”を用いて検討。脳の活性化は、脳の疲労度や注意力に関係する指標などを用いて評価し、脳の疲労度はフリッカーテストを、注意力は脳波の測定で実施したという。また心理状態は、自己評価を数値化するVAS法 により評価している。

 その結果、疲労後に歯磨きをすると、しない場合と比べ、脳の疲労は有意に低減。また注意力も高まる傾向が認められたという。これより、歯磨き行動により脳が活性化したことが推測されたのだ。さらに心理状態についても、疲労後に歯磨きをすると、リフレッシュ感が有意に高まり、集中力やすっきり感も上昇する傾向が認められたという。歯磨き行動には、仕事や勉強などで疲れた時に脳を活性化する効果があるとも考えられるのだ。

 本結果は、IUPS2009第36回国際生理学会大会・第86回日本生理学会大会で発表し、2010 年3月発行の産業衛生学雑誌に掲載の予定だ。(編集担当:宮園奈美)

2010年1月22日 (金)

正しい噛み合わせが血流の代謝を良くする

本日は、国武和春先生の著書『診療歯科医のプレッシャーに打ち勝つ歯の噛み合わせ治療法』よりお届けいたします。

◇顎の開閉が、血液を心臓に送り返すポンプの役割をする

歯を噛み合わせるという行為は、血液の代謝に重要な役割を果たしています。新鮮な血液を臓器に送り込み、古い血液と交換する血液代謝は、健康な体を維持するうえで必要不可欠な機能です。

血液は、新しい酸素や栄養分を身体の各細胞に届け、代わりにいらなくなった老廃物や二酸化炭素を受け取るという、物質代謝の役割を果たしているからです。

私の患者さんに、漢方医の早崎知幸先生がいらっしゃいます。先生によれば、東洋医学では、「気」の流れとともに「血(血流)」の流れを非常に重要なものとしてとらえているそうです。血液がスムーズに流れなくなる状態を「瘀血(おけつ)」といい、さまざまな疾病の原因になることが多いです。血液の役割を考えれば、それも当然といえるでしょう。

心臓がポンプの役割を果たして血液は全身を循環しています。新鮮な血液を取り入れるには、古い血液を押し出す強い力が必要です。しかし、心臓の力だけでは頭のてっぺんから足のつま先まで、血を巡らせることは出来ません。そのため、身体各部に血の巡りを助ける組織があります。

例えば、首から下でポンプの役割をしているのは横隔膜です。呼吸をするたびに横隔膜は上下し、そのことで心臓に血液を送りポンプの役割をしています。足も、第二の心臓といわれるように、動かすことによって末端部から心臓に血液を戻しています。

首から上について言えば、脳が身体の中でも最も多くの酸素や栄養分を必要とする部位です。その脳に新鮮な酸素を送り込むためにも、老廃物などを含んだ血液はどんどん心臓に送り返さなくてはなりません。そのための強力なポンプの役割を補助しているのが、実は顎の開閉なのです。

物を食べたり、話したり、笑ったり、あくびをしたりする度に、顎は大きく開いたり閉じたりしmす。その開閉運動によって、こめかみや顎関節部にある海綿静脈洞や翼突筋静脈叢のたまり場を通じて、脳や顔面の血液を心臓に送り戻しているのです。

参考文献 診療歯科医のプレッシャーに打ち勝つ歯の噛み合わせ治療法 国武和春著 本の泉社  

2010年1月21日 (木)

ノーベル・プロセラ・スキャナー・ジェニオン装備

1408 1月の半ばに、しろくま歯科医院の第二技工室にプロセラ・スキャナー・ジェニオンを装備しました。

これにより、院内にてインプラントの上部構造が作れるため、顎関節症患者さんの特殊なインプラント技工物や難しい技工物が自在に作れるようになりました。

このスキャナーはインプラントだけではなく、審美的な領域の技工物(セラミックス、ジルコニア)も作成することも可能ですので、かなり可能性が広がります。1409

今後も、このスキャナを用いた症例をこのブログにて紹介していきたいと思います。 1410_2

2010年1月20日 (水)

どたばたの午前中。

今日の早朝の事です。

妻の陣痛が始まったらしく、いそいそと病院へ行く準備を始めました。

午前中の診療開始までにはまだ時間があったので、かかりつけの病院の救急外来へと急ぎました。

入院手続きを終え、診察。

すでの産道が開き始めているらしく、すぐに出産の準備をしなければならないとの返事。

『お父さんがお見舞いに来るときには、もう家族が増えているかもしれませんね』とのこと。

もう、午前中の診療には、まったく身が入りませんでした。こんな日に限って院内は大混雑。

私も病院を預かる身なのだけれど、今日ほど、患者さん来ないで~と思ったときは無かったです。

午前の診療を急いで切り上げ、妻のいる病院へダッシュで向かいました。

到着してみると、分娩室でいきんでいる真っ最中。

思わず、手に汗がにじみました。

それから妻を励ましつつ、無事出産できました。

元気な男の子でした。

はぁ~疲れた。

これから午後の診療です。

なお、本日は、早めに診療を切り上げるかもしれません。

すいません。

歯に大きな穴が開いたときの治療~永久歯編~

本日も昨日に引き続き、熊谷先生と医療ジャーナリストである秋元秀俊さんの『徹底解剖 むし歯・歯周病~「一生笑顔」を約束する新しい歯科の知識~よりお届けいたします。

◇穴があいても、リスクコントロール

今日は永久歯についてみてみましょう。歯は非常にリスクコントロールの重要性が大事なのですが、これは初期の虫歯に限ったことではなく、大きな穴があいてからも同じです。

歯に穴があいてしまうと、むし歯のリスクが一つ増えることになりますから、リスクコントロールがより大切になるのです。残念ながら、大きな穴が自然にふさがることはありませんが、リスクコントロールをすれば、穴の拡大、進行を止めることが出来ます。

また、まだ軟らかいうえに、感染部分の色も淡い進行中のむし歯には、なかなか気がつきにくいものですが、この段階でリスクをうまくコントロール出来ないと、感染は一気に広がり、穴もどんどん大きくなります。

やがて感染は象牙質のなかにまで進み、痛みという信号を発して私たちに治療を促しますが、こうなると削って詰める処置で、歯の機能を回復するしか方法がなくなります。しかhし、むし歯の後始末のために削られた歯は、たとえどんなに丁寧な処置を行っても、より酸に浸されやすくなります。上手に処置しても、むし歯のリスクを改善しなければ、結局再発してしまうのです。

そして削り方、詰め方、その材料はさまざまです。患者さんにはこの違いを気にする人が多いのですが、本当に大事なのは、感染した歯質をしっかり除去したうえで、再びミネラルの収支バランスが崩れないようにすることなのです。

「むし歯の治療」とは「リスクをコントロールして、ミネラルの収支を改善する」ことであると、肝に銘じておいてください。

◇穴の処置のキーポイント

むし歯の穴の処置には、三つのキーポイントがあります。

まず一つ目は、歯の中に入り込んだたくさんの細菌を除去または殺菌することです。そのために感染した象牙質を削り取ります。けがにたとえれば、細菌が入り込んで膿んだ組織を切り取り、消毒する処置です。

二つ目に、削り取ることによってむき出しになった象牙質の傷口をふさぎ保護する処置です。これは象牙質と一体になった組織である歯髄を守るための処置でもあります。けがの処置でいえば包帯をかけるようなものです。

手足のけがなら、自然に皮膚にあたるエナメル質は再生しないので、三つ目のポイントとして穴を金属やプラスチックといった人工の材料で埋めて、元の形を復元します。また最後に、色も自分の歯のようになれば、さらに満足です。

患者さんの目には、穴を埋めて外見を回復した姿しか見えませんが、しっかり細菌を除去したり、傷口を保護して、歯のなかの歯髄を守る「見えない」処置こそが大切です。

なぜなら、歯は一見死んだ組織のように見えますが、そうではないからです。硬い歯は、象牙質と一体になった歯髄によって体液を内部から受け取り、痛みを感じたり、刺激に反応したりしています。

歯を「生きた組織」にしているのは、この歯髄なのです。

◇「歯を守る」治療と「痛くない」治療

歯髄を守るために、細菌に感染した歯質を丁寧に除去し、傷口をしっかり保護するといった「歯を守る」処置が痛くなければいいのですが、残念ながら痛みのない治療と、歯を守る治療は両立しないことがしばしばです。

感染した歯質をしっかり除去しようとすると、どうしても痛みが出ます。また歯質を除去した結果、歯髄がむき出しになり痛むこともあります。歯髄を除去すれば、とりあえず痛みはなくなりますが、歯は死んでしまいますし、除去後の経過は必ずしもよくありません。

また、削るとき、痛みのないように麻酔をすると、血行が悪くなり歯髄がダメージを受けやすくなるうえに、患者が痛みを訴えないので、歯を削りすぎてしまう傾向にあります。

患者の喜ぶ「痛くない」治療は、技術的には簡単ですが、良いことばかりではないのです。

最近では抗菌剤を利用して感染した歯質を殺菌し、出来るだけ歯質を削らずに残そうとするやり方もありますが、硬い歯質に薬剤をしみこませることは難しく、思うような結果が出ていません。また、むし歯の穴を接着剤で覆ってしまえば、痛みをなく歯髄も保護できるといいことずくめなのですが、なかなか完全に覆うことは困難です。

このように、痛みがなく、しかも確実に歯を守ることの出来る治療はありません。削って詰める以上は、たとえ痛くても、丁寧に痛んだ歯質を除去し、確実に「歯を守る」治療を進めるべきなのです。

参考文献 徹底解剖 むし歯・歯周病~「一生笑顔」を約束する新しい歯科の知識~ 熊谷崇 秋元秀俊 共著 法研

2010年1月19日 (火)

歯に大きな穴が開いたときの治療~乳歯編~

本日は、熊谷先生と医療ジャーナリストである秋元秀俊さんの『徹底解剖 むし歯・歯周病~「一生笑顔」を約束する新しい歯科の知識~よりお届けいたします。

◇乳歯のむし歯は取り返せる

さて、むし歯がひどくなり、大きな穴があいてしまったら、どうしたらいいでしょう。

まず乳歯についての話です。乳歯は軟らかく、簡単にすり減るうえに、対酸性が低いので簡単にむし歯になってしまいます。そのうえいったんむし歯になると、あっという間にひどくなり、口中至る所がむし歯になったり、歯がすっかりなくなるまでひどくなることもあります。

また、その間も子どもの顎はぐんぐん成長するので、乳歯のひどいむし歯は大人になってからの歯並びにも影響します。

乳歯がむし歯になってしまった場合には、見かけを治すことよりも、ここでむし歯をつくってしまうリスクをコントロールし、いずれ生えてくる永久歯をむし歯にしないことのほうが大切です。

乳歯は米粒のように小さいので、精密な治療はとてもむずかしい上に、子どもをむし歯治療に協力させるんは至難の業です。

そして、乳歯はいつか永久歯に生え変わる歯ですから、仮にむし歯をつくってしまっても、取り返しのつかない失敗ではありません。

ですから乳歯がむし歯になった場合には、とりあえず痛みを無くした上でリスクコントロールを徹底し、永久歯に悪い影響が出ないようにすることがキーポイントになります。

明日は永久歯編です。

参考文献 徹底解剖 むし歯・歯周病~「一生笑顔」を約束する新しい歯科の知識~ 熊谷崇 秋元秀俊 共著 法研

2010年1月18日 (月)

強風で・・・・・。

今月の13日の昼の事です。1407

診療していると、急に『ガシャ~~ン』という大きな音が診療所の玄関から聞こえました。

行ってみると、玄関のガラスが粉々に砕けている。

強風で割れてしまったみたいです。

患者さんにケガが無くて良かったです。

その後の蔭山建設さんがすぐに駆けつけてくれて、事なきを得ましたが、ガラスが入るまでは雪が舞い込んで本当に寒かったです。

ガラスに描いてあったロゴを新しくしたいな~とちょうど思っていたところだったので、ある意味良かったです(かなり無理しています。気分的に。本当は落ち込んでいます・・・)

2010年1月17日 (日)

口内の汚れは万病のもと

本日は、日本咀嚼学会編集の『誰も気づかなかった噛む効用~咀嚼のサイエンス~』の中の渡辺久東京医科歯科大学歯学部歯周病講座准教授のテキストよりお届けいたします。

◇危ない『口内の汚れ』

口と肛門は、消化器系の入り口と出口です。いずれも身体と外界の接点ですから、いろいろな異物(細菌も含む)が入り込みやすいところです。また適度の温度と湿り気があるので、とりわけ細菌の住みやすい環境です。どちらも不潔にしていますと、いろいろと厄介な病気を引き起こします。

口の中の病気で、代表的なものは“むし歯”と“歯周病”です。歯周病には、歯肉炎と歯周炎(歯槽膿漏)があります。むし歯と歯周病は、放っておくと終いには“歯を失う”ことになります。その原因は、口の中を不潔にすること、口の中の汚れにあります。

口の中の汚れにはいくつかあります。まず第一番目に、食事をした後に残る“食べかす”です。通常は、うがいやようじで取れますが、奥歯の間に挟まった場合などは、大変苦労します。俗に「奥歯に物がはさまった言い方」などと言いますが、いつでも気になってしかたがないものです。この状態が続くと、その部分にむし歯や歯周病を起こします。

第二番目が、着色です。これは食物の色素、紅茶・コーヒー・お茶などの飲料水の茶渋、たばこのヤニなどです。これらは病気とは直接には関係ありませんが、口元がとかく気になる現代の生活にあっては、常に気をつけたいものです。

昔から『明眸皓歯(めいぼうこうし)』といって、明るく澄んだ瞳と白い歯は、美人の形容として使われます。たばこについては、ニコチンとコチニンが白血球の機能を低下させることが報告されています。長期間喫煙を続けますと、感染に対する抵抗力が低下するといわれています。

例えば、歯周病については喫煙者はたばこを吸わない人に較べて、4~14倍も病気に罹りやすいといわれます。たばこの害を論ずる場合は、一日の本数と喫煙の期間が問題になります。ご自分の健康もさることながら、間接的な喫煙(受動喫煙)の害も指摘されています。マナーを守った喫煙を心がけたいものです。

参考文献 誰も気づかなかった噛む効用~咀嚼のサイエンス~ 日本教文社 

2010年1月16日 (土)

完全に体のセットアップが狂っている・・・・。

現在朝の5時です。このブログを書いている時間のことです。

去年から引きづりまくっている体調不良が未だによくならず、昨晩はかなり早い時間に就寝。

夜中の4時に突然目が覚めてしまって、何とか寝ようと努力したのですが、どうにも寝ることが出来なかったので、それなら起きてしまって仕事しようと思い立った次第。

さて、やることはいっぱいあるのだけれど、何から手をつけようかな・・・・・。

2010年1月15日 (金)

口の中ではなにが起こっている?

本日は、MIXIの中に掲載されていたニュースをそのままご紹介いたします。

◇口のなかでは何がおこっているのか?

いいトシして、いまだに歯医者に行くと、緊張と恐怖でガチガチになってしまう。あのキーンという音を聞くだけで、心拍数があがり、治療中はおそろしくて目を開けていられない。

だが、先日、歯の治療を体験した8歳の娘が、感心した様子でこんなことを言うのを聞いて、仰天した。
「先生が、歯を削る機械を指にあててくれたんだけど、全然切れないし、全然痛くないの」
!! どういうこと!? 自分のこれまでの恐怖心はなんだったのか? 口の中でいま、どんなことが行われているのか。渋谷区幡ヶ谷の坪田歯科医院・坪田泰幸院長に聞いた。

「子どもの場合、初めてだと怖がりますよね。だから、わざと切れないような仕上げ用のセラミックのポイントなどを低速で手にあてて、『痛くないんだ』と安心させることはありますよ。ただ、一般的にはダイヤモンドのバーを使いますし、何万回もの高速回転をさせたり、ギュっと強く押し付ければ、切れますよ(笑)」
そりゃそうですよね……。ところで、「先端」はどうなっているのか。
「エアタービンの先端にはダイヤモンドの微粒子がついています。歯のエナメル質はダイヤの次に固いと言われているので、それでエナメル質や歯を削ることができるんですよ」

歯を削るときの「キーン」というあの音は、エアタービンといって、圧縮された空気の力で羽根を回転させるドリルによって出るもの。高圧で圧縮された空気が、器具の穴から一気に外に排出され、そのために高い音が出るのだそうだ。

治療は基本的になるべく低速回転で行うというが、それでも下手に動いたりすると、口の中が切れたりすることになる。口の中はどんなことになっているかというと……。
「歯を削るエアタービンには、ライトが2か所ついています。1か所だと影ができてしまって、削るところがよく見えなくなるからです。また、エアタービンには細かい穴が3つついていて、3方向から水が出て、冷却するようになっているんですよ。冷却しないと、歯を削る際の摩擦熱で、口の中のたんぱく質が変性してしまいます。生卵が熱いフライパン上でかたまるような感じです。神経は60~70℃ぐらいで変性してしまうんですよ」
ヒエ~ッ! 口の中に水が入ってきて、それをゴゴゴゴゴ~とホースのようなもので吸い取られる、例のアレ。治療中にはものすごい大量の水が入ってくるように思えるけど、いったいどのくらいの水を使用しているのだろうか。
「エアタービンは浄水器つきの水道水を使っていて、圧縮空気と細かい霧状の水が出ます。たとえば、30秒間使用すると……(実際に目の前で使用してくれつつ)、大さじ1杯分くらいかな? 15~20分程度の治療中でも、ずっと削っているわけでもないので、水の量自体はたいしたことないですよ」

一見恐怖に思える歯医者の治療。でも、強烈な音も豪快な勢いの水も、最先端の機器によって、優しく優しく進められています。
(田幸和歌子)

2010年1月14日 (木)

軍事向けガム開発

本日は、デンタルトリビューン2010年1月号よりお届けいたします。

◇軍事向けガム開発~抗菌性う蝕予防ガム~

《米国》歯磨きの時間も手段もない状況で任に当たる兵士は、口腔衛生維持の手段としておもに支給品の甘いガムに頼っていたという。

従来のガムは唾液性分は促進されても口腔衛生維持の手段としては決して十分なものではなかった。しかし、近い将来、う蝕や歯周病の悪化を防ぐために抗菌性ペプチド配合ガムが実用段階に入る可能性がある。

◇KSL含有でプラークの形成を阻害

兵士にとって、う蝕や歯周炎の罹患や悪化は戦力低下にもつながるため、深刻な問題としてとらえられている。U.S. Army Dental Research Detachment(USADRD)の資金援助のもとケンタッキー大学薬学部教授Patric Deluca氏らは、う蝕を予防するガムの開発を行ってきた。

現在、米国国防総省がガムの臨床試験材(CTM)の製造業者を求めて世界中に広報しており、近々、第Ⅰ相試験が行われると2009年11月12日付けのケンタッキー大学プレスリリースで発表された。

このガムには、抗接着および研磨剤の働きをするKSLという抗菌性ペプチドが含有されており、プラーク形成の阻害や分解を促進することが出来る。

◇AIDS罹患小児にも

開発者であるDeluca氏の後を継いだ助教授AI-Ghananeem氏は「研究の焦点は兵士であるが、他にも多くの可能性を内包している」と述べた。また、世界の国々、特に第三世界にも影響を与えるとし、「アフリカでは、AIDSに罹患して生まれた子供たちは深刻かつ痛みを伴う歯科疾患を抱えている。このガムがQOLを向上させるだろう」と、新たな展開についても触れている。

なお、KSLは歯周病原性菌やう蝕細菌のみに効果を発揮するわけではなく、その他の口腔内の常在菌にも作用すると考えられている、そのため、通常のブラッシングに代わるものではなく、あくまで非常手段として使用するのが好ましい。

2010年1月13日 (水)

お風呂って大事。

昨日の事です。

仕事が終わってから、『さあて、風呂にでも入ろうかな・・・』と思ったら、先に娘を風呂に入れていた奥さんから、『先生、お風呂が壊れちゃった、お湯が全然でない・・・・』

『・・・・・・・・sweat02。』

毎日、診療をしていると、髪や顔がとても汚れるのです。

だから、お風呂はとても大事なのです。

清潔にしないといけない仕事でもありますし。

でも次の日は連休だったので、その日は風呂に入らずに寝ました。

しかし、次の日は本当に疲れが溜まっていました。

連休だったので、業者の方が来てくれるか心配だったのですが、なんと、無理して修理しに来てくれました。寒い中、とても長時間がんばってくれました。お陰でお風呂が直ったのです。

それはそれはうれしかったです。お風呂に入れるってなんて素敵なんだろうって思いました。

いつでも家族が安心してお風呂が入れる様にしなきゃと思いました。次の日も休みでしたからその日はゆっくり眠ることが出来ました。

次の日は、お風呂がある安心感から、最近はじめた趣味のサイクリングに朝から1時間ほど出かけました。体調不良だったため、1ヶ月ほど自転車に乗れなかったですが、この日はとても気持ちよく乗れました。

帰宅すれば、暖かいシャワーを浴びれるのですから。

で、帰宅すると。。。。

『先生、またお風呂壊れちゃった・・・・・・・・。』

幸い、うちの目の前には、極楽湯がありましたので、本日はここで済ませます。

これもこれでいい感じだな。

家も7年もたてばそれなりにがたが来るんですね、人間みたいに。

2010年1月12日 (火)

何もかもがうまくいかない日

先週の金曜日の事です。

この日は朝から今ひとつしっくり来ませんでした。

まず、従業員の一人が体調不良でダウン。しかし、従業員が何人か病欠しても大丈夫な体制は常にとっているので、これはあまり問題ではありませんでした。

ケチのつけはじめは午後からでした。

その日は、またいずれご紹介いたしますが、技工室に新しい機械が導入される日でした。これはCAD/CAMという機械で、模型の形状をレーザーで読み取って、インターネット経由でスウェーデンや幕張の工場へ伝送し、歯をつくるというものなのです。

その日は午後から、新しい機械の研修の為に、技工士さん達は、仕事をオフにしておいたのです。しかし、肝心のインターネットがつながらない。去年に技工室にインターネットの工事をしたにもかかわらずです。

そこで、工事をした業者さんに来てもらったところ、インターネットにつなぐジャックを持ちが得ていたとのこと。しかも、新しくつなぐべきジャックが埋まっていて、インターネットにはつなげないことが判明。しかし、これは技術的な問題なので、電気屋さんでハブを購入すればすむことなので早速、受付に近くの電気屋さんに在庫の確認をさせていました。

その時に、肝心の機械メーカーの大本のサーバーがダウンしていることが判明。登録が出来ずにその日は研修が行えないとのこと。一日患者さんの数をセーブして、待機していたのがすべて水の泡となりました。

その後も診療時間が噛み合わず、どたばたとした一日となってしまいました。

人間のバイオリズムが生活のバイオリズムと周期が一致しないことはたまにあります。おそらくこの日が私にとって、会わない日だったのでしょう。

こんな日に自分に言い聞かせることは、とにかく、ミスを出さずに出来ることだけに集中するということ。早く診療が終わってくれと心で念じていました。

診療が終わり、ほっと一息ついたとき、待合室のエアコンの調子が悪いということが判明。リモコンが作動しないという騒ぎ。

一日、はらはらし通しだった私は、とても落ち着いていました。さっさとリモコンの電池を交換して元に戻しましたとさ。

2010年1月11日 (月)

インフルエンザの予防注射をしましたが・・・・・。

本日はデンタルハイジニスト&オーラスヘルプセラピー協会が編集した『歯から始まるQ&A~内科医が答える歯と健康~』よりお届けいたします。

Q:インフルエンザの予防注射をしたら、38度くらいの熱がでました。抜歯する与薬をしていたのですが、「今日は歯を抜くのをやめましょう」と言われました。覚悟していったのに、どうしてかな?

A:抜歯によって発熱することがあり、さらに熱が上がってしまうからです。

インフルエンザの予防接種については、13歳から64歳では、1回0.5mlを皮下注射し、ブースター効果を期待する場合は、数週間後に再度接種すると定められています。

インフルエンザワクチンでのアレルギーなどの副作用は軽微で、軽度の発熱や頭痛が起こることがありますが、5~10%の頻度です。つまり、ワクチン接種後に発熱した場合、それが、ワクチンが原因かどうか、にわかには確定出来ないのです。

例えば、偶発他の感染症に罹ったかもしれませんし、感染症ではない他の何かが原因かもしれません。そして、歯科治療も、場合によっては発熱の原因になることもあります。

ワクチンによる副作用の可能性が高ければ、数日で自然消滅するのでそのまま経過を観察するかもしれませんし、他の感染症が疑わしければ必要に応じて抗生物質を投与することもあるでしょう。それぞれの原因に対する適切な処置が必要となります。

ここで、インフルエンザワクチンの副作用として発熱している方が、抜歯によってさらに発熱っしたらどうでしょうか?単純な足し算ではないかもしれませんが、単発なら耐えることも出来たかもしれない発熱も、一度に襲ってくると手強いでしょう。熱を下げる時も、一筋縄ではいかないかもしれませんが、抜歯の予定を延期することは出来ますよね。体調を整えてからでも遅くはないと思いますよ。

参考文献 歯から始まるQ&A~内科医が答える歯と健康~  デンタルハイジニスト&オーラスヘルプセラピー協会編集  九天社 

2010年1月10日 (日)

今更ですが、今年の初夢ってなんでした?

皆さん、今年の初夢覚えていますか?それとも熟睡して初夢のことは覚えていない感じですか?

私は、体調が悪く、毎日寝ていたので、一つ一つの眠りが浅いためか、すごくよく覚えています。

悪い夢では無かったので、今日は私の初夢を披露したいと思います。

その夢の中で、私は軍事工場で働いていました。

人手不足の為か、今までやったことのない仕事までさせられています。

毎日重い荷物を運んだり、触ったことのない重器に触れなければならないのです。

仕事が終わって、くたくたな私は、一人座って休んでいると、奥の方からがやがやと声が聞こえてきます。

何だろうと思って近づいて見ると、私と同じ工場で働いている先輩たちが、初めて触れる重器を何度も何度も分解しては、組み立て直しているのです。

どうして、仕事が終わって疲れた後、そんなことをしているの?という私の問いに、

こうしてわからないことは事故が起きてからでは遅い。何度も何度もくり返し練習して、そして失敗したら、なぜ失敗したをみんなで考えばいい。練習のしすぎで重器を壊してしまったら、それこそ重器を直す良い練習になるから。体が無意識に動くレベルまでくり返し練習することが必要なんだよ

と、その先輩は優しく諭してくれました・・・・・・

というところで目が覚めました。

私はこの夢の中のことが足りないということなのかもしれないですね。

くり返し、くり返し・・・・・・・。

2010年1月 9日 (土)

未だ正月気分が抜けきらない・・・。

昨年の年末から体調を崩し、正月休みはずっと自宅で寝ていたのですが、未だ全く良くなりません。

今年に入り、お医者さんに診てもらったのですが、どうやら流行のインフルエンザでは無いらしく、それについては一安心しました。

今年に入り、仕事への情熱は燃え上がっているのですが、体がそれに対応出来ていないのがつらいとことです。

仕事の代えが利かないだけに、こんな時はつらいですね。

2010年1月 8日 (金)

歯科診療所で全身疾患の・・・

本日はデンタルトリビューン紙 2009年12月号よりお届けいたします。

◇歯科診療所で全身疾患のスクリーニング《米国》

歯科医師が全身の健康管理に深く関与することは、患者にとっても有益である。ニューヨーク大学歯学部(NYUCD)では「全身の健康管理も歯科医療従事者の責務とする」という理念のもと、独自の学生教育や看護学部との連携を行っていることを、10月5日付の同大学プレスリリースで報告した。

◇学生教育に、全身疾患の評価

歯科医院へ定期的に通院していても、プライマリ・ケア医とはあまり頻繁に会わない患者もいる。このようなケースにおいて、歯科医師は患者の全身の健康状態を観察し、重篤な疾患の徴候を発見し介入することが可能な立場にあるといえる。

例えば、患者が過度の口渇や空腹感、頻尿などを訴える場合、糖尿病の初期症状かもしれない。

NYUCDでは、学生教育の段階からこの理念を反映させ、学生は口腔疾患のみならず、全身疾患の評価法も学んでいる。

また、同大学では全身管理の一環として禁煙指導にも注力しており、患者にただ禁煙を勧めるだけではなく、禁煙治療のサポートまで行う。

昨年の春からは、学生と教員に対する教育プログラムとして、「臨床医のための禁煙治療介入の5A:質問(ASK)、助言(ADVISE)、評価(ASSESS)、支援(ASSIST)、経過観察の手配(ARRANGE)」が開始された。

◇看護との協力

2006年にNYUCD内に開設された看護学部診療所は、包括的な看護保険を行うために口腔衛生と全身の健康管理をリンクさせる重要な役割を担っている。

歯学部と看護学部が協力し、すべての患者は、全身と口腔、双方の健康管理に対応する総合健康管理センターを利用出来る。同センターは歯学部ロビー内という便利な場所にあり、がん検診やカウンセリング、人間ドックなど包括的なプライマリ・ヘルスケアを提供している。

さらに、同大学では歯科検診にも重篤な全身症状のリスク評価も組み入れるべきだとし、その実践に向けて、現在、歯科と看護とが協働で連携プログラムを立ち上げている。

2010年1月 7日 (木)

口臭とは

本日は川口陽子先生監修の『「息さわやか」の科学』よりお届けいたします。

◇口臭とは

口臭とは、呼吸や会話をする時に口からでる息が第三者にとって不快に感じられる臭いです。重要なのは、自分ではなく第三者が不快に感じるかどうかです。

口臭の診断名は、医学用語では「ハリトーシス(Halitosis)」と表現します。その語源は、“息”を意味するラテン語の「halitus」と“異常な状態”を意味するギリシャ語の「-osis」であると、考えられています。

口臭のことを、英語では「バッドブレス(Bad breath)」といいます。まず、非常に口臭が強い人を、「ドラゴンブレス(Dragon breth)」や「ドラゴンマウス(Dragon mouth)」と表現することもあります。

ドラゴン(竜)が火を吹くように、口から強烈な臭いを発する人は、周囲の人々に敬遠されています。

ロビンソン・クルーソーのように、他人との接触が全くない無人島に、たった一人で生活しているのであれば、どんなに口が臭っても、口臭を病気として意識することはないでしょう。また、動物であるならば、自分の口臭について悩むことはないでしょう。

集団で社会生活を営んでいる人間だからこそ、口臭が深刻な悩み、苦しみとなるのです。

口臭は、人間が社会生活を送るための基本となるコミュニケーションに支障をきたします。「自分に口臭があるせいで、人に迷惑をかけている」といつも気にしていると、心理的に不安になり、だんだん行動が消極的になっていく、ということもよくあるのです。

また、口臭の発生には、口の中の不潔な状態や病気、鼻などの病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気など、多くの原因が複雑に影響している場合があります。

口臭の原因の90%以上は、口の中と関係があります。ですから、口臭が気になったら、まずは歯科医院で診てもらってください。最近は、大学病院を中心に、口臭の質や強さを化学的に分析し、診断を行ってその原因を突き止め、口臭の予防法をアドバイスしたり、必要な治療を行ったりするところが増えてきています。

参考文献 「息さわやか」の科学 川口陽子著 明治書院

2010年1月 6日 (水)

歯医者さんは痛くなったときに行けば良い・・・・?

本日は、トータルスマイルという歯科医師集団がお書きになった『定期健診へ出かけよう』という本よりお届けいたします。

◇歯医者さんは痛くなったときに行けば良い?

Cさんは70歳の男性です。彼は若いときから健康には人一倍気を遣っていました。その証拠に彼は何か異常や痛みを感じるとすぐに歯科医院の予約を取り、診察を受けたのです。

「先生、今日も右の上に痛みと腫れがあって・・・・・・診てもらえますか?」

それを受けた先生は、

「ああ、ここが腫れているね。これは、神経を取った歯だから脆くなって割れてしまったのですよ。もうどうしようもないから抜いた方がすっきりしますよ。」とレントゲンで根が割れているところを指摘しながらおっしゃいました。

Cさんは、過去の事をいろいろ思いだしていました。

「この歯の神経を抜いたのは・・・何回か詰め物をしたけれども外れてしまって・・・そうだ、しみるようになって・・・・それで神経を抜いてもらったんだな・・・。」

そして、疑問におもったのは・・・・

「歯は、削ったところから大きくなって、しまいには抜かなきゃいけなくなる運命にあるんだ・・・・でも、前にテレビで80歳で20本の歯を残そうと言っていたがそんな人たちってどうやって健康を維持しているのかな・・・・・?」ということでした。

しかし、Cさんのお口にはも8本の歯しか残っていません。最近は、入れ歯が大きくなったこともあって、食事もあまり美味しく味わうことが出来ないと感じていました。

彼はもちろん入れ歯が手放せない状態です。

もちろん噛みやすいインプラントも考えたことがあります。しかし、彼のお嬢さんご夫妻はご自宅を新築なさるということで、是非援助してあげたいので経済的な余裕はあまりありません。

しかし、入れ歯に対しては、「力が入らない」「よくかみ切れない」「違和感がまだある」などの不満もお持ちです。

「あ~ぁ、どんどん歯が無くなってじきに総入れ歯になるんだろうな~とため息をつきました。

Cさんは、いつもトラブルがあるとすぐに歯科医院にかかるように心がけていました。

しかし、Cさんの歯は小さい詰め物が徐々に大きくなり、そして神経を抜き、その歯が割れてきて抜かなければならなくなるということを何度となく経験してきました。

「何か間違っていたのかな・・・・」

というのがCさんの素朴な疑問でした。

Cさんの疑問はたくさんの方が感じられていることなのです。

何が間違っていたのでしょうか?

◇歯医者に行けば行くほど歯は、悪くなる・・・・・。

Cさんの経験なさったことは、ほとんどの日本人が経験していることだそうです。なぜなら、“日本”という国の成人の歯の数は、先進国の中で最下位なのです。

皆さんもショックを受けていると思いますが、実は“タイ”という国の人々よりも歯を健康に保持している人は少ないのです。

日本での80歳の歯の本数はわずかに6本に比べ、タイは10本以上歯が残っているのです。もちろん、欧米では20本を超えている国がほとんどです。

長崎大学の新庄先生がまとめられたデータでもこのことは証明されています。

そのグラフ(実際の本を参照ください)でもお分かりになるように、症状がある時に歯科にかかっている人は80歳になるとわずか6本の歯しか残らないということなのです。

なぜ、日本人は、高度な医療技術がある環境にいながら決して先進国とは言えない“タイ”の人々より残る歯の本数がすくないのでしょうか?

なぜ、欧米の人々の半分くらいしか歯が残らないのでしょうか?

それは、5つの大きな理由があると思います。

①定期的に歯や歯ぐきの手入れを歯科衛生士にしてもらう習慣がない。

②歯のにトラブルが発生して初めて歯科医院を受診するという習慣が定着してしまって。

③むし歯の治療は削って詰めることで完全に回復するという勘違いが常識として定着してしまった

④流通が発達し、いろいろな砂糖を含む食品が市場に溢れ、いつでもどこでも簡単に手に入る環境がある。

⑤保険制度の弊害で、歯科医院は“削って詰める”という行為を行わなければ収入を得ることが出来なかったために歯医者さんも行政もあまり予防に関心を示さなかった。

よく考えてみると歯医者の側にも一般の方々の側にも原因があることがわかります。しかし、同じ環境であれば、この事実は変えようがありません。

それは、、、、、「歯医者に行けば行くほど歯は、悪くなる」

これが日本の正しく、そして悲しい現状なのです。

しかし、このままでいいのでしょうか?

参考文献 定期健診へ出かけよう トータルスマイル(天羽大介 鎌倉聡 佐名川徹 田中伸尚 笠井啓次 竹下誠 成富健剛)著 ブイツーソリューション   

2010年1月 5日 (火)

本日より診療開始です

あけましておめでとうございます。

本日9時より通常通り診療いたします。

年末30日の大掃除で院内もキレイになり、今年も院長はじめ、

スタッフ一同精一杯頑張っていきたいと思いますので、

本年もよろしくお願い致します。

お正月休みの間、歯科に関して何か気になるところありましたら、

お手数ですが、早めにお電話でご連絡下さいtelephone

詳しい予約状況をご案内でき、こちらも用意してお待ちできます。

時々予約なしで来院される方がいらっしゃいますが、予約の患者さんが優先となり、

せっかく来院していただいたのに、予約状況によっては申し訳ありませんが

ご希望に添えない場合がございますのでよろしくお願い致します。

2010年1月 4日 (月)

明日から仕事始めです

いよいよ明日から仕事始めです。

この年末から本日まで、妻の実家へ顔見せにいく以外はずっと風邪で寝込んでいました。

今も、本調子ではないのですが、こんなに体調を崩したのは実は始めて。

改めて、休み体調不良がぶつかって良かったなとほっと胸をなで下ろしています。

体調不良は疲れをため込んできたツケが回ってきたと思っていますし、下手な生き方をしているなと反省。今年はもう少し楽に生活していこうと思っています。

2010年1月 3日 (日)

一番好きな治療

私は3代続く歯科医師家庭なのですが、おじいちゃんも親父も入れ歯の専門医でした。

私は、親父がそうだからという流れではなくて、単純に入れ歯が好きだからという理由で入れ歯の講座へ入局しました。

これも、血なのでしょうか。

そのため、現在も一番好きな治療は入れ歯の治療です。特に総義歯。

私が勝手に思っているのは、総義歯は歯科での大事な要素がすべて詰まっていると思っています。

噛み合わせ、審美、口腔内の筋肉の付着具合、咀嚼、発音などなど。

すべてがピタっとマッチしないと、決して患者さんは満足してくれません。

それだけにやりがいがあります。

昨年末は総義歯の患者さんが多く来院してくれました。ものすごく充実していました。

総義歯を極めることが立派な歯科医師になる条件だと雲の上のような偉い先生がいっていましたが、本当にその通りだと思っています。

今年は、さらに磨きがかけられるよう、新たに参考書を購入しました。また新しい知識を勉強できるのかとおもうと、うれしくなってきます。

現在はインプラントの知識や技術も自分なりにかなり実力がついてきたと思ってきましたが、まずは入れ歯を試してみてからでも遅くはないのかなと個人的には思います

2010年1月 2日 (土)

もう本屋さんへは立ち入り禁止!

お正月も2日になりましたね。

初夢はいかがでしたか?

今年の私の休日はひたすら読書です。

しかし、こんなに読まなければいけない本が積んどく状態です。1402

毎日懸命に読書に励んでいますが、本屋さんへ行くたびに気になる本を見つけ購入してしまうのです。

もう、下の方に積んである本の存在すら忘れています。

今年は、出来るだけ本屋さんには行かず、ひたすら在庫処分に徹します。

その前に、ちょっと本屋さんへいってきますrun