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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
毎日のケアについてのアドバイスを載せていきます。
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当院では、心停止の救命措置に必要なAED(自動体外式除細動器)を設置しております。

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2016年12月14日 (水)

眼鏡の処方箋

去年(もう1年も前から)から目の老化が激しく、最近では日常生活にも支障が出てくるようになってきました。
例えば、歯の治療をしているときに、裸眼で口腔内を診ると、歯がぼやけてしまう(拡大鏡やマイクロを使えば大丈夫)事や、金属を磨いているときにうっかり見えづらく金属を落としてしまったり。
私生活ではテレビがぼやけてしまったり、本の文字が見えなくなってしまったり。
そこで、10月初めに予約がまだ入っていない平日に一日お休みを頂いて、眼科やその他の平日にする仕事をすることにしました。
本当は直ぐにでも行きたかったのですが、予約が入っていない日程は有り難い事に1ヶ月先の先日でした(有り難い事です)。
そこで、近くの伊藤眼科さんへ。
予約制ではないとの事で、朝一で。「こりゃ一番乗りっ!!」って意気込んでいたのですが既に10人ほどの患者さんが待っておられました。

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受付では、私の患者さんでもあるうちの衛生士の滝田さんのお姉さんがいらっしゃいました(笑)。
妻の情報では、かなり混んで、待つ覚悟が必要ということで仕事道具を持参しました。なんとの伊藤眼科の待合室はどこかのホテルのサロンみたいで居心地が良い。それにテーブルが沢山あるのでパソコン仕事が出来ました。こういう待合室憧れます。医院を作った10何年前は、患者さんが来なかったらどうしようってビビって待合室を大きく作れなかったのです。失敗。
で、パソコンで仕事を始めたら、あっさり自分の順番が来ました。

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歯科でも治療を始める前には多くの検査をしますが、眼科でも診療前に視力検査を沢山しました。
それにしても凄い検査器具の数々。

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歯科も設備投資がかなりかかりますが(もしかすると個人開業医療の中では一番かも)、眼科もなかなか設備投資が大変そう。
伊藤先生に診察して頂きました。多分伊藤先生の奥様先生。
非常に丁寧な説明で、こちらが恐縮してしまうほどの丁寧な説明。
どうやら、パソコンや事務仕事するときの視力があっていない様なので、新たな眼鏡の作製を勧められました。無理な眼の疲労で涙が減少しているとの事。適切な眼鏡を使うことによって、涙の量が増えるとの事でした。
なるほどね。
しかし、眼科。眼鏡の診断書なんていう物があるんですね。
ビックリしました。

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2016年5月30日 (月)

またこの季節がやって参りました。

5月から6月にかけては、学校検診の季節です。
私は郡山東高校の学校歯科医なのですが、今年も3回に分けて健診を行わせて頂く予定です。
既に2回終えていて、最後の1回は来月の予定なのです。
今回は2回目の学校検診の模様をレポート。
健診の肝は、いかに手際よく、確実に口腔内全体を健診出来るかにあります。
一度に300人近くを短時間で見なければいけないので相当の集中力と忍耐力が試されます。
また長期間座り続けるのでトイレに行けないという苦難も伴います(笑)。
いままでは何とか口腔内を見渡せたのですが、今年私の老眼度数が急上昇!!全く裸眼では見えづらくなってきてしまいました。
そのため、今回から口腔内専用のライトと拡大鏡を持参するようにしました。
かなり検診が楽になりました。
やはり、老体には新兵器で補うのがよろし。
無理に若い先生と競い合うことないのだ。
来月もキチンと正確に検診しますよ!!

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このライトはこんな風に手術の時に使っています。

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2010年1月17日 (日)

口内の汚れは万病のもと

本日は、日本咀嚼学会編集の『誰も気づかなかった噛む効用~咀嚼のサイエンス~』の中の渡辺久東京医科歯科大学歯学部歯周病講座准教授のテキストよりお届けいたします。

◇危ない『口内の汚れ』

口と肛門は、消化器系の入り口と出口です。いずれも身体と外界の接点ですから、いろいろな異物(細菌も含む)が入り込みやすいところです。また適度の温度と湿り気があるので、とりわけ細菌の住みやすい環境です。どちらも不潔にしていますと、いろいろと厄介な病気を引き起こします。

口の中の病気で、代表的なものは“むし歯”と“歯周病”です。歯周病には、歯肉炎と歯周炎(歯槽膿漏)があります。むし歯と歯周病は、放っておくと終いには“歯を失う”ことになります。その原因は、口の中を不潔にすること、口の中の汚れにあります。

口の中の汚れにはいくつかあります。まず第一番目に、食事をした後に残る“食べかす”です。通常は、うがいやようじで取れますが、奥歯の間に挟まった場合などは、大変苦労します。俗に「奥歯に物がはさまった言い方」などと言いますが、いつでも気になってしかたがないものです。この状態が続くと、その部分にむし歯や歯周病を起こします。

第二番目が、着色です。これは食物の色素、紅茶・コーヒー・お茶などの飲料水の茶渋、たばこのヤニなどです。これらは病気とは直接には関係ありませんが、口元がとかく気になる現代の生活にあっては、常に気をつけたいものです。

昔から『明眸皓歯(めいぼうこうし)』といって、明るく澄んだ瞳と白い歯は、美人の形容として使われます。たばこについては、ニコチンとコチニンが白血球の機能を低下させることが報告されています。長期間喫煙を続けますと、感染に対する抵抗力が低下するといわれています。

例えば、歯周病については喫煙者はたばこを吸わない人に較べて、4~14倍も病気に罹りやすいといわれます。たばこの害を論ずる場合は、一日の本数と喫煙の期間が問題になります。ご自分の健康もさることながら、間接的な喫煙(受動喫煙)の害も指摘されています。マナーを守った喫煙を心がけたいものです。

参考文献 誰も気づかなかった噛む効用~咀嚼のサイエンス~ 日本教文社 

2010年1月 8日 (金)

歯科診療所で全身疾患の・・・

本日はデンタルトリビューン紙 2009年12月号よりお届けいたします。

◇歯科診療所で全身疾患のスクリーニング《米国》

歯科医師が全身の健康管理に深く関与することは、患者にとっても有益である。ニューヨーク大学歯学部(NYUCD)では「全身の健康管理も歯科医療従事者の責務とする」という理念のもと、独自の学生教育や看護学部との連携を行っていることを、10月5日付の同大学プレスリリースで報告した。

◇学生教育に、全身疾患の評価

歯科医院へ定期的に通院していても、プライマリ・ケア医とはあまり頻繁に会わない患者もいる。このようなケースにおいて、歯科医師は患者の全身の健康状態を観察し、重篤な疾患の徴候を発見し介入することが可能な立場にあるといえる。

例えば、患者が過度の口渇や空腹感、頻尿などを訴える場合、糖尿病の初期症状かもしれない。

NYUCDでは、学生教育の段階からこの理念を反映させ、学生は口腔疾患のみならず、全身疾患の評価法も学んでいる。

また、同大学では全身管理の一環として禁煙指導にも注力しており、患者にただ禁煙を勧めるだけではなく、禁煙治療のサポートまで行う。

昨年の春からは、学生と教員に対する教育プログラムとして、「臨床医のための禁煙治療介入の5A:質問(ASK)、助言(ADVISE)、評価(ASSESS)、支援(ASSIST)、経過観察の手配(ARRANGE)」が開始された。

◇看護との協力

2006年にNYUCD内に開設された看護学部診療所は、包括的な看護保険を行うために口腔衛生と全身の健康管理をリンクさせる重要な役割を担っている。

歯学部と看護学部が協力し、すべての患者は、全身と口腔、双方の健康管理に対応する総合健康管理センターを利用出来る。同センターは歯学部ロビー内という便利な場所にあり、がん検診やカウンセリング、人間ドックなど包括的なプライマリ・ヘルスケアを提供している。

さらに、同大学では歯科検診にも重篤な全身症状のリスク評価も組み入れるべきだとし、その実践に向けて、現在、歯科と看護とが協働で連携プログラムを立ち上げている。

2009年12月17日 (木)

歯科医が訪問 口腔ケア

本日は、読売新聞 12月10日分の『安心』のページよりお届けいたします。

◇誤嚥性肺炎予防効果も

口の中を清潔に保ったり、飲み込む力を鍛えたりする「口腔ケア・嚥下リハビリ」が高齢者の肺炎予防などに効果があると注目されている。

歯科医の間で、口腔ケアや嚥下を重視した訪問診療を広げる動きも強まり、11月には全国組織が発足した。(文:針原陽子)

◇食べられるように

千葉県松戸市のマンションの一室。介護ベッドの背もたれを少し起こした状態の男性(73)が、介護者の妻(71)の手を借りてプリンを食べていた。歯科医の大石善也さん(49)が、そののど元に聴診器を当てて、のどの状態や呼吸の様子を確かめる。

男性と妻には「口に入れて早く飲み込むと、少し器官に入ってしまう感じです。ちょっとためらってから飲めるように練習しましょう。」と助言した。

男性は7年前に脳出血で倒れ、現在は寝たきり。この5年ほど経管栄養などに頼っていたが、嚥下リハビリを受け始めて少しずつ食べられるようになった。妻は「意識と表情がはっきりしてきた。本人も楽しみが増えたでしょう」と喜ぶ。

同県柏市で開業する大石さんは、外来を休む週一日半と昼休みを使い、歯科衛生士9人とともに、老人保健施設(老健)などの施設や在宅高齢者ら約170人の訪問診療を担当する。

一回1時間。衛生士が歯や歯茎、舌などをきれいにする口腔ケアに30分を、歯科医による聞き取り、飲み込みのチェックやリハビリに30分を充てる。

家族を介して訪問看護師や往診の医師と連携を取ったり、同じ時間帯に訪れるヘルパーに口腔ケアのやり方を指導したりすることもある。大石さんは「高齢化によって要介護状態で自宅や施設で長く暮らす人はますます増える。歯科の訪問をもっと増やす必要がある」と訴える。

◇医師の連絡会発足

口腔ケアを行えば、細菌の多い唾液などが気管に入って起こる「誤嚥性肺炎」の発症率が、ケアをしない人の半分以上に減ることがわかっている。食べることで栄養状態や意欲が向上することも知られている。

これらを踏まえて「在宅療養支援歯科診療所」が設けられたのは2008年4月。在宅で療養する人を24時間体制で支えるもので、診療時間でも、75歳以上の患者を訪問したら月一回は算定できる管理料などが認められた。

しかし、口腔ケアや嚥下リハビリを重視する歯科医はまだ少なく、患者も必要性をあまりしらない。こうした現状を変えるため、大石さんら訪問診療に力を入れる開業医と、大学や病院の歯科医の有志が今年11月、「全国在宅歯科医療・口腔ケア連絡会」を発足させた。

連絡会では今後、専門的に訪問診療を手がける医師のデータベースを作成するほか、各地域に活動拠点も設置。往診を行う医科のネットワーク「全国在宅療養診療所連絡会」などの他業種との連携も模索する考えだ。

在宅医療に詳しい辻哲夫東京大学教授(高齢者政策)は「口から食べることにより体力がつき、生活の質も上がることから、歯科が医科と連携することが重要。歯科が、在宅高齢者へのケアを重視するようになったことは、時代のニーズに応えた取り組みだ」と評価している。

2009年12月 3日 (木)

キシリトールガムの効果は?

本日は、羽田宣裕先生監修の『こどもの歯をじょうぶにするQ&A64』よりお届けいたします。

◇虫歯をやっつけて、虫歯を防ぐ唾液がふえる

キシリトールは、いちごやプラムなどの果物、レタスやカリフラワーなどの野菜にも含まれている天然の甘味料で、砂糖と同じ甘さがあります。

市販のキシリトール入りのガムはおもにシラカバやカシなどの樹木から抽出されたキシリトールが使われています。

フィンランドで虫歯予防の目的で開発されたのを発端に、世界各国に広まりました。キシリトールが虫歯を防ぐのは、次の理由からです。

①虫歯菌はキシリトールでは酸を作れないので、虫歯菌にならない。

②虫歯菌がキシリトールを食べると、エネルギーを消耗して活動が弱まる

③さわやかな甘みが、虫歯菌予防効果のある唾液を多く分泌させる。

キシリトールガムは食後に5分以上噛むと、食事中に溶け出した歯のミネラルを回復させ、再石灰化を促します。また、毎食後に噛むと、虫歯菌の数が減ります。

寝る前の歯磨き後に噛むのも効果的です。

ただ、本当に虫歯菌を減らしたいのなら、歯医者さんで虫歯菌の検査を受け、決められたカリキュラムのもとに使うべきです。

甘い物を食べたいこどものために、ラムネ菓子代わりにあげてもいいですが、おなかがゆるむことがあるので食べ過ぎに注意を。

参考文献 羽田宣裕監修 こどもの歯をじょうぶにするQ&A64 小学館 

2009年11月21日 (土)

寿命と歯槽膿漏2

昨日の続きです。本日も野田先生の著書よりご紹介いたします。

◇寿命と歯槽膿漏

日本では、戦後の1950年代にはじめて歯周病学講座が開設されました。たった50年の歴史しかありません。

なぜ、このように歴史が浅いのかというと、その理由は必要がなかったからです。今日でこそ日本人は長生きですが、かつての日本人は短命でした。

織田信長は「人生五十年」と謡いましたが長生きしたほうで、十六世紀当時の平均寿命は二十歳にも満たないものでした。その後、江戸時代では三十歳から四十歳、明治に入っても四十歳のままでした。

たしかな統計がある1921年~1925年当時の男性平均寿命が42.1歳、女性が43.2歳でした。これは、細菌などの感染による幼児の死亡率が高く、また、結核などの不治の病があったためです。

そして、人生50年と人々が意識したのは戦後のことで、終戦直後の1947年でした。男性の平均寿命が50.56歳、女性が53.96歳となりました。

つまり、近年までの人生は五十歳であったということは、歯槽膿漏の末期で歯が抜け落ちる前に、人生そのものが終わっていたのです。

歯科医院で痛い目にあう前に、天寿を全う出来たわけです。ですから、歯槽膿漏の研究は必要なかったわけです。

ところがその後、医学が急速に進み、1959年に平均寿命は68歳となりました。また、日本老年医学会は65歳以上を老人と定義して、老人医療に取り組み始めました。

2001年の調査では男性の平均寿命が78.07歳、女性が84.93歳となり、人間の寿命が歯の寿命をはるかに超えてしまいました。そして2002年には、男性の平均寿命が78歳、女性が85歳まで伸び世界一の長寿国となりました。

その結果、歯槽膿漏を治さなければならない、という問題がクローズアップされました。

歯の多くは歯槽膿漏で抜け落ちます。歯をなんとか持たせたい、一生自分の歯で暮らしたいとい要求に応えなければなりません。

ですから、年を取ると歯茎がさがり、歯に食べものが挟まってしょうがない、と考えるのはまってください。加齢でも歯茎は下がりますが、多くの場合、歯槽膿漏で歯茎が下がるのです。

また、ご自身の歯茎の色をみてみましょう。健康な歯茎はピンク色で、歯にしっかり密着していますが、歯肉の歯との境目が赤く腫れている場合は要注意です。これは初期の段階では、歯肉炎と呼ばれますが、歯槽膿漏の可能性もあります。

さらに、これが進行すると血や膿が出て口臭が発生します。これは、明らかに歯槽膿漏です。ちなみに、歯周病は、歯科医のあいだでは3Sと呼ばれています。

3Sとは、だれでもかかる(social)、症状のない(silent)、自己管理出来る(self-controllable)の三つの英語の頭文字から命名されました。

ですから、痛みや歯がぐらつき出す前に、このような症状が気になり出したら、すぐに歯科医に診てもらうべきです。歯槽膿漏(歯周病)は単に抜け落ちるという問題にとどまりません。

歯槽膿漏は、心筋梗塞、脳梗塞などの心血管疾患も起こします。

参考文献 歯周病で死ぬのはイヤだ! 著者 野田隆夫 野田雅代 光人社

2009年11月20日 (金)

寿命と歯槽膿漏1

本日と明日の2回に分けて、野田先生の著書『歯周病で死ぬのはイヤだ!』よりお届けいたします。

◇寿命と歯槽膿漏

歯槽膿漏にかかった患者さんは、助けを求めて歯科医の元を訪れます。ぐらつきだした歯を治したい、以前と同じように物が噛めるようになりたいという希望をもって、歯科医院を訪ねます。

はたして、その実態はどうでしょう。多くの場合、ぐらついた歯を抜きます。と診断されるのではないでしょうか。また、歯を抜いた後に歯茎から血や膿が出なくなり、気持ちよくなったでしょう、といわれるのではないでしょうか。これは、今まで行われてきた歯槽膿漏に対する現実的な問題解決方法であることは確かなことなのです。

というのは、歯槽膿漏の原因は細菌説が有力ながら、進行して末期になると決定的な治療法や特効薬がありません。ですから歯槽膿漏の初期段階での治療には自信がありますが、末期では延命がせいぜい、というのが歯科医の本年です。つまり、歯を抜く以外に方法がないわけではないわけで、悲しいかな、これが現状であるわけです。

ですから歯科医は、早い段階で治療に来てくだされば治るのに、もっといえば、早い段階いで来てほしいと願っています。

とはいうものの、歯槽膿漏は初期から中期までは、自覚症状がありません。したがってそのような方は、歯槽膿漏の治療ではなく、虫歯の治療を希望して歯科医院を訪れます。

そこで、善意のある歯科医は虫歯を治した後に、歯槽膿漏も治療します。するとどうでしょう。それは気になっていない歯でした。と患者さんのつれない言葉。

ときには、痛みもなにもないのにいじられた、お金儲け主義じゃないか、と勘ぐられたりします。

歯槽膿漏の治療を希望してきた患者さんでも、この一本はあきらめてください、末期の歯槽膿漏は治すのが難しですから、これ以上の歯が同じ末路をたどらないようにしましょう、と説明すると怪訝な顔をします。

たとえこの歯がなくなっても、それ以外の歯が今のままでなら文句ないでしょう、と説くと、そんな話は信じられないと言いたげです。

このような経験をした歯医者は、症状が出るまで放っておこうと考えるのも無理ありませんし、また患者さんが望まないことを出来ないのが医療というものです。

なぜ、このような事がおこるのでしょうか。それはおそらく歯科医は歯槽膿漏を治せるのは初期から中期であると考えているのに対して、患者さんは歯槽膿漏の末期になって、はじめて何とかしてほしいと考えるからでしょう。

こう考えると、やはり患者さんが歯槽膿漏の正しい知識を持たなければ、歯槽膿漏の治療は成り立たないkとも事実です。

それでも、賢明な読者のみなさんは、これだけ科学が進歩した現代で歯槽膿漏が治らないはずがないという疑問を持たれるのではないでしょうか。

確かに考えるのは無理もありません。しかし、歯槽膿漏の研究は、意外と歴史が浅いのです。

明日へ続きます。

参考文献 歯周病で死ぬのはイヤだ! 著者 野田隆夫 野田雅代 光人社

2009年11月 2日 (月)

むし歯や歯周病がなかった先住民

本日は、西原克成先生の著書 『歯はヒトの魂である~歯医者の知らない根本治療~』よりお届けいたします。

◇むし歯や歯周病のなかった先住民

歯の病気には、以前は国民病とも文明病とも呼ばれたむし歯と歯槽膿漏(歯周病)があります。

どうして文明病かと言うと、昔の原始人や類人猿、今から100年前頃のアフリカやオーストラリアの先住民やその頃のエスキモーに、ほとんどむし歯や歯槽膿漏が無かったからです。

そしてまもなくこれらの人々の間に文明が浸透して、生で食べていた食生活が激変し、食物を蒸したり煮たり焼いたりして食べるようになっただけで、一気に文明国の人々よりも歯が駄目になってしまったのです。

これは文明化して加熱食品を食べるようになったのに、歯磨きという高度化した文明の習慣が伴わなかったためです。

加熱食品とは、熱によって食品が消化され、軟らかくなり、栄養が細菌にも消化・吸収されやすくなるために、細菌が歯の表面にべっとりとへばりつき、雪のように食べる度にすこしづつ積もって歯垢が出来るからです。

ことに澱粉や蔗糖を含むものを食べて、ストレプトコッカス・ミュータンスという細菌が口の中にはびこると、むし歯が出来る。雪のようにへばりついた歯垢に唾液のカルシウムが沈着すると、これが石灰化して黒くなって硬くなります。これが歯石で、歯茎の所にぐるりと黒くへばりつくと、細菌の巣になるので歯茎が炎症を起こす。これが歯肉炎です。

さらに進んで、歯の根の表面に歯石が少しづつ触手を伸ばして歯肉炎に入り込んでくると、歯茎に膿が貯まって漏れ出す。それでこの歯周病を歯槽膿漏と呼んでいたのです。

むし歯や歯周病が進むとしばしば歯科で歯を抜かれてしまいます。歯を抜かれると歯がなくなってしまう。これを「歯の欠損症」といいます。

歯がないだけでは病気の気がしませんが、じつはこれもれっきとした病気です。そしてこの歯の欠損症の治療がいわゆる入れ歯です。

今次世界大戦のアメリカ軍では、歯が7本以上ない人は、ないままに軍務につくことは出来ませんでした。国家がすべて14金の入れ歯(金属床義歯)を作ってから戦闘に参加させたのです。食べるということはいざとなるとそれほどにも人間の生活に重要なことなのです。

米海軍も陸軍もこの入れ歯に14金を使うのを止めて、コバルトクロム合金の義歯に変えたのは朝鮮戦争が終わってだいぶ経った1965年頃です。日本では、今も昔も健康保険では、金属床の義歯は出来ません。安価なレジン床(プラスチック)の義歯しか作ることが出来ません。

参考文献 歯はヒトの魂である~歯医者の知らない根本治療~ 青灯社

2009年10月21日 (水)

歯周病と関連が深い自己免疫疾患2

本日も昨日に引き続き、渡辺秀司先生の著書『歯周病を自分で治す本~歯のグラグラが治る、口臭が消える、不思議な樹脂を発見!~』よりお届けいたします。

◇掌蹠膿疱症の発症にも関係

掌蹠膿疱症は、原因がよく分かっていない皮膚病です。

手のひらや足の裏に膿を持った湿疹ができ、長期間にわたって再発を繰り返す難病です。扁桃腺や虫歯からの感染、また、歯科で使われる金属のアレルギーで起こる場合があることも知られています。さらに、特定のウィルスへの感染によるものといわれています。

奥田克爾・東京歯科大学微生物学講座教授のグループは、口腔内の慢性感染症と掌蹠膿疱症との関係について研究を行っています。

実験の結果、アクチニマイセス・アクチノマイセテミコミタンスなどの歯周病菌が出す毒素が、手のひらや足の裏で免疫反応を起こし、掌蹠膿疱症の原因になっていることが考えられると報告しています。

また、実際に、歯周病の治療によって掌蹠膿疱症の症状が改善した例は少なくないといいます。

以上のように、歯周病は単なる口腔内の病気にとどまりません。全身にさまざまな悪影響を与える病気であることを認識し、出来る限り早期から予防・改善する事が求められます。

参考文献 歯周病を自分で治す本~歯のグラグラが治る、口臭が消える、不思議な樹脂を発見!~ 渡辺秀司著 マキノ出版

2009年10月20日 (火)

歯周病と関連が深い自己免疫疾患1

本日は渡辺秀司先生の著書『歯周病を自分で治す本~歯のグラグラが治る、口臭が消える、不思議な樹脂を発見!~』よりお届けいたします。

◇歯周病と関係が深い自己免疫疾患◇

免疫不全とは、細菌などの外敵に対して防御機構(免疫不全)が正常に働かず、抵抗力が落ちた状態をいいます。

免疫不全は自己免疫疾患によっても起こります。私たちの体は、細菌などの外敵や異物に対して、抗体を作って闘います。普通、自分の組織(細胞)に対して抗体を作ることはありませんが、何らかの原因で自分の赤血球に対する抗体ができてしまうことがあります。

つまり、抗体が正常な細胞を攻撃して障害をもたらし、病気を発生させるのです。このように、自分の体にとって不要な抗体が作られることによって起こる病気を自己免疫疾患と呼んでいます。

自己免疫疾患には、臓器不特定疾患と臓器特異的疾患があります。前者には、シェーグレン症候群、突発性血小板減少症、自己免疫性溶血性貧血、慢性甲状腺炎(橋本病)、原発性粘液水腫、悪性貧血、急性進行性糸球体腎炎、重症筋無力症、潰瘍性大腸炎、I型(インスリン依存型)糖尿病などがあります。

一方、後者には、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、円板状エリテマトーデス、多発性筋炎、強皮症などがあります。

それぞれの病気のくわしい説明は省きますが、これらの病気がある人は、歯周病が発症したり進行したりしやすいことは明白です。抗原抗体反応あ繰り返され、不要な抗体が作られているわけで、体内に常に炎症が引き起こされるからです。

これらの病気がある人は、全身の抵抗力を落とさないように普段から留意すうることが求められています。

明日へ続きます。

参考文献 歯周病を自分で治す本~歯のグラグラが治る、口臭が消える、不思議な樹脂を発見!~ 渡辺秀司著 マキノ出版  

2009年10月 6日 (火)

歯周病を見つけるには

本日は、朝日新聞出版から出版された『 Q%Aでわかる 「いい歯医者」 』よりお届けいたします。

Q:歯周病を見つけるにはどうすればいい?

A:歯肉の腫れや出血は歯周病の最初のサイン。早めに歯医者へいってください。

歯肉炎の段階ならプラークコントロールだけで治ってしまいます。それだけに早期発見が大切なのですが、長く放置されて歯を失うことになったり、治療が長引いたりするケースが少なくないといいます。

歯周病は進行しても痛みや腫れといった自覚症状が無いからです。

歯周病を早期発見するためにも、次のような症状があるかどうか確認してみてください。

◇歯肉の縁が赤い

歯周病は、歯肉が炎症を起こす歯肉炎から始まります。歯ぐきの縁が赤くなっているのは炎症を起こしている証拠。歯肉の腫れが目立つ、硬いものを噛んだり、歯を磨いていたりするときなどに出血するなどの症状があれば、歯周病のサインです。

◇歯石がついている

歯石は歯垢(プラーク)が石灰化したのものです。歯石になるとブラッシングだけでは取り除けなくなって、歯と歯肉のすき間(歯周ポケット)が深くなってきます。歯周ポケットの深さは、歯周病の進行度を示す目安となります。

◇朝、口のなかがネバネバする

ネバネバの正体は歯垢かもしれません。歯磨きが不十分だと、歯垢がたまってしまいます。また、夜寝ている間は、口の中に水分や栄養が豊富にあり、静かな状態です。

そのため、歯周病原細菌の活動が活発になり、歯周病のリスクがより高くなります。

◇歯がのびてきた

歯肉や歯を支えている骨は、年とともに少しづつ下がってくるものですが、病変が歯を支える骨まで達して骨が溶けてくると歯肉も下がって、歯がのびてきたように感じることがあります。

◇指でおすと歯が揺れる

歯を支える骨が溶けはじめると、歯が浮いたような感じがしたり、指でおすとグラグラしたりすることがあります。この段階になるとかなり歯周病が進んでいると考えられます。

参考文献 Q%Aでわかる 「いい歯医者」 朝日新聞出版 

2009年9月13日 (日)

歯周病の正しい治し方

本日は、丸橋賢先生の著書『歯で守る健康家族』よりお届けいたします。

◇歯周病の正しい治し方

歯周病とは、歯根をしっかりと支えている歯槽骨と呼ばれる顎骨が溶ける病気です。進行とともに歯槽骨の吸収(溶ける)が進み、グラグラ動揺し、物が咬めなくなり、最終的に歯が抜けてしまう病気です。

歯周病は治りにくいと一般的には考えられているのは、現在の治療法が的外れで、根本的な原因が除去出来ないからです。

食生活の脱線を正し、良好な栄養バランスを取り戻すと、見違えるほど顔の色艶が良くなります。歯肉や口腔内粘膜も健康的で美しいピンク色になり体は元気になります。

このように、病みたい体から治りたい体へに元気にUターンさせておいて、口腔内の治療を行えば、驚くほどよく治るのです。

私の診療所には、全国から悩みに悩んだ重症の患者さんがたくさん来院されます。いくつもの歯科医院をまわり、大学病院にも受診し、治療を続けても治らなかったり、抜いて総入れ歯にするといわれた患者さんたちです。このような患者さんの多くは、顔にも生気もなく、土気色で病人然とした様子でやってきます。

私は患者さんを一瞬見ると、その人の状態がわかりますので、最初にその患者さんが全身状態と関係のある本物の歯周病なのか、それともかみ合わせが狂った外傷性咬合による局部的なものなのか、不良治療によるものなのかを判断し、分類して治療を行います。

①口腔内の局部的原因による歯周病

歯がグラグラし、悩んで来院する患者さんの約半数は、全身状態と関係した本当の歯周病ではなく、かみ合わせや不良治療などが原因の局所的なものです。

このような歯周病は、全身の抵抗力が落ちているわけではないので、口腔内に対する技術的な治療がブラッシングによって比較的簡単に治ります。

《例1 歯列が悪く、咬合が不自然なもの》

現代人の歯列が不正な人が多く、ギザギザ、凸凹とした歯列がよく見られます。上下の歯の咬合関係には厳密で繊細な法則があり、正し部位に正しい方向で加わる力には非常に強い耐久力があります。

しかし、悪い方向に加わる力には弱く、すぐに骨が溶けてしまいます。このような場合は、咬合調整などにより、正しい咬合に改善し、必要があれば手術や補綴も行います。

《例2 不要治療が原因の場合》

不良な金属冠(クラウン)などにより、咬合が狂っていたり、根管治療が悪く、排膿している例もよくあります。要は正しい治療をすれば治るのです。

参考文献 歯で守る健康家族 丸橋賢著 現代書館 

2009年9月12日 (土)

むし歯、歯周病予防には食後に緑茶

本日は、坂本貴史先生の著書『歯と口の悩みを解決する本』よりお届けいたします。

◇むし歯、歯周病予防には食後に緑茶

お茶の効用はよくしられています。歯についての効用はに限っていえば、以下に紹介するようになっています。

・カテキン(おちゃの渋み成分)・・むし歯、口臭予防効果

・フッ素・・むし歯予防効果

・フラボノール・・口臭予防効果

そして、口の中に残っている食べもののかすを洗い流す作用もあり、文句のつけようがありません。

さらに、一仕事を終えてゆったりした気分でお茶を飲むと、ストレスが緩和し、唾液の中の殺菌効果、再石灰化を促す効果の高い、サラサラした唾液の分泌が十分に期待できます。

カテキンの効用についてもう少し触れておきます。

①喉や食道に侵入してきたインフルエンザなどの悪性ウィルスの増殖を防ぎます。外出から帰ってきたときなど、お茶でうがいをするといいでしょう。

②アルツハイマー型初老期認知症の予防にも効果があります。アルツハイマー型初老期認知症の原因の1つとして脳内血管の酸化があげられますが、それを防ぐには、ビタミンCやEなどの抗酸化ビタミンを摂ることが大切です。そして、このビタミンCとEは、すぐに分解されずに長く体内にあったほうが効果があるのですが、カテキンはこのふたつのビタミンの分解を遅らせます。

《ここがポイント》

・緑茶と同じ茶葉から作られるウーロン茶からもカテキンを摂取することが出来ます。しかし、その働きが最も強力といわれるエピガロカテキンガレートが圧倒的に多く含まれるのは緑茶です。

・一杯の緑茶からより多くのカテキンを摂るには100度Cのお湯(沸騰したてのお湯のこと、数分たつとすぐに80度Cに下がってしまう)を急須に注いで3分まつのが理想です。

・小魚を煮る時、番茶を使うと骨まで軟らかく煮ることが出来ます。これは、お茶に含まれるタンニンの成分が働くためです。魚を丸ごと食べればカルシウム満点で、歯にも体にも良い。昔のヒトはよく知っていたお茶の効用の1つです。

いつまでも健康な歯でいるには、まず丁寧は歯磨きをして歯垢を取り除くこと、そして、、もし歯石が付着してしまったら、歯科医で取ってもらうことです。そのうえで、日頃の食べ物から歯周組織の血行の改善や出血の予防、粘膜の強化、歯や歯槽骨の強化のために、ビタミンCやK、葉酸、フラボノール、カルシウムなどを十分に補給することです。

参考文献 歯と口の悩みを解決する本 坂本貴史著 法研   

2009年8月28日 (金)

むし歯はどうして出来る?

本日は、中村輝夫先生の著書『食は一生~そのための「歯」の本』よりお届けいたします。

◇むし歯はどうしてできる?

歯に張り付いた細菌が砂糖などの炭水化物(米、うどん、パンなど)から酸を発生させ、その酸が歯質を溶解してむし歯が発生します。

よって、歯面に細菌が付着していなければむし歯は出来ません。また炭水化物の中でも砂糖は酸の酸性させやすさが断トツに高いので、砂糖を摂取しなければむし歯は出来にくいのでs。

ステファンカーブと呼ばれる歯垢のPH曲線をえがいたグラフがあるのですが、グルコース《砂糖水》を口に含むと、数分も経たずにPHが5以下になっているのがわかります。細菌はすぐグルコースを分解して酸を作ってしまいます。

この実験では、2回目にグルコースを口に入れる前に左側だけしっかり歯磨きしたので、右側のPHは1回目と同じように下がっているのに、左側は下がっていません。細菌を除去できれば、たとえ砂糖水を口にしても、むし歯の心配はいらないのです。

砂糖自体は歯を溶解しないので、砂糖水の中に歯を浸していてもむし歯は発生しません。細菌にも歯を溶解する力がないので、砂糖が入っていない真水の中に歯を浸して細菌を入れてもむし歯は出来ません。 しかし、砂糖水の中に細菌を入れるとむし歯が出来ます。

お米が酵母菌によってアルコールになるように、細菌は生きていくためのエネルギーを得る作業として砂糖を分解しますが、その結果生まれる酸によって菌が溶解するのです。くどいようですが、むし歯を作るには砂糖と細菌の組み合わせが必要なのです。

参考文献 食は一生~そのための「歯」の本 中村輝夫著 東京図書出版                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           

2009年8月23日 (日)

二十代にも歯周病が増えている

本日は、坂本貴史先生の著書『歯と口の悩みを解決する本』よりお届けいたします。

◇二十代にも歯周病が増えている

歯科疾患実態調査《厚生省(当時)・一九九九年》によると、五~十四歳で37%、十五~二十四歳で65%の人が、歯周病の第1期症状である歯肉炎にかかっています。

この割合は、年齢が上がればさらに増えます。まさに国民病ともいえます。

歯周病がこんなに増えたのはむし歯が出来る原因と同じで、繊維質の多い野菜や硬いものを食べなくなったからです。スナック菓子などの軟らかいものを食べる人が増え、口の中に歯垢が出来やすい状態を作り出しているのです。

そして、歯周病は感染することもあるので要注意です。余計なおせっかいかもしれませんが、たとえ恋人同士でもキスをするにはエチケットが必要です。きちんと歯の手入れをしておくのも愛情の一つではないでしょうか。

また、糖尿病との関連も見逃すことができません。糖尿病は、病気そのものよりも動脈硬化、腎臓病、網膜症などといった合併症が怖い病気です。

この病気になると、唾液の分泌量が減ります。そのために、喉が渇くという現象が目立ちます。

異常に喉が渇いてしかたがないという症状から糖尿病が発見されることがよくあります。そして、喉が渇くと、口の中が不潔になりやすくなります。

若い人が糖尿病になった場合は、多くのむし歯が出来るという傾向があります。中年以上の人が糖尿病になった場合は、むし歯より、むしろ、歯周病にかかりやすく、その結果、総入れ歯になる比率が高いという傾向があります。

不幸にして糖尿病になってしまったら、口の中の清潔を保つように注意することが、極力必要です。

さらに、この病気で注意しなければいけないのは、全身の抵抗力が著しく低下することです。ちょっとした傷でもなかなか治りにくいという症状がよくおこります。歯を抜かなければならなくなったときなどは、事前に糖尿病であることを歯科医に伝えるようにしましょう。

参考文献 歯と口の悩みを解決する本 坂本貴史著 法研

2009年8月12日 (水)

高齢者の口腔ケアの重要性

本日は、戸田恭司先生の著書『口腔ケアのいきいき』よりお届けいたします。

◇口腔ケアの重要性

口腔ケアとは、「歯、口腔を中心とした顎咀嚼系諸器官の疾病予防、健康保持を行うことにより、全身や精神の健康増進に寄与しクオリティー・オブ・ライフ(QOL:生活の質)を高めるための科学的知識に基づく技術の実践」といえます。

とりわけ要介護高齢者に対する口腔ケアは、介護保険制度の実践のなかで、関心が高まりつつありますが、口腔ケアの対象者は高齢者に限られているわけではありません。

乳幼児から成人の日常に健康維持はもとより、疾病しかかった場合の症状の改善や生命維持にとって欠かすことの出来ないのもです。

◇食べることは基本

「おいしく食べること」、「気持ちよく便通できること」、「ぐっすり眠れること」は、いずれもヒトとしての基本的生理現象であり、QOLの重要なポイントでもあります。

なかでも、“食べること”は、楽しみや幸せを感じるもっとも重要な行為の1つですが、加齢あるいは疾病による歯・口腔や摂食・嚥下機能の低下や障害で、それらが阻害されることがあります。

その場合で生きていくためには、経口摂取にしろ、経管栄養にしろ、体内に最低限必要な量と質の栄養素を摂取しなければなりません。

しかし、食物(栄養素)が口から摂取出来ないからというとそうではありません。むしろ使用されない(機能しない)器官は質的・機能的萎縮を来すので、この場合にはいっそう口腔ケアが重要になってきます。

例えば唾液分泌の低下や口唇の閉鎖不全、口呼吸による口腔乾燥で、粘着性の舌苔が付着し、口臭、歯周炎、カンジタ症、味覚異常などが発症しやすくなることが知られています。

また口腔の機能は食べる機能だけでなく、以下に示すように私たちが社会生活を送るうえで、実に多様な役割を担っています。

これらの機能はどれをとってもひとたび失われると重大な支障を来します。口腔ケアは、これらの役割を的確にバックアップして、多様な生活の質を保っていくうえでも必要であり、そこに口腔ケアの意義があります。

◇表 口腔の機能と障害

①咀嚼障害・・開口障害、閉口障害

②消化・呼吸器の入り口・・呼吸障害

③構音機能・・発音障害

④顔貌審美性・・審美障害

⑤味覚・・味覚障害

⑥感情表現・・表情筋障害

⑦唾液機能~消化・抗菌・免疫~・・唾液機能不全

⑧摂食・嚥下機能・・摂食嚥下障害

⑨個体識別機能・・自己証明不能

⑩道具的機能・・道具的使用不全

⑪闘争本能

⑫愛情表現

参考文献 口腔ケアのいきいき 戸田恭司 森下真行 安井良一 阿川真澄 著 医歯薬出版 

2009年8月 4日 (火)

最近のむし歯予防

本日は、柴田先生の著書『成長を生かして無理なく美しく 子どもの歯ならび基礎のきそ』よりお届けいたします。

◇最近のむし歯予防

よくキャラメルやチョコレートは歯にとって悪玉のようにいわれますが、砂糖は味覚の発達や精神の安定に寄与いたしますので、摂取すること自体なんら問題ありません。

摂取のしかた、時間や回数を決めないで砂糖を与えることが問題で、むし歯につながります。

お家でのホームケア、まずは歯磨きの習慣を定着させることが一番です。これには規則正しい生活がかかせません。歯磨きをするときには、是非フッ化物配合の歯磨き粉を使ってください。フッ素洗口との相乗効果が期待できます。

また、メルボルン大学のレイノルズ教授は、一日四回、十四日間にわたってCCP-ACP配合のシュガーレスガムを噛む実験を行いました。

一日四回噛むことで、噛まない人より歯の再石灰化の増強が100%以上優れていることがわかりました。なんと2倍以上です。

再石灰化ということは、むし歯予防効果だけでなく、初期虫歯なた治癒するということです。

より効果的な噛み方は、食後のおやつの後、またフッ素配合の歯磨き粉で磨いた後や寝る前に噛むことだそうです。そのとき3~5分程度噛むと、ガムに含まれているカルシウムやリン酸がさらに再石灰化を促します。

カルシウムは現代の日本人で一番摂取量の少ない栄養素の一つといわれています。唾液、フッ素、CCP-APでむし歯予防の相乗効果が期待出来ます。

参考文献 成長を生かして無理なく美しく 子どもの歯ならび基礎のきそ 柴田征紀著 海苑社 

2009年8月 1日 (土)

デンタルフロス

本日は、沼部幸博先生の著書『絵で見る 予防歯科』よりお届けいたします。

◇デンタルフロス

歯ブラシだけでは992_2 磨けない部分を磨くための補助清掃器具。その一つにデンタルフロスがあります。

◇デンタルフロスとは

デンタルフロスとは、簡単にいうと、歯と歯の間を磨くための“糸”です。といっても、普通の糸ではなく、、切れにくいように、また歯茎を傷つけないように加工されています。

糸の太さも何種類かあり、滑り止めをよくするためのワックスを塗ったものや、清掃感をdさすためにミントなどの香料を含ませたものもあります。

パッケージに入ったフロスを引き出しながら使うタイプが一般的ですが、糸ようじともいわれるホルダータイプ(すでに柄に張ってある)も多く出回っています。とりわけ奥歯に手が届きにくい人には、奥歯だけY字型のホルダータイプを使用するのもよいでしょう。

また、ブリッジの下や矯正治療中の方々のためには、特別に工夫されたスパーフロスが市販されています。

◇使い方

フロスを30~40cmぐらいの長さに切り、両端を両手の中指に2,3回巻き付け、人差し指や親指の先で、2~3cm程度離し、ぴんと張って持ちます。

歯と歯の間に、ぴんと張ったフロスをゆっくりと斜めに前後に動かしながら入れていきます。歯と歯の接点を通り抜けるときに少し抵抗がありますが、そのとき、勢いあまって歯肉にフロスを食い込ませないように注意ください。

歯と歯の間にフロスが入ったら、まずきれいにしたい歯の面に沿わせ、歯茎にやさしくフロスを押しつけるようにします。歯茎に少しだけフロスが当たる抵抗を感じたら、それ以上は決して歯茎の方に強く押しつけて傷つけないように注意しながら、フロスを前後上下させます。

もう少し詳しくいうと、清掃をしたい歯の湾曲に糸を沿わせるようにしながら2,3回、ゆっくりと動く範囲内で糸を前後上下させます。このとき、フロスを歯茎に押しつけて強く前後には動かさないでください。フロスを入れた歯と歯の間の、清掃をしていない向かい側の歯の表面にもフロスを同様に沿わせて行きます。

そして、次の歯と歯の間に移って清掃を続けていくわけですが、一度使ったフロスの部分は使わないで、指を使ってフロスの新しい部分を送り出し、同じようにきれいにします。

すべての歯に対して行うのが理想ですが、歯並びの関係や、むし歯(う蝕)、かぶせ物がある場所には入らない場合がありますので、無理に入れないようにしましょう。

また、ホルダータイプのものは割高ですが、一度使ったフロスの部分をよく水洗いして、繰り返し使用できます。

最後に、歯と歯の間の隙間が大きすぎる場合には、歯間ブラシを入れてきれいにします。

参考文献 絵で見る 予防歯科 沼部幸博著 クインテッセンス出版  

2009年7月 8日 (水)

歯の大敵バイオフィルムってどんなもの?

本日は、花田信弘先生の著書『むし歯・歯周病』よりお届けいたします。

◇歯の大敵バイオフィルムってどんなもの?◇

(バイオフィルムのおさらい)

バイオフィルムとは、歯の表面に張り付いている増殖した菌を膜が覆っている細菌の固まりのことです。

●●台所の三角コーナーについているヌルヌル●●

私たちの身近にあるバイオフィルムといえば、台所の三角コーナーや排水口、風呂場の排水口にヌルヌルとした膜が表面を覆っています。あれがバイオフィルムです。バイオフィルムとは細菌が作り出した膜です。

洗剤をかけても、たわしでゴシゴシこすってもとれにくい、あの不快な汚れの塊。あんなものが歯についていると思うとぞっとします。

バイオフィルムが問題視されるようになったのは、欠陥や尿管に入れる管、カテーテルといいますが、カテーテルなどを補うものとして利用されるようになってからのことです。

これらの人工機器が体内に入れられると、しだいにその表面に細菌によって膜のようなものがつくられ、その膜に守られた環境で細菌が増殖してしまうということが起きてきたのです。

バイオフィルムが出来てしまうと、抗生物質などの薬もその膜にはね返されて内側に浸透しなくなります。そのため、細菌による感染が起こり、尿管カテーテルのバイオフィルムに巣くった細菌のために膀胱炎になるというようなことが起きています。

こうしたことから、バイオフィルムが注目されるようになりました。

◇むし歯菌がなぜバイオフィルムの中で生き続けられるのか?

そして、体の中で一番硬い歯の表面でも同じようなことが起きていることがわかったのです。ミュータンス菌は砂糖をえさとして、その中でどんどん増殖します。そして、排泄物として乳酸などの酸を出し、歯のエナメル質を溶かしていきます。

バイオフィルムが出来てしまうと、唾液も歯のエナメル質に触れることが出来なくなり、唾液の洗浄作用も働きません。細菌がますます繁殖しやすい環境になります。

さらに、ミュータンス菌はいったんバイオフィルムをつくってしまうと、デキストラーゼという酵素を分泌して、自分たちがつくったネバネバのグルカンそのものもえさにして生き続け、乳酸を出し続けます。

自分が作り出したものをえさにすることが出来るので、砂糖がそれ以上入ってこなくても(甘いものを食べ続けなくても)むし歯をどんどん進行させてしまうのです。

参考文献 むし歯・歯周病 花田信弘著 小学館   

2009年6月13日 (土)

歯周病の原因説2

昨日の続きです。

歯周病には、細菌が深く関わっているという考え方が有力になります。プラークは細菌の塊ですから、それを除去する術、すなわち歯磨きと細菌の感受性のある抗生物質が脚光を浴びるわけです。

いわゆる歯周病細菌説です。歯磨き剤の宣伝などでも、歯周病と闘う・・・・・・とか、よくきくのではないのでしょうか。

しかしながら、現実はそう単純ではありません。

プラークは細菌の塊なので、これを除去するだけである程度の効果は上がりますが、それで解決とはいきません。細菌が原因であろうということはたしかなことなのですが、いまだに末期の歯周病には決定的な治療法がありません。

たとえば、ワクチンのようなものが開発されて、将来は撲滅の可能性があるのかという問いに対しては悲観的にならざるを得ません。

確かに、歯周病に関わる細菌について、世界中で数十年間、研究が続けられています。原因となる菌の種類を特定して、有効に取り除こうという試みです。徐々に成果を上げているように報道されていますが、決定打はいまだ見つかりません。

決定的な治療法が見つからないのは、特定されるべき特別な細菌が存在しないからかもしれません。つまり、体内に普通に生息する常在菌が、特殊な条件下で炎症を起こすかもしれないのです。

そこで、歯周病のメカニズムは、細菌などの侵襲因子(毒素や酵素など)と、それを防御する生体の抵抗力によって説明されることが多いのです。

例えば、糖尿病を患っている場合、歯槽骨の破壊が早く進みますが、その理由は生体の抵抗力が低下するためと説明されます。また、臓器移植などで免疫抑制剤を使用した場合、あるいは加齢にともない免疫力が低下した場合、健康な人では感染しない細菌に感染する場合があります。これを日和見感染(通常なら無毒な弱毒性微生物・非病原微生物・平素無害菌などに、人の抵抗力が落ちると感染すること)と呼びます。

しかしながら、この抵抗力の低下を遺伝子レベル、分子レベルで解析しようとする研究も、今のところ、十分な成果が上がっているとはいえません。

かりに、歯周病が日和見感染だとするならば、常在菌が炎症を引き起こす特殊な条件を見つけ出し、排除する方法を研究すべきなのではないでしょうか。

口の中というのはもともと細菌だらけで、雑菌がいっぱいいるわけです。細菌といっても口の中に棲んでいる細菌は常在菌であって、結核やジフテリアのような特殊な細菌ではありません。なんの引き金もなければ、炎症を起こすこともなく、平穏に生息しているわけです。

たとえば、大腸菌が炎症を引き起こすことがあるからといって、ビフィズス菌もいるわけです。それらを全て殺してしまったら、逆に人は生きてはいけないでしょう。それよりも、そいう引き金を排除することを優先するべきではないでしょうか。

あと一つ面白い話しがあります。

口の中の常在菌であるカンジタ菌が、歯周病の原因説だとする説を歯科医の河北正先生が1990年に発表しました。

カンジタ菌は、水虫のようなカビに分類される真菌で、通常の細菌とは異なる性質を持ちます。抗生物質を大量投与すると細菌は死滅しますが、カンジタ菌は抗生物質に感受性が無いために勢力を増します。これを菌交代現象と呼びます。

たとえば、プラークコントロールと歯石除去によって、多くの歯肉の炎症は消えるのですが、時として悪くなる場合もあります。この現象は、もしかしたら、カンジタ菌の菌交代現象が原因なのかもしれません。カンジタ菌が歯周病の原因菌だとは断言できませんが、治療を行ううえで、当然、無視出来ない存在であることは確かです。

このように、歯周病の原因は細菌説が有力ながら、決定的な治療法が見つからないために、種々の原因説が唱えられているのが現状なのです。

参考文献 歯周病で死ぬのはイヤだ! 野田隆夫 野田雅代著 光人社

2009年6月12日 (金)

歯周病の原因説1

今回は、2回に分けて、野田先生の著書『歯周病で死ぬのはイヤだ!』よりお届けいたします。

◇歯周病の原因説

歯石という言葉を聞いたことがない方は少ないでしょう。歯石は歯についた石灰質の石の事で、鍾乳石のような石灰質の沈着物と考えるとわかりやすいと思います。

つまり、歯石というのはもともと人の唾液中の石灰分であり、食べ物に含まれる石灰分であるわけです。

それが歯と歯肉との境目あたりに付着します。歯肉の上に見えている歯石はよく歯磨きをすれば取れますが、歯肉に隠れた場所に付着すると、ブラシが届かずに取り除くことが出来ません。そして、この隠れた歯石が、歯周病に関係していると考えられています。

歯周病の原因説としては、この歯石説がもっとも古いのです。

その歴史はなんと古代ギリシャ時代にまで遡り、ヒポクラテスが歯周病は歯石が原因だ、と述べています。

また、現代でも、歯科医の河田克之先生は、きわめつけの悪を働くのが歯石だ、と述べています。

つまり、歯石は「棘」と同じで、棘が刺さった場合、生体はそれを異物として取り除こうとします。自然に取れない場合、痛みにくわえて、まわりが膿んで腐ってきます。生体は周囲を腐らせても異物を排除しようとし、結果、歯肉が膿んで口臭が酷くなる、と考えているそうです。

歯周病の原因に関しては、未だに意見が分かれています。その理由としましては、歯周病の研究の歴史が浅いことは既に述べました。くわえて言うと、歯周病を専門に扱う大学の講座が誕生したのが、戦後の1957年(昭和31年)4月です。東京医科歯科大学に「歯科保存学第二講座(歯周治療学)が開設されました。この初代教授が、大阪大学から着任した今川先生でした。

そのて、そのころの治療法は、原点というべき歯石の除去が中心でした。歯周病の原因が歯石であると考えられていたためですが、今のような超音波スケーラーはなく、ハンドスケーラーと呼ばれる小さな鎌状の刃物で歯石の除去が行われてました。

1968年になると、今川先生が定年退職されて、その門下生である木下四郎先生が後任教授となりました。木下先生は、歯周病学の研究に精力的に取り組み、大きな成果をあげました。

つまり、「プラーク(歯垢)コントロール」が歯周疾患の予防と治療に大きな効果があることを突き止めて、その方法の確立に力を注ぎました。そして、日本歯周病学会理事長として、「歯周病疾患治療指針」を完成しました。

1970年以降、木下説にそって、歯周病には「細菌」が深く関わっているという考え方が有力になります。プラークは細菌の塊ですから、それを除去する術、すなわち歯磨きと細菌の感受性のある抗生物質が脚光を浴びるわけです。

明日へ続きます。

参考文献 歯周病で死ぬのはイヤだ! 野田隆夫 野田雅代著 光人社 

2009年6月 7日 (日)

疲れている人やお年寄りも歯周病になりやすい

本日は、渡辺秀司先生の著書『歯周病を自分で治す本』よりお届けいたします。

●●疲れている人もお年寄りも歯周病になりやすい●●

毎日欠かさず食後に正しいブラッシングを実行しているにもかかわらず、歯周病になる人がいます。その一方で、いい加減なブラッシングをしていても、歯周病とは無縁で、美しいピンク色の歯肉を保っている人もいます。

前者に該当する人からは、「ブラッシングをきちんとやっていたのに、どうして歯周病になったのでしょうか」と必ず聞かれます。

その理由はいくつか考えられますが、最も大きな理由として、歯周病が免疫と関係している点があえられます。

歯周病には、全身の免疫と口腔内の免疫の両方が関係しています。両者は基本的には一致しています。ストレスや睡眠不足などで疲れがたまると、口内炎(口腔粘膜に発生する浅くて平坦な潰瘍)や口角炎(口の端に出来る炎症)のできることがあるでしょう。

これは免疫力が低下するためです。これと同様に、疲れがたまったり風邪を引いたりして、免疫力が低下すると歯肉が赤く腫れることがあります。

ですから、一般的には、慢性的に疲労が溜まっている人やお年寄りは歯周病になりやすく、発症すると悪化しやすいといえます。逆にいうと、いい加減にブラッシングをしているのに歯周病にならないのは、免疫力が強いからだといえます。

ただし、だからといって、歯周病の予防にブラッシングが無意味だというわけではありません。口腔内を清潔に保つことは、歯周病対策の基本中の基本だからです。

しかも、ブラッシングは、口腔内の免疫力の向上にも役立ちます。風邪などがきっかけで、歯周病が発症するのは、普段はブラッシングによって発症を妨げていたのが、抵抗力が落ちたために発症したと考えられるのです。

参考文献 歯周病を自分で治す本 渡辺秀司著 マキノ出版 

2009年5月20日 (水)

むし歯・歯周病ともに口腔内細菌の感染症

本日は、島谷浩幸先生の著書『歯磨き健康法』よりお届けいたします。

★むし歯・歯周病ともに口腔内細菌の感染症

最近、歯周病が健康面に及ぼす影響について、TVや新聞でもよく取り上げられるようになりました。

歯周病は口腔内細菌の感染症であり、歯肉や周囲の骨などの歯周組織が破壊される病気でうす。

しかし、まだ、一般的には、歯周病は体質や老化のたぐいであると思っている人が少なくないと思われます。来院される患者さんの中には、「歯周病は老化現象だから、仕方がない」と思い込んでしまっている人が多くいます。つまり、一般的には「むし歯は甘い物の食べ過ぎ、歯周病は老化現象」と思っている人がまだまだ多いようです。

実際、高血圧や糖尿病、骨粗鬆症などのいわゆる「生活習慣病」の中に感染症として唯一「歯周病」が含まれていることからも、国としての認識もまだまだ低いのかな、とも思います。

確かに、歯周病は発症に至る過程で、細菌の存在だけでなく、喫煙や食生活での栄誉のバランスによる、人(宿主)の体の抵抗力の低下が関与し、環境(生活習慣)とも全く関係ないとも言えますが、「感染症としての歯周病が生活習慣病に分類される」ことには、違和感を感じざるを得ません。

そして、「歯周病で死ぬことはないから・・・・」というのが、大部分の人の認識だと思います。確かに、歯周病(あるいはむし歯も)は、直接生命の危機に関わる病気ではないかもしれません。実は、生命に関わる病気である糖尿病や動脈硬化、高血圧などの発症や進行に直接的あるいは間接的に関わってきます。

つまり、『歯周病は生命に関わる病気』なのです。

むし歯も然り、重度に根に病巣を持つものは、歯周病と同様、「生命に関わる病気」です。しかし、何も怖がることはありません。

その原因である口腔内細菌を排除すればいいのです。

口腔内細菌を排除すれば、むし歯・歯周病を予防・進行抑制でき、さらに口腔環境が改善できます。

つまり、むし歯・歯周病は「なって当たり前」の病気ではなくて、それに関与する口腔内細菌(その塊が歯垢・プラーク)を排除さえすれば罹らない病気なのです。

しかし、なぜほとんど大部分の人がこれらの病気に罹ってしまうのでしょうか?

その答えは簡単です。

「歯磨きが上手くできていない」の一言に尽きます。

参考文献 歯磨き健康法 島谷浩幸著 アスキー新書

2009年4月10日 (金)

歯周病と口臭は関係があるの?

本日は、宮崎秀夫先生と八重垣健先生の編集された『口臭ケア』よりお届けいたします。

◇歯周病は口臭の大きな原因です。

歯周病の口臭には、臭いの程度や種類に多くのバリエーションがあります。しかし、いずれも生理的口臭に比べ、臭いが強い傾向にあり、発見は容易です。介護が必要でない人の口臭でさえ約2/3は歯周病が原因ですから、要介護者は、歯周病には特に注意しなければなりません。

もし、要介護者に強い口臭が認められたなら、まず歯周病を疑って歯科医師の診察をうけましょう。口臭は歯周病発見のバロメーターです。

◇歯周病と口臭の関係

実は、釈迦やヒポクラテスの時代から、歯周病は口臭の原因だと言われてきたのですが、その関連性が化学的に明らかになったのは、ごく最近のことなのです。

歯周病の重症度を示す方法の一つに、歯肉出血指数というものがあります。歯周病になると、炎症を起こした歯肉から出血がみられますが、これは、出血の度合いにより炎症を評価するための指標になります。

歯肉出血指数を用い、歯周病の程度により計4グループにわけ、口臭の原因物質である口腔内空気中の揮発性硫黄化合物(VSC)の濃度を比較してみました。すると、出血指数が増えるにつれ、VSC濃度が著明に上昇します。すなわち、歯周病の患者さんは歯周病でない人より口臭が強く、その強さは歯周病の重症度に比例するといえます。

◇歯周病からくる口臭の原因

それでは、なぜ歯周病が、強い口臭の原因になるのでしょうか。理由の一つは、歯周病原菌にあります。同じ種類の細菌ながら、歯周病原性のあるものとないものでVSC産生能を比較すると、病原性のあるVSCは(メチルメルカプタン)を大量に産生することがわかります。

また、歯周病では、歯周ポケット(歯と歯肉の間の溝)また多くの白血球にはVSCの原料となる硫黄成分が多いため、口臭が強くなると考えられています。実際に唾液中の硫黄成分は、歯周病の重症度に従い増加します。

ちなみに、歯周ポケットから大量に出てくる浸出液中のアミノ酸の成分を調べますと、メチルカプタンの材料であるメチオニンが多いことが分かりました。

参考文献 口臭ケア 宮崎秀夫・八重垣健 編集 医歯薬出版  

2009年3月27日 (金)

予防歯科時代に取り残された人々

本日は、中平宏先生の著書『50歳からの歯から若返る生き方』よりお届けいたします。

◇予防歯科時代に取り残された人々

かつては現在のような「予防歯科」の概念が無かったため、患者さんと歯科医との関わりは方といえば、むし歯などのトラブルが起きてから歯科医院に足を運び、削ったりかぶせたりの治療を受けた後は、また不具合を感じない限り通院しない、というスタイルが一般的でした。

しかし、現在では常にすこやかな口元でいることこそが大事だと考えられるようになってきました。自宅での歯磨きなどのセルフケアはもちろん、かかりつけの歯科医院(ホームディンティスト)をもって、定期的に歯のメンテナンスを受ける人もすこしづつではありますが、増えてきています。

歯科医院でのメインテナンスの一つに、PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)というものがあります。これは専用の器具を使って、歯に付着したプラークや歯と歯肉の間に出来た歯周ポケットなどを徹底的にクリーニングし、特殊なペーストで歯面を研磨して、最後には歯質を強化するフッ素を塗布するという、いわば“歯のエステ”のようなプロフェッショナルケアです。

PMCTのほかにも、採取した唾液から菌の量を調べて、むし歯になるリスクと歯を守る力を診る「唾液検査」や、歯科衛生士による歯磨き指導など、口の中をすこやかに保つための取り組みが、今の歯科医院では取り入れられています。

こうした動きの背景には、歯の健康が心身の健康と深く結びついているという考えがあります。きちんと噛めて、おいしく食べられる歯は、生きる根本である食生活を充実させててくれます。そして、口臭や滑舌を気にすることなく会話が出来ることは、人とコニュニケーションをとるうえでも大切です。

何より、見た目が美しくなければ、自信がついて、笑顔あふれる毎日を過ごせるようになるでしょう。「笑顔で美しい口元」は、今や生活の質、すなわちQOL(生活の質)を高め、人生を化輝かせるためのパーツと受けとめられているのです。もちろん、そういった風潮が出てきたのは、人々の暮らしが豊になり、社会全体に、物質的・精神的な余裕が出てきたからともいえます。

一方、現在のように予防歯科の概念が浸透していない世代は、同じようにはいきません。とりわけ、今の50代、60代が子供の時は、ちょうど欧米型の食文化が入ってきた時期でした。それまでの、ご飯中心に豆腐や根菜、漬け物などのおかずをそろえた伝統的な日本のスタイルから、ハンバーグやオムライス、スパゲティ、パンといった軟らかいメニューが食卓に並ぶようになったのです。

これらの洋食は、わかりやすい味と食べやすさで万人に好まれがちですが、反面、あまり噛まなくても飲み込めてしまうため、咀嚼回数が少なくなり、それによって唾液の分泌量も減少してしまいます。

唾液は、口の中の細菌を退治するうえでは、とても大切な働きをするものです。唾液が少なくなると、結果として、むし歯や歯周病といった問題が発生しやすくなるのです。ともすれば、問題を抱えやすい欧米型の食生活と歯のメインテナンス不足、この二つの事情が重なることで、ますます歯を悪くした方も少なくはないでしょう。

幼い頃からの習慣は、大人になってからもなかなか変えられないものです。たとえ先に述べた昨今の風潮を知識として知っていたとしても、これまで過ごしてきた環境から作られた考え方や生活のスタイルに、すぐに取り入れるのは難しいかもしれません。

いうなれば、50代、60代以上の方たちは、「予防歯科時代に取り残されてしまった人々」ともいえるのです。

参考文献 50歳からの「歯から若返る生き方」 中平宏著 幻冬舎

2009年3月15日 (日)

歯肉出血や腫れ

本日は、花田先生、井田先生、野邑先生の著書『むし歯・歯周病』よりお届けいたします。

◇痛くもかゆくもないのに、歯の根元では歯周病がはじまっています。

歯周病は、歯を支えている骨、歯槽骨が溶けてしまう病気です。痛くもかゆくもないので、気づきにくいのが厄介なところです。

「歯ブラシで磨くと血が出る」、「歯肉が腫れている」程度のところできずくと治療も比較的簡単ですので、ちょっとおかしいなと思ったら、迷わず歯科医に行きましょう。

歯周病の治療もむし歯の治療と同じように、検査からはじまります。

まず、歯周ポケットの検査(ポケットプロービング)をします。歯周ポケットとは、歯と歯肉の間のすきまです。ここが歯周病の発生場所です。歯と歯肉がぴたっとついていれば、ポケットは出来ないのですが、もともと1mmぐらいの歯肉溝というすきまがあります。これが、歯周病のために30代半ばぐらいから徐々に深くなって、歯と歯肉の間に隙間が開いてくるのです。

3mm以上の隙間が出来ると、炎症が起き、出血します。歯周病が始まっています。

ポケットの検査ですが、中の歯垢をきれいに取り除き、歯肉の腫れがおさまってから、細い針のような器具を歯と歯肉のすきまに差し込み、歯周ポケットの深さを測り、出血のあるなしなど歯肉の状態を調べます。

それともう一つ重要なのは、X線検査です。歯を支える骨に変化がないか調べます。歯周病が歯の根元で進むと、歯を支えている歯槽骨が、自分にも害が加わることを恐れ、退却していくと思ってください。

この歯槽骨が減っていっていないかを調べるのが、X線の検査です。

参考文献 むし歯・歯周病~もう歯で悩まない~ 花田信弘 井田亮 野邑浩美 共著 小学館

2009年2月23日 (月)

こんな人は歯槽膿漏になりやすい

本日は、垣本充先生の著書『歯育て上手は子育て上手』よりお届けいたします。

◇こんな人は歯槽膿漏になりやすい

かつて、歯槽膿漏は全身的な病気と関連していると考えられていました。中高年での発症が多く、成人病のなかでもとくに糖尿病が歯槽膿漏を誘発するという考えがありました。

たしかに、糖尿病は全体の抵抗力が落ちて感染症を引き起こしやすく、歯槽膿漏を悪化させます。しかし、最近では、食生活の変化や歯垢が歯肉に悪影響を及ぼすという局所的な面がクローズアップされてきたのです。糖尿病の人だけが歯槽膿漏になりやすいのではないということです。

それでは、どんな人が歯槽膿漏になりやすいのでしょうか。それらのタイプについて、ここで紹介してみましょう。

☆歯に自信のある人

30歳をすぎてまったく虫歯の無い歯に自信のある人が、ある日突然、歯槽膿漏で何本も歯を失ってしまう。ありえないことではありません。

歯磨きを熱心にしなくても虫歯がほとんどないような歯質の丈夫な人でも、軟らかい食べ物をずっと食べ続けると、歯垢が歯石を作り、歯肉の炎症を引き起こして歯槽膿漏を発病させます。虫歯がまったくないという人も、やはり食生活のコントロールや歯石のチェックをなどをする必要があるのです。歯石は鏡でみればすぐに分かります。歯磨きをしてもとれない茶色の汚れがそうです。歯石ができているのがわかったら、歯科医院へいってとってもらいましょう。

☆スポーツ選手

野球、相撲、ラグビー、サッカー、そのほかどんなスポーツでも、選手はプレー中に歯を強く噛み締めます。人間誰しも、頑張るときに「歯を食いしばる」、あの行為です。これは歯肉にはよくありません。あまりに強い力で上下の歯が噛み合うと、歯を支えている歯槽骨が壊れてポケットができ、そのうち歯槽膿漏へ進行していくのです。

巨人軍で活躍したホームランバッターの王選手とエースの江川選手を比べてみましょう。頑張る時、王選手は歯を食いしばるタイプ、江川選手は唇を引き締めるタイプです。とくにわるいのは前者のタイプといえるのではないでしょうか。

☆歯ぎしりする人、ストレスの強い人

眠っている時の歯ぎしりは驚くほど大きな音を立てます。旅行などで同室の人が歯ぎしりをすると、まわりの人は眠れなくなることがあるほどです。歯ぎしりは上下の歯を力一杯噛み合わせた状態で起こります。一日の食事だけで歯肉や顎の骨には数百キログラムの力がかかるといわれます。歯ぎしりはこれ以上の運度をしているわけですから、これが習慣化している人はスポーツ選手同様に歯槽膿漏の危険性が高いわけです。

また、ビジネスマンやOLにはストレスが付きものです。ストレスにさらされた時、知らず知らずのうちに歯をぐっと噛み締めているはずです。これも歯や歯肉に余分の力をかけているのです。体や心をリラックスさせることが精神衛生上必要なように、歯や歯肉にもリラックスが必要なのです。

☆歯ならび・噛み合わせの悪い人

現代人のソフト嗜好が、顎を小さくして歯ならびや、噛み合わせをわるくしていることは前に説明した通りですが、これが実は歯槽膿漏の大敵なのです。歯並びがわるい歯列不正は歯の間に歯垢がつきやすく、それが歯肉を、歯肉炎から歯槽膿漏へと進行させます。

噛み合わせのわるい不正咬合は、食べ物を噛むときに歯に力が均等に行き渡らないため、特定の歯や歯肉に力が集中します。すなわち、正常なら3~4本の歯でうけていた力を一本の歯で受けるようになり、そのために、歯槽骨をいためて歯槽膿漏へと進行するのです。

このように、歯槽膿漏になりやすい人をつきつめていくと、やはり食生活が大きく関係していることがわかりました。糖尿病などの成人病も、子どものころからの食生活の積み重ねによって生じる病気ですが、軟らかい食べ物を母親から与え続けられた子どもも、歯や歯肉が弱くなり、ついには歯槽膿漏へと至るという図式がかけそうです。

参考文献 歯育て上手は子育て上手  垣本充著 膿文協  

2009年2月22日 (日)

細菌・歯石の排除

本日は、佐藤孝先生の著書 『歯からはじめよう!アンチエイジング』よりお届けいたします。

◇歯垢は種々雑多な細菌の塊

歯からのアンチエイジングとは、多因子に対する予防であり治療であることもわかりました。その中でもまず第一に、口の中の破壊活動を行っている細菌を排除して、歯や歯周病組織を感染症から守ることが大事なこととなります。

口の中はもともと細菌だらけですが、悪さをするものもいれば、何ら害を及ぼさないものまで混在しています。これらを口腔常在菌とよんでいます。歯垢(デンタルプラーク)は種々雑多な細菌の塊であって、これを除去することにより虫歯や歯周病を起こす元凶を絶つことが出来るのですが、完全に全てを取り除くことは難しく、歯ブラシなどによるコントロールには限界があります。

細菌のコントロールは歯の表面だけでなく、歯と歯肉の間の溝である歯周ポケットの深いところの管理も大事も大事になってきます。

数多く存在する細菌の中でも特に歯周病の発症に関しては、嫌気性菌(発育するのに酸素があると困る菌)が関与しているといわれています。嫌気性菌は、酸素が到達しにくい歯周ポケットの深いところでのみ活動しているため、取り除くことが非常に困難になります。また、これらの細菌を全部まとめて一掃することが、人為的に可能かどうかも問題となります。害を及ぼさない細菌まで取り払い、口の中を無菌状態にすることなど所詮できないことです。かえって常在菌がいなくなると体の抵抗力がなくなり、代わりに特殊な菌が増えだして、新たに害が出てくる事があります。

◇歯石は細菌のしかばね

歯垢は石灰化して硬くなり、歯石へと変わってゆきます。歯石は細菌のしかばねで化石と考えれば、これは生体にとっては異物の存在となってきます。生体が異物として認識すれば、当然それに対する生体からの拒否反応が起こってくると考えられます。

体内に蓄積する石のような異物は胆石や唾石などがありますが、これらも大きくなり数が増え蓄積してくると、生体にとって障害が出てくるんはよく知られていることです。歯石も同じように、体にとっては異物として存在するわけで、この量が多くなり、広範囲にわたり蓄積することにより、歯の周りの組織(歯肉・歯槽骨)が異常反応をおこし、今まで害を及ぼさなかった細菌もいっきに活動し始めることも考えられるのです。

生体にとっての異物の存在となる歯石を徹底的に排除するには、細菌による破壊活動から口の中を守ることになり、組織の抵抗力を増し活力を高めることにつながってきます。

そのための対策としては、歯垢と歯石をしっかりと取り除くことです。特に歯石は、いったん沈着すると、歯ブラシではとれないので歯科へいくしかありません。歯周ポケットの奥深く見えにくいところに存在する歯石は、非常に硬くなってとれにくいため、従来は専用の器具を使って取り除いていたのですが、最近は超音波振動によって除去することが主流になってきました。

この機器は、根の表面や周りの歯肉を傷つけたり痛めたりすることが少なく、見えない歯石の取り残しが極力防げるようになりました。歯石をとる時の患者さんの苦痛も和らげられ、歯にも患者さんにもやさしく、術後経過も良好となってきました。

しかし、、一度に完全に取り除かれた歯石であっても、時間の経過の中で再び沈着を始めます。年に一~二回定期的なメインテナンスを繰り返すことが必要です。

参考文献   歯からはじめよう!アンチエイジング  佐藤孝著 日刊工業新聞社

2009年2月12日 (木)

歯ブラシ2

昨日の続きです。

本日も沼部先生の著書よりお届けいたします。

◇歯ブラシの毛先の特徴

歯ブラシの毛先は細くしなやかで、弾力性があります。これを上手に利用しましょう。むし歯(齲蝕)や歯周病の原因は、歯の表面に付着したり、噛む側にある溝や、歯と歯肉の間に入り込んだプラーク(歯垢)です。これを毛先を使って掻き取ってしまうのです。

◇当て方

歯ブラシの当て方は、毛が開いてしまうような強さではなく、歯ブラシの毛先が、ややしなる程度にします。

ここでは、歯周病予防に効果的な毛先を使ったスクラビング法を紹介します。この方法は、歯のほっぺた側では歯と歯肉の境目に毛先が入るように当て、舌のある裏側では、毛先が歯の表面に直角に当たるようにします。

◇動かし方

歯ブラシの毛先を歯に当てたら、小刻みにやさしく左右に揺するようにします。あまり強く大きく動かし過ぎるとかえって汚れを取る効率も悪くなりますし、歯肉を傷つけたり、長い間には歯の表面が削れる原因になります。

汚れ具合にもよりますが、1本の歯に当てたら、その場所で左右に10回から20回ぐらい、歯ブラシの頭を揺するように動かします。

◇みがく順番

大切なのは、全部の歯をまんべんなく磨くことです。上顎の歯の磨き方を例に挙げると、右上のの奥歯のほっぺた側から磨き始めたら、そのままほっぺた側を前歯を通り左の奥歯の方へ歯ブラシを進めていきます。最後の歯までたどり着いたら、歯ブラシを裏側に移して、今度は左上から右下へ向かって道草をすることなく歯ブラシを移動させていきます。そして、それがすんだら、上の歯の噛む側を奥の歯から順番に磨いていきます。

この後は下の歯も同じ。奥歯の裏側が気持ち悪くなって苦手な方も工夫して頑張ってみましょう。『磨くことと、磨けていること』は違います。それには自分の口にあった歯磨きの方法を覚え、習慣づけることが必要です。

参考文献 絵で見る予防歯科 沼部幸博著  クインテッセンス出版

2009年2月11日 (水)

歯ブラシ1

本日は、沼部幸博先生の著書『絵で見る予防歯科』よろお届けいたします。

◇歯ブラシ

むし歯(齲蝕)や歯周病の原因であるプラーク(歯垢)を取り除く一番の方法は歯磨きで、その際、もっとも頼りになるのは歯ブラシです。5年前の調査によると、日本人の99%近くの人が歯磨きを毎日かかさないそうです。

そこで、歯ブラシの選び方と持ち方、そして交換時期についてお話しましょう。

◇歯ブラシの選び方

薬局やスーパーマーケットには、さまざまな種類の歯ブラシが並んでいます。自分にあったものを選ぶのはむずかしそうですね。

歯ブラシには大きくわけると手用歯ブラシと、電動歯ブラシとがありますが、今回は手用歯ブラシについて説明します。

大人の方が使う場合には、大きさは、大人用と書かれているものであれば良いでしょう。私は、歯並びの悪い方には、それよりすこし小ぶりのものをおすすめ致しております。毛の硬さは、歯肉が健康な人なら『ふつう』、腫れたり炎症のある人なら『やわらかめ』を選びます。

毛の材質は動物の毛よりもナイロン製のほうが一般的で、3列ぐらい毛が植えているものが多いようです。毛の先の形は色々ありますが、細くとがったタイプは、歯と歯肉の間に入りやすいものをねらったものです。柄の太さや形もいろいろありますが、しっかりと持ちやすいものであればどれでも結構です。

◇歯ブラシの持ち方

持ち方は、パームグリップより、鉛筆の持ち方であるペングリップの方が歯ブラシの頭の小回りがきき、当てる力も調整しやすく、毛先に加える働きを自由に制御することが出来ます。(写真はパームグリップ)Imgphoto_02_03

◇歯ブラシの交換時期

歯ブラシの交換時期の目安の一つ。歯ブラシを後ろから見て毛先がフレーム(枠)からはみ出していたら、毛が開いてしまっている証拠。その時が変える時です。

使った後には、毛の部分をよく洗い、頭を上にして自然乾燥させ、常に清潔に保つように心がけましょう。

そして、本当に自分にあった歯ブラシであるかどうかに自信のない方は、かかりつけの歯医者さんや歯科衛生士さんに選んでもらうことをお勧めいたします。

明日へ続きます。

参考文献 絵で見る予防歯科 沼部幸博著  クインテッセンス出版