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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
毎日のケアについてのアドバイスを載せていきます。
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当院では、心停止の救命措置に必要なAED(自動体外式除細動器)を設置しております。

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2017年7月17日 (月)

自宅での歯の健康は誰が守る!?

最初から言い訳っぽい感じで今回のブログはスタートします(笑)。
朝からずっと夕方まで患者さんの歯を見続け、治療と治療の合間の時間は歯の資料や歯の写真の整理を行い、夜も次の日の患者さんの事などを考えて生活していると、歯医者では無い時間帯(夕飯から残業の無い時間帯)は、歯の事を考えたくないのです。ほんとに。
そのため、家族の歯の健康は、私の妻が担っています(笑)。
妻も子供の宿題を見たり、歯科医院の事務の仕事や家事をやったり、相当忙しいのに、私よりも使命感をもって熱心に子供の歯を磨きます。
ほんとに頭が下がります。
ご苦労さまです。
(「料理人は自宅では料理をしない」って例えは、私の場合にも当てはまるみたい。)

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2017年7月10日 (月)

アマゾン川流域の部族の歯

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テレビ番組で「陸海空 こんな時間に世界征服するなんて」って番組のSPが先日放送されました。
この番組のディレクターである友寄隆英さんが、かなりぶっ飛んでいて精神のオフ・スイッチが故障している感じがかなり面白くて笑ってしまいます。
このディレクターの凄いところは現地の人が、「おいおい、それは食い物じゃないぞ、死ぬぞ、そんなもの食うな」って言っている食べ物でも平気で食べてしまい、「うまい」っていうところ。
彼が担当している番組も「いきなり黄金伝説」、「よゐこの無人島0円生活」みたいな体当たり系の番組
が多く、自信が進んで番組のシミュレーションをしたりしているみたいなのです(笑)。
で、このディレクターが南米ペルーのシピポ族に潜入した一団が宿泊させていただきた女性に「この果実は美容にいいのよ」と教えてもらったそうなのです。その果実は「ウィト」と呼ばれる入れ墨や白髪染めの染色に使うものだそうです。白髪染めの事を「美容に良い」っていったのを、勘違いして体中に塗りたくったために、顔や体が黒くなってしまい、見た目がナスみたいなので「ナスd(ディレクター)」と呼ばれているみたいなんです。
とにかく、このナスd、何でも食べるし、飲む(笑)
硬いものでも、ワニの皮でも、生きた小魚でも、バナナの茎の芯までも。
原住民も引いてしまうほどの食欲。
このナスdも原住民も、基本的に糖質(バナナは食べてるみたいだけど)を積極的に摂取せず、料理法は基本的に煮るか焼く。結果的に食材は硬く噛みづらくなってます。
その硬く甘くない食事を長年続けているので、原住民(ナスdも)の歯は咬耗(歯のすり減り)は見られますが、皆見事な歯並びで虫歯が殆ど見られない(あくまでもテレビに映った原住民のみ)。
昔、仕事で将軍家と町民の食事の違いを調べたことがあって、将軍家の様に甘く軟らかい食べ物しか食べない人は歯並びが悪く、身長がたかい(貴族形質)。町民のように食事が硬いものしか食べない人は歯ならびが良く低身長っていうデータを思い出しました。
とにかく文明に犯されていない原住民の歯は減ってはいるけど、虫歯のない素晴らしいものでした。
写真は番組のHPからお借りしました。

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2017年7月 7日 (金)

塵も積もれば・・・。

歯の治療は出来ればしたくありません。
日本の国民皆保険の制度のおかげで誰でも安価に歯科治療が受けられる様になってきました。
しかし、塵も積もれば・・・何とかで、日本の安い治療費でも虫歯の本数が多くなるとそれなりの多きな金額になってしまいます。
先日もとある患者さんに、治療する内容での保険の診療費をお伝えした所、ぼったくりと注意をされてしまいました(苦笑)。
断言出来ますが、保険治療は国で定めた料金設定なので、どこの診療所で治療しても殆ど変わりがありません。
今まで温厚な性格で良好な関係を築いていたのに、治療費の話しをすると良かった関係が崩れてしまう事がままあります。
自費治療の場合が殆どなのですが、その時は一時的に保険治療を行えば良いと思います。
今回のご注意は保険治療での治療費が高すぎるとのご注意だったので、ほとほと参りました(苦笑)。
歯のケアを疎かにすると体調を崩します。しかし、虫歯を放置しておいて悪化し、治療する箇所が多いと経済的にも負担が大きくなり精神的に体調を崩すことがあります。
早め早めのケアをお奨めいたします。
ただし、何度でも言いますが、保険治療は悪い治療ではありません。しかし、コンセプトが古いのです。インターネットにて最新の治療が紹介されていますが、そういった最新の治療は全て自費診療です。
保険治療は私の父親がやっていた頃の診療と殆ど中身が変わっていません。
何十年もの間、診療の中身が大きな変化がないのにも関わらず、歯科の保険点数は改定の度に大きく削られています。そのため、歯科医院に入ってくる医療費は微々たるものです。
ぎりぎりの中で歯科医院経営を行っている事もご理解頂きたいと思います。

2017年6月30日 (金)

今年最後の学校健診(笑)

今月の20日に衛生士の佐藤さんと一緒に郡山東高校へ最後の健診に出かけて来ました。
最後の健診は1年生。
1年生は皆さんとても緊張していてとてもお行儀がいいです(笑)。
健診を始めて直ぐに、持参のヘッドライトの電池が切れてしまい(苦笑)、口腔内の状況が一気に見えずらくなってしまいました。
インプラントの手術の前に新しい電池に交換してからずっと交換していなかったので、電池が無くなるのも当たり前ですね。気が抜けている証拠です。反省、反省。
良く見えずらいために一人健診する時間がいつもより長く掛かってしまいました。
しかし、終わってみれば他の2学年よりも20分も早く終わっていたのです。
それは、衛生士の佐藤さんのおかげです。
やはり毎年やっているので経験値が高く、てきぱきこなしたからでしょうね。
とにかくストレスが無かったです。
佐藤さんも昔はもっと時間掛かっていたと思うのですが、やはり経験は大事なんですね。
とにかく今年も大役を無事終わることが出来てほっとしました。
協力してくれた衛生士の皆さん、私がいない間、医院を守ってくれたスタッフの皆さんありがとうございました。
また、この様な機会を与えてくれた郡山東高校の皆様に感謝いたします。

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2017年6月26日 (月)

小児の口腔内診査における注意点

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今月19日に歯科医師会にて開催された学術研修会へ参加して来ました。
今回の講師は奥羽大学歯学部成長発育歯学講座・小児歯科学分野教授である島村和宏先生です。
この研修会を開催した目的というのは、小児歯科の口腔内検査の際に歯科医師の認識や診断のばらつきがあるために、検査を担当した歯科医師によって、その都度診断が異なるために、保護者が不安になったり、困惑してしまうという苦情が歯科医医師会へと出されたことがきっかけと聞いております。
医学部にはきちんと学科が分かれています。例えば、内科、外科、整形外科,精神科等々。
歯科は一つの科しか無いと思っている方もいると思うのですが、歯科も沢山の科があります。
その中の一つに小児歯科があるのです。私の専門は補綴(ほてつ)と言って、かぶせ物(いわゆる差し歯や銀歯、セラミック、インプラント)なので、正直小児歯科は専門外なのです。
しかし、いつもの仕事でも小児歯科は治療します。ただ、自分のスキルでは対応出来ない小児の疾患の場合は、専門性の高い大学の小児歯科に紹介させて頂いています。
歯科医師の先生方は何らかの専門性(もしくは、専門性の高い科を集中して勉強しておられます)があるので、小児歯科を専門にしていない先生方は、小児に対する独自の見解が多々あるのです(もちろん私も)。その独自の見解を今回は統一しようというのが今回の趣旨みたいなのです。
まず、島村教授が最初に仰っていたのは、「健診と検診」の違いでした。
健診とは健康検査の事で保険指導の前提となる診察をさすそうです。健康の確認や健康の程度を知るためのもので、現在は無症状でも、将来の病気に繋がる可能性を見つけるために行うもの。
検診は、特定の疾病の早期発見を目的とした健康診断を示し、目標とする病気を発見するのが目的なんだそうです。英語ではScreeningといい「ふるいにかける」と言うことみたいです。
では、歯科領域では「健診なのか検診なのか?」ということですが、「疾患の早期発見」および「受診者」に対する「治療勧告」に重点をおいた「検診」が実施されてきたのです。
しかし、現在ではプライマリー・ヘルスケアに重点をおいた施策の展開や要観察歯および歯周疾患要観察者の概念の導入に伴って、「健康の保持・増進」および「早期発見・要観察」という健診へとシフトしてきているそうです。へぇ〜〜って感じです。
島村教授曰く、患者さんが自分自身の健康を管理し、異常が見つかれば早期に対処し、QOL(生活の質)の向上を目的とした「かかりつけ歯科医」での定期的な受診を推進して行くことが大事だと言うことです。
講演はその後、小児の外傷(とくに突発的な怪我、歯ブラシや棒状のものが口腔内に刺さってしまう等々)や小児の歯内療法(根の治療)のお話をしてくれました。
小児の歯内療法の話はとても良かったです。ちょっと悩んでいたので。
小児の研修会ってものすごく少ないので、小児の専門性の高い話ってなかなか聞けないのです。
私の中のもやもやとした疑問がスッキリと晴れてとても良かったです。
それにしても有意義すぎる2時間でした(笑)。

2017年6月19日 (月)

歯の健康フェアー2017

昨日お伝えした通り、6月4日は忙しい一日でした。
午前中の前半は、行徳・富田地区球技大会だったのです(昨日のブログ参照)。
大体10時半までは家族と一緒に行健中学校の体育館にいました。
歯の健康フェアーでの私の役割は12時から2時までの位相差顕微鏡が割り当てられていました。
歯の健康フェアー自体は10時から始まっています。
12時までに行けば良いと最初は思っていたのですが、先に担当になっている先生のやり方を少し見学し、自分の担当の時によりよい時間にしたいと思ったので早く行くことにしたのです。
私の担当する「位相差顕微鏡」というのはどんな物かと言うと、患者さんの歯と歯の間にある歯垢を少し摂取してテレビを通じて動く口腔内細菌を観察しようというものなのです。
実は私の開業時にもこの位相差顕微鏡は購入していて、患者さん全員に試して口腔衛生予防のモチベーションアップに利用しようと思っていたのです。
しかし、開業1週間で断念。大きなテレビを運ばなければいけないし、時間が結構かかり1回の治療時間が無くなってしまうというのがその理由でした。自費治療での予防には使えるかもしれませんが・・・・。
ですから、使い方は分かっていたのです。
早めに来て、先に来ている先生の様子を観察させて貰いました。
驚いたのは患者さんの驚きよう。
それはそうです。歯科医師でも滅多に見ることが出来ない動く口腔内細菌を全く知識のない一般の患者さんが見ているのですから。しかも自分の口から摂取した歯垢を。
もう、細かい細菌の説明なんて殆ど要らないのです。
自分の口の中にこんな細菌がいるって分かっただけでも一般の患者さんは鳥肌ものです。
この位相差顕微鏡は歯科医師会の歯科医師と衛生士会の衛生士さんと二人一組になって行うのです。
私の担当の時間帯になって席に着いてみても、衛生士会の担当衛生士さんが来ていません。ちょっと遅れるそうなのです。
これは致し方がないのです。休みを返上して参加しているので、急な用事などが入りやすく欠席が多いのも特徴なのです。これはお互い様だからしょうがないかな。
仕方がないので、私とペアを組んで貰っている先生と組んで、歯科医師がプレパラートに患者さんの歯垢を摂取して患者さんに対応しました。
この位相差顕微鏡ではとても面白い現場に多々出くわします。
ある男の子がお母さんと一緒に参加しました。
男の子の細菌を位相差顕微鏡に写すと、活発な細菌が画面上を動き回っています。
男の子はその細菌の動きにかなりのショックを受けている模様(笑)。
この位相差顕微鏡を受けて貰った患者さんには歯ブラシをプレゼントとして贈呈しているのですが、
その男の子は、その場でその歯ブラシの袋を破り、泣きながら自分の歯を磨き始めたのです。
お母さんには「これからちゃんと歯を磨くよ〜〜」って半泣き。
位相差顕微鏡は患者さんの

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モチベーションを上げるためのツールですが、ここまで一気にモチベーションが上がると、こちらもとても微笑ましい感じになります。
「あ〜〜やって良かったな」って。
それと、特徴的な家族のやり取りがあって、お母さんとお子さんは、かなり積極的です。しかしなぜかお父さんは消極的。
「俺はいいよ、俺はいいよ」って言います。男の方がビビリなんでしょうか。
しかし、お母さんとお子さんがキャッキャッと楽しそうにやっているのを見て、最後に、「じゃあ、折角だから俺もやって貰おうかな・・・・」っていうパターンがものすごく多かったです(笑)。
歯の健康フェアーは「ニコニコ子供館」の2階多目的ホールと3階の研修室を使って行われています。
2階ではブラッシング指導も行われています。位相差顕微鏡は3階なのです。
そのため、2階で歯のお掃除をしてしまってから3階の位相差顕微鏡に来るのであまり歯垢が付いていないという珍現象がおこってしまっていて、次回からはブラッシング指導の手前に位相差顕微鏡をおいた方が効果的かな??なんて生意気な事も考えてしまいました。
とにかく、とても楽しく愉快な時間を私は過ごしました。
かなり疲れたけど(苦笑)。
テレビの取材も来てました。

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2017年6月15日 (木)

2回目が終了しました。

私が学校歯科医をしている郡山東高校の歯科検診の2回目が終了しました。
毎回一学年ずつやって3回で終了する勘定です。
今年はなぜか虫歯の学生がとても多いです。
去年は少なかったのに。
なにか疫学的に、公衆衛生的に何か問題でもあるのでしょうか?
不思議です。
後、1回残っていますので頑張りますよ(笑)。

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2017年5月28日 (日)

郡山東高校歯科検診、今年もスタート。

郡山東高校の歯科検診を担当する様になって、はや3年以上が経過しました。
毎回、衛生士さん同伴で行くのです。
今月の18日は今年最初の歯科検診。今回は3年生約270人。
一人約1分として、単純計算で3時間くらい。
去年から、自分で口腔内ヘッドライト(かなり強力なやつ)を持参しているので、よく口腔内を診られるようになりました。
ただ、弊害もあります(苦笑)。
それは、ほぼ3時間休み無しでやや前傾姿勢で、明るいライト下で診断を下していくので、とにかく目が疲れます。検診の最後の方では、軽い眼精疲労、目眩といった症状まで出てくるしまつ(苦笑)。
今回の検診終了後でも、自宅に戻った後に偏頭痛が酷くて軽く寝込んでしまいました。
去年はこんな症状が無かったので、今回は歳のせいか、疲れが残っていたのでしょう(笑)。
まだ、検診も2回残っています。
頑張ってやっていきたいと思います。
また、今回は学生進路指導係の先生に「歯科衛生士学校」の案内も渡す事が出来ました。
歯科医師会としては、進路の片隅にでも「歯科衛生士」という選択も入れて頂きたくて(笑)。

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2017年4月13日 (木)

とりあえず終了しました。小児矯正

娘の矯正を一応終了しました。
厳格にはまだまだなのですが、乳歯の段階で骨格を正常な部位に戻せたので良しとしました。
永久歯列が綺麗に機能的になれば良いだけなのでこれでいいのです(笑)。
大体、9ヶ月くらいでした。
永久歯に生えそろった時期にもう一度チェックして、駄目ならもう一度矯正しますが、多分大丈夫もう追加矯正はいらないと思います。
機能的に歯並びが良くなると歯石も溜まりにくいし、噛めるから(力が入るから)集中力も高まるし、
顎関節症の問題も軽減されるので、最高の予防ですよね。
小児矯正お奨めです(笑)

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2016年12月14日 (水)

眼鏡の処方箋

去年(もう1年も前から)から目の老化が激しく、最近では日常生活にも支障が出てくるようになってきました。
例えば、歯の治療をしているときに、裸眼で口腔内を診ると、歯がぼやけてしまう(拡大鏡やマイクロを使えば大丈夫)事や、金属を磨いているときにうっかり見えづらく金属を落としてしまったり。
私生活ではテレビがぼやけてしまったり、本の文字が見えなくなってしまったり。
そこで、10月初めに予約がまだ入っていない平日に一日お休みを頂いて、眼科やその他の平日にする仕事をすることにしました。
本当は直ぐにでも行きたかったのですが、予約が入っていない日程は有り難い事に1ヶ月先の先日でした(有り難い事です)。
そこで、近くの伊藤眼科さんへ。
予約制ではないとの事で、朝一で。「こりゃ一番乗りっ!!」って意気込んでいたのですが既に10人ほどの患者さんが待っておられました。

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受付では、私の患者さんでもあるうちの衛生士の滝田さんのお姉さんがいらっしゃいました(笑)。
妻の情報では、かなり混んで、待つ覚悟が必要ということで仕事道具を持参しました。なんとの伊藤眼科の待合室はどこかのホテルのサロンみたいで居心地が良い。それにテーブルが沢山あるのでパソコン仕事が出来ました。こういう待合室憧れます。医院を作った10何年前は、患者さんが来なかったらどうしようってビビって待合室を大きく作れなかったのです。失敗。
で、パソコンで仕事を始めたら、あっさり自分の順番が来ました。

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歯科でも治療を始める前には多くの検査をしますが、眼科でも診療前に視力検査を沢山しました。
それにしても凄い検査器具の数々。

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歯科も設備投資がかなりかかりますが(もしかすると個人開業医療の中では一番かも)、眼科もなかなか設備投資が大変そう。
伊藤先生に診察して頂きました。多分伊藤先生の奥様先生。
非常に丁寧な説明で、こちらが恐縮してしまうほどの丁寧な説明。
どうやら、パソコンや事務仕事するときの視力があっていない様なので、新たな眼鏡の作製を勧められました。無理な眼の疲労で涙が減少しているとの事。適切な眼鏡を使うことによって、涙の量が増えるとの事でした。
なるほどね。
しかし、眼科。眼鏡の診断書なんていう物があるんですね。
ビックリしました。

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2016年5月30日 (月)

またこの季節がやって参りました。

5月から6月にかけては、学校検診の季節です。
私は郡山東高校の学校歯科医なのですが、今年も3回に分けて健診を行わせて頂く予定です。
既に2回終えていて、最後の1回は来月の予定なのです。
今回は2回目の学校検診の模様をレポート。
健診の肝は、いかに手際よく、確実に口腔内全体を健診出来るかにあります。
一度に300人近くを短時間で見なければいけないので相当の集中力と忍耐力が試されます。
また長期間座り続けるのでトイレに行けないという苦難も伴います(笑)。
いままでは何とか口腔内を見渡せたのですが、今年私の老眼度数が急上昇!!全く裸眼では見えづらくなってきてしまいました。
そのため、今回から口腔内専用のライトと拡大鏡を持参するようにしました。
かなり検診が楽になりました。
やはり、老体には新兵器で補うのがよろし。
無理に若い先生と競い合うことないのだ。
来月もキチンと正確に検診しますよ!!

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このライトはこんな風に手術の時に使っています。

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2010年1月17日 (日)

口内の汚れは万病のもと

本日は、日本咀嚼学会編集の『誰も気づかなかった噛む効用~咀嚼のサイエンス~』の中の渡辺久東京医科歯科大学歯学部歯周病講座准教授のテキストよりお届けいたします。

◇危ない『口内の汚れ』

口と肛門は、消化器系の入り口と出口です。いずれも身体と外界の接点ですから、いろいろな異物(細菌も含む)が入り込みやすいところです。また適度の温度と湿り気があるので、とりわけ細菌の住みやすい環境です。どちらも不潔にしていますと、いろいろと厄介な病気を引き起こします。

口の中の病気で、代表的なものは“むし歯”と“歯周病”です。歯周病には、歯肉炎と歯周炎(歯槽膿漏)があります。むし歯と歯周病は、放っておくと終いには“歯を失う”ことになります。その原因は、口の中を不潔にすること、口の中の汚れにあります。

口の中の汚れにはいくつかあります。まず第一番目に、食事をした後に残る“食べかす”です。通常は、うがいやようじで取れますが、奥歯の間に挟まった場合などは、大変苦労します。俗に「奥歯に物がはさまった言い方」などと言いますが、いつでも気になってしかたがないものです。この状態が続くと、その部分にむし歯や歯周病を起こします。

第二番目が、着色です。これは食物の色素、紅茶・コーヒー・お茶などの飲料水の茶渋、たばこのヤニなどです。これらは病気とは直接には関係ありませんが、口元がとかく気になる現代の生活にあっては、常に気をつけたいものです。

昔から『明眸皓歯(めいぼうこうし)』といって、明るく澄んだ瞳と白い歯は、美人の形容として使われます。たばこについては、ニコチンとコチニンが白血球の機能を低下させることが報告されています。長期間喫煙を続けますと、感染に対する抵抗力が低下するといわれています。

例えば、歯周病については喫煙者はたばこを吸わない人に較べて、4~14倍も病気に罹りやすいといわれます。たばこの害を論ずる場合は、一日の本数と喫煙の期間が問題になります。ご自分の健康もさることながら、間接的な喫煙(受動喫煙)の害も指摘されています。マナーを守った喫煙を心がけたいものです。

参考文献 誰も気づかなかった噛む効用~咀嚼のサイエンス~ 日本教文社 

2010年1月 8日 (金)

歯科診療所で全身疾患の・・・

本日はデンタルトリビューン紙 2009年12月号よりお届けいたします。

◇歯科診療所で全身疾患のスクリーニング《米国》

歯科医師が全身の健康管理に深く関与することは、患者にとっても有益である。ニューヨーク大学歯学部(NYUCD)では「全身の健康管理も歯科医療従事者の責務とする」という理念のもと、独自の学生教育や看護学部との連携を行っていることを、10月5日付の同大学プレスリリースで報告した。

◇学生教育に、全身疾患の評価

歯科医院へ定期的に通院していても、プライマリ・ケア医とはあまり頻繁に会わない患者もいる。このようなケースにおいて、歯科医師は患者の全身の健康状態を観察し、重篤な疾患の徴候を発見し介入することが可能な立場にあるといえる。

例えば、患者が過度の口渇や空腹感、頻尿などを訴える場合、糖尿病の初期症状かもしれない。

NYUCDでは、学生教育の段階からこの理念を反映させ、学生は口腔疾患のみならず、全身疾患の評価法も学んでいる。

また、同大学では全身管理の一環として禁煙指導にも注力しており、患者にただ禁煙を勧めるだけではなく、禁煙治療のサポートまで行う。

昨年の春からは、学生と教員に対する教育プログラムとして、「臨床医のための禁煙治療介入の5A:質問(ASK)、助言(ADVISE)、評価(ASSESS)、支援(ASSIST)、経過観察の手配(ARRANGE)」が開始された。

◇看護との協力

2006年にNYUCD内に開設された看護学部診療所は、包括的な看護保険を行うために口腔衛生と全身の健康管理をリンクさせる重要な役割を担っている。

歯学部と看護学部が協力し、すべての患者は、全身と口腔、双方の健康管理に対応する総合健康管理センターを利用出来る。同センターは歯学部ロビー内という便利な場所にあり、がん検診やカウンセリング、人間ドックなど包括的なプライマリ・ヘルスケアを提供している。

さらに、同大学では歯科検診にも重篤な全身症状のリスク評価も組み入れるべきだとし、その実践に向けて、現在、歯科と看護とが協働で連携プログラムを立ち上げている。

2009年12月17日 (木)

歯科医が訪問 口腔ケア

本日は、読売新聞 12月10日分の『安心』のページよりお届けいたします。

◇誤嚥性肺炎予防効果も

口の中を清潔に保ったり、飲み込む力を鍛えたりする「口腔ケア・嚥下リハビリ」が高齢者の肺炎予防などに効果があると注目されている。

歯科医の間で、口腔ケアや嚥下を重視した訪問診療を広げる動きも強まり、11月には全国組織が発足した。(文:針原陽子)

◇食べられるように

千葉県松戸市のマンションの一室。介護ベッドの背もたれを少し起こした状態の男性(73)が、介護者の妻(71)の手を借りてプリンを食べていた。歯科医の大石善也さん(49)が、そののど元に聴診器を当てて、のどの状態や呼吸の様子を確かめる。

男性と妻には「口に入れて早く飲み込むと、少し器官に入ってしまう感じです。ちょっとためらってから飲めるように練習しましょう。」と助言した。

男性は7年前に脳出血で倒れ、現在は寝たきり。この5年ほど経管栄養などに頼っていたが、嚥下リハビリを受け始めて少しずつ食べられるようになった。妻は「意識と表情がはっきりしてきた。本人も楽しみが増えたでしょう」と喜ぶ。

同県柏市で開業する大石さんは、外来を休む週一日半と昼休みを使い、歯科衛生士9人とともに、老人保健施設(老健)などの施設や在宅高齢者ら約170人の訪問診療を担当する。

一回1時間。衛生士が歯や歯茎、舌などをきれいにする口腔ケアに30分を、歯科医による聞き取り、飲み込みのチェックやリハビリに30分を充てる。

家族を介して訪問看護師や往診の医師と連携を取ったり、同じ時間帯に訪れるヘルパーに口腔ケアのやり方を指導したりすることもある。大石さんは「高齢化によって要介護状態で自宅や施設で長く暮らす人はますます増える。歯科の訪問をもっと増やす必要がある」と訴える。

◇医師の連絡会発足

口腔ケアを行えば、細菌の多い唾液などが気管に入って起こる「誤嚥性肺炎」の発症率が、ケアをしない人の半分以上に減ることがわかっている。食べることで栄養状態や意欲が向上することも知られている。

これらを踏まえて「在宅療養支援歯科診療所」が設けられたのは2008年4月。在宅で療養する人を24時間体制で支えるもので、診療時間でも、75歳以上の患者を訪問したら月一回は算定できる管理料などが認められた。

しかし、口腔ケアや嚥下リハビリを重視する歯科医はまだ少なく、患者も必要性をあまりしらない。こうした現状を変えるため、大石さんら訪問診療に力を入れる開業医と、大学や病院の歯科医の有志が今年11月、「全国在宅歯科医療・口腔ケア連絡会」を発足させた。

連絡会では今後、専門的に訪問診療を手がける医師のデータベースを作成するほか、各地域に活動拠点も設置。往診を行う医科のネットワーク「全国在宅療養診療所連絡会」などの他業種との連携も模索する考えだ。

在宅医療に詳しい辻哲夫東京大学教授(高齢者政策)は「口から食べることにより体力がつき、生活の質も上がることから、歯科が医科と連携することが重要。歯科が、在宅高齢者へのケアを重視するようになったことは、時代のニーズに応えた取り組みだ」と評価している。

2009年12月 3日 (木)

キシリトールガムの効果は?

本日は、羽田宣裕先生監修の『こどもの歯をじょうぶにするQ&A64』よりお届けいたします。

◇虫歯をやっつけて、虫歯を防ぐ唾液がふえる

キシリトールは、いちごやプラムなどの果物、レタスやカリフラワーなどの野菜にも含まれている天然の甘味料で、砂糖と同じ甘さがあります。

市販のキシリトール入りのガムはおもにシラカバやカシなどの樹木から抽出されたキシリトールが使われています。

フィンランドで虫歯予防の目的で開発されたのを発端に、世界各国に広まりました。キシリトールが虫歯を防ぐのは、次の理由からです。

①虫歯菌はキシリトールでは酸を作れないので、虫歯菌にならない。

②虫歯菌がキシリトールを食べると、エネルギーを消耗して活動が弱まる

③さわやかな甘みが、虫歯菌予防効果のある唾液を多く分泌させる。

キシリトールガムは食後に5分以上噛むと、食事中に溶け出した歯のミネラルを回復させ、再石灰化を促します。また、毎食後に噛むと、虫歯菌の数が減ります。

寝る前の歯磨き後に噛むのも効果的です。

ただ、本当に虫歯菌を減らしたいのなら、歯医者さんで虫歯菌の検査を受け、決められたカリキュラムのもとに使うべきです。

甘い物を食べたいこどものために、ラムネ菓子代わりにあげてもいいですが、おなかがゆるむことがあるので食べ過ぎに注意を。

参考文献 羽田宣裕監修 こどもの歯をじょうぶにするQ&A64 小学館 

2009年11月21日 (土)

寿命と歯槽膿漏2

昨日の続きです。本日も野田先生の著書よりご紹介いたします。

◇寿命と歯槽膿漏

日本では、戦後の1950年代にはじめて歯周病学講座が開設されました。たった50年の歴史しかありません。

なぜ、このように歴史が浅いのかというと、その理由は必要がなかったからです。今日でこそ日本人は長生きですが、かつての日本人は短命でした。

織田信長は「人生五十年」と謡いましたが長生きしたほうで、十六世紀当時の平均寿命は二十歳にも満たないものでした。その後、江戸時代では三十歳から四十歳、明治に入っても四十歳のままでした。

たしかな統計がある1921年~1925年当時の男性平均寿命が42.1歳、女性が43.2歳でした。これは、細菌などの感染による幼児の死亡率が高く、また、結核などの不治の病があったためです。

そして、人生50年と人々が意識したのは戦後のことで、終戦直後の1947年でした。男性の平均寿命が50.56歳、女性が53.96歳となりました。

つまり、近年までの人生は五十歳であったということは、歯槽膿漏の末期で歯が抜け落ちる前に、人生そのものが終わっていたのです。

歯科医院で痛い目にあう前に、天寿を全う出来たわけです。ですから、歯槽膿漏の研究は必要なかったわけです。

ところがその後、医学が急速に進み、1959年に平均寿命は68歳となりました。また、日本老年医学会は65歳以上を老人と定義して、老人医療に取り組み始めました。

2001年の調査では男性の平均寿命が78.07歳、女性が84.93歳となり、人間の寿命が歯の寿命をはるかに超えてしまいました。そして2002年には、男性の平均寿命が78歳、女性が85歳まで伸び世界一の長寿国となりました。

その結果、歯槽膿漏を治さなければならない、という問題がクローズアップされました。

歯の多くは歯槽膿漏で抜け落ちます。歯をなんとか持たせたい、一生自分の歯で暮らしたいとい要求に応えなければなりません。

ですから、年を取ると歯茎がさがり、歯に食べものが挟まってしょうがない、と考えるのはまってください。加齢でも歯茎は下がりますが、多くの場合、歯槽膿漏で歯茎が下がるのです。

また、ご自身の歯茎の色をみてみましょう。健康な歯茎はピンク色で、歯にしっかり密着していますが、歯肉の歯との境目が赤く腫れている場合は要注意です。これは初期の段階では、歯肉炎と呼ばれますが、歯槽膿漏の可能性もあります。

さらに、これが進行すると血や膿が出て口臭が発生します。これは、明らかに歯槽膿漏です。ちなみに、歯周病は、歯科医のあいだでは3Sと呼ばれています。

3Sとは、だれでもかかる(social)、症状のない(silent)、自己管理出来る(self-controllable)の三つの英語の頭文字から命名されました。

ですから、痛みや歯がぐらつき出す前に、このような症状が気になり出したら、すぐに歯科医に診てもらうべきです。歯槽膿漏(歯周病)は単に抜け落ちるという問題にとどまりません。

歯槽膿漏は、心筋梗塞、脳梗塞などの心血管疾患も起こします。

参考文献 歯周病で死ぬのはイヤだ! 著者 野田隆夫 野田雅代 光人社

2009年11月20日 (金)

寿命と歯槽膿漏1

本日と明日の2回に分けて、野田先生の著書『歯周病で死ぬのはイヤだ!』よりお届けいたします。

◇寿命と歯槽膿漏

歯槽膿漏にかかった患者さんは、助けを求めて歯科医の元を訪れます。ぐらつきだした歯を治したい、以前と同じように物が噛めるようになりたいという希望をもって、歯科医院を訪ねます。

はたして、その実態はどうでしょう。多くの場合、ぐらついた歯を抜きます。と診断されるのではないでしょうか。また、歯を抜いた後に歯茎から血や膿が出なくなり、気持ちよくなったでしょう、といわれるのではないでしょうか。これは、今まで行われてきた歯槽膿漏に対する現実的な問題解決方法であることは確かなことなのです。

というのは、歯槽膿漏の原因は細菌説が有力ながら、進行して末期になると決定的な治療法や特効薬がありません。ですから歯槽膿漏の初期段階での治療には自信がありますが、末期では延命がせいぜい、というのが歯科医の本年です。つまり、歯を抜く以外に方法がないわけではないわけで、悲しいかな、これが現状であるわけです。

ですから歯科医は、早い段階で治療に来てくだされば治るのに、もっといえば、早い段階いで来てほしいと願っています。

とはいうものの、歯槽膿漏は初期から中期までは、自覚症状がありません。したがってそのような方は、歯槽膿漏の治療ではなく、虫歯の治療を希望して歯科医院を訪れます。

そこで、善意のある歯科医は虫歯を治した後に、歯槽膿漏も治療します。するとどうでしょう。それは気になっていない歯でした。と患者さんのつれない言葉。

ときには、痛みもなにもないのにいじられた、お金儲け主義じゃないか、と勘ぐられたりします。

歯槽膿漏の治療を希望してきた患者さんでも、この一本はあきらめてください、末期の歯槽膿漏は治すのが難しですから、これ以上の歯が同じ末路をたどらないようにしましょう、と説明すると怪訝な顔をします。

たとえこの歯がなくなっても、それ以外の歯が今のままでなら文句ないでしょう、と説くと、そんな話は信じられないと言いたげです。

このような経験をした歯医者は、症状が出るまで放っておこうと考えるのも無理ありませんし、また患者さんが望まないことを出来ないのが医療というものです。

なぜ、このような事がおこるのでしょうか。それはおそらく歯科医は歯槽膿漏を治せるのは初期から中期であると考えているのに対して、患者さんは歯槽膿漏の末期になって、はじめて何とかしてほしいと考えるからでしょう。

こう考えると、やはり患者さんが歯槽膿漏の正しい知識を持たなければ、歯槽膿漏の治療は成り立たないkとも事実です。

それでも、賢明な読者のみなさんは、これだけ科学が進歩した現代で歯槽膿漏が治らないはずがないという疑問を持たれるのではないでしょうか。

確かに考えるのは無理もありません。しかし、歯槽膿漏の研究は、意外と歴史が浅いのです。

明日へ続きます。

参考文献 歯周病で死ぬのはイヤだ! 著者 野田隆夫 野田雅代 光人社

2009年11月 2日 (月)

むし歯や歯周病がなかった先住民

本日は、西原克成先生の著書 『歯はヒトの魂である~歯医者の知らない根本治療~』よりお届けいたします。

◇むし歯や歯周病のなかった先住民

歯の病気には、以前は国民病とも文明病とも呼ばれたむし歯と歯槽膿漏(歯周病)があります。

どうして文明病かと言うと、昔の原始人や類人猿、今から100年前頃のアフリカやオーストラリアの先住民やその頃のエスキモーに、ほとんどむし歯や歯槽膿漏が無かったからです。

そしてまもなくこれらの人々の間に文明が浸透して、生で食べていた食生活が激変し、食物を蒸したり煮たり焼いたりして食べるようになっただけで、一気に文明国の人々よりも歯が駄目になってしまったのです。

これは文明化して加熱食品を食べるようになったのに、歯磨きという高度化した文明の習慣が伴わなかったためです。

加熱食品とは、熱によって食品が消化され、軟らかくなり、栄養が細菌にも消化・吸収されやすくなるために、細菌が歯の表面にべっとりとへばりつき、雪のように食べる度にすこしづつ積もって歯垢が出来るからです。

ことに澱粉や蔗糖を含むものを食べて、ストレプトコッカス・ミュータンスという細菌が口の中にはびこると、むし歯が出来る。雪のようにへばりついた歯垢に唾液のカルシウムが沈着すると、これが石灰化して黒くなって硬くなります。これが歯石で、歯茎の所にぐるりと黒くへばりつくと、細菌の巣になるので歯茎が炎症を起こす。これが歯肉炎です。

さらに進んで、歯の根の表面に歯石が少しづつ触手を伸ばして歯肉炎に入り込んでくると、歯茎に膿が貯まって漏れ出す。それでこの歯周病を歯槽膿漏と呼んでいたのです。

むし歯や歯周病が進むとしばしば歯科で歯を抜かれてしまいます。歯を抜かれると歯がなくなってしまう。これを「歯の欠損症」といいます。

歯がないだけでは病気の気がしませんが、じつはこれもれっきとした病気です。そしてこの歯の欠損症の治療がいわゆる入れ歯です。

今次世界大戦のアメリカ軍では、歯が7本以上ない人は、ないままに軍務につくことは出来ませんでした。国家がすべて14金の入れ歯(金属床義歯)を作ってから戦闘に参加させたのです。食べるということはいざとなるとそれほどにも人間の生活に重要なことなのです。

米海軍も陸軍もこの入れ歯に14金を使うのを止めて、コバルトクロム合金の義歯に変えたのは朝鮮戦争が終わってだいぶ経った1965年頃です。日本では、今も昔も健康保険では、金属床の義歯は出来ません。安価なレジン床(プラスチック)の義歯しか作ることが出来ません。

参考文献 歯はヒトの魂である~歯医者の知らない根本治療~ 青灯社

2009年10月21日 (水)

歯周病と関連が深い自己免疫疾患2

本日も昨日に引き続き、渡辺秀司先生の著書『歯周病を自分で治す本~歯のグラグラが治る、口臭が消える、不思議な樹脂を発見!~』よりお届けいたします。

◇掌蹠膿疱症の発症にも関係

掌蹠膿疱症は、原因がよく分かっていない皮膚病です。

手のひらや足の裏に膿を持った湿疹ができ、長期間にわたって再発を繰り返す難病です。扁桃腺や虫歯からの感染、また、歯科で使われる金属のアレルギーで起こる場合があることも知られています。さらに、特定のウィルスへの感染によるものといわれています。

奥田克爾・東京歯科大学微生物学講座教授のグループは、口腔内の慢性感染症と掌蹠膿疱症との関係について研究を行っています。

実験の結果、アクチニマイセス・アクチノマイセテミコミタンスなどの歯周病菌が出す毒素が、手のひらや足の裏で免疫反応を起こし、掌蹠膿疱症の原因になっていることが考えられると報告しています。

また、実際に、歯周病の治療によって掌蹠膿疱症の症状が改善した例は少なくないといいます。

以上のように、歯周病は単なる口腔内の病気にとどまりません。全身にさまざまな悪影響を与える病気であることを認識し、出来る限り早期から予防・改善する事が求められます。

参考文献 歯周病を自分で治す本~歯のグラグラが治る、口臭が消える、不思議な樹脂を発見!~ 渡辺秀司著 マキノ出版

2009年10月20日 (火)

歯周病と関連が深い自己免疫疾患1

本日は渡辺秀司先生の著書『歯周病を自分で治す本~歯のグラグラが治る、口臭が消える、不思議な樹脂を発見!~』よりお届けいたします。

◇歯周病と関係が深い自己免疫疾患◇

免疫不全とは、細菌などの外敵に対して防御機構(免疫不全)が正常に働かず、抵抗力が落ちた状態をいいます。

免疫不全は自己免疫疾患によっても起こります。私たちの体は、細菌などの外敵や異物に対して、抗体を作って闘います。普通、自分の組織(細胞)に対して抗体を作ることはありませんが、何らかの原因で自分の赤血球に対する抗体ができてしまうことがあります。

つまり、抗体が正常な細胞を攻撃して障害をもたらし、病気を発生させるのです。このように、自分の体にとって不要な抗体が作られることによって起こる病気を自己免疫疾患と呼んでいます。

自己免疫疾患には、臓器不特定疾患と臓器特異的疾患があります。前者には、シェーグレン症候群、突発性血小板減少症、自己免疫性溶血性貧血、慢性甲状腺炎(橋本病)、原発性粘液水腫、悪性貧血、急性進行性糸球体腎炎、重症筋無力症、潰瘍性大腸炎、I型(インスリン依存型)糖尿病などがあります。

一方、後者には、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、円板状エリテマトーデス、多発性筋炎、強皮症などがあります。

それぞれの病気のくわしい説明は省きますが、これらの病気がある人は、歯周病が発症したり進行したりしやすいことは明白です。抗原抗体反応あ繰り返され、不要な抗体が作られているわけで、体内に常に炎症が引き起こされるからです。

これらの病気がある人は、全身の抵抗力を落とさないように普段から留意すうることが求められています。

明日へ続きます。

参考文献 歯周病を自分で治す本~歯のグラグラが治る、口臭が消える、不思議な樹脂を発見!~ 渡辺秀司著 マキノ出版  

2009年10月 6日 (火)

歯周病を見つけるには

本日は、朝日新聞出版から出版された『 Q%Aでわかる 「いい歯医者」 』よりお届けいたします。

Q:歯周病を見つけるにはどうすればいい?

A:歯肉の腫れや出血は歯周病の最初のサイン。早めに歯医者へいってください。

歯肉炎の段階ならプラークコントロールだけで治ってしまいます。それだけに早期発見が大切なのですが、長く放置されて歯を失うことになったり、治療が長引いたりするケースが少なくないといいます。

歯周病は進行しても痛みや腫れといった自覚症状が無いからです。

歯周病を早期発見するためにも、次のような症状があるかどうか確認してみてください。

◇歯肉の縁が赤い

歯周病は、歯肉が炎症を起こす歯肉炎から始まります。歯ぐきの縁が赤くなっているのは炎症を起こしている証拠。歯肉の腫れが目立つ、硬いものを噛んだり、歯を磨いていたりするときなどに出血するなどの症状があれば、歯周病のサインです。

◇歯石がついている

歯石は歯垢(プラーク)が石灰化したのものです。歯石になるとブラッシングだけでは取り除けなくなって、歯と歯肉のすき間(歯周ポケット)が深くなってきます。歯周ポケットの深さは、歯周病の進行度を示す目安となります。

◇朝、口のなかがネバネバする

ネバネバの正体は歯垢かもしれません。歯磨きが不十分だと、歯垢がたまってしまいます。また、夜寝ている間は、口の中に水分や栄養が豊富にあり、静かな状態です。

そのため、歯周病原細菌の活動が活発になり、歯周病のリスクがより高くなります。

◇歯がのびてきた

歯肉や歯を支えている骨は、年とともに少しづつ下がってくるものですが、病変が歯を支える骨まで達して骨が溶けてくると歯肉も下がって、歯がのびてきたように感じることがあります。

◇指でおすと歯が揺れる

歯を支える骨が溶けはじめると、歯が浮いたような感じがしたり、指でおすとグラグラしたりすることがあります。この段階になるとかなり歯周病が進んでいると考えられます。

参考文献 Q%Aでわかる 「いい歯医者」 朝日新聞出版 

2009年9月13日 (日)

歯周病の正しい治し方

本日は、丸橋賢先生の著書『歯で守る健康家族』よりお届けいたします。

◇歯周病の正しい治し方

歯周病とは、歯根をしっかりと支えている歯槽骨と呼ばれる顎骨が溶ける病気です。進行とともに歯槽骨の吸収(溶ける)が進み、グラグラ動揺し、物が咬めなくなり、最終的に歯が抜けてしまう病気です。

歯周病は治りにくいと一般的には考えられているのは、現在の治療法が的外れで、根本的な原因が除去出来ないからです。

食生活の脱線を正し、良好な栄養バランスを取り戻すと、見違えるほど顔の色艶が良くなります。歯肉や口腔内粘膜も健康的で美しいピンク色になり体は元気になります。

このように、病みたい体から治りたい体へに元気にUターンさせておいて、口腔内の治療を行えば、驚くほどよく治るのです。

私の診療所には、全国から悩みに悩んだ重症の患者さんがたくさん来院されます。いくつもの歯科医院をまわり、大学病院にも受診し、治療を続けても治らなかったり、抜いて総入れ歯にするといわれた患者さんたちです。このような患者さんの多くは、顔にも生気もなく、土気色で病人然とした様子でやってきます。

私は患者さんを一瞬見ると、その人の状態がわかりますので、最初にその患者さんが全身状態と関係のある本物の歯周病なのか、それともかみ合わせが狂った外傷性咬合による局部的なものなのか、不良治療によるものなのかを判断し、分類して治療を行います。

①口腔内の局部的原因による歯周病

歯がグラグラし、悩んで来院する患者さんの約半数は、全身状態と関係した本当の歯周病ではなく、かみ合わせや不良治療などが原因の局所的なものです。

このような歯周病は、全身の抵抗力が落ちているわけではないので、口腔内に対する技術的な治療がブラッシングによって比較的簡単に治ります。

《例1 歯列が悪く、咬合が不自然なもの》

現代人の歯列が不正な人が多く、ギザギザ、凸凹とした歯列がよく見られます。上下の歯の咬合関係には厳密で繊細な法則があり、正し部位に正しい方向で加わる力には非常に強い耐久力があります。

しかし、悪い方向に加わる力には弱く、すぐに骨が溶けてしまいます。このような場合は、咬合調整などにより、正しい咬合に改善し、必要があれば手術や補綴も行います。

《例2 不要治療が原因の場合》

不良な金属冠(クラウン)などにより、咬合が狂っていたり、根管治療が悪く、排膿している例もよくあります。要は正しい治療をすれば治るのです。

参考文献 歯で守る健康家族 丸橋賢著 現代書館 

2009年9月12日 (土)

むし歯、歯周病予防には食後に緑茶

本日は、坂本貴史先生の著書『歯と口の悩みを解決する本』よりお届けいたします。

◇むし歯、歯周病予防には食後に緑茶

お茶の効用はよくしられています。歯についての効用はに限っていえば、以下に紹介するようになっています。

・カテキン(おちゃの渋み成分)・・むし歯、口臭予防効果

・フッ素・・むし歯予防効果

・フラボノール・・口臭予防効果

そして、口の中に残っている食べもののかすを洗い流す作用もあり、文句のつけようがありません。

さらに、一仕事を終えてゆったりした気分でお茶を飲むと、ストレスが緩和し、唾液の中の殺菌効果、再石灰化を促す効果の高い、サラサラした唾液の分泌が十分に期待できます。

カテキンの効用についてもう少し触れておきます。

①喉や食道に侵入してきたインフルエンザなどの悪性ウィルスの増殖を防ぎます。外出から帰ってきたときなど、お茶でうがいをするといいでしょう。

②アルツハイマー型初老期認知症の予防にも効果があります。アルツハイマー型初老期認知症の原因の1つとして脳内血管の酸化があげられますが、それを防ぐには、ビタミンCやEなどの抗酸化ビタミンを摂ることが大切です。そして、このビタミンCとEは、すぐに分解されずに長く体内にあったほうが効果があるのですが、カテキンはこのふたつのビタミンの分解を遅らせます。

《ここがポイント》

・緑茶と同じ茶葉から作られるウーロン茶からもカテキンを摂取することが出来ます。しかし、その働きが最も強力といわれるエピガロカテキンガレートが圧倒的に多く含まれるのは緑茶です。

・一杯の緑茶からより多くのカテキンを摂るには100度Cのお湯(沸騰したてのお湯のこと、数分たつとすぐに80度Cに下がってしまう)を急須に注いで3分まつのが理想です。

・小魚を煮る時、番茶を使うと骨まで軟らかく煮ることが出来ます。これは、お茶に含まれるタンニンの成分が働くためです。魚を丸ごと食べればカルシウム満点で、歯にも体にも良い。昔のヒトはよく知っていたお茶の効用の1つです。

いつまでも健康な歯でいるには、まず丁寧は歯磨きをして歯垢を取り除くこと、そして、、もし歯石が付着してしまったら、歯科医で取ってもらうことです。そのうえで、日頃の食べ物から歯周組織の血行の改善や出血の予防、粘膜の強化、歯や歯槽骨の強化のために、ビタミンCやK、葉酸、フラボノール、カルシウムなどを十分に補給することです。

参考文献 歯と口の悩みを解決する本 坂本貴史著 法研   

2009年8月28日 (金)

むし歯はどうして出来る?

本日は、中村輝夫先生の著書『食は一生~そのための「歯」の本』よりお届けいたします。

◇むし歯はどうしてできる?

歯に張り付いた細菌が砂糖などの炭水化物(米、うどん、パンなど)から酸を発生させ、その酸が歯質を溶解してむし歯が発生します。

よって、歯面に細菌が付着していなければむし歯は出来ません。また炭水化物の中でも砂糖は酸の酸性させやすさが断トツに高いので、砂糖を摂取しなければむし歯は出来にくいのでs。

ステファンカーブと呼ばれる歯垢のPH曲線をえがいたグラフがあるのですが、グルコース《砂糖水》を口に含むと、数分も経たずにPHが5以下になっているのがわかります。細菌はすぐグルコースを分解して酸を作ってしまいます。

この実験では、2回目にグルコースを口に入れる前に左側だけしっかり歯磨きしたので、右側のPHは1回目と同じように下がっているのに、左側は下がっていません。細菌を除去できれば、たとえ砂糖水を口にしても、むし歯の心配はいらないのです。

砂糖自体は歯を溶解しないので、砂糖水の中に歯を浸していてもむし歯は発生しません。細菌にも歯を溶解する力がないので、砂糖が入っていない真水の中に歯を浸して細菌を入れてもむし歯は出来ません。 しかし、砂糖水の中に細菌を入れるとむし歯が出来ます。

お米が酵母菌によってアルコールになるように、細菌は生きていくためのエネルギーを得る作業として砂糖を分解しますが、その結果生まれる酸によって菌が溶解するのです。くどいようですが、むし歯を作るには砂糖と細菌の組み合わせが必要なのです。

参考文献 食は一生~そのための「歯」の本 中村輝夫著 東京図書出版                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           

2009年8月23日 (日)

二十代にも歯周病が増えている

本日は、坂本貴史先生の著書『歯と口の悩みを解決する本』よりお届けいたします。

◇二十代にも歯周病が増えている

歯科疾患実態調査《厚生省(当時)・一九九九年》によると、五~十四歳で37%、十五~二十四歳で65%の人が、歯周病の第1期症状である歯肉炎にかかっています。

この割合は、年齢が上がればさらに増えます。まさに国民病ともいえます。

歯周病がこんなに増えたのはむし歯が出来る原因と同じで、繊維質の多い野菜や硬いものを食べなくなったからです。スナック菓子などの軟らかいものを食べる人が増え、口の中に歯垢が出来やすい状態を作り出しているのです。

そして、歯周病は感染することもあるので要注意です。余計なおせっかいかもしれませんが、たとえ恋人同士でもキスをするにはエチケットが必要です。きちんと歯の手入れをしておくのも愛情の一つではないでしょうか。

また、糖尿病との関連も見逃すことができません。糖尿病は、病気そのものよりも動脈硬化、腎臓病、網膜症などといった合併症が怖い病気です。

この病気になると、唾液の分泌量が減ります。そのために、喉が渇くという現象が目立ちます。

異常に喉が渇いてしかたがないという症状から糖尿病が発見されることがよくあります。そして、喉が渇くと、口の中が不潔になりやすくなります。

若い人が糖尿病になった場合は、多くのむし歯が出来るという傾向があります。中年以上の人が糖尿病になった場合は、むし歯より、むしろ、歯周病にかかりやすく、その結果、総入れ歯になる比率が高いという傾向があります。

不幸にして糖尿病になってしまったら、口の中の清潔を保つように注意することが、極力必要です。

さらに、この病気で注意しなければいけないのは、全身の抵抗力が著しく低下することです。ちょっとした傷でもなかなか治りにくいという症状がよくおこります。歯を抜かなければならなくなったときなどは、事前に糖尿病であることを歯科医に伝えるようにしましょう。

参考文献 歯と口の悩みを解決する本 坂本貴史著 法研

2009年8月12日 (水)

高齢者の口腔ケアの重要性

本日は、戸田恭司先生の著書『口腔ケアのいきいき』よりお届けいたします。

◇口腔ケアの重要性

口腔ケアとは、「歯、口腔を中心とした顎咀嚼系諸器官の疾病予防、健康保持を行うことにより、全身や精神の健康増進に寄与しクオリティー・オブ・ライフ(QOL:生活の質)を高めるための科学的知識に基づく技術の実践」といえます。

とりわけ要介護高齢者に対する口腔ケアは、介護保険制度の実践のなかで、関心が高まりつつありますが、口腔ケアの対象者は高齢者に限られているわけではありません。

乳幼児から成人の日常に健康維持はもとより、疾病しかかった場合の症状の改善や生命維持にとって欠かすことの出来ないのもです。

◇食べることは基本

「おいしく食べること」、「気持ちよく便通できること」、「ぐっすり眠れること」は、いずれもヒトとしての基本的生理現象であり、QOLの重要なポイントでもあります。

なかでも、“食べること”は、楽しみや幸せを感じるもっとも重要な行為の1つですが、加齢あるいは疾病による歯・口腔や摂食・嚥下機能の低下や障害で、それらが阻害されることがあります。

その場合で生きていくためには、経口摂取にしろ、経管栄養にしろ、体内に最低限必要な量と質の栄養素を摂取しなければなりません。

しかし、食物(栄養素)が口から摂取出来ないからというとそうではありません。むしろ使用されない(機能しない)器官は質的・機能的萎縮を来すので、この場合にはいっそう口腔ケアが重要になってきます。

例えば唾液分泌の低下や口唇の閉鎖不全、口呼吸による口腔乾燥で、粘着性の舌苔が付着し、口臭、歯周炎、カンジタ症、味覚異常などが発症しやすくなることが知られています。

また口腔の機能は食べる機能だけでなく、以下に示すように私たちが社会生活を送るうえで、実に多様な役割を担っています。

これらの機能はどれをとってもひとたび失われると重大な支障を来します。口腔ケアは、これらの役割を的確にバックアップして、多様な生活の質を保っていくうえでも必要であり、そこに口腔ケアの意義があります。

◇表 口腔の機能と障害

①咀嚼障害・・開口障害、閉口障害

②消化・呼吸器の入り口・・呼吸障害

③構音機能・・発音障害

④顔貌審美性・・審美障害

⑤味覚・・味覚障害

⑥感情表現・・表情筋障害

⑦唾液機能~消化・抗菌・免疫~・・唾液機能不全

⑧摂食・嚥下機能・・摂食嚥下障害

⑨個体識別機能・・自己証明不能

⑩道具的機能・・道具的使用不全

⑪闘争本能

⑫愛情表現

参考文献 口腔ケアのいきいき 戸田恭司 森下真行 安井良一 阿川真澄 著 医歯薬出版 

2009年8月 4日 (火)

最近のむし歯予防

本日は、柴田先生の著書『成長を生かして無理なく美しく 子どもの歯ならび基礎のきそ』よりお届けいたします。

◇最近のむし歯予防

よくキャラメルやチョコレートは歯にとって悪玉のようにいわれますが、砂糖は味覚の発達や精神の安定に寄与いたしますので、摂取すること自体なんら問題ありません。

摂取のしかた、時間や回数を決めないで砂糖を与えることが問題で、むし歯につながります。

お家でのホームケア、まずは歯磨きの習慣を定着させることが一番です。これには規則正しい生活がかかせません。歯磨きをするときには、是非フッ化物配合の歯磨き粉を使ってください。フッ素洗口との相乗効果が期待できます。

また、メルボルン大学のレイノルズ教授は、一日四回、十四日間にわたってCCP-ACP配合のシュガーレスガムを噛む実験を行いました。

一日四回噛むことで、噛まない人より歯の再石灰化の増強が100%以上優れていることがわかりました。なんと2倍以上です。

再石灰化ということは、むし歯予防効果だけでなく、初期虫歯なた治癒するということです。

より効果的な噛み方は、食後のおやつの後、またフッ素配合の歯磨き粉で磨いた後や寝る前に噛むことだそうです。そのとき3~5分程度噛むと、ガムに含まれているカルシウムやリン酸がさらに再石灰化を促します。

カルシウムは現代の日本人で一番摂取量の少ない栄養素の一つといわれています。唾液、フッ素、CCP-APでむし歯予防の相乗効果が期待出来ます。

参考文献 成長を生かして無理なく美しく 子どもの歯ならび基礎のきそ 柴田征紀著 海苑社 

2009年8月 1日 (土)

デンタルフロス

本日は、沼部幸博先生の著書『絵で見る 予防歯科』よりお届けいたします。

◇デンタルフロス

歯ブラシだけでは992_2 磨けない部分を磨くための補助清掃器具。その一つにデンタルフロスがあります。

◇デンタルフロスとは

デンタルフロスとは、簡単にいうと、歯と歯の間を磨くための“糸”です。といっても、普通の糸ではなく、、切れにくいように、また歯茎を傷つけないように加工されています。

糸の太さも何種類かあり、滑り止めをよくするためのワックスを塗ったものや、清掃感をdさすためにミントなどの香料を含ませたものもあります。

パッケージに入ったフロスを引き出しながら使うタイプが一般的ですが、糸ようじともいわれるホルダータイプ(すでに柄に張ってある)も多く出回っています。とりわけ奥歯に手が届きにくい人には、奥歯だけY字型のホルダータイプを使用するのもよいでしょう。

また、ブリッジの下や矯正治療中の方々のためには、特別に工夫されたスパーフロスが市販されています。

◇使い方

フロスを30~40cmぐらいの長さに切り、両端を両手の中指に2,3回巻き付け、人差し指や親指の先で、2~3cm程度離し、ぴんと張って持ちます。

歯と歯の間に、ぴんと張ったフロスをゆっくりと斜めに前後に動かしながら入れていきます。歯と歯の接点を通り抜けるときに少し抵抗がありますが、そのとき、勢いあまって歯肉にフロスを食い込ませないように注意ください。

歯と歯の間にフロスが入ったら、まずきれいにしたい歯の面に沿わせ、歯茎にやさしくフロスを押しつけるようにします。歯茎に少しだけフロスが当たる抵抗を感じたら、それ以上は決して歯茎の方に強く押しつけて傷つけないように注意しながら、フロスを前後上下させます。

もう少し詳しくいうと、清掃をしたい歯の湾曲に糸を沿わせるようにしながら2,3回、ゆっくりと動く範囲内で糸を前後上下させます。このとき、フロスを歯茎に押しつけて強く前後には動かさないでください。フロスを入れた歯と歯の間の、清掃をしていない向かい側の歯の表面にもフロスを同様に沿わせて行きます。

そして、次の歯と歯の間に移って清掃を続けていくわけですが、一度使ったフロスの部分は使わないで、指を使ってフロスの新しい部分を送り出し、同じようにきれいにします。

すべての歯に対して行うのが理想ですが、歯並びの関係や、むし歯(う蝕)、かぶせ物がある場所には入らない場合がありますので、無理に入れないようにしましょう。

また、ホルダータイプのものは割高ですが、一度使ったフロスの部分をよく水洗いして、繰り返し使用できます。

最後に、歯と歯の間の隙間が大きすぎる場合には、歯間ブラシを入れてきれいにします。

参考文献 絵で見る 予防歯科 沼部幸博著 クインテッセンス出版  

2009年7月 8日 (水)

歯の大敵バイオフィルムってどんなもの?

本日は、花田信弘先生の著書『むし歯・歯周病』よりお届けいたします。

◇歯の大敵バイオフィルムってどんなもの?◇

(バイオフィルムのおさらい)

バイオフィルムとは、歯の表面に張り付いている増殖した菌を膜が覆っている細菌の固まりのことです。

●●台所の三角コーナーについているヌルヌル●●

私たちの身近にあるバイオフィルムといえば、台所の三角コーナーや排水口、風呂場の排水口にヌルヌルとした膜が表面を覆っています。あれがバイオフィルムです。バイオフィルムとは細菌が作り出した膜です。

洗剤をかけても、たわしでゴシゴシこすってもとれにくい、あの不快な汚れの塊。あんなものが歯についていると思うとぞっとします。

バイオフィルムが問題視されるようになったのは、欠陥や尿管に入れる管、カテーテルといいますが、カテーテルなどを補うものとして利用されるようになってからのことです。

これらの人工機器が体内に入れられると、しだいにその表面に細菌によって膜のようなものがつくられ、その膜に守られた環境で細菌が増殖してしまうということが起きてきたのです。

バイオフィルムが出来てしまうと、抗生物質などの薬もその膜にはね返されて内側に浸透しなくなります。そのため、細菌による感染が起こり、尿管カテーテルのバイオフィルムに巣くった細菌のために膀胱炎になるというようなことが起きています。

こうしたことから、バイオフィルムが注目されるようになりました。

◇むし歯菌がなぜバイオフィルムの中で生き続けられるのか?

そして、体の中で一番硬い歯の表面でも同じようなことが起きていることがわかったのです。ミュータンス菌は砂糖をえさとして、その中でどんどん増殖します。そして、排泄物として乳酸などの酸を出し、歯のエナメル質を溶かしていきます。

バイオフィルムが出来てしまうと、唾液も歯のエナメル質に触れることが出来なくなり、唾液の洗浄作用も働きません。細菌がますます繁殖しやすい環境になります。

さらに、ミュータンス菌はいったんバイオフィルムをつくってしまうと、デキストラーゼという酵素を分泌して、自分たちがつくったネバネバのグルカンそのものもえさにして生き続け、乳酸を出し続けます。

自分が作り出したものをえさにすることが出来るので、砂糖がそれ以上入ってこなくても(甘いものを食べ続けなくても)むし歯をどんどん進行させてしまうのです。

参考文献 むし歯・歯周病 花田信弘著 小学館   

2009年6月13日 (土)

歯周病の原因説2

昨日の続きです。

歯周病には、細菌が深く関わっているという考え方が有力になります。プラークは細菌の塊ですから、それを除去する術、すなわち歯磨きと細菌の感受性のある抗生物質が脚光を浴びるわけです。

いわゆる歯周病細菌説です。歯磨き剤の宣伝などでも、歯周病と闘う・・・・・・とか、よくきくのではないのでしょうか。

しかしながら、現実はそう単純ではありません。

プラークは細菌の塊なので、これを除去するだけである程度の効果は上がりますが、それで解決とはいきません。細菌が原因であろうということはたしかなことなのですが、いまだに末期の歯周病には決定的な治療法がありません。

たとえば、ワクチンのようなものが開発されて、将来は撲滅の可能性があるのかという問いに対しては悲観的にならざるを得ません。

確かに、歯周病に関わる細菌について、世界中で数十年間、研究が続けられています。原因となる菌の種類を特定して、有効に取り除こうという試みです。徐々に成果を上げているように報道されていますが、決定打はいまだ見つかりません。

決定的な治療法が見つからないのは、特定されるべき特別な細菌が存在しないからかもしれません。つまり、体内に普通に生息する常在菌が、特殊な条件下で炎症を起こすかもしれないのです。

そこで、歯周病のメカニズムは、細菌などの侵襲因子(毒素や酵素など)と、それを防御する生体の抵抗力によって説明されることが多いのです。

例えば、糖尿病を患っている場合、歯槽骨の破壊が早く進みますが、その理由は生体の抵抗力が低下するためと説明されます。また、臓器移植などで免疫抑制剤を使用した場合、あるいは加齢にともない免疫力が低下した場合、健康な人では感染しない細菌に感染する場合があります。これを日和見感染(通常なら無毒な弱毒性微生物・非病原微生物・平素無害菌などに、人の抵抗力が落ちると感染すること)と呼びます。

しかしながら、この抵抗力の低下を遺伝子レベル、分子レベルで解析しようとする研究も、今のところ、十分な成果が上がっているとはいえません。

かりに、歯周病が日和見感染だとするならば、常在菌が炎症を引き起こす特殊な条件を見つけ出し、排除する方法を研究すべきなのではないでしょうか。

口の中というのはもともと細菌だらけで、雑菌がいっぱいいるわけです。細菌といっても口の中に棲んでいる細菌は常在菌であって、結核やジフテリアのような特殊な細菌ではありません。なんの引き金もなければ、炎症を起こすこともなく、平穏に生息しているわけです。

たとえば、大腸菌が炎症を引き起こすことがあるからといって、ビフィズス菌もいるわけです。それらを全て殺してしまったら、逆に人は生きてはいけないでしょう。それよりも、そいう引き金を排除することを優先するべきではないでしょうか。

あと一つ面白い話しがあります。

口の中の常在菌であるカンジタ菌が、歯周病の原因説だとする説を歯科医の河北正先生が1990年に発表しました。

カンジタ菌は、水虫のようなカビに分類される真菌で、通常の細菌とは異なる性質を持ちます。抗生物質を大量投与すると細菌は死滅しますが、カンジタ菌は抗生物質に感受性が無いために勢力を増します。これを菌交代現象と呼びます。

たとえば、プラークコントロールと歯石除去によって、多くの歯肉の炎症は消えるのですが、時として悪くなる場合もあります。この現象は、もしかしたら、カンジタ菌の菌交代現象が原因なのかもしれません。カンジタ菌が歯周病の原因菌だとは断言できませんが、治療を行ううえで、当然、無視出来ない存在であることは確かです。

このように、歯周病の原因は細菌説が有力ながら、決定的な治療法が見つからないために、種々の原因説が唱えられているのが現状なのです。

参考文献 歯周病で死ぬのはイヤだ! 野田隆夫 野田雅代著 光人社

2009年6月12日 (金)

歯周病の原因説1

今回は、2回に分けて、野田先生の著書『歯周病で死ぬのはイヤだ!』よりお届けいたします。

◇歯周病の原因説

歯石という言葉を聞いたことがない方は少ないでしょう。歯石は歯についた石灰質の石の事で、鍾乳石のような石灰質の沈着物と考えるとわかりやすいと思います。

つまり、歯石というのはもともと人の唾液中の石灰分であり、食べ物に含まれる石灰分であるわけです。

それが歯と歯肉との境目あたりに付着します。歯肉の上に見えている歯石はよく歯磨きをすれば取れますが、歯肉に隠れた場所に付着すると、ブラシが届かずに取り除くことが出来ません。そして、この隠れた歯石が、歯周病に関係していると考えられています。

歯周病の原因説としては、この歯石説がもっとも古いのです。

その歴史はなんと古代ギリシャ時代にまで遡り、ヒポクラテスが歯周病は歯石が原因だ、と述べています。

また、現代でも、歯科医の河田克之先生は、きわめつけの悪を働くのが歯石だ、と述べています。

つまり、歯石は「棘」と同じで、棘が刺さった場合、生体はそれを異物として取り除こうとします。自然に取れない場合、痛みにくわえて、まわりが膿んで腐ってきます。生体は周囲を腐らせても異物を排除しようとし、結果、歯肉が膿んで口臭が酷くなる、と考えているそうです。

歯周病の原因に関しては、未だに意見が分かれています。その理由としましては、歯周病の研究の歴史が浅いことは既に述べました。くわえて言うと、歯周病を専門に扱う大学の講座が誕生したのが、戦後の1957年(昭和31年)4月です。東京医科歯科大学に「歯科保存学第二講座(歯周治療学)が開設されました。この初代教授が、大阪大学から着任した今川先生でした。

そのて、そのころの治療法は、原点というべき歯石の除去が中心でした。歯周病の原因が歯石であると考えられていたためですが、今のような超音波スケーラーはなく、ハンドスケーラーと呼ばれる小さな鎌状の刃物で歯石の除去が行われてました。

1968年になると、今川先生が定年退職されて、その門下生である木下四郎先生が後任教授となりました。木下先生は、歯周病学の研究に精力的に取り組み、大きな成果をあげました。

つまり、「プラーク(歯垢)コントロール」が歯周疾患の予防と治療に大きな効果があることを突き止めて、その方法の確立に力を注ぎました。そして、日本歯周病学会理事長として、「歯周病疾患治療指針」を完成しました。

1970年以降、木下説にそって、歯周病には「細菌」が深く関わっているという考え方が有力になります。プラークは細菌の塊ですから、それを除去する術、すなわち歯磨きと細菌の感受性のある抗生物質が脚光を浴びるわけです。

明日へ続きます。

参考文献 歯周病で死ぬのはイヤだ! 野田隆夫 野田雅代著 光人社