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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
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2006年5月31日 (水)

明日の記憶

昨日、家内と一緒に、「明日の記憶」という映画を鑑賞してきました。31440564

この映画は渡辺謙扮する佐伯雅行働き盛り50歳を目前に若年性アルツハイマー病と診断されてしまい、彼の苦悩、絶望、生への覚醒を演じた話です。

私は歯科医師なので、病気に関わる映画(テレビも含めて)は、対峙する医師のほうも注意深く見てしまう癖があります。

今回の医師役は及川光博(ミッチー)が演じていたのですが、なかなかよかったです。誰でも患者さんに説明をする時は、いいにくい事があるのものです。しかし、そのいいにくい山を越えないと、治療へのステップは踏めないという難しい段階です。患者さんに理解と協力が無ければ治療というのは行えませんから。その点、及川演じる吉田医師は根気図よく丁寧に説明していたと思います。

検査を監査重ねて、ようやく病状を確認しなければ、診断が付かないということも、まれにありますが、私の場合、病状を問診したり、触診して見れば、おおかた症状や状況は瞬時に分かることが多いです。たぶん、歯科という特殊性もあると思うのですが、ほとんどの先生がそうだと思います。

やむを得ない状況で抜歯や神経を抜く宣告しなければならないのは、本当に記が重く、辛いです。

今は、セカンドオピニオンという、他の医師に意見を求める事が出来るようになってきました。患者さんは、自分の歯の事ですから、納得のいかない状況ならば、他の先生の意見も聞き入れた方がよいかもしれません。

私は、よく他院の先生や歯科大学の先生に意見を聞いてみたいという患者さんがいますが、喜んで聞きに行ってもらいます。自分の歯ですから、よく考えた方がいいと思います。この制度には賛成です。

ところで、話はそれましたが、映画の話です。

映画の途中でアルツハイマー病の診査を行う場面があるのですが、そのテストをおそらく観客の方の何人かは一緒に行っていると思うのです。

私もご多分に漏れず、一緒にやったのですが、途中で佐伯(主人公)と同じところでつまずくのです。映画を見ながら冷や汗がでました。

真剣に、今後の事を考えました。家庭はどうなるのだろうとか、借金のこととか。しかし、冷静になって映画を見ていると、すらすらと記憶が戻り、一安心。やっと映画に集中する事が出来ました。

この映画は、アルツハイマーを身内にもつ方にいわせれば、少し綺麗に描きすぎているかもしれません。しかし、この病気を知らない一般の方に知ってもらうにはとてもよい映画だと思います。

本当に、激しく泣きました。目が腫れました。よい映画です。

私の見に行った映画館は医療関係者は割引でられますので、是非見に行ってみる事をおすすめします。

2006年5月30日 (火)

ブレイン・ウォッシュ

Mmbrain 昔読んだことのある本で、「脳は使えば使うほどよくなる」という記事を何処かで読んだ記憶があります。

でも、その使い方がいまいち分からないのです。普通の生活を送っているだけでも「脳」は使っている訳ですから、生きているだけでも「脳」は使っているのではないのかな?と疑問に思っていたのです。

誰でも使っているはずなのに、あえて「脳を使え!」だなんて。

こんな事を考えていた事などすっかり忘れてしまったある日、NHKで戦国武将の話題をしていました。

「そういえば、真田太平記の本、途中までだったな?」

真田太平記は池波正太郎著の長編小説で何と文庫本で13冊もあるのです。

こつこつと読んでいたのですが、息切れすること数回。その都度、読み直すのだけれども、何せ長いので前回までのあらすじを忘れてしまう事が多く、また少し戻って読み直さ無ければいけないという有様なのです。

しかも、長編小説で、戦国記なので登場人物が多く、この武将は既に戦死しているはずだっけとか、この忍者はまだ健在だなど、色々と頭の中で整理が必要なのです。私。

でも、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」ほど難解ではないですけど。

今は、この真田太平記はだいぶ調子に乗ってきました。いい感じです。

「脳」の使い方について、すこし分かったことがあるのです。

それは、少し無茶な要求を「脳」に与えた方が、よく働くということです。

この「真田太平記」を読んでいる時に、別の本を同時進行で読み始めました。すると、両方の本の内容がするすると入って来るのです。一度に二つの本の内容がです。

これを少し勉強に利用してみようと思いました。

難しい歯科の本や超難関な本に立ち向かう時には、疲れてきたなと思ったら、完全に読書をあきらめてしまうのでは無くて、その本は少し休んで、軽いエッセイやサスペンスを読んで「脳」をすこしリフレッシュさせてやれば、また前回の難解な本の内容を忘れることなくすらすらと読み進める事が出来る事がわかりました。

私の出した結論は、脳は休ませるより、軽い内容でもよいから休ませない事が活性化出来るというものでした。

私はこれを、村上春樹著「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の中に出てきた言葉を頂いて、「ブレイン・ウォッシュ」と名付けました。

しかし、少し困った事が起きました。今、実は超難解本にぶつかっているのですが、それに当てつけようと思って購入した本が実はさらに難解で、さすがに爆発寸前です(笑)。

2006年5月29日 (月)

良い歯を育てる栄養素

今までの歯科の予防を見ると、食べた後のケアが非常に大事になってきます。Asupara_1

食事の食べかすがプラークとなり、それが歯周病や虫歯へと繋がっていくのです。

今日は、趣向をすこし変えて、どんな食事が歯を強くするかということについてお話します。

歯の表面を作っている主の栄養素はカルシウムです。その土台はタンパク質で出来ています。カルシウムやタンパク質が効率よく働くためには、なにが良いのでしょうか?

これから必要な食事を列挙していきます。

・カルシウム・リン(歯の石灰化を助けます)

ヨーグルト、チーズ、ちりめんじゃこ、ひじき、高野豆腐

・ビタミンD(カルシウムの働きを助けます)

鮭、さんま、かれい、干ししいたけ、しめじ

・ビタミンA(エナメル質をよくする)

ほうれん草、かぼちゃ、しその葉、レバー、ウナギ

・ビタミンC(象牙質をよくする)

ブロッコリー、小松菜、ピーマン、ジャガイモ、みかん

・良質タンパク質(歯の土台をつくる)

これは、体内で合成することの出来ない8種類の必須アミノ酸をバランス良く含んだタンパク質の事です。

牛乳、卵、大豆、大豆製品、肉、魚介類

歯を強化するフッ素は、食品からも取ることができます。

歯のエナメル質を強化して虫歯予防に役立つことで知られるフッ素は、魚介類や海草類、緑茶や紅茶の葉に多く含まれています。フッ素洗口や歯科医院でのフッ素塗布に加えて、普段の食事にもこれらの食品を取り入れてみましょう。

めざし、桜エビ、ワカメ、海苔、緑茶、紅茶

参考文献 よい歯を育てる食生活 佐々木龍二監修 昭和大学歯学部小児成育歯科学教室編・著  わかば出版

2006年5月28日 (日)

食育2

昨日の続きです。今日は別の視点かえ食育について考えます。

サンマーク出版から出版されている「病気にならない生き方」新谷広実著の中に肉に付いてのレポートが書かれています。4763196197

そのレポートの名前は「マクガバン・レポート」といいます。このレポートの主旨は、アメリカでの食と健康に関するものです。

このレポートがまとめられた背景には、アメリカの国家財政を圧迫するほどの巨額にふくれあがった医療費の問題がありました。医学が進歩しているにも関わらず、ガンや心臓病を初めとする病気にかかる人の数は年々増え続け、それに伴い国家が負担する医療費も増え続け、ついには国家財政そのものをおびやかすところまで迫っているとうのです。

何とかしてアメリカ国民が病気になる原因を解明し、根本的な対策を立てなければ、アメリカは病気によって破産してしまうかもしれない。そんな危機感からうまれたのが、このレポートでした。

このレポートはあまりか国民に大きな選択を迫ることになりました。なぜなら、そこには、多くの病気の原因がこれまでの「間違った食生活」にあると結論付けられていたからです。

今の食生活を改めないかぎり、アメリカ人が健康になる方法はないと断言していたのです。

当時アメリカでは、分厚いステーキのような高タンパク・高脂肪の食事が食卓の主役でした。肉を食べることは、体が弱い人からお年寄りまで良いとされていたのです。

日本で根強い「肉こそ活力の源」という考えは、このころのアメリカ栄養学の影響だといわれています。

ところが「マクガバンレポート」はこうした当時の食の常識を真っ向から否定しています。そして最も理想的な食事と定義したのは、なんと元禄時代以前の日本の食事だというのです。

元禄時代の食事とは、精製しない穀類を主食に、おかずは季節の野菜や海草類、動物性タンパク質は小さな魚介類を少々といった具合です。近年日本食が脚光を浴びるようになってきたのはこれが原因のようです。

肉を食べなければ大きくならないといったのは大きな間違いのようです。ただし、動物性タンパク質をたくさん食べると人間の成長が早くなるというのは事実のようです。

最近の子供達の成長スピードが速いのは、動物性タンパクの摂取量が増えたためと考えられます。、しかし、、ここにも動物食の危険な落とし穴があるそうです。

それは「成長」はある年齢を超えた時点で「老化」と呼ばれる減少に変わるということです。つまり、成長を速める動物食は、別の言い方をすれば、老化を速める食事ともとれます。お肉を好んで食べている人は、それがあなたの健康を害し、老化を進めているということを覚えていた方がよいと、この本は警告しています。

2006年5月27日 (土)

食育1

「食育」という言葉をしっていますか。

私がこの言葉を知ったのは、噛み合わせに付いて勉強し始めた頃なので、まだ日が浅いのです。この言葉は、斉藤滋先生の本に出会ってからです。

この本に「食育」についてこんな説明が加えられています。

「食育」という言葉を知っていますか?

それは、食生活をとおして命や健康、さらに食の文化を学んでいくという、とても大切な教育です。

食べ物が貴重な時代は、腐らせずに保存する事を学び、美味しく食べるために調味料やソースも生まれてきました。

栄養摂取、生命維持が目的の食は、心を豊かにする食文化として、世界中で貴重な歴史や伝統文化を築いてきました。

食べ物や食べ方を知ることで、健康や生命の意味を学ぶ「食育」。

それによって歯触りや噛みごたえなど、現代人が忘れかけている人間の五感も取り戻せます。

斉藤先生の解説はさらに続きます。

日本人の身長や体重は、半世紀前に比べて飛躍的に伸びています。しかし、体力は逆に劣ってきています。

体の大きさに合わせて体力が付いていかないのです。この原因として考えられるのは、主に食生活の変化です。

いま、日本人の多くは食事を取る時に、「美味しい」「まずい」「好き」「嫌い」といった食事の選択をしています。

また、いつでもどこでも買い食いが出来るので、間食多くなっています。これらは、家庭のしつけにも関係しています。

昔は「よく噛んでたべろ」「好き嫌いは駄目」「おやつは食べ過ぎない」というのがしつけの基本でした。

ところが、現代はこのしつけを忘れがちで、その結果が生活や食事のバランスを崩し、体力の低下にもつながっているとの指摘もあります。

人間は生きるために何かを食べます。食べ方や食べるマナーを忘れた時、人間は心と体のバランスを崩し、生命の危険にさらされます。

そのように不安な時代を迎えないためにに、家庭でもしつけ・食育ということをしっかり考えなくてはならないと結んでいます。

私はいまだ、子供がいないのですが、子供が出来る前にまずしっかり自分でこの基本の考え方を実践しなくてはと思っています。

明日は偏った考えかた、食べ方からみた「食育」を考えてみたいと思います。

2006年5月26日 (金)

白衣というか

今日は少し息抜きの感じで。_303

開業してからずっと同じ白衣3着(といっても緑色なので緑衣かな?)をずーっとローテーションできていました。

昨年当たりからちらほらと穴が開き始め、毎日せっせと縫ってもらっていました。

緑色の糸を探してきてもらって縫うのですが、少し色が違ったりして、だんだん目立つ様になってきました。

膝のあたりも薄くなってきて、冬なんかはとても寒い気がしていました。

そのため、家族が新しい白衣買えば?といってくれました(男泣き)。

お言葉に甘えて、新しい白衣を買いました。今度はすこし趣向を変えて濃紺の白衣にしました。

もう少し経ったら着て見たいとおもいます。

白衣での思い出。

私の大学の先輩に、あまり服に気を遣わない先生がいました。その先輩がとにかくいい感じなのです。雰囲気が。ばんからな感じが。

仕事に関する事には決して妥協しないし、夜遅くまで研究するし、とにかく負けず嫌い。でも、白衣に関しては、あまり気にしないようでした。

我々は歯科なので基本的に外科です。そのため、白衣は「ケーシータイプ」という上下別々のものを着用します。この白衣は上下どちらかが血で汚れてもすぐ交換出来るというものです。

大学にいる間、われわれは独身のものが多いので、白衣のズボンの裾上げが結構問題なのです。器用な先生はちょこちょこっと自分でなおしてしまうのですが(私は実家に送りました)、その先生は、裾が地面にひきずっていても、全くお構いなし。

そのうち、裾の方が根気負けして、1ヵ月もするといい感じの長さに切れてくるのです。

いつも「ほらね、大丈夫。」という感じの顔をしていたのが忘れられません。

その先輩が、コンビニエンスストアで弁当をたくさん買ってきて、「この時間が至福のとき」といった先輩の顔が好きでした。

9月にまたあえるので、いまから楽しみです。

2006年5月25日 (木)

歯石を取ってみよう5

前回までは、患者さんと歯科医院での歯石除去に付いて説明いたしました。

今日はタイミング良く「デンティスト・スケーリング・ルートプレーニングセミナー」を受講してきましたので、その模様をレポートしたいと思います。_301_1

もともとスケーリング・ルートプレーニング(歯石除去)というのは、衛生士さんが行う事が多く、歯科医師は的確な指示が出せればよいと私は考えていました。

しかし、実際今回のセミナーを受講してみて感じたことは、これらは歯科医師の私もどんどん積極的に歯石を取っていかなければいけないと感じました。

原因が分からずに、長期違和感が持続している症例なども、実は小さな歯石(バイオフィルム)が根の表面に残っていることが多いという結果も出ているそうです。

これは衛生士さんと共に歯石を探して行かなければいけないとも思っています。

さて、肝心のセミナーの話です。

講師の先生は、「このセミナーは歯石除去だし、歯科医師の先生方が来るか心配だった」と笑っておっしゃっていましたが、実際はとても盛況で、キャンセル待ちまで出たそうです。

このセミナーで習った事はおおきく分けて2つありました。

講師の先生は東京でご開業なされているのですが、実情は私のいる福島とそう変わりませんでした。

他の理由(歯が痛い、違和感)で来院なされる事が多い患者さんに、歯石除去をお勧めするのは非常に大変な事だということ。実際歯石で歯に痛みや違和感が出るのは、だいぶ重症の場合が多いのでたいていの患者さんは無関心の事が多いのだそうです。

そこを、しっかりすべての虫歯や歯周病の原因はプラークコントロール(歯石除去)にあるということをしっかりカウンセリングして納得して頂く必要があるということ。

もう一つは、器具の正しい扱いかいかた。私はこのセミナーを受講して、いかに自分は独自の扱いをしていたのかが分かりました。

正しい器具の扱いをすると、

・まず良く歯石が取れるということ(あたりまえですが)。

・良くとれるので時間が余り掛からず、患者さんの負担が少ないということ。

・適切な姿勢のため、肩の力が抜けて適切な操作が行え、疲れが少ないということ。

毎日多くの患者さんを見させて頂いているため、疲れが溜まらないというのは本当に助かります。本当に今回も良い勉強をさせて頂きました。

しかし、今回1回限りの勉強では、自分自身少し不安が残りました。この勉強会のアドバンスコースがどうやらあるらしいので、そちらの方も受けてみようと思います。

歯石が上手くとれる様になれるといいのですが。(自分で想像してみて、歯石取りの上手い歯科医師はすこし格好いいとおもったりして。笑)

それと、今回勉強会に参加してみて良いことが他にもありました。

隣に座っていらっしゃった、神奈川の三浦でご開業の鈴木先生と親しくして頂いたことも大きな収穫でした。今後もいろいろご指導していただければうれしいのですが。

歯石のセミナーで、他の先生のさまざまな情報をいただけるというのも、勉強会の醍醐味の一つです。

帰りは、久しぶりに京橋の「美々卵」へよって好物の「えびおろし」を食べ、大きな本屋へ寄ってたくさん本を購入して帰りました。_302

東京は旨い飯と良い本がたくさん売っているところがとても好き。

来月の勉強会も楽しみになってきました。

今後も歯石取りの情報があれば、この場でアップして行きたいと思います。

2006年5月24日 (水)

歯石を取ってみよう4

今回は、「歯石を取ってみよう」の4回目です。

前回までは、患者さんご自身で歯を磨く、パーソナル・プラークコントロールと歯肉縁上(歯の部分)の歯石を機械的に除去するスケーリングの説明でした。

今回は、歯肉縁下(歯肉の下、歯と歯肉の間)に溜まった歯石の除去の話です。

この歯肉縁下のプラーク除去は、患者さんが自分自身で歯石を取ることは出来ません。

術者(歯科医師、歯科衛生士)が、専門の道具を用いて歯石除去を行います。

この歯肉縁下の歯石除去は、すべての患者さんが行うものではありません。歯肉縁上歯石を除去を行って、歯肉の状態が良好又は安定した場合は、無理には行いません。

なぜ、歯磨きだけでは上手く歯肉縁下の歯石が除去できないのかといえば、歯肉縁下の歯石はバイオフィルムと呼ばれている特別な細菌の塊になってしまうのです。

バイオフィルムとは、細菌の塊が、バイオフィルムと呼ばれる粘性のフィルム状の膜を作って細菌を包みこんでしまうのです。また、このバイオフィルムとなる細菌は非常にずるがしこく、細菌同士で会話をするように情報交換をしながら住み着いていきます。またこれにより、細菌の性質を変えることができます。このことを自己誘導体とも読んでいます。

バイオフィルムは非常にぬるぬるしており、排水溝のぬるぬる(これもバイオフィルムです)に良く似ています。排水溝のような水流の激しいところでも決してぬるぬるがとれることがありません。

またバイオフィルムは、歯の表面だけでなく、舌の表面に付いて口臭の原因になったり、口から体の中に流れ込み、循環器障害、誤燕性肺炎、発熱が出たりします。

東京歯科大学微生物講座奥田教授はいいます。

消毒薬や抗生物質などの抗菌薬は、バイオフィルムに対してその効果を発揮させることはありません。バイオフィルムを構成する「ぬるぬる」の本体に浸透出来ないためです。またバイオフィルムの中心部の細菌は、代謝も低く、それを阻害する薬剤は無効です。従って、バイオフィルムは機械的除去が不可欠であり、PMTCに勝るバイオフィルム除去方法はないと断言できる」

PMCT(昨日のブログを参照してください)の効果は

1:虫歯の予防

バイオフィルムを除去し、再付着を防ぐので虫歯の予防効果があります。そのため歯のエナメル質表面へのカルシウム補給を促し、再石灰化(歯を作り直す)を促進します。

2:歯周病・歯肉炎の改善

歯周ポケット内にあるバイオフィルムを除去するので、歯肉の状態を改善し、予防にも繋がります。3ミリ以上深いポケットの場合は、他の方法でバイオフィルムを除去します。

3:歯質の強化

洗浄後にフッ化物入りのペーストやカルシウム補強剤を塗布することにより、歯の再石灰化をさらに促進します。

4:自然な美しさの回復

歯についたヤニや色素も取り除けるので、患者さん本来の光沢のある歯面になり

「歯石を取ってみよう」も明日で最後です。よろしくお願いします。

参考文献 やさしい説明、上手な治療(2)歯周治療 末永書店

       歯の予防シリーズ バイオフィルムとPMCT 株デンタルダイヤモンド社

2006年5月23日 (火)

歯石を取ってみよう3

今回はいよいよ歯周病の治療に入ってきます。(前半)

歯周病は患者さんと術者との共同作業ということをまずしっかりと頭に入れておいてください。歯医者や衛生士に頼りきりで、自分で歯磨き(プラークコントロール)を行わないと何の意味もありません。

歯周病は何の目的のためにどのような治療をするのか?

2つの治療が基本になってきます。

1:プラークを減少させる→細菌数を減らす

2:危険因子を取り除いたり、改善する→生体の防御機構を強める

このような目的で治療いたします。

  1. 歯肉の炎症症状を止める
  2. 歯周ポケット内の諸症状あ(出血、排膿、浸出物の存在等)を止める
  3. 付着(歯肉と歯が付いていること)の喪失と歯槽骨の吸収を停止させ、安定させる
  4. 再感染の元になる歯周ポケットを出来るだけ減少させる
  5. 再感染と炎症の再発を抑える
  6. 出来れば歯根面の新付着をはかる
  7. 動揺歯を安定させる
  8. 健康で機能的な咬合を確立させる
  9. 外観的にも美しい歯周組織を創り出す

患者さんの心得

  1. 歯周病は細菌が原因の感染症である
  2. 組織学、細菌学的には歯周ポケットから歯石や、プラークを完全に除去することは不可能である
  3. 慢性疾患であり、完全な治癒は難しいが、コントロールは出来る
  4. 治療後は、メインテナンスをしなければ感染力が抵抗力を上回り、再び付着の喪失が起こる。

歯周治療の基本はプラークコントロールです。

歯肉縁上(歯肉より上、歯の部分)のプラークコントロール

患者さんの分担(パーソナル・プラークコントロール)

慢性疾患である歯周病をコントロールするには、今まで慣れ親しんできたライフスタイルを、今後長期にわたって変える必要があります。「自分の健康が自分で守る」という意識が必要です。

  • ブラッシング
  • フロッシング(歯間の間のお掃除です)
  • 歯間ブラシ
  • 液状歯磨き(リステリン等)
  • 薬用歯磨き
  • うがい
  • 食べ物の注意
  • 生活上の注意(禁煙、ストレス軽減、規則正しい生活を送る)

歯科医院の分担

  • PMTC(後で詳しくご説明いたします)
  • スケーリング・ポリッシング(後で詳しくご説明いたします)
  • 食事指導
  • 歯科治療による口腔環境の改善(虫歯の治療、歯肉の審美性、抜歯処置)

*PMTCとはP(プロフェッショナル 専門家により)、M(メカニカル 専門の器具を使用して)、T(トゥース 歯を)、C(クリニーニング 清掃)という専門的な歯のクリーニング方法です。後で出てくるバイオフィルム除去に威力を発揮します。

*スケーリングとは歯肉縁上(歯の部分)、縁下(歯肉の中)の歯面付着物(歯石)を取り除く事です。歯石は付着性プラークが石灰化したもので、それ自体に病原性はありません。けれども、そのデコボコした面には病原菌が付きやすいので、取り除かねば、病原性の強い非付着性プラークの増殖しやすい環境を作ってしまいます。

明日の歯周治療後半は、歯肉縁下とバイオフィルムに付いて説明します。

参考文献 やさしい説明、上手な治療(2)歯周治療 末永書店

2006年5月22日 (月)

歯石を取ってみよう2

昨日の続きから入ります。

昨日、歯周病は生活習慣病と思われているが、実は「感染症」という話を書きました。

そのことをふまえて、本題に入ります。

・感染症の原因菌(歯周病原菌)

歯周病には2つの感染経路があります。

  1. 誰もが持っている(内因性)の細菌に、防御力の低下した時に日和見感染として発症する場合。
  2. 本来健康な人には存在しない細菌が、人から人へと感染して発症する場合

*若年性(若い人が感染してしまう)歯周炎の原因菌とされるA.a(Actinobacillus actinomycetemcomitans)という菌は、思春期の頃両親から感染します。

また、P.g(Porphyromonau gingivalis)という菌は、感染するためには最低10数年の接触が必要とされています。またこの菌には夫婦間の感染もあることが報告されています。

歯周病そのものは遺伝するものではありませんが、家庭環境や歯周病を進行させやすい素因の存在(口移し、同じスプーンを使うなど)は無視できません。家族全体の診査や治療が必要なのは、このような理由によるものです。

・症状が重くなる場合の2パターン

・非常に病原性の強い細菌に感染した場合

煙草も吸わず、糖尿病のような全身性疾患もなく、生体の抵抗力も特に低くないのに、歯周炎になる場合もあります。通常の抵抗力を上回る非常に強い細菌に感染した場合です。早期発現型歯周炎はこれにあたります。

・抵抗力が極めて低い場合

誰もが持っているような細菌でも、重い歯周炎を引き起こすことがあります。身体や歯周組織の抵抗力が、他の人より低くなっている場合です。その原因となるものを危険因子(リスクファクター)といいます。

・歯周病の進行を止めるには

歯周病の進行を停止させるには、まずプラーク(歯垢・リスクファクター)を出来るだけ取り除き(プラークコントロール)、歯周病原菌を減少させなくてはなりません。

同時に患者さんの局所的、全身的な危険因子を取り除いたり、改善することによって、生体の防御力を強めることも必要です。

毎日の生活リズムを規則正しくし、ストレスの少ない生活環境を作ることも大切です。ストレスが多いと唾液の分泌量が減少し、その結果唾液中の免疫物質が十分働かなくなるからです。十分な唾液の分泌は、虫歯や歯周病の予防に重要な役割を果たし、口腔の健康増進に大きく影響いたします。

前回と2回に分けて歯周病治療の意味を解説してきましたが、次回はいよいよ歯石除去に入ります。バイオフィルムという強敵も現れます。これは手強そうです。

参考文献 やさしい説明、上手な治療(2)歯周治療 末永書店

2006年5月21日 (日)

歯石を取ってみよう1

先日、歯石除去についての質問がありました。

歯石除去という大変重要な事を今まで書いてこなかった事に大変反省しつつ、どうせなら、しっかり説明していこうと思います。

1:口の中の健康

人間の口の中には、健康な状態であっても、ごくわずかですが細菌が存在しています。人体にはもともと細菌の活動に抵抗する力があり、歯と歯肉の間には、白血球、マクロファージ、リンパ球といった免疫系の細胞が移動してきます。そして細菌と戦う準備をします。

これが免疫の働きです。このように人体には防御機構が働いているのです。

2:虫歯も歯周病も細菌感染症です。

最近では、歯周病は「生活習慣病」という言い方をされますが、厳密に言えばそれは間違いです。

虫歯も、歯周病も細菌によって起こります。細菌は歯の表面や、歯肉についたプラーク(歯垢、歯苔)の中にいます。細菌の活動に対する抵抗力(生体の防御力)は人によって大きな差があり、虫歯や歯周病になりやすい人と、なりにくい人がいるのはそのためです。

3:なぜ歯周病になるのでしょう。

歯周病は、歯と歯肉の間(歯肉縁下)に入った歯周病原菌によって起こります。細菌の活動は、歯と歯肉の間の結合組織を徐々に壊し(付着の喪失の始まり)、隙間(歯周ポケット)を作ります。このときの生体の防御力は、煙草やストレスなどの危険因子によって、大きく左右されます。歯周病の初期の段階が歯肉炎で、炎症が深部組織に移行したものが歯周炎です。

4:歯肉炎は知らない間に始まっている

口の中の細菌数が増えるにつれて、歯肉溝の部分に炎症症状が現れます。歯肉が赤く腫れ、出血が起こり、仮性ポケットが形成されます。この段階で、病気に気づいて適切な治療をうければ、大部分の歯肉炎は健康な歯肉に回復します。

5:こうなったら歯周炎

歯肉炎を放っておくと、歯と歯肉を結び付けている歯周靱帯(歯根膜)が壊され(付着の喪失)、そこに歯周ポケットが形成されます。続いて、歯槽骨(歯を支えている骨)が吸収して歯はぐらぐらになり(歯の動揺)、さらには歯周ポケットから膿が出るようになります。進行してしまった歯周炎は、治療して元通りの歯肉や歯槽骨の状態にもどすことはできません。しかし、患者さんと歯科医師の努力によって、ある程度まで健康な状態を取り戻すことは可能です。

今日は健康な歯肉から重度の歯周病までの流れを説明しました。明日はもう少し詳しい説明を行います。

参考文献 やさしい説明、上手な治療(2)歯周治療 末永書店

2006年5月20日 (土)

かっこう

最近、とても暖かくなり、とても過ごしやすくなってきました。

昼間も日差しが戻ってきたみたいで、梅雨までの短いあいだですが、この良い季候を存分に楽しみたいと思います。

そんな中、院長室の窓を少し開けて仕事をしていると、外から「カッコー、カッコー」と鳴き声が聞こえて来るようになりました。

とてもすがすがしい感じがしたものです。

サントリー愛鳥キャンペーンにはカッコーについてこんな説明があります。

ほかの鳥の巣に卵をうみ、ヒナを育ててもらうチャッカリ屋のカッコウが、夏を告げる独特のうたをうたいます。カッコウの学名は「ククルス、カノルス」といいますが、ククルスはその鳴き声からとったもの、カルノスはラテン語で「音楽的」の意味です。
ヨーロッパでは、カッコウの季節になると、少女はその最初にきいた鳴き声の数で、自分が何年たったら結婚するかを占います。フィンランドやロシアでは、鳴き声を悲しみの声として、フランスでは明るく楽しい声として、それぞれの民謡の中でうたわれています。

カッコウがなぜカッコウと鳴くようになったのか、日本昔話では―あるとき母親が子供に「背中がかゆいので、かいてくれないか」と頼みましたが、子供は遊びに夢中で聞いてくれません。母親はしかたなく川辺の岩で背中をこすっていましたが、あやまって川に落ち、死んでしまいました。子供はたいへんな親不孝をしたと悲しみ、鳥になって、今も背中をかこう、かこう、カッコー、カッコウと鳴いているのです。

また、私の住んでいる郡山にはカッコーが多いらしいのです。

郡山市野鳥の森学習館の熊谷建一さん言います。

郡山にカッコウが多い理由
①調査当初、郡山市にはため池が多く、オオヨシキリが生息している。仮親がたくさんいるのでカッコウが多い、と推測していた。
郡山市のため池はカルチャーパークや運転免許センターなどに改造され、少なくなってきている。したがって、郡山市のカッコウは少なくなっているのではないか、と推定した。
③しかし、カッコウの生息数調査の結果をみてみると予想していたより急激な減少はなかった。
④平行して行ったカッコウの行動調査では、郡山のカッコウはオオヨシキリよりもむしろ、モズやホオジロに托卵しているものが多いという調査結果が出た。
⑤ため池だけでなくモズやホオジロの生息する原野や屋敷林も減少している。これは郡山だけでなく他の市町村でも同じ現象なのに、それでもなぜ、郡山市にカッコウが渡ってくるのか、疑問。
⑥昔の郡山の自然環境はどうなっていたのか、インターネットで調べてみた。
安積地方(現郡山市)は、年間雨量1,200m/mに満たない荒涼とした原野で、水源に乏しく農作業の発展が遅れ、水利開発の願望される土地であった。‥」とか年間降雨量が1200ミリと、全国平均の3分の2ほどしかない安積野は、明治の初めまで荒涼とした原野が広がっていた。そこに入植した旧二本松藩士‥」のような記述があり、郡山市はかつて「荒涼たる原野」であったことがわかった。→オオヨシキリやモズ、ホオジロなど仮親が生息していたことが想像でき、カッコウにとっては最高の生息環境だった。→はるか昔の郡山には多くのカッコウが生息していた。
⑦しかし、昔はともかく現在でもカッコウが多く渡ってくるのはなぜ?

(仮定)
a)カッコウは生まれ故郷に戻ってくる。
b)カッコウは育ててもらったホスト(仮親)を認識している。
と、仮定して郡山市にカッコウが多い理由を考えてみた。
⑧カッコウは遠い昔から郡山周辺(安積野)にたくさん生息していた。多様な仮親がいたのでそれぞれの系統に分かれて子孫を増やしてきた。
⑨郡山で巣立ったカッコウのヒナは、翌年も郡山に戻ってきていると推測すれば、いわきや福島でなく郡山にだけカッコウが多いことが理解できる。
⑩カッコウのヒナは仮親を認識していて、翌年、郡山に戻ってきたとき育てられた仮親を捜し、托卵行動をする。
⑪郡山にカッコウが多いのは、近年の郡山の自然環境がカッコウの生息環境に適していたのではなく、遠い昔の郡山(安積野)の多様な自然環境に起因していると考えられる。

理由はさまざまですが、聞いていて気分が良いのは確かです。やはり春は良いものです。

2006年5月19日 (金)

英雄色を好む?

私は、根が暗いのか、一人で長時間いることに全く平気なのです。そのため毎月多くの雑誌を買いあさり、じっくり読み込んでしまいます。

先月買った「GOETHE」という雑誌にとてもおもしろい記事が載っていました。あまりに理路整然と述べられているので、ここに紹介いたします。

その内容と言えば、既婚男性でも他の女性に気持ちが向いてしまう事があると言うことなのです。

それらの既婚男性のことを「気が多い人」とすれば、それは「好奇心が強い人」とも捉えられるそうなのです。これは悪く言えば「リスク評価が甘い人(危険を見極められない人)」。

要するに危険に近寄らない、危険に対して警戒することが必要なのだけれども、その警戒が低いのだそうです。この、新しい事に首をつっこんでみるという気持ちが仕事の方へ向かえば、新規開拓と言うわけで、ビジネスチャンスは広がる。

-仕事への好奇心が強い人は、女性への好奇心も強いということ?

そうです。やり手の人の才能は仕事だけに出てくるものではないのだそうです。脳の中では仕事も恋愛も同じ。

だから、仕事の出来る人はひとつひとつの恋愛でものめり込むし、恋の数も多いといいます。エネルギーが高くて、かつ簡単に新しい事をやってのけることが出来る人でもあるわけだから。

-一方に仕事をする頭があって、もう一方に恋愛をする頭があるということではないのですね?

人間は複雑のようでいて、単純なんです。美人を見た時、コンピュータ上で仕事をしている時、それぞれの脳の活動を記録した実験があるんですが、美人を見た時と、コンピュータ上での仕事の成功の時とは、同じ所(脳の中の)が反応しているのです。

つまり、ビジネス戦略を練っている時と、女の口説きを考えている時は同じ領域(脳)を使っているのです。

ということは、ビジネスに長けていれば、女性に対しても長けていて当然な訳です。

-つまり、英雄はやはり色を好む?

否定する要因があまりありませんね。それを指示するデータの方が多い。女性もまた、そうした男性と繋がることを求めているのです。仕事に熱意がもてるのは、ある程度成功しているからでしょう。

女性は仕事の内容を知らなくても、その男性が成功しているかどうかを感じる事ができる。数あるオスのなかから選別しているわけです。

歴史を見ても子供の多い種族の末裔なわけです。私たちは。そこには善も悪も無く、淘汰されて残ったのは、子供を多く作る男女の子供だったということです。種族の保存というのはどうでもよくて、結果として私たちの遺伝子の中にはそうしたものがあるということです。

-数万年の歴史を経て、恋愛好きの遺伝子が残っているということですか?

そうです。だからいまでも、社会的成功はある程度子供の数に反映しうる。女が男を判断する。それは何万年か前の記憶に繋がっているのです。

-ところで、男が若い女の子が好きなのは、日本人に特有の傾向でしょうか?

民族の差はそれほどないと思います。男はどこの世界でも、文化に関係なく、若い女性が好きです。それは、男は「この女性はこれから何人産めるか?」ということをオスとして無意識に評価しているからです。

子供が出来ると困ると思っているくせに、出来やすい若い女性にマシーンとしての男は惹かれてしまうのです。事実、年上好みの男より若い女性好みの男の子供のほうが多くなる。その子供達は父親の遺伝子を受け継ぎ、また若い女性を好む。こうして人類の歴史にその「好み」が残ってきたわけです。

-女の人はよく、「私が大事なの?仕事が大事なの?」と言いますが、それは愚問と言うことになりますね?

それを二律背反と言うのです(笑い)。仕事が出来なくなった男は、女にとっても用無しでしょう。それは切り離せないものですよ。そもそも仕事にたいして前向きじゃないときに女性を口説けますか?

-「恋がしたい」と思っている時は?

それは何となく、「俺、いい仕事がしたいよ」と思っているようにも感じます。

この雑誌の文章はあくまで男性の目線で書かれたようです。女性が読んで気を悪くしたら申し訳ありませんでした。

2006年5月18日 (木)

幸せな夜の過ごし方

先週の日曜日は母の日でした。

その日は私の趣味の集まりがあり、夕方から夜にかけてそれぞれの母の元に行く予定でした。

前日は大雨。その日は良く晴れてくれてほっと一安心。

集合場所は那須のとある牧場でした。そこでジンギスカンをしました。

私、お恥ずかしいお話ですが、ジンギスカン初めて食べました。

よくジンギスカンはとても臭いがくさくて食べられないという話を聞きますが、私の食べたジンギスカンはとても食べやすく、美味しかったです。

写真はジンギスカンとご一緒させて頂いた関口ご夫妻です。_300 _299

その後、解散となり、一路家内の実家へ。

前日に母の日のプレゼントを贈っておいたのですが、午前中に届いていたとのことで、一安心。フルーツを送ったのですが、ちゃっかり頂いてしまいました。義母さんすいません。

夜は私の母の元へ。エビフライと寿司という少し変わった組み合わせですが、私この組み合わせが大好きなのです。母の日なのに、昼、おやつ、夕食と好きな食べ物ばかり食べて、すっかり自分の日の様な気分になりました。

次の日、疲れがどっときました。体中がずっしりと重いのです。仕事をしている時は平気なのですが、少しでも休んでしまうと疲れが出るのです。

この日は夜ジムに行く予定でした。でも何か予感めいたものが頭をよぎったのです。

「今日無理すれば、怪我をするかもしれないな」

決断しました。「今日はゆっくりしよう」

その夜は、「間宮兄弟」という小説をコーヒーを飲みながらじっくり読みました。

とても贅沢な良い時間を過ごすことが出来ました。

たまにはこういう贅沢な夜も良いですね。

2006年5月17日 (水)

研修会

_297 先週の土曜日、近場の歯科大学で、「社会保険請求研修会」が行われました。

これは、保険診療を行った患者さんの医療報酬を請求するための「約束事」を確認するための研修会です。

毎年の事なので、おなじみの研修なのですが、今年は趣が違っていました。

今年の4月に大幅な改訂が行われました。これは、歯科医学的につじつまが合わない事があり、改悪とまで言われていました。

改訂が行われて既に1ヵ月以上経っているわけですが、やはり診療の流れを阻害したり、カルテを記入しながら矛盾が生じたりと色々問題が生じている見たいです。

そのため、4月の改訂から6回くらい変更が行われており、今回配られた資料も何度も書き直しが行われた模様です。

しかし、講師の先生が講演中も何度も手直しの注意が行われました。

講義している先生が、混乱しているのですから教えを受けている我々も非常に混乱してしまいます。

ただ、決定してしまったことは変えることが出来ないので、忠実に毎日の診療をこなすだけです。

患者さんにご迷惑だけはかけないようにしたいと思います。

2006年5月16日 (火)

ホワイトニングのメインテナンス

若い患者さんや、人前で話すことの多い仕事をしている患者さんが最近とても積極的に審美治療について質問したり、実際に治療を望むケースが増えてきました。

その中でも、ホワイトニングに対する関心は、現場にいる私たちも私たちも驚いてしまいます。

ホワイトニングにより歯が白くなる仕組みは以前このブログでも紹介しました。しかし、ホワイトニングを行った歯は、時間が経つとまた歯の中に着色分子が増えてしまい、半年に1回の割合でタッチアップという再ホワイトニングを行う必要があります。

また、ホワイトニングは以前よりかなり研究も進み、昔なら難しいと言われていた生まれつき変色した歯もかなりの割合で白くすることが可能になってきました。

しかし、やはりそれらの難しい変色歯は長期間のホワイトニングを行わねばならず、しかも、歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」と自宅で行う「ホームホワイトニング」の両方を根気よく行う事が条件になってきます。

ただ、ホワイトニングを希望する患者さんのほとんどが時間の無い忙しい患者さんが多く、タッチアップ(再ホワイトニング)や根気よいホワイトニングをすることが難しい状況にあるようです。

そのため、自宅でもホワイトニングのメインテナンスおよび有効な自宅でのホワイトニングを行いたい方のための良い器具が発売されたので、ご紹介いたします。

「e-Bright」と呼ばれるホームホワイトニング用ライトです。歯科医院で受けるオフィスホワイトニングに近いホワイトニングをご家庭でも受けられます。P_img3

ホワイトニング剤は「光」を用いることで、より活性化するので、ご自宅で「光」を用いた「ホームホワイトニング」が出来るようになったわけです。P_img1

非常に画期的な器具だとおもいます。私も、この器具を個人的に購入してみて試して見たいと思います。

2006年5月15日 (月)

ジム・事務・ジム

私を含めてなのですが、全国の歯科医院の先生方は4月の社会保険の改訂以来、目の回る忙しさを経験しています。

私が開業してからは、こんな事は初めてです(以前にこのような事があったかは分かりません)。

診療が終わってから、1時間以上カルテの整理や明日の診療の準備が必要になってしまいました。

毎日すべての診療の仕事が終わるのが8時半くらいです。そこから夕食を挟んで事務仕事を始めるわけです。

やはり、緊張の糸が切れているのでしょうか、なかなか思うようにはかどらないのです。出来るだけ要領よく片づけたいと思っているのですが、なかなか要領が悪くていつも時間が掛かってしまいます。困ったものです。

そのため、困った事が起きてしまいました。ジムに出かける時間が無くなってしまったのです。以前は多い時で週4日通っていたのが、今は頑張っても週2日が限界です。

それも、ジムに出かける日の事務処理は、ジムから帰った後に行う事になるわけですから、もうくたくたです。

初めのうちは、「まあ、何とか時間を細工して乗り切れるだろう」とたかをくくっていたのですが、やはり睡眠不足になってしまいました。

今週もトレーナーの先生に「また少し膝が悪くなっています」とのご指摘を受け、意気消沈です。

やはり、継続的な運動をしていかないとすぐに悪くなってしまうのですね。まだ、完全に体が良くなったわけではないので、自分の判断で運動を制限してしまうのは非常に危険だと言うことが分かりました。

そのため、また時間をしっかり確保して、しっかりジムに通うことを決意。そのため、大好きなプールに全く入ることが出来なくなってしまいました。

水に入りたい欲求がありますが、まずはしっかりと体を鍛えることに専念したいと思います。

2006年5月14日 (日)

忙しい時に限って!!

歯医者にとって手足も出なくなる状況があるとしたら、停電と人手不足、機械の故障ではないでしょうか?

先日の事です。忙しさもピークを迎えた夕方にそれはやってきました。

「先生~、ユニット(歯科用の椅子の事です)の調子が悪いみたいです・・・・・。」

「え、ど、どうしたの?」

「エラー表示が出ています。ユニットが全く動きません。」

「・・・・・・・・(滝汗)。」

色々ボタンを押して見ましたが、全く動こうとしません。

(これは壊れてしまったな・・・・。)

このユニットだけがいつも壊れるのです。なぜか。

すぐに、メーカーの方へ連絡を入れましたが、私の地域にはそのメーカーが無いのです。

仙台からの修理を待つより仕方が無いようです。

今回は、いつも使わないオペ室のユニットを使ってしのごうと思っていますが、どうなる事やら。

頭が痛いです。_296

その後、早急にメーカーの方がきてくれて、即日に修理してくれました。ありがとうございました。

2006年5月13日 (土)

噛む健康学9

3回にわたって報告してきた「実践自分でも噛んでみようプログラム」も今回が最後です。Asupara

今回も前回の続きからレポートします。

71日~80日

家内の妹が我が家に遊びに来た時です。みんなで近くのレストランで食事をした時の事です。

私がサラダを食べていると、「先生、本当に良く噛んでいるんですね」と言われました。全く意識していなかったので、とても驚く。

81日~100日

・よく噛んでいても、以前の「噛んでいない」時の食事のスピードに戻りつつある。しかし、食べる量は以前の2/3程度。体重は減る事はあっても増える事は無くなった。

・季節の料理、特に野菜料理を好んで食べるようになってきた。肉中心で30年も生きてきたので凄い驚き。新タケノコとか新ジャガイモだとか、とにかく「新~~」に興味津々。

・自分以外の食事をしている人が気になる。他の人は全く食事の際に噛んでいないことに気が付く。注意したくなってとてもイライラしてくる。テレビを見ていて彦麻呂さんや石塚さんはほとんど飲んでいるのに近い感じがした。

良く噛んで100日が経ちましたが、すっかり生活に定着してきてしまって新しい発見が無くなってきました。これ以上報告することが見つからないと思いますので、「実践自分でも噛んでみようプログラム」は、今回で終わりますが、悪い結果にはなっていないと思います。

皆さんも我慢して1週間続けて見てください。きっと習慣化できると思いますよ。

2006年5月12日 (金)

鬱病の我が子を救うために

誰にでも経験があると思うのですが、心の病は非常に苦しいものです。

電池の切れたおもちゃの様に、放置しておけば体も上手く動かなくなってしまいます。

それは子供も同じ事なのです。大人の社会の問題と比較すればたいしたことでは無い問題でも、子供にすれば大問題ということが多いのです。

今回は、ニューズウィーク日本版「0歳からの教育」の中から、「鬱病の我が子を上手に救うために」というレポートがありますので、それをご紹介いたします。

このレポートを書いているのは、ボストン小児病院のウィリアム・ベアーズリー医師とスチュアート・ゴールドマン医師の2人です。

以下に全文を記します。

子供から大人への道のりは、決して楽なものではない。

一部の子供には、耐え難い苦痛に感じられる事もある。そこにストレスが加わると、彼らにとって人生は手に負えない、絶望的なものになる。

こうした子供達が経験する憂鬱は、一過性の悲しみや不安、失望とは異なる。

それは激しく、いつまでも続く苦しみだ。

専門家によれば、鬱病にかかっている子供は12歳以下で3~5%、13歳以上では15%に達する。

治療は可能だが、まず周囲にいる大人たちが問題にきずいて、何らかの措置をとらなければならない。

では、親はどんな変化に気を付けるべきなのか?

鬱状態にある子供はふさぎ込んだり、怒りっぽくなったり、不安がることが多い。友人を避け、学業はおろそかになり、それまで楽しんでいた事に興味を失うこともある。

元気がなくなり、集中力を失い、食欲がなくなる。睡眠パターンが変化することもある。

漠然とした痛みや苦悩うぃ訴えたり、罪悪感や自己批判に押しつぶされる子供もいる。

絶望から逃れるためドラックやアルコールに走る10代も多い。自殺を図るケースもある。アメリカで、25歳以下の自殺者は年間4000人にのぼる。

・薬物治療は注意深い観察を

幸いにも、子供の鬱病には効果的な治療法がある。親にとって最初のハードルは、不快感や戸惑いを克服することだ。そして、この問題について穏やかに子供と話し合おう。

かかりつけの小児科医は相談にそるはずだし、必要なら精神科医を紹介してくれるだろう。

心理療法、とくに認知行動療法は必ず治療計画に含めるべきだ。場合によっては、それだけで治る子供もいる。

症状が重かったり、心理療法だけで改善しない時は、薬物療法が必要かもしれない。

あまりにひどい状態で、日常生活に支障をきたしたり、自傷行為に走るようなら、入院治療の可能性も出てくる。

鬱病と戦ううえで、薬は有力な武器になる。プロザックとその他のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、10代の若者にも効果があることが分かっている。安全で素早い効き目が期待できるが、服用には注意深い観察が必要だ。

誰にでも同じ効果があるとは限らず、なかには悪化する場合もある。抗鬱剤を服用した子供は、自殺願望が高まるという指摘もある。米食品医薬品(FDA)は、すべての抗鬱剤にこうしたリスクを警告表示するように義務づけた。

12歳以下の子供に対するSSRIの効果は明かではない。今後、さまざまな研究によって解明されていくだろう。現時点では、、経験豊かな専門医が、家族と綿密に話し合ったうえで処方すべきだ。

子供の鬱病治療では、家族の協力が不可欠だ。うまい救いの手をさしのべられれば、子供は鬱状態から脱し、再び成長の道をたどり始めるだろう。

仕事や家庭のごたごたで、つい子供の気持ちを考える余裕がないかもしれませんが、小さいながらも大きな宇宙を心の中に秘めているものです。

2006年5月11日 (木)

ひげを伸ばしてみました。

大学時代の事です。

私は大学院にいたため、あまり診療を行いませんでした。研究がメインだったので、白衣もピチピチしたケイシータイプのものではなく、ネクタイに白衣というラフな格好が多かったのです。

ネクタイに白衣という格好は、一見硬いイメージがありますが、白衣を脱げばそのまま普段着に替わってしまうので、大学から外出するときや、サボる時(滝汗)などとても都合が良かったのです。

私の素行が相当悪かったのでしょう。講師の先生についに怒られてしまいました。

「猪狩!もっと歯科医師らしく振る舞えないのか!!白衣のボタンもしっかり留めもしないで、病院内を歩くな!!」

「ひげはマスクで隠してしまうから伸ばしてもいいけど、白衣をだらしなく着るのは許されない!!」

凄い剣幕でした。その後はきちんとした身なりをするように心がけましたが、「ひげは伸ばしてもいいんだ」と変なところで関心した思い出があります。

ところで、私のひげなのですが、とても伸びるのが早いのです。上(頭)は遅かったり生えなかったりするのですが(苦笑)、下(あご)は規則的にばんばん生えます。

今回は、GW中ということもあって、少しいたずら気分で伸ばしてみました。1週間もほったらかしにして置いたら立派なひげが生えました。

少しチクチクするのですが、良い気分転換になっています。

でも、ひげは剃るより伸ばす方が手入れが大変なのです。もう切ろうかなとも思っています。

あ、それと残念なおしらせ。また歳を取ってしまいました。全然うれしくない。

2006年5月10日 (水)

GWが終わって

あんなに楽しみにしていたGWも、瞬く間に終わってしまいました。

私も、初めに立てていた「一日中、喫茶店で読書」「一日中映画を見る」という目標をたてたのですが、結局、満足な休日を送ることは出来ませんでした。

とりあえず、喫茶店に行って本を読んだのですが、朝起きたのだ遅すぎたため、時間がずれ込んで夕方向かった始末。読書での満足を得られる前に喫茶店の閉店時間。

映画も、気合いを入れて見に行ったのですが、見た映画があまりにも良くて、2本目以降を見る気がしなくなってしまいました。その後は自宅へ戻って借りてきたDVDを鑑賞しました。

でも、今回のGW。不満かと言えばそんなことは全然ありませんでした。仕事での一つの問題点をクリアにすることが出来たし、親戚のちび達に逢ったりして、心身共にリフレッシュ出来ました。

また、止まっていた体重もまた減少してきました。体重が減らなくなってもジムがよいをまめにしていたのが、良かったのかもしれません。

GW後の仕事にもすんなりはいることが出来ました。また頑張っていこうと思いますのでよろしくお願いします。

2006年5月 9日 (火)

歯から始まるQ&A(糖尿病2)

前回の続きです。

Q1

長年、糖尿病を患っています。歯の治療を徹底的にすることになったのですが、歯医者から、かかりつけの内科医の先生にそれを伝えてください、と言われました。なぜですか?

A 歯科治療をする場合、糖尿病の薬を変更する必要が生じることがあるからです。

糖尿病の薬には、大きく分けて3種類ありますが、いずれも血糖値を改善する薬です。他に、インスリンを使っている人もいると思いますが、インスリンは強力に血糖値を下げる薬です。

さて、糖尿病患者Aさんは、30Rというタイプのインスリンを1日2回、食事の30分前に皮下注射しています。その日は、かねてから抜歯が予定されており、歯科医をでたのがちょうど夕方5時頃でした。帰宅して夕食の準備を済ませると、そろそろインシュリンを皮下注射する時間でした。決められた通り、食事をする30分前に注射しました。しかし、30分後、いよいよ食事をする段になってみると、抜歯した傷口が痛くて、とても食べられた状態ではありませんでした。

しかし、インシュリンはすでに、皮下注射しているため、血糖値はどんどん下がっていきます。放っておくと低血糖を起こし、大変危険な状態になります。

歯科医は、もとより歯科口腔外科ですので、歯科医療は、ものを食べる第一段階である口にたいする手術なのです。そのため、処置後の痛みを訴えて、一時的に食事摂取が困難になることがあります。そのような時に、例えば上記の例であれば、インシュリンのタイプを一時的に変更するなどの処置が必要になるわけです。

インシュリンには、速攻型、超速攻型、中間型、混合型などの種類があります。Aさんが使っていたのは、30Rという混合型で、非常にポピュラーなインシュリン製剤です。1日2回の皮下注射ですむのですが、皮下注射してから作用発言まで30分以上かかるため、食事の30分前にあらかじめ皮下注射しておくことが必要になります。

これが早すぎれば食前に低血糖になりましすし、遅すぎれば食後に低血糖になってしまうわけです。

そこで、近年は、超速攻型というタイプのインシュリン製剤が販売されるようになりました。これは、皮下注射したと同時に血統降下作用が発現するタイプのインシュリン製剤なので、食事をすると同時に皮下注射すればよいのです。

このため、上記のように、食事を見越して予め皮下注射する必要はなく、食事をするときに皮下注射すればよいのです。超速効型は、作用発現までの時間が短いだけでなく、作用時間も短いという欠点がありますが、低血糖発作のリスクを避ける意味からは、むしろ好ましい特徴であるといえます。

血糖が慢性的に高い状態が続けば、糖尿病として各種の合併症を引き起こしてきますが、これは年単位で進むものです。これに対して、低血糖は、一瞬で命にかかわることもある緊急事態であるため、一過性に高血糖が続いてしまうことは目をつぶって、低血糖を避けることを第一目標にするべき状況もあるのです。

まさに歯科治療がこれに相当するケースだといえます。現行の治療のままでは低血糖を起こす可能性があるのですから、あなたが現在歯科治療を受けていることは、必ず歯科の担当医に伝えてください。

参考文献 歯から始まるQ&A 内科医が答える「歯と健康」 DOH編者 9ten社

2006年5月 8日 (月)

ほっぺたの内側を咬んでしまうのはなぜ?

「先生、ほっぺたの内側を咬んでしまったのですよ~」

「内側が大きく腫れてしまって、血豆のようになっているのです。」

このような会話が私たちの診療所では毎日のように繰り返されます。

ほとんどの場合、その傷口は何の問題もありません。血豆は自然と小さくなるか、小さな衝撃で破れてしまいます。

では、なぜ頬(ほほ)を噛んでしまうのでしょう。

頬(ほほ)を噛んでしまう理由は多いわけて4つあります。

  • 頬を噛む癖、頬を吸う癖が付いてしまっている。
  • 体重の急激な増加
  • 噛み合わせが悪い、虫歯がある
  • 老化現象

〔頬を噛む癖、頬を吸う癖が付いてしまっている〕、〔体重の急激な増加〕

これは、ストレスや疲れが原因のサインと受け止めて、十分な休養をとることを心がけてください。

〔噛み合わせが悪い、虫歯がある〕

まだ若いのに、頬(ほほ)を噛んでしまうのは、口の中に問題があるのかもしれません。虫歯があるために噛み合わせが悪くなっている、あるいは、被せ物を入れたばかりで寝れていない、噛みしめの癖があって歯の表面が極端に減ってしまい、噛み合わせが深くなってしまって、頬(ほほ)や舌を巻き込みやすいのです。

〔老化減少〕

食事をしている時に、ふと頬(ほほ)を噛んでしまい、痛みを感じてしまう場合は、多くの場合、加齢減少、老化のサインかもしれません。

実際に頬(ほほ)や舌を噛んでしまうと訴える人は50歳代以降が圧倒的に多いのです。若いうちは、テレビを見ながら食事をしても、歯と舌が上手く協調して動いてくれているので、頬(ほほ)や舌を噛むと言うことはまずありません。しかし、歳を重ねるにつれ、テレビの方に気を取られて舌や頬(ほほ)を噛んでしまったりするのです。

このような症状は、大きな問題に発展する事は少ないのですが、噛み癖が付いてしまうと、治りが悪くなり、潰瘍から悪性腫瘍に以降するともかぎらないので注意が必要です。

参考文献 きれいな歯をつくる 大人のためのデンタルブック 倉治ななえ著 オーイズミ社

2006年5月 7日 (日)

ダイヤモンドと知覚過敏

このブログの管理システムの中にはアクセス解析という機能が付いています。

この機能はどいうものかと言えば、「誰が、どこから、なにを求めて」私のHPへきたかが分かるのです。

最近とても多い検索の条件は「NIGO ダイアモンド 歯」というものです。

私は以前少しだけNIGOさんの歯に付いているダイヤモンドについてふれたことがあるのですが、そこに検索が集まってしまうようなのです。

そこで、今回は、ダイヤモンドを歯に埋め込んだ際の利点、欠点をご説明いたします。

実は、私はダイヤモンドを埋め込んだ歯を見たことがあります。もうずっと前、30年になるかもしれません。父が診療をしているとき、ある患者さんがダイヤモンドを持ち込み、これを歯に入れてくれって頼まれたそうです。そこで、入れる前に父がそっと見せてくれました。とてもピカピカしていたのを覚えています。

でもそれは、修復物だったような思い出があります。つまり、NIGOさんのように直接歯に接着しているのではなく、作り物の歯にダイヤモンドが取り付けられていたように記憶しています。

NIGOさんの歯には、写真で見る限り、歯に直接接着しているような感じがします。

ご存じのようにダイヤモンドはProportion 、クラウンと呼ばれる頭の部分とパビリオンと呼ばれる逆円錐状の足の部分からなります。

問題は、このパビリオンと呼ばれる足の部分の長さです。ダイヤモンドを歯の中に安定して接着させるためには、このパビリオンと呼ばれる足の部分をしっかり固定しなければなりません。そのため、歯をパビリオン分削っていけなければなりません。

またダイアモンドの形はそれぞれ形が異なっていますので、ダイアモンドにぴったりと合うように歯を削っていくのは至難の業といえます。

出来なくはないですが、ほぼ不可能に近いでしょう。そのため、ダイアモンドと歯の間には大なり小なり、隙間が出来てしまうので、そこから問題が生じやすいかもしれません。

その隙間から唾液や冷水、刺激物が入り込むと、知覚過敏になってしますと予想されます。実際、何処かの雑誌でよんだのですが、NIGOさんは歯にしみるので辛い食べ物は全く駄目といっていました。

それから、口腔内の細菌の問題もあります。口腔内の細菌は歯の凹凸に溜まりやすいですから、幾らダイヤモンドがスムースな表面をしていても、歯とダイヤモンドの間には必ずタグが生じてしまうと考えられるので、プラーク(歯垢)が溜まりやすいと思います。

このため、NIGOさんのように歯にダイアモンドを入れたい方は、非常に腕の良い歯科医師と技工士を探してやってもらうしかなさそうです。

私は出来ませんが。

2006年5月 6日 (土)

3周年

今日は、しろくま歯科医院3周年目の日です。_752_3

ここまで、色々と苦しい事もありましたが、皆様のお力添えのおかげで、ここまで来ることが出来ました。

まだまだ頑張りますので応援のほどよろしくお願いします。

2006年5月 5日 (金)

花見に行って来ました。

このブログはだいたい1週間前に書いているものなのです。_276

病気をしたり、急な用事でブログがかけなくても大丈夫なように6~7つ前倒しで書いています。そのため、少しタイムラグが生じてしまいます。

このブログが出る日はGWも終盤の5日ですが、今日書くブログは4月の終わりに行って来た時のです。

その日はとても天気が良く、気分が良いと言うことで桜を見に行こうと言うことになりました。時期的に、もう今日か明日には桜の見所が無くなってしまうということで、急いで出かけました。

私たちの向かった先は福島県の三春という場所です。この三春と言うところは「でこ屋敷」という紙で出来た人形が有名ですが、実は桜でも有名なのです。特に「滝桜」という桜は非常に有名です。

私は何度もきたことがあるのですが、嫁がはじめてと言うことで、母と嫁、私の3人で出かけました。滝桜の他にも地蔵桜など多くの桜を堪能してきました。

この「滝桜」は樹齢1000年以上も立っており、しだれ桜がとても美しいものでした。何度見ても感動します。

この桜もすっかり観光地とて定着してきたらしく、全国から大勢の方が訪れていました。また三春には美味しい名物も多く、目だけでなく、舌も堪能してきました。

また来年も訪れてみていと思っています。

2006年5月 4日 (木)

免疫力を高める

総合医療ビレッジ理事長で医学博士でもある星野泰三氏の著書「スーパー免疫力」を読みました。024220690000

私たちは生きている以上は、自分の体と上手くつき合って行かなければなりません。

私も医療に従事しているので、とても感じるのですが、元気の良い人ほど治りが早く、うつむいている人ほど、長引くと感じます。これも体の免疫に関係あるのでしょうか。

星野氏は言います。

「どんなに医療が進み、新しい医療器具や新薬が開発されても、それだけに頼っていては健康を手に入れる事はできないでしょう。最終的に私たちの身体を守ってくれるのは、私たち自身の免疫力なのです。病気はほとんど、免疫力のバランスの乱れが原因します。例えば、風邪をはじめ、肝臓や腎臓などの慢性的疾患、現在人に多い各種アレルギー、果ては不眠まで、すべては免疫力に関係しているのです」

「人混みに出ると疲れやすいと感じる人は少ないと思いますが、実はこの疲労感も免疫低下が一因です。人混みには菌やウィルスがあふれていますから、免疫力が下がっているとその悪影響を受けやすくなり、それで強い疲労を感じることになるのです。」

星野氏は良く、免疫力を高めるにはどの様なサプリメントが良いですか?何を食べれば良いですかとよく質問されるそうです。

このとき、星野氏は毛利元就の「三本の矢」の話を思い出すそうです。

矢は一本ずつだと簡単に折れてしまうが、三本の矢を束ねるとなかなか折れません。こうして元就は三人の息子に、協力すれば弱い者でも強敵に対抗できると教えたのです。

免疫もこれに非常に似ていて、免疫力を何処か一つ強化してもだめで、大切なのは日々の暮らしを少しずつ改善し、矢のように束ねて強化すること。少しずつの積み重ねがやがて強い免疫力につながります。

ではその強い免疫力を手に入れるには、一体なにをすればいいのか?それは、特別なことではなく、ちょっとした生活の工夫、たとえば食事、運動、入浴、ツボ刺激など、身体と心へ働きかける生活術こそが大切だそうです。

今後、この本の中から少しずつ免疫力アップの裏ワザを紹介していきたいと思います。

2006年5月 3日 (水)

GWの過ごし方。

今は、GWのまっただ中。

今年のGW、皆さんはどう過ごされていますか?

私の仲間は、世間が厳しいという理由で、ほとんどの歯科医院がカレンダー通りの診療を行っています。

私も今日から3連休になりますが、今年はやりたいことが2つあります。

一つは、一日中映画館にいること。もう一つは朝から晩まで本を読む事です。

私は、昔から映画へ行けばストレス解消になる事が多いため、良く映画へいっていたのですが、最近は全くのご無沙汰です。

それと、最近読む本は専門書ばかりなので、たまには娯楽小説を読みたいなと思っているからです。現在、どの喫茶店で過ごそうか考えているところです。

皆さんも有意義な休みを過ごしてくださいね。

2006年5月 2日 (火)

夜間の口の動きは

私が今まで教えてもらった先生のほとんどが、口を揃えていうことがあります。

「歯科の病気の原因が細菌のバランスと力(咬合)のバランスが崩れたとき」というものです。

口の中の細菌は、悪い細菌を食べてくれる良い菌もいるので、すべての菌を殺菌してしまうと、これもまた具合が悪いのです。バランスが大事なのです。

もう一つ、大事な要素は力(咬合)のバランスです。

人は生まれてきたときから、徐々に歯が生えてきてその人に合った噛み合わせ(力のバランス)が構築されていくのですが、虫歯になったり、歯を何らかの原因で失ってしまったりすることで、その人本来の口の中の力関係が崩壊していきます。

その崩壊により、他の歯によけいな力が加わり、口の中のバランスが崩れ、調子が悪くなってしまうのです。

しかし、きちんと口の中のケアをしているのにもかかわらず、顎(あご)の調子が悪くなったり、歯の調子が悪くなることがあります。

その最大の原因といわれているのが、「歯ぎしり」です。

歯科の中では歯ぎしりにはいくつかの分類があります。

・ブラキシズム

一般的には睡眠中に行われる歯ぎしりとして定義されていますが、アメリカの咬合学会のなかでの定義は「昼間あるいは夜間の顎口腔系の非機能運動または異常機能」となっており、歯に負担を与える悪い口の中の癖全般になっているようです。

・クレンチング

上下の歯を押しつけることを意味します。要するに噛みしめのことです。歯ぎしりと異なる点は歯ぎしりの音がしない点です。

クレンチング(噛みしめ)は昼夜を問わずおこりますが、噛みしめが強いことが多いので、顎関節や補綴物(銀歯、金歯、作り物の歯)に多大な損傷を与えます。

このクレンチングとブラキシズムは一体どのくらいの頻度で見られるのでしょうか?

歯ぎしりの患者さんからとった問診票を調べた研究があります。

夜間のブラキシズムの出現率は8~16.1%、昼間のブラキシズムを含めると8~34.2%であると報告されています。

性差については、ブラキシズムには性差は無いとするものや、女性は夜間のクレンチングが多いなどというデータもあります。

小児の発生率もほぼ成人と同じであり、年齢差では20~50歳がもっとも発生率が高く、年齢と共に減少する傾向にあります。

しかし、ほぼ毎夜一定してブラキシズムを行う者、一過性(ときたま)ブラキシズムを行う者がいること、音を生じないブラキシズムがあること、ブラキシズムには日間変動があることなどから、ブラキシズムの程度や状態を性格に把握することは困難であるとされています。

またブラキシズムが人に指摘されて気づく場合が多く、人から指摘されることのない環境に生活する者のブラキシズムの有無は見つかりにくいと言われています。

ブラキシズムによるさまざまな影響

  • 歯の破折
  • 咬耗
  • 知覚過敏
  • 歯の動揺
  • 修復装置の脱落、損傷
  • 筋緊張型頭痛
  • 顎関節症(クリッキング、顎関節痛、退行性関節疾患)
  • 筋痛、疲労
  • 咀嚼筋(口を開け閉めする筋肉)のこわばり
  • 筋肥大
  • 筋筋膜痛

このように、「食いしばり」には多くの弊害があります。ご自分で原因不明の不快感がある場合は疑って掛かってみる価値はあるかもしれません。ナイトガードのような予防器具もあります。お近くの歯医者さんでご相談下さい。

2006年5月 1日 (月)

今日から5月ですね

今日から5月です。51

新入社員の方々も、環境の変化にもそろそろ対応出来るようになってきたでしょうか?

季節的にはこれから一番良い時期に入ってきたのではないでしょうか?

私にとって5月は、ちょうど3年前に開業をスタートさせた時期と重なるため、つい年度の初めのような気がしてしまうのです。

そのため、いつも今期の目標を5月に立てます。(来年の5月まで)

・患者さんの話を良く聞く

歯科医学的に「痛いはずがない」「前回処置したからもう大丈夫なはずだ」というのは、間違いだということが、だんだん分かってきました。やはり患者さん本人が一番自分の症状を良く知っているのです。

こんな事がありました。

患者さんが、「先生、この間やったあたりが、むずむずしたようなきがします」というのです。私は、てっきり自分のやった歯と勝手に決め込み、幾ら検査しても問題が無いのです。そこで患者さんが言ったことを頭のなかで反芻してみました。

「たしかこの間やったあたりが・・・」って言っていたな・・・。と思い、良く観察してみると、隣の隣が虫歯になっていたのです。自分の思いこみより患者さんの声を大事にしていきたいと思います。

・従業員を大事にする

この仕事を始めてみて分かったことなのですが、決して一人では出来ないのです。私はいわばディレクター(監督)のようなもので、私だけでは、わがままな子供のようです。患者さんに親切に対応してもらったり、良く話を聞いたりしてもらったり、私のわがままを聞いてもらったり。本当に感謝しております。

・仕事を丁寧にこなす

去年から少し分かったことがあるのです。それは自分を追い込んでいくと調子がいいのです。みずから仕事を見つけて暇な時間を作らないようにすると、気分がいいのです。それにご飯が美味しいし、あまり悩むことがない(仕事をしているうちは)のです。1年のうち何日かは深く落ち込む事があるのですが、そのようなときは、えてして暇なときが多いようです。暇な時間があるときは、資料を見たり、経理の雑用をしたり、カルテを整理してり、とにかく忙しくしていようと思います。

・整理整頓をこころがける

何度もこのブログで書いていることですが、落ち込んだときの脱出方法はとにかく掃除に限ります。

・その日の仕事は次の日に持ち込まない

溜まってしまうと、仕事がら大変な事になりますので、頭に患者さんの状況がしっかりとあるうちに、カルテに書き込んで行きたいと思います。

・やせる

・・・・・・・・まあ、そういうことです。