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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
毎日のケアについてのアドバイスを載せていきます。
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2007年12月31日 (月)

大晦日!

今年も残すところ、あと一日ですね。

本当の事をいうと、今年はブログを週何日かは休もうと考えていたのです。

でも、石の上にも3年と思い、毎日書いてみました 。

ブログで3年にするには、あと1年必要なのです。

来年も毎日頑張ってみます。

今年は、私の中で多くの夢を実現することができました。

来年も新たな夢を見つけ、かなえていきたいと思っております。

皆さん、良いお年をお迎えください。

2007年12月30日 (日)

サンタさん、来た?

25日のクリスマスの日の事です。

その日、兄弟で診察に来ている子供達がいました。

治療をしながら、その子供達に、こっそり聞いてみました。

「静かに聞いて。昨日の夜、サンタさん来た?」

そうすると、子供達が一様に、誰にも言わないでねって顔で、真剣に頷いているのです。

目をぱちくりさせながら。

「先生の所にも来たよ。廊下ですれ違ったんだよ。話しかけようとしたら、すぐに出ていったんだよ」

そいうと、静かな声で「ほ・ん・と・にー」と、ほほえんでいました。

ほとんどの子供達が同じ答えでした。

1人だけ。「先生、サンタなんていないよ」と言われてしまいました。

中学1年生にはもう通じないか・・・・。

2007年12月29日 (土)

カルシウム以外も骨には大切

本日は、日本経済新聞11月24日分に掲載された「医食同源」からお届けいたします。

カルシウム以外も骨には大切

骨粗鬆症の予防には、カルシウムをしっかり取るのが常識ですが、これを日常大量にとっている欧米人が、日本人より、骨粗鬆症が多いといいます。

その原因の一つとして、欧米では、カルシウム以外の骨形成に関与する食品の取り方が少ないことも考えられます。

その食品とは、マグネシウム、ビタミンD、K、C、タンパク質、イソフラボンなどがあります。

カルシウムの摂取量は、日本人は、いつも不足しがちなので、これらを多く含む、牛乳及びその加工品、大豆及びその加工品、小魚、緑黄色野菜などを十分に摂る必要があります。

また、マグネシウムも骨づくりに必要です。これはアーモンド、ゴマなどの種実類、納豆、あさり、かきなどの貝類に多いです。他にビタミンDは、腸管でのカルシウムの吸収を促し、また骨形成促進作用があります。これは、サンマなどの魚類、きくらげ、干しシイタケなどのきのこ類におおいです。

ビタミンKは、骨のカルシウムの沈着を助けます。これは納豆やほうれん草、こまつななどの緑黄色野菜に多いのです。タンパク質は、骨の構成成分であり、コラーゲンを骨格にして出来ます。このさいビタミンCが必要です。

イソフラボンは、女性の骨粗鬆症の原因になる女性ホルモン不足を補う植物性女性ホルモンです。これは大豆及びその加工品に多いです。

骨粗鬆症予防にはカルシウムを摂るのは必須ですが、他の栄養素もバランス良くしっかり摂ることを忘れてはなりません。この点、魚介類や大豆およびその加工品、緑黄色野菜などは、日本食で補いやすいです。

2007年12月28日 (金)

とりあえず、今年の診療は終わりましたが・・・・。

今年もお世話になりました。

午前中に今年の診療を総て終了し、今さっきお掃除も終了。

これで、今年ものんびり出来るなーと思ったら大間違い。

今年中に片づけなければならない事務処理や資料作成が山積み。

明日は、子供の顔を見に、嫁さんの実家へ向かうのだけれども、

それまでに何とかしたいものです。

レセプトも今日中に何とか形にして、すっきりと年を越したいです。

今年のしろくま歯科医院を総括すると、とても良い一年でした。

途中、技工士の鈴木君が退職してしまい、かなり落ち込みましたが、

新しく入った黒澤さんが、かなりの頑張屋さんで、あっという間に鈴木君の穴を埋めてくれました。

新年には新しい技工士さんが来て頂けますし、ますます充実した診療を患者さんにお届けできるのではないかと思っております。

私も多くの勉強会に参加し、また自己鍛錬を重ね、患者さんの笑顔を一つでも多く見られるように頑張りたいです。

では、仕事に戻ります。

仕事納め

今年も一年間無事に仕事納めを迎える事ができました。

本日は、午前中のみの診療となります。

新年は、4日からの診療開始となります。

一年間、本当にありがとうございました。

ブログは明日も続きます。

2007年12月27日 (木)

この時期はほんとにバタバタしています。

皆さん、いかがお過ごしですか?

師走と言うのはほんとに過ぎるのが早いです。

事前に準備しても、準備しても足りないぐらいです。

このブログも年末に向けて、書き溜めをしているのですが、まったく溜まりません。

明日で今年の診療もおわりますが、何事もなく終わるのをただただ祈るばかりです。

それと一つお詫び。

最近、同じ歯科医師の先生に、私の診療は経験不足で、説明がへたとの指摘を受けました。

本当に申し訳ないことです。

それにつきましては、患者さんに直接ご迷惑がかかりますので、来年はいっそう努力し、勉強会にもあしげく通い、自己鍛錬を重ね、患者さんの笑顔を獲得したいと思います。

不快な思いをされた患者さんには、大変ご迷惑をおかけいたしました。

2007年12月26日 (水)

心温まる贈りもの

12月20日は、どうもバタバタしていました。

臨月で入院している妻の状態が少し不安定になり、赤ちゃんのためにも、早く出産してしまった方が良いということになり、急遽出産促進剤を注射する事になりました。

促進剤の効果は覿面で、すぐに陣痛が始まりました。

最初の方は余裕があって、痛みの来る間隔を計っていたのですが、促進剤を投与して4時間が経過し始めた頃から、だんだんと痛みの間隔が短くなり、痛みもひどくなってきた見たいです。

母と私で、交換で背中をずっとさすっていたのですが、やはり、経験者の母のさすり方は良いようなのです。

母は自分が出産するときに、「こんなに苦しいのに、何で周りの人はさすってくれないのだろう」と不満に思っていたというのです。そのため、自分の親族にはしっかりさすってあげなければと思っていたようなのです。

こんな時、男は無力だと思いました。側で見ているしかない。

変われるものなら変わってあげたいと、心底思いました。

すぐ隣のベッドでも、妊婦さんの陣痛が始まっているみたいで、

「痛い、痛い、もう嫌だ~」

という声がずっと続いています。

私の嫁は、「う~ん、う~ん」というだけで、全く声に出さないのです。

お腹の中の赤ちゃんの心音をモニターしながら、ベッドで必死に耐えているのですが、やはり非常にくるしそうです。

何度か吐いてしまいました。赤ちゃんの心音も弱いらしく、すごく心配になりました。

7時間が経過して、最初の促進剤が無くなった時に、分娩室で一度診察をかねて、促進剤の交換をする事になりました。

分娩室に入って、医師に診察を受け、説明を聞きました。どうやら、産道が非常に硬いらしく、赤ちゃんが降りてくる気配がないというのです。このまま促進剤を続けるか、止めるかはもうしばらく様子をみて、判断しましょう。との事でした。

「でも、赤ちゃんを無理に出すとあまり良いことはないので、無理は止めましょう」とのこと。

周囲の空気は「今日はもう止める」という感じです。

私は、すごく辛そうなので、少しでも辛くないように、出来れば明日またこの苦しみを与えるのは辛いなとも思いました。

しかし、母子ともに健康でいるのが一番なので、無理は禁物だと自分に言い聞かせました。

助産婦さんが、「しばらくこの分娩質には誰も入ってこないから、旦那さんと一緒にいなさい」といって出ていってしまいました。

妻の横にあるモニターには心拍数と共に、筋肉の張りを表示する計器が常に連動されています。その筋肉の張りが上昇するたびに、激しい痛みに襲われるようなのです。

私は、痛みにじっと我慢する妻を見るのが忍びなくなってきました。

「痛ければ、我慢せずに、痛いとか辛いとか言っていいんだよ」と問いかけると、

「辛いとか、止めたいとかいうと、出てくる赤ちゃんに申し訳ない」というのです。

その瞬間、今日は無理といわれていた状態なのに、いきなり破水したのです。

そこからはあっという間の出産でした。

赤ちゃんが、「もうお母さんの心の準備は出来たのね」と思ったのでしょうか・・・。

本当は立ち会う事に少し動揺していたのですが、あっという間だったので、最初から、出産まで総て見てしまいました。

出てきたときは、すぐには喜べず、まず、顔、指、体、手足等を手早く調べてちゃんと五体満足な事を確認して、やっと喜びがわき出てきました。

喜びと共に、疲れがどっと出てきて、支えがいるほどでした。

出産後すぐに、妻の実家のお母さんが来てくれました。

私と私の母は、もうくたくたで、あとは義母にお任せして、その日は帰ることしました。

帰宅してすぐに荷物が届けられました。この本です。003 004

この日に出産するというのは、直前まで誰も知らないはずなのに、なんという偶然でしょう。

本当に運命を感じました。

この本を送ってくれた大親友のキング先生には感謝しても感謝しきれません。それと私たちを支えてくれた家族、従業員の皆様、いつも相談に乗ってくれた高校の時に友人、私をいつも励ましてくれる埼玉の吉田先生には心よりお礼を申し上げます。

2007年12月25日 (火)

顎関節症を考える2

昨日の続きです。本日も木野孔司先生 杉崎正志先生 和気裕之先生の「顎関節症で困ったら」からお届けです。 

オフィスの冷房で口が開けづらくなった

実際に、顎の痛みや口が開けづらいなど症状がなかなか治らず、その原因もわからずに苦しんでいた患者さんの例をご紹介しましょう。

25歳のOL、A子さんです。1年前の夏ころから、時々口が開かなくなって、無理に開けようとすると右耳の前のあたり、つまり顎関節のところに痛みを感じるようになりました。

口を開け閉めする時に、顎の関節から「カクカク」という音もします。この関節の音は中学生のころからあったそうです。

初めは痛みや関節の音が気になっていたそうですが、秋が過ぎて寒くなってくると症状が和らぎ、冬の間はまったく異常はありませんでした。

ところが、再び夏を迎えて暑くなってきたら調子が悪くなってきたので、著者の病院へ来院しました。

すぐに顎関節症と診断しましたので、最初に、スプリントという器具を装着する治療で、様子を見ることにしました。ほかに、セルフケアとして、A子さんが好きなフランスパンや硬いおせんべいをあまり食べないように、またこの仕事中に電話を肩で挟むことを止めるように指導しました。

このスプリントを使った治療で、顎の痛みや、口が開けにくくなる症状はいくらか良くなりましたが、それでも時々口があけずらくなることがあり、なかなか完全には治りません。

初診から2ヶ月ほど経って、どんな時に口が開けづらくなるのか、さらに詳しく思いだしてもらったところ、「そういえば休日に口が開かなくなったことはない」との答えが返ってきました。おそらく平日の仕事が症状と深く関わっているのだろうと、ようやく直接の原因に近づくことができました。

その後、何度かの診察をするなかで、仕事中に食いしばりが起きていることがわかり、「オフィスの冷房でそれがひどくなる」ことにA子さんは気が付きました。いつもカーディガンと膝掛けを手放せないほどオフィスの冷房がきつくて、しかもエアコンの吹き出し口がA子さんのデスクの真後ろにあるというのです。こうした仕事中の寒さに反応して、知らず知らずに奥歯を強く噛み締めていたようです。

そこで、A子さんは上司に相談して、寒さを避けられるようにデスクの配置換えをしてもらいました。また、A子さん自身、仕事中になるべく上下の歯を接触させないようにして、極力、食いしばりが出ないように気をつけました。こうした原因を取り除くことによって、A子さんの通院はようやくピリオドが打たれました。その後も「カクカク」といった関節の音は続いたものの、生活に支障があるほどではなく、顎の痛みと口の開けづらい症状は消えてしまったのです。

仕事のイライラや姿勢の悪さも原因になる。

もう一つ、例をあげて起きましょう。

52歳のB子さんは、何年も前から口が開けづらくて悩んでいたのですが、いくつかの歯科医院で診察をうけたものの良くならなかったという方です。

左右の顎の関節の近くに痛みがあります。口が開けづらいという症状が初めて現れたのは5年前で、その時はある歯科大学の病院でスプリント療法をしばらく続けましたが、痛みは消えなかったそうです。

そのため、2年前から近所の歯科医院に移って、別の種類のスプリントを夜間に付けるようになり、それで痛みはいくらか軽くなったそうです。今でも口が開けづらいことには変わりないそうですが、その先生に紹介されて来院しました。

診察したところ、口を開ける痛みは側頭筋という耳の前上方の筋肉に起こっていて、頭痛のように感じます。口は大きく開けられず、開口は38ミリ(上下の前歯の距離)が、精一杯でした。また、口を開け閉めする時は「カクカク」音がし、これは20年も前からあったそうです。

B子さんの生活状態をいろいろ聞いてみると、次の事が分かりました。

  • B子さんは美容院を経営されていて、毎日非常に忙しい
  • いつも疲れ気味で、イライラしやすく、熟睡できない。
  • 血圧が高いので、降圧剤と精神安定剤を服用している
  • 仕事がら無理な姿勢をすることが多く、歯を食いしばっていることがある。
  • 数年前に腰痛が出て、うつぶせで寝る癖がついた

これらの生活上の習慣や環境などは、すべて顎関節症に繋がる要因です。これを出来るだけ取り除くために、初診時からいくつか指導をしました。

まず、睡眠時の姿勢を仰向けに変えました。この効果は十分にあったようで、2週間後には口を開けるときの痛みが無くなり、開口の範囲も45ミリまで広がりました。

さらに仕事中はなるべく姿勢を良くして、食いしばりが出ないように気を付けた結果、初診から2ヶ月後には「カクカク」という関節の音を除いて、症状はすべて消えてしまいました。こn関節の音も初診の時に比べてかなり小さくなっており、生活には支障はありません。

その後のB子さんは、ご主人の協力で仕事の量も減らせるようになり、表情まで明るくなりました。

このケースでもおわかり頂けるように、かみ合わせの状態をみたり、X線写真で顎の骨を検査しても明らかな異常がなかった時は、初めに生活習慣を改善したり、さらに患者さん自身のセルフケア治療の重点を置くことが大事です。

参考文献 顎関節症で困ったら 木野孔司 杉崎正志 和気裕之共著 砂書房

2007年12月24日 (月)

顎関節症を考える1

本日は、木野先生、杉崎先生、和気先生の共著である「顎関節症で困ったら」からお伝えします。

日本人の二人に1人は顎関節症?

家族や友達と会話しながら、ピーナッツをポリポリ、おせんべいをボリボリ。

よくある光景ですね。そんな時に、顎がだるくなったり、疲れてしまったことはないですか?そのだるさがひどくなって、「顎に痛みを感じる」とか「口が開けずらい」という人は、顎関節症にかかっているかもしれません。

顎関節症は、このような日常生活のちょっとしたタイミングで起きてしまうことがある病気です。

ちょっとしたことで起きてしまうだけでなく、実は顎関節症はそんなに珍しい病気ではありません。まだまだ聞き慣れない方もいらっしゃると思いますが、顎関節症はごくありふれた病気で、軽い症状を含めると、なんと日本の人口の半数はその経験があるのではないかと言われています。そんなにたくさんの人がかかっているのなら、もっと病名が知られていたり、もっと身の回りに患者さんがいてもよさそうなものです。でもそうでもないのは、顎関節症で現れる症状が、顎関節症に限ったものとは言えないことに原因があります。

1950年代に決められた初期の頃の定義では、「カクカク」という雑音、口があけずらい、顎が痛い、のうちのひとつの症状があれば顎関節症と診断することになっています。

しかし、口が開けにくかったり痛かったりという症状は、他に原因があっても起こりえるものです。そのため、この症状だけでは顎関節症だと診断しにくいという事情がありました。

加えて、顎関節症は、放っておいても自然に症状が消えてしまうという特徴があります。

例えば、硬いものを噛んで顎に痛みがあったときは、しばらく軟らかい食事に変えてみたり、自分でマッサージをしているうちに痛みがとれてしまうことがあるのです。ですから、一時的に症状があっても、総ての人が病院や歯科医院にかかっているわけではありません。

このようなことから、昔から多くの人がかかっていると推測される病気でありながら、最近になって注目されるまで、あまり知られない病気だったわけです。

思いがけないささいな事も顎関節症の原因に

「硬いものを食べたら、顎が疲れるのは当然。病気だなんて、大げさでは?」と思う人もいるでしょう。しかし、顎関節症は運動をした後に疲れを感じるような単なる筋肉痛とは違います。

顎を酷使したわけでもなく、もっと些細なことで顎関節症になった例をご紹介しましょう。

ある人は、会社でパソコンを導入したてのころ、早くパソコンを覚えようと熱中していました。4~5時間もパソコンと格闘し、ようやく昼食を食べようとすると、口を大きく開けることが出来ません。かみ合わせもおかしいような気がします。しかし、数回噛んでいるうちに症状は治まってしまいました。

こんなことが続いたのですが、これは顎関節症でした。おそらく、覚えたてのパソコンと格闘しているうちに、知らず知らず歯を食いしばっていたのが原因でしょう。

またある人は、初めて飛行機に乗ったときに、しばらくしてジーンとした耳の痛みを感じました。気圧のせいで起こった症状だろうと思っていたのですが、一向に治まる気配がありません。治まるどころか、痛みはどんどんひどくなり、その範囲も顎の後ろの方まで広がってしまいました。結局、痛みが消えたのは飛行機から降りてしばらくしてからでした。これも初めて飛行機搭乗体験で緊張していたため、歯を食いしばっていたものと思われます。

中学生のころに、顎を開け閉めするとカクンカクンという音が鳴るようになって、面白がって良く鳴らしていたという人もいますが、これも顎関節症なのです。

毎週日曜日のテニスの後、どうも口が開きにくくなる人、長い会議のあった日は夕方になると顎の痛みが強くなるという人もいましたが、これも顎関節症です。

この程度の事で・・・・・などと思わないでください。それに、口があけずらかったり、痛みが伴ったりするのであれば、日常生活にも支障をきたすことになりますから、それらの症状を取り除く必要があります。

痛みには必ずその原因があるのですし、発症のメカニズムなど詳しいことは後で述べます。顎関節症は立派な病気なのです。

明日へ続きます。

参考文献 顎関節症で困ったら 木野孔司 杉崎正志 和気裕之共著 砂書房

2007年12月23日 (日)

生活の中の口腔衛生3

昨日の続きです。

ブラッシングによる清掃法

機械的清掃法とは、歯垢や舌苔(舌背表面の粘着性の汚れ)を、機械的に取り除こうというものであり、歯ブラシを用いる方法が主となります。補助的手段として、デンタルフロス、歯間ブラシなどを用います。

歯科医院で行うPMCT(プロフェッショナル・トゥース・クリーニング)も、この延長線上にある、非常に効果の高い方法の一つです。

現在まで、最も歯垢除去効果の優れたブラッシング法はバス法であり、多くの歯科医院において成人にはバス法を中心に指導していますが、操作が難しく、マスターするまでには歯科医院にてブラッシング指導を受ける必要があります。

1)歯ブラシの選択

最近では電動歯ブラシについての質問が多く「使って良いものか」あるいは、「何を使えばよいか」と聞かれます。

著者も朝・昼のブラッシングには電動歯ブラシ(厳密には音波歯ブラシ)を使っており、電動歯ブラシを否定するものではありません。著者のクリニックでは、以前に市販電動歯ブラシの一覧表を作り、推奨できる製品をリストアップしたことがありますが、電動歯ブラシのモデルチェンジが早く、中には同一の製品名で全くシステムが変わってしまうものも見受けられました。

したがって、現在はどれがよいかといったアドバイスは出来ないのが実状です。著者は、朝、昼を人前に出るためのエチケットとしての歯口清掃、夜を一日使用した歯・歯肉をケアするための歯口清掃と2種類に分けて考えています。

その意味では、エチケット用のアイテムとしては利便性が高いのです。ただし、一日一回は、手用歯ブラシとともに、デンタルフロスか歯間ブラシ、さらに洗口剤まで使用して手入れする必要があります。

デンタルフロスの効果は、歯ブラシとの併用で90%の歯垢除去率があります。

また、最近は、ティートリー(オイル)、ペパーミント(フレーバー)などフレーバー付きやエッセンシャルオイルを含有させたフロスが多く市販されるようになり、むしろ香りのないタイプのほうが少数になりました。

参考文献 オーラルケアのためのアロマサイエンス 千葉栄一著 フレグランスジャーナル社

2007年12月22日 (土)

生活の中の口腔衛生2

昨日の続きです。

口腔衛生の種類と実践

成書によれば、口腔衛生とは「歯と口腔の疾病を予防して、それらの健康を保持増進し、間接的に全身の健康を保持増進することを目的とすること」とあり、実際に口腔の健康を保持増進するための方法を、我々は歯口清掃と呼称しています。

歯口清掃とは、歯科疾患あるいは口腔経由疾患の予防のために、口腔内で行われる総ての処置を意味します。歯口清掃の方法は以下の様に分類します。

  • プラークコントロール(う蝕、歯周病の予防)1)自然清掃法2)機械清掃法3)化学清掃法
  • 含嗽(口腔、咽頭の清掃、予防)
  • 消毒・外用薬(口唇、口内炎の治療)

今回は、プラークコントロールの機械清掃法までお伝えします。

「スローフード運動」の歯科的効果

自然清掃法とは、咀嚼、唾液などと共に、飲食物による清掃作用がこれに含まれます。最近活発になってきた運動で、「環境白書」も推奨している「スローフード運動」などは、運動の主旨とは異なるが、歯科的な見地からは、まさにこの清掃性を合致しています。

「食事くらいはゆっくり食べましょう」というスローフードの提案は、健康のためだけではなく、環境に負担をかけない生活も目的とされます。

1986年のイタリア北部のブラという小さな町で生まれた、伝統的な食材や料理を守り、ゆっくり食事を取るほかにも、子供達も含めた消費者に味の教育を進めるといった、スロ-フード運動は欧州に広く浸透しました。

フランスでも10年前から「味覚のレッスン」という活動が起こり、その活動内では実際にハーブを嗅がせて香りを体験させたり、何が身体に良いのかなどを教えています。

ファーストフードと異なり、粘着性の少ないスローフードは、特に新鮮な野菜や果実が有用な清掃食品になることが認められており、活発な咀嚼や味覚障害による唾液流出量の増加と、これに続く嚥下により、口腔内の不潔になりやすい因子を除去します。

歯磨きは主としてはおよび歯肉に対して、行われるものであり、口腔内全体の清掃はしておらず、スローフード運動の歯科的効果は大きいのです。

Knightonは、被験者に酵母菌を食べさせた2時間後に、食材などを食べた場合と歯磨きをした場合とを、酵母菌の減少率にて比較する実験を行いました。この結果、歯磨きよりも、食品(バナナ、オレンジ、ガム、リンゴ)を食べたり咀嚼した方が、清掃作用が強い事がわかります。ただし、この実験は、元来口腔内に存在しない菌を用いた条件であり、歯垢(デンタルプラーク)に対する結果ではないですが、リンゴや梨、あるいはお新香などを食事の最後に食べることは、以前から有効な清掃法として我が国でもよく知られていて、各地で実施されています。

2005年7月、健全な食生活を育成、教育するために、家庭・学校・地域社会の中心に「食育」を推奨し、国や自治体が取り組む事を定めた、「食育基本法」がようやく実施されました。食育を智育・徳育・体育の基礎となるものと位置付け、食に関する知識と食を選択する能力を身につけ、健全な食生活を実践できる人間を育てることを目的としています。

我が国では、O-157、BSE、鳥インフルエンザ、SARSなどという専門用語が何を意味するものなのか誰もが知っているほど、食の安全性に問題が生じ、さらには偽装表示などという悦の問題まで露呈てしています。

ものような状況に追い込まれたことにより、ようやくスローフード運動に準じたものが、我が国でも法政化したのかと思い、内容を確認すると、上記のような食の安全性を中心とした項目はあるが、食の基本であり、またスローフード運動の基本でもある、「噛んで食べる」ことに関しての、歯科的あるいは口腔衛生の観点からの言及はありませんでした。

「食育」とは「何をどのように食べるか」に集約されると考えるがどうでしょうか?「食べる事は身体的・精神的に健康的な状態を維持するための基本的な活動」と日本学術会議でも位置づけられており、健康長寿に必要なのは、「噛んで食べる」ことに他ならないのです。

この趣旨から厚生労働省を主体に、8020運動(80歳で20本以上保有する)も現在展開しています。したがって、咬合・咀嚼の専門家である歯科医師の立場から見た食育基本法は、現時点では完成度の低いものにしか映らないのです。

ただし、本法の成立を機に、欠損部を補うためにも歯科の専門家を積極的に呼び集め、「噛んで食べる」ことを重要視した食育が、将来は広く実施されることを期待します。

明日へ続きます。

参考文献 オーラルケアのためのアロマサイエンス 千葉栄一著 フレグランスジャーナル社

2007年12月21日 (金)

生活の中の口腔衛生1

本日は、千葉栄一先生の著書「オーラルケアのためのアロマサイエンス」からお届けいたします。

口腔衛生の起源

仏陀(BC566~486)が仏法を説いて回っていた頃、仏陀は弟子達に口臭がひどいため、歯磨きなどの口腔衛生法を積極的に指導したことが知られています。

当時、歯磨きに使用した木(木の枝)の事をサンスクリット語でダンタ・カーシュタといい、中国に伝わった時に、歯木や楊枝と訳しました。このダンタが英語のDental(歯科)の語源とされています。

歯木としては、インドセンダン(ニーム)のテーマである口腔衛生の起源の一つとなっています。この逸話から、人類は実に二千五百年以上前から、歯を磨いていたという事実とともに、当時から口臭に悩まされていたことも、同時に理解できます。歯を磨く思想は、その後インドから仏教をともに中国、朝鮮を経て、552年には日本にも伝えられたのです。

ちなみにセンダン(栴檀)について辞典で調べてみると、白檀のい異称とありました。白檀という名称からなら、多くの方がサンダルウッドというアロマテラピーのエッセンシャルオイル名をすぐに思い浮かべるでしょう。もちろん、近親種程度に捉えるべきです。

サンダルウッドの主な産地はインドであり、芳香性が強く、主要成分としてセスキテルペンアルコールを多く含有しており、消毒効果も期待できるため、当時としては最適な歯ブラシとなったと思われます。

このように口腔衛生と、広義に解釈したアロアテラピーは、その起源からかかわりをゆうしています。

明日へ続きます。

参考文献 オーラルケアのためのアロマサイエンス 千葉栄一著 フレグランスジャーナル社

2007年12月20日 (木)

無いと困るもの

毎日生活していて、必ず必要な物って皆さんありますか?

私は、目薬とメガネの汚れ落としスプレーです。

目薬は、大学院時代からの必需品です。コンピュータを多く使うようになってから、どうもドライアイになってしまったらしいのです。

大学院時代は、手を抜いていたのか、さぼっていたのか、それほど必要なかったのですが、今は、一年を通して目が乾いてしかたがありません。

目薬も色々試しました。そこで、行き着いたのが「ロートZiφ(ロートジーファイニュー)」です。

もう何年もこればかり。換え起きも常においてあり、バッグの中、車の中、自宅の居間にそれぞれ置いてあります。

もう一つ大切なのは、メガネの汚れおとしスプレー。

大型ドラクストアでは、最近メガネの汚れ落とし紙は売っているのですが、スプレーは全く見かけません。

どうしても、治療中の汚れがメガネに当たるので、汚れ落とし紙では、良く取れないのです。

で、全国のドラッグストアでスプレー式を見かけると、まとめ買いしてしまいます。これは汚れが落ちれば何でもよいので、メーカーは何でも良いのです。

こう考えてみると、歯医者や医者は目が非常に大事だなと痛感します。朝は歯科医専用の目に良いサプリメントも飲んでいますよ。

こんなに気を遣っても、夜にはがちがちに乾燥してしまいますけど。

皆さんの生活必需品ってなんですか?

2007年12月19日 (水)

基本を振り返る

今年、インプラントにおいて、不幸な事件が東京で起きました。本当に痛ましい事です。

そのミスの中心は、本当に基本的な解剖や麻酔の知識の欠落や、油断がもたらしたものだということです。

行く先々の勉強会でも、そのことを強く強調していて、新しい技術の修得の前に口腔内の解剖を行う事が増えてきていると思います。

患者さんが信頼をおいて手術を任せてくれるのですから、こちらにミスがあれば、本当に申し訳ないと思います。

そこで、休日に、一度基本を見直してみようと、大学当時の解剖と麻酔の教科書を見直し、国家試験の時の問題をやってみました。

で、その結果なのですが、いつも良く目にする解剖学的、麻酔学的な問題は、ほとんど出来ました。しかし、耳鼻咽頭科に近い解剖はミスが目立ちました。

シェーデル(骸骨の模型)を持ち、解剖学的にいろいろな本で検証してみました。

教科書によっては、見やすくするために、わざと部位を誇張して書いてあるものがありました。位置的には問題ないのですが、実際は骨に寄り添うように大事な血管が走っているのですが、本には少し骨と離れて書いてあるのです。この方が確かにわかりやすいですが、事故が起こったのもこの部位です。04

医師は骨を誤ってくりぬき、その際に血管を傷つけてしまいました。しかし、もしこの教科書をつかって勉強していたとしたら、「骨と血管は離れているので、問題ない」と思ってしまってもしょうがないかもしれません。

骨の模型と解剖の本何冊かをじっくり見比べると、勘違いしている事も多数あり、非常に有意義な時間を過ごせたなと思う気持ち反面、今までなにもなくて、安堵している自分もいて、大変複雑でした。

インプラントを行う際は、CTスキャン、血液検査はもちろんのこと、必要であればMRI検査もして、血管の位置を確かめた方がよいのかもしれません。

画像は海浜幕張の古賀テクノガーデン歯科の古賀先生のHPよりの引用です。

2007年12月18日 (火)

忘年会

先日、しろくま歯科医院の忘年会を無事終わることが出来ました。

正直ほっとしています。

場所は、近くの天ぷら屋さん。

豪華な食事に舌鼓をうちつつ、一年の労をねぎらいました。

会には、来年から働いてくれる新しい技工士さんも来てくれました。

本当は、私の奥さんと、黒澤さん(技工士さん)の奥さんも参加してくれるはずだったのですが、体調不良で断念。

来年は参加して欲しいと思います。

忘年会が終わったとはいえ、まだまだ診療は続きますので、気を抜かず頑張りたいと思います。

2007年12月17日 (月)

和の薬膳2

昨日の続きで、宮田先生の著書よりお届けいたします。

体に良い食べ物はない

健康や美容に関する日本人の関心は年々、高まっているようですが、どうも一辺倒になってしまう傾向にあるように思われます。

たとえば、テレビの健康問題でブロッコリーがいいと放送されれば、その日のスーパーの野菜売り場ではブロッコリーが飛ぶように売れる。情報を流す側も、それを健康志向の現れとしてとらえています。

絶対に体に良いミラクルな食べ物など存在しません。取りすぎれば、栄養のバランスを崩しますし、体質的にみて向き不向きもあります。

私の医院に来られる患者さんで、健康に大変熱心な方がいます。そこそこ健康ではありますが、痩せ形で体力はそろほどではありません。もっと元気になりたいと思い、玄米食を始められたということです。しかし、始めたはいいものの、どうも体調が思わしくないということで薬膳指導に相談にこられました。

管理栄養士が問診をして、ご本人の体質を診ると消化吸収力が高くないようです。

玄米は硬く食物繊維が多いので、消化に負担がかかります。ある程度、胃腸が丈夫な人ならば、しっかり消化して栄養を取り込めますが、胃腸の弱い人だと胃腸を疲幣させてしまいます。

ニンニク、ショウガといった、昔からの滋養食材も同様です。ニンニクはアリシンやビタミンB群を多く含み、スタミナアップや殺菌作用に優れたパワー食材です。しかし、刺激成分が胃の粘膜に作用するので、胃の弱い人は胃炎の原因になることもあります。また、のぼせやすいタイプの人は、食べ過ぎると口内炎や貧血を起こしやすくなります。

ショウガも、体をポカポカと温めて冷え性の改善や消化吸収を高める効果がありますが、体温の高い人が過剰に取ると、のぼせや高血圧などの原因になります。

私たちの食べる毎日の食事が「薬膳」です。すべての食べ物には薬効があり、それをバランスよくいただくことが薬膳です。体によい食べ物を探し求めるのもよいことではありますが、一度立ち止まって自分の体質にあったものか、自分の体が必要とするものなのか、考えてみることが大切なのです。

参考文献 老けない人は歯がちがう 宮田隆著 草思社

2007年12月16日 (日)

和の薬膳1

本日は、宮田隆先生の「老けない人は歯がちがう」からお届けいたします。

健康食材は足下にある

私の医院では、希望する患者さんに「薬膳指導」を行っています。担当するのは、学校給食施設や保険センターで働く管理栄養士のチームです。

栄養学を専門的に修めているだけでなく、中国医学も学んでおり、薬膳アドバイザーの資格ももっています。

薬膳というと、漢方の知識や特別な食材や調理を必要とするイメージがあります。しかし、私たちの考える薬膳は、食べ物の属性や体質・体調の見極めについては中国の思想にもとずいていますが、使う食材は、日本に多く出回る食材が中心です。

日本人には、長年にわたってからだに慣れ親しませてきた、日本の食材が一番体質に合うと考えるからです。私たちが実践するのは、いわば「和の食膳」です。

昆布、山芋、そら豆、鰹、鰯、餅米、そば-和の食膳の登場する食材は、日本人ならば一度は口にしたことのあるもの。おいしい食べ方も、旬も良く知っている身近な食材ばかりです。

郷土料理という言葉がありますが、その土地にある食材をその土地ならではの方法で調理したものが、一番おいしく感じられ、新鮮で体にいいものです。

私たちは、大きな自然の流れの中にいます。夏に収穫されるきゅうりやナスといった食べ物は水分をたっぷり含み、ほてった体を冷やしてくれます。冬にとれる菜根類は、水分が少なく養分がぎゅっと凝縮し、体を温めます。人間は自然の一部ですから、自然によりそって暮らすことが、体が一番喜ぶのです。

人間が生きていくための環境は、「衣食住」がベースになります。

日本は四季があり、季節の移り変わりがはっきりしています。そのため、私たちは季節の移り変わりごとに衣替えをしたり、住居の敷物や冷暖房を切り替えたりと、自然に合わせて生活しているはずです。

ところが、食についてはどうでしょうか。一年中、夏野菜のキュウリをかじっていたり、南国のフルーツを食べていたりするのが、当たり前の時代になってしまいました。自然と調和しないバランスを欠いた食事は体のリズムを崩し、健康を損ねることに繋がって行きます。食は季節とともにあり、季節ごとに変わっていくのが、本来の自然な生活なのです。

もちろん、たまには異国の料理や自分の好きな食べ物を楽しむのもよいでしょう。ただし、毎日の食生活の基本となるのは、やはり和の旬食材。あくま和食を中心とした食事で体を整えていくことが大事です。

好きなものは控えめに、嫌いなものは多めに

薬膳指導では、栄養士が患者さん本人の自覚症状や病歴などを聞きながら、現在の体調や体質を見立てていきます。そこで興味深いのは、食べ物の好き嫌いと体質の傾向が比較的、一致することが多いのです。

たとえば、貧血気味の人はレバーやかきといった血液を豊かにする食べ物が苦手であり、体を温めて興奮させる作用のある鶏肉を高血圧の患者さんが好んでいたりします。

誰しも好きなものは、自然と食べる機会が多くなり、ついつい多めに食べてしまいます。一方、嫌いなものは、食べる機会も量も減らしがちになります。

一日に食べられる食事の量は限られていますから、何かが増えれば、そのぶんなにかが足りなくなります。そのバランスの崩れが、知らず知らずのうちに、体に影響を与えていることがあるのです。

食べ物に好き嫌いがある、好きなものばかり食べているという人には、「好きなものを控えめにして、苦手と思っているものを食べるようにしてください」とアドバイスしています。

どうしても苦手、ということであれば、同じ属性で効果が近い食材をとるように勧めます。

薬膳の発想には、これを食べていれば安心という食べ物はありませんし、絶対に食べてはいけないというものもありません。大切なのは、まんべんなくいろいろな食べ物をとってバランスを取ること、さらに体質や体調に合わせて量や種類を調整出来れば、偏りのない中庸をいく体、つまり健康な体を作ることが出来ます。

明日へつづきます。

参考文献 老けない人は歯がちがう 宮田隆著 草思社

2007年12月15日 (土)

ZZZZZZZ・・・・・・

002 Z Z Z Z Z ・・・・・・・despair

2007年12月14日 (金)

ここが一番おちつくの

ここが一番落ち着くのね001

2007年12月13日 (木)

美人の条件3

昨日の続きです。

顔を構成する個々の要素のうち、特に我々に関係があるのは、目、歯、唇です。明眸皓歯(めいぼうこうし)といい、澄んだ瞳、白く美しい歯で、美人の形容に使われています。また、歯と唇とは密接な関係があることから、中国に「脣歯(しんし)」という言葉があるくらいです。これは、中国の「左伝」にある「諺所 謂、輔車相依、唇亡歯寒」から由来しています。

本来、「くちびる」という文字には「脣」が使われていました。現在は、「唇」の字が使われています。脣の「辰」は、貝殻が開いて弾力性のある舌(吸水管)が出てふるえる様を表しています。「脣」は「肉付き+音付辰」の会意兼形声文で、柔らかく、ふるえるくちびるという意味なのです。

「唇」は、もともとふるえることで、本来「脣」とは別字でしたが、後に混用され今日にいたっています。

顔の中で最も自由に動く、口唇の動的表現による美的効果は絶大で、その変化複雑です。

乳幼児の唇が小さく、可愛いのは、顎が未だ発育途上で、噛むという動作がなく、哺乳が主で積極的に噛む運動がないので「おちょぼ口」と言われるような形なのです。授乳期間に終始母乳(ほ乳瓶から吸う)で育った幼児とでは上唇の形が違います。

母乳栄養の幼児は上下唇の口角部は一致していますが、人工栄養で育った幼児は上唇の横幅が短く、両端は口角の手前で止まっています。それが増齢的に噛む運動が積極的になるにしたがって、唇は横に幅を広げ、厚さを増して行きます。そして、色も「紅き唇」(茜色)から暗紅色になり、唇の輪郭の稜が鋭くなってきますが、個人的に一様ではありません。唇の格好は人種によって違います。西洋人は薄く、日本人は比較的厚く、黒人は厚く大きいのです。また、性別、年齢によっても違います。

最近、口唇が大きく、薄く、笑うと奥歯まで見える女性がいます。これは下顎骨の発育が悪く細いためで、唇と下顎骨のバランスの視覚的錯覚によってそのように見えるだけです。計測すると意外と両瞳間隔と口角幅はほぼ等しく、外観上、下顎骨の発育が悪いので口唇が目立った結果であるようです。

また、形の良い唇を持ちながら、なんとなく締まりが悪い女性を見かけます。マリリンモンローがうっとりしたときにやる演技の中で唇を少し開いたポーズの事です。一見セクシーですが、普段からこのような状態、悪く言えば口の締まりが悪い人は、顎とその周囲の筋肉の弱さによるといえるでしょう。

また、口角部には口角挙筋と口角下制筋があって、笑ったとき口角挙筋が働いて口角を挙げると明るい笑顔になります。これも良く噛んで口の周りのニ筋肉(口輪筋、口角挙筋や口角下制筋)を訓練することによって、自然に行うことが出来るようになります。

お化粧に念を入れる前に、美人の大切な条件である「しまり」のある口もとについて考えて見ませんか。それには常に良く噛む習慣を付けて筋肉に張りを持たせるようにすることと、精神的に自分の顔に自信を持つことです。

さて、鏡に向かって唇をただ正面から澄まして、閉じた形だけで念入りに化粧をしても無駄です。その前に、自分の唇の斜めや横や真横からの形を見極める必要があります。大切なのは、唇は、話す、笑うなどの動作によって、たちまち変化する動的な存在であることを忘れてはいけません。

談笑ですぐ不自然に崩れて見えるような、静的化粧を施したのでは問題になりません。

唇の形を基礎的に決定するには、前歯の生えている上下顎骨(歯槽突起)の構成の形と前歯列のそろい方です。したがって、入念に化粧しても徒労に帰する場合が多いのです。

唇を美しく見せるには、歯牙の萌出時期から注意して、さらによく噛む習慣をつけることで、顎の順調な発育を促す必要があります。

歯列不正による口吻突出(出っ歯)は、日本人に非常に多いようです。何も口吻の突出の程度が、直接、頭脳や知性の優劣を示すものではありませんが、鼻と違い突出しない方が優美に見えます。このような口吻突出(出っ歯)を江戸時代から今日まで陰語で「山桜」と言っていました。なぜならば、山桜は花(鼻)より葉(歯)が先に出るからです。

西田正秋氏は『犬歯(八重歯)が出ていて可愛いなどていいながら、ルージュの塗り方を工夫しているような不合理さをもっているようでは、到底、真の美女にはなれませんし、知能指数を疑われてもしかたがありません。土台の如何も考えず、ただただ「化粧の嘘飾」というような一面的考え方は改めたほうがよい』と述べています。

さらに八重歯は、海外ではドラキュラを想像させるので、忌避されます。いずれにせよ、口唇は審美の面からも、愛情の面からも重要な要素であります。

参考文献 噛む 歯は命 長谷川正康著 求龍堂

2007年12月12日 (水)

美人の条件2

昨日の続きです。

日本にも、美人の色香に迷い、城や国を滅ぼす意味の「傾城(けいせい)」という言葉があります。これはもともと中国の「漢書外威傳(がいいでん)」にある「北方有佳人、絶世面獨立、一顧傾城人國」の傾城を合わせた言葉です。

この言葉は、わが国では主に京都島原の太夫や江戸新吉原の花魁など絶世の美人を指して言ったのです。

これと同時に、美人の誘惑を戒めた言葉でもあります。

さて、鼻には動的機能はほとんどありませんが、顔の中心に立体的に存在していますので、正面からは、その個性的形態を充分に観察しにくいものです。その証拠に、写真や絵画、特に日本の浮世絵は見あたりません。したがって、美女の第三条件は、個々の顔の構成要素が一つ一つ良くなければならないということになります。これが顔つきというもので、自分の人生の歴史の中で作られるものです。

以上の条件に合わないからといって悲観することはありません。最近の女性美として、オカルト美女というものが東京の赤坂、六本木あたりでもてはやされたといいます。通称、オカルトOccultとは超自然的な現象や作用(原義は神秘的な)という意味の英語です。

わが国では、超能力とか呪術というニュアンスで用いられています。言葉の意味からすれば、当然、神秘的な絶世の美女の事と思いますが、実は顔を構成する瞼、鼻、口など部分的にその形態を見ますと、決して良い型とは思われない、むしろブスの中に入るとしか思えないのに、全体的には何となく、それなりに見られる顔で、しかも、その雰囲気のなかには、なにやら怪しい色気さえも漂う。。。。。。。そんな女性をいうのです。

諸姉の中に、顔について劣等感を持っておられる方、心配はいりません。ファッション(流行)は度々繰り返されるものですから、その流行の波に乗れないからといって悲観する必要はありません。いつの日か、あなたの顔が美人の代表となることもあるからです。うわべの流行に惑わされず、心の美を求めれば、美人でなくとも「美しい女性」になることが出来るでしょう。ただし、顔の表情は噛む習慣によって培われることを忘れてはいけません。

明日へ続きます。

参考文献 噛む 歯は命 長谷川正康著 求龍堂

2007年12月11日 (火)

美人の条件1

本日は 、何日間に渡り、長谷川正康先生の「歯は命」より美人の条件をお届けいたします。

国語辞典を引きますと、人相とは「人のみめ」(見目、眉目)で、顔かたち、特に女性の顔立ち、器量(きりょう)とります。「きりょうよし」の意味は顔かたちが美しいこと、美貌のことです。

また、美人とは、①顔や姿の美しい女、②美しいこと、③才徳の優れた女性と書かれております。私は、美人とは主として①②を具備した女性であると思っています。この範囲の女性は数多くいます。

しかし、③を同時に持っている女性は意外に少ないようです。私は、三つの条件を備えている女性を「美しいひと」と表現しています。

美人(きれいな人)と美しい人は違うと思っています。

美人というのは、顔の美醜のみに限定されるものではなく、髪型、顔の形態、体型、服装、才徳などのバランスを総合して決まるようで、ミス・ユミバース、ミス・ワールドの審査選考の様子をみますとよくわかります。

最近は、わが国にも足の長い、すらりとした、いわゆる、股下75センチ以上の格好の良い若い女性が少なくなりました。おそらく、生活様式の変化で座敷に坐る習慣が少なくなったことと、食生活が洋式になった結果ではないかと思われます。

昔、伊藤絹子がミスユミバース第三位に入賞したとき、世界で宣伝されていたのは八頭身という言葉でした。彼女は実際は七頭身半くらいだと思われます。

ちょうど、その頃のアメリカ映画会社の採用標準は、百点満点で才能は五十%、残りの五十%は髪六点、眼十点、口唇九点、歯二点、バスト四点、ウェスト二点、ヒップ五点、手五点、足七点。すなわち首から上二十七点、手足十二点、BHW十一点で、これからすれば口唇と歯が十一点で、全体の十一%、五十点の率からすれば二十二点で、口歯がいかに擬人の魅力的要素として常識化されているかを物語っています。

人の美醜は、人種や国柄でその標準が違うもので、といって、その標準に一定の規定があるかというとそれはなく、また、それぞれの人種、お国柄で特に規定、基準が違うようです。彼らの好みや美意識は、その時代、時代の流行で決まるようです。

東洋人が観る西洋美人、西洋人が観る東洋美人は、多少なりとも自分の種族の美人の要素をもつものを選ぶ傾向があります。これは、おそらく親近感によるものと思われます。また、同時にまったくそれらに関係なく、別の範囲のい人を選ぶ傾向にあります。「なるほどザ・ワールド」というテレビ番組(今から20年以上前に放送していた番組です)の外国人の好みの日本人の男女芸能人を選ばせるクイズを観ても分かることでしょう。

一般に美醜の判断は顔が中心で、顔は人々に最も敏感に美醜の感じを与えるところです。

美人に対して、醜女(しこめ)に属する人をわが国では一般に「ブス」といいますが、なぜ不美人といわないで「ブス」というのでしょう。

夏になると紫色の美しい花を咲かせるトリカブトという植物があります。この根にはアルカロイドが含まれています。昔、狩人達は、この根を砕いて、その液を矢に付けて大きな動物を狩りました。このトリカブトを漢方薬(生薬)では「附子(ぶし)」といって、強心剤、強精剤に用いていました。人がこれを多量に飲んだり、傷口から入ったりすると、顔面蒼白、呼吸中枢に麻痺を起こし、同時に感情や思考力が停止し、無表情となります。この状態を「ブシ」による顔、訛って「ブス」というようになりました。

したがって、顔に動きのない、感情のない能面のような顔をブスと表現するようになりりました。

顔を構成する要素を見ると、まず、その土台となる頭骨、上下顎骨の表面(顔という敷地)に、額、眉(毛)、目尻、目(目とは主として眼球のみを表現し、瞳のこと示します)、鼻、頬、口唇(口唇と歯)、オトガイ、そして耳が造作として配置されています。これを顔立ち・生まれつきの顔といいます。

これらの顔の構成要素の各々には、それぞれ大小、細太、長短、厚薄などの違いはありますが、顔に対して、それぞれの配置が解剖学的平均的基準に合っているか否かによって、ある程度、美醜が決まるといわれています。

この配置バランスの良いのが美人の第一条件でしょう。

しかし、顔を構成する多くの要素の中で、眉(毛)、頬もそうですが、特に目と口は直接動的な機能をもって変化するので、外形の美醜に影響すること甚だしいのです。「目は口ほどに物を言い」また「目元千両口元万両」という諺(ことわざ)でも分かるとおりで、すばらしい顔の動き(動的機能)を持つのも美人の第二の条件でしょう。

動きのない顔があったら、これこそ「ブス」といっていい顔というものでしょう。噛む習慣をつけて、顔に動きのある明るい表情を作るようにしたいものです。

鼻や耳は静的存在なので、美醜に直接関係がないのでしょうか。

日本では昔から「目鼻立ち」と言われたくらい注目された部分です。鼻は、目、口と違い、耳元に立体的な存在で、鼻筋が通って高いのを良しとしています。したがって、鼻ぺちゃはブスに属することになります。

クレオパトラは、美人の条件の総てを備えた絶世の美女であったといいます。これに迷ったローマのアントニウスは、彼女にそそのかせれてローマに矢を引き、エジプトと共に滅亡してしまいました。世の多くの歴史家は「もし、クレオパトラの鼻が低かったら、歴史は変わったであろう」といいます。彼女の鼻は、国を滅ぼすほど格好がよかったのでしょう。

明日へ続きます。

参考文献 噛む 歯は命 長谷川正康著 求龍堂

2007年12月10日 (月)

歯科医院のここが苦手2

昨日に引き続き、ALL ABOUTのwebサイトからの情報です。本日は 、5位からスタートです。

第5位・・・大きく口を開けなければならないこと

これは・・・・・coldsweats02 歯科の治療は口の中ですから、やはり口の中はしっかり見せていただけかないと。でも首の筋肉の特性をしっかりあまたに入れながら角度を調節してあげると、自然に大きな口を開くことが出来ます。慣れが必要ですが。私は最近口の中を照らすライトを強化しました。そのため少しの開口でも口の中が良く見えるようになりました。歯医者もそれなりに努力しているのです。

第4位・・・料金がわかりずらいこと

健康保険では、歯の部位、大きさ、使う材料等により金額が細かく決められています。歯科医師もすぐに値段が思い浮かばないと思います。他の歯科医院と値段が違うとか値段がバラバラと苦情が来ますが、そいう理由があるのです。でも、訪ねてくれればお教えしますのでいってくださいね。

第3位・・・待ち時間

私の歯科医院は非常に反省しなければいけないことです。今後の反省材料です

第2位・・・何度も通わされること

歯の治療は非常に複雑です。歯は硬い硬組織で歯肉は軟組織、またその歯の上に金属やプラスチック材料を重ねていかなければいけません。そのため、治療時間に即効性が少ないのだろうと思います。しかし、長引く治療はだいたい症状が重いものです。早めの受診が少ない治療期間に結びつくと思います。

第1位・・・診療室から聞こえてくる機械音

「キュイ~ン」って奴ですthunderこれは、タービンという機械の音なのですが、空気(エアー)を勢いよく送り込むときの音です。最近は、タービンではなく、エンジンでもタービンと同等の性質が出るようになりました。そのため、この音が出ない診療室もあるはずです。ちなみに私の深慮室はキュ~ンはしません。

今回のこのアンケートは、一歯科医師としてとても参考になりました。またこんなアンケートがあったら、お伝えしたいと思います。

2007年12月 9日 (日)

歯科医院のここが苦手1

ALL  ABOUT(オールアバウト)というwebサイトに歯科のページがあるのですが、そこに「歯科医院のここが苦手」という特集が組んでありました。

とても参考になりましたcoldsweats01sweat01

皆さんは、「そうそう、そうなのよね~」って感じで読んでみてください。

第10位・・・費用の高い治療を営業されること。

これも、歯科医にとって頭の痛い話。日本の社会保険システムが世界の歯科医療に追いつけない為に、最先端の治療が保険適用にならないという事だと思います。やはり、よりよい歯を入れて貰いたいということでしょうか。

やはり、良いと思っている治療を勧めてしまうのでしょうか・・・・・・・・。

第9位・・・診療室から聞こえてくる子供達の泣き声

これは、歯医者にとっても辛いところ。最近の歯科治療というのは、子供にとっても痛みがなくなってきているのです。でも、恐怖心で泣いてしまうのですよね。慣れているお子さんはそうではないのですが、はじめてのお子さんは、連鎖反応で泣いてしまいのです。歯医者もたぶん、心を痛めているはずです。ごめんね、お子さま。

第8位・・・麻酔注射の後、口がうまく開かない/閉じられない

第9位でもいいましたが、最近の歯科治療はほとんど痛みがなくなっています。それは言い換えれば、麻酔の技術が向上しているという証拠。こればっかりは、ごめんなさいだね。(謝ってばかりrain

第7位・・・室内のにおい

これは、歯科関係者は全く気が付かないと思います。私の嫁の実家は醤油屋さんなのですが、はじめていったときはとても醤油くさかったのですが、嫁に聞いてみると、まったく醤油臭さを感じないようです。私も歯科医院の室内のにおいが全く分かりません。たぶん慣れでしょうね。

第6位・・・バキューム(つば取り機)

お子さんに多いのですが、歯を削るのは何でもないのに、バキュームで大泣きするというお子さんが多いです。でもバキューム好きで、勝手にバキュームをつかん色々な所を掃除機の様に吸うのは勘弁して欲しいなあ・・・。

明日は5位から1位までです。

2007年12月 8日 (土)

またまた新しい技工士さん

先日の土曜日に、新しい技工士さんが見学にきました。

え、今の技工士さんも新しいだろって?

そうなんです。少し1人の技工士さんで診療所の仕事を廻すのが非常にしんどくなってきたのです。

そこで、以前から応援の時にはよろしくお願いしますと頼んでいた技工士さんに見学に来て貰ったのです。

その技工士さんは、女性なのですが、現在は大きな技工所に努めていらっしゃいますが、年内で退職され、来年から来てくれることになっています。

うれしい限りです。

2007年12月 7日 (金)

疲れは腸にやってくる

最近、自分で、自分の体の事を考えるとき、つい何年か前と比較してしまうときがあります。

昔は、疲れが出ると、必ず筋肉痛やだるさが体に出たものですが、最近は決まって「腸」。

勉強会などで、遠出した時や深夜残業が続いた時などは、必ず胃や腸が重くなり、辛くなります。

先日の勉強会から帰ったときは、胃の辺りが痙攣の様な症状になってしまい、3日連続で吐いてしまった程です。

こんな時、もう外食だけの生活は出来ないと感じます。

そんなときは、家庭の料理をゆっくり食べ続けると、自然と回復するのです。

自分はまだ若いと思っているのですが、体は確実に過労しているんですね。

換えが効かない商売ですから、出来るだけ仕事が終わったら出歩かないように、仕事と家庭に集中しようと思います。

2007年12月 6日 (木)

インプラントアドバンスコース

先週末の土曜日、仕事が終わってから東京へ向かいました。次の日の勉強会へ出席する為です。

今回の勉強会は、インプラントのアドバンスコース。

私が常に使っているインプラントメーカー主催のものではなかったのですが、「どのインプラントメーカーの方でも受講することが出来ます。」というので、参加しました。

この講義は、サージェリーコースと上部構造(歯を作る)コースがあり、私はサージェリーコース(外科的手技)のコースに参加して来ました。

前日の夜は、ホテルに止まったのですが、相変わらず低予算なため、非常に狭いcoldsweats01

しかも、なぜか暖房のスイッチが壊れていて、常夏の様に暑いwobblysweat01。いくらスイッチを切っても暑い。

外はとても寒いのに、ホテルの一室はとても暑くて、ほとんど熟睡することが出来ない有様でした。

朝は、豆乳と野菜ジュース、サンドイッチをコンビニで買い求め、そそくさと会場入りしました。

今回の講師は、私の先輩で、個人的にも良く知っている先生。非常に真面目で、とても期待が持てます。

講義の内容は、非常に満足のいくものでした。

インプラントというものは、ただ骨にインプラントを打ち込むだけなら、誰にだって出来ます。ただ順番通りに削ってゆけば良いのですから。

しかし、体の健康状態、骨の状態等を考慮に入れて、基本的な解剖学を頭に叩きこみ、突発的な事故にも十分備えながら手術を行って行かなければいけません。

今回のこのアドバンスコースは、そんな誰も教えてくれないような基本的だけれども大事なことをしっかりと教えてくれました。

講義の後半は、豚の顎骨を使った実習でした。丁寧にしっかり教えてくれたので、どんどん実習が進み、本当に時間が足りませんでした。Photo

コースの方々も、先生も実習をこのまま続けて構わないといってくれたのですが、帰りの新幹線の事を考えると、切り上げるしかありませんでした。

本当に後ろ髪を引かれる思い。

最後に、自分の悩んでいる患者さんの模型とCT画像をもって、質問してきました。

ここでは書けませんが、非常に有意義なアドバイスをいただきました。

こんな良い勉強会の出会えてほんとに幸せでした。

帰りに、強力にインプラントのメーカーを弊社に変えませんかという誘いには参ったけど。

2007年12月 5日 (水)

連夜の咬合研究

私の父はその昔、目覚まし時計を使うことなく、一生を終えました。つまり、寝起きがとてもよく、そのため、大学の研究室では、早朝の動物実験で使う動物の餌当番だったという逸話が残っています。

私もその血を引き継いでいるようです。朝の目覚めがとても良いのです。開業してからほとんど目覚ましなしの生活を続けています。

ところが、先日の事です。

朝 、なんか騒がしいと思って時計を見ると、8時30分!!

あと10分で朝の朝礼をしなければいけない時間です。いつもは7時代に起きるのに。

ほんとに焦りました。準備もそこそこに診療室へと向かいました。

実は、最近毎晩、技工士の黒澤さんといろいろ研究というか、開発というか、とにかく夜遅くまでミーティングをしているのです。

議題は、「患者さんの口腔内の状況をそっくり技工室にて再現するには」というものです。

歯の診療は、いくら私がうまく歯を治しても、それに被せる偽歯をしっかり作らないと、何の意味もありません。逆に、私の治療が下手でも、技工がうまけりゃ、少しごまかせる(coldsweats01)という事です。

そのために、どうやったら患者さんの口腔内環境をそっくり技工室の中(咬合器)に移植するかということを考えているのです。

いままで、そういう技術がないわけではありません。しかし、とても煩雑ですべての患者さんに提供出来るわけではありません。001

今回、我々が開発しているのは、簡単で、しかも手早く行うためにはどうしたら良いのだろうということに着目していうのです。

最初の日は、いつもやっている様に、煩雑なやり方で、やってみました。しかし、歯医者や技工士でも煩雑な作業を患者さんが指示に従って行えるとはとうてい思えません。

しかも、我々が行っても、煩雑で難しい為に、正確なデータを取ることが出来ませんでした。

2日目は、前日行ったデータを元に、少し改良して見ることにしました。前日に比べかなりスピードアップしました。しかし、これを日常の診療で用いるには少し大変です。002

私と技工士さんが求めているのは、正確で、早い操作、簡単であるということです。

2日間行ってみて、二人の間でかなりの情報が集まりました。次の日はもっと簡略化して、作業時間の短縮をねらって、装置をつくることになりました。

3日には、かなりの部分を簡略化出来て、しかも、精度もかなりあがりました。これなら、患者さんも楽ですが、我々もかなり楽に操作出来ます。003

何人かの患者さんにすぐにでも使わなければいけないので、早く最終的なものに仕上げなくてはと思っています。

頑張ります。

2007年12月 4日 (火)

咬合関連症候群5

昨日の続きです。難しい話が連日続きますが、本日が最後ですcoldsweats01

聴力はかみ合わせセンサー

いままでは耳鼻科の聴力測定法について述べましたが、これからは歯科での聴力の測定、聴力の変化からみた「かみ合わせ」の状況に変化について述べることになります。

臨床においてさまざまな症例や統計分析から聴力は顎の運動に対応して、即時、変化するということが分かったのです。

つまり、聴力はかみ合わせのセンサーということは、かみ合わせの機能の良否を数値的な判断によって行えるものが聴力であるという考え方です。

良い「かみ合わせ」は、良い「聴力」値となり、悪い「かみ合わせ」は、悪い「聴力」となります。

そのことから、歯科治療より「かみ合わせ」を改善し、悪いかみ合わせをよいバランスのかみ合わせに改善させ、さらに、かみ合わせの訓練が必要になるのです。それにより、良い聴力値になり、よい口腔環境になり、加えてからだ全体の健康に結びついていくことになります。

かみ合わせ訓練前後の聴力の変化では、奥で噛む傾向のある人は、噛んでいない部分で噛む練習を重ねることによって、聴力の左右の均等化が起こります。

聴力をセンサーとしたかみ合わせで、聴力を測定する歯科専門のかみ合わせバランス測定器「咬聴計」が開発されました。また、その他のかみ合わせを視覚的に判定するものとしてオクルーザーという機器があります。

それは上下顎の物理的なかみ合わせの接触状態を計測する測定器で、「咬聴計」による聴力改善時のデータと比較することで、さらにかみ合わせバランスの状況が改善していることを客観的に確認することができます。

つまり、聴力改善時のオクルーザルのデータは左右バランスおよび前後バランスの中心点が一致することが多いことがわかりました。

聴力のデータとオクルーザルのデータを加えることで、このあたりのバランスの良否の判定を科学的に計測することが可能となりました。

いままでの研究や臨床経験から、聴力は「かみ合わせ」部位に対応していることがわかりました。

125ヘルツから250ヘルツの低周波あたりは「大臼歯部」に対応し、500、1000,2000ヘルツあたりは「小臼歯部」に対応しています。

また、4000ヘルツから8000ヘルツ辺りは、「前歯部」に対応しています。ですから歯科用「咬聴計」の場合、周波数で分けられていた数値が対応部位大臼歯部、小臼歯部、前歯部と3つの領域に区別され、確認することが出来ます。

それで、咀嚼運動を行うことによって、聴力低下部位の向上による左右差の減少がおきます。つまり、左右差がなくなり、均等化してくるというわけです。

具体的には、低い周波数から高い周波数までの聴力の水平化をイコライジング効果といいます。測定では、聴力は普通に聞こえれば良いのです。聞こえないのも良くないし、聞こえすぎるというのも、異常値になります。ですから、マイナス10デシベルから30デシベルくらいの値が正常値になります。

つまり、聴力を見ることによって、かみ合わせ状況がよいか、悪いかということが分かり、歯科治療による「かみ合わせ」に回復と咀嚼指導がいかに必要かということが分かるのです。

かみぐせにならないために

ここで「かみぐせ」の発生はどのような時に起きるかということについて述べたいと思います。

  1. 歯の萌出期間(乳歯から永久歯の交換期)にまず起きます。
  2. 食べ物の好み(奥歯で食品を噛む食品を好むか、前歯で噛む食べ物を好むか)
  3. 右利きか左利きか(右利きの場合、右手でお箸を持ち、最初に食べ物が届くところは左の奥歯で、その奥歯で噛むことが通常多く、日本人の特徴になります。これは私見ですが、聴力を採りますと、左側の低周波帯の聴力が低下している人が多く見られ、日本人など、箸を使って食べることが多い人々に多い事が挙げられます。また、フォーク、ナイフを使用の場合は、左手でフォークを持ちますので、最初に噛むのは通常右の奥歯になります。しかし、右手でフォークを持つというケースもありますので、フォーク、ナイフ、の方が左右差のバランスが良いように思います。また、ハンバーガーなど西洋料理は前の歯で噛む料理もありますのでバランス良く食べる食事がおおいのではないかと思います。
  4. 歯科疾患(歯が抜けている、および痛みがある場合)
  5. かみ合わせ状態(正常か不正咬合か)
  6. 生活状況(緊張した生活をしていて、食いしばりが発生するかによって、かみ合わせが変わります)
  7. スポーツなどの関係(力を入れる場合、噛む箇所が普段と異なります。瞬発力を感じる箇所が普段とことなります。その箇所で食いしばることで噛みぐせが発生することがあります。

今回、5日間に渡り、長坂先生の著書からの引用を用いましたが、これには理由があります。

最近、私の患者さんで、かみ合わせの治療を続けていた所、聴力が上がり、耳鼻科の治療が非常にうまくいく患者さんが続出しているのです。

解剖学的な理由と自分自身勉強したいという気持ちが強く合ったために、今回かみ合わせと聴力の関係を詳しくブログに書いた次第です。

私自身、自分の治療にさらに強い確信がもてましたし、今後も患者さん力になれるのではと思いました。

参考文献 アンチエイジング かみ合わせ力 長坂 斉著 アートダイジェスト

2007年12月 3日 (月)

咬合関連症候群4

昨日の続きです。

聴力の判定法

耳鼻科による聴力の判定法の仕方は、気導・骨導聴力オージオメータといい、ヘッドホーンを耳に当て、診査音(鈍音)という音を患者さんに聞いてもらいます。その音を患者さんが聞こえた場合は、スイッチを押し、その状態を記録紙に取ります。

左右の耳で診査音を聞いてもらう気道聴力とは、診査音がして耳の中に空気振動で音が伝わり、鼓膜を刺激して、蝸牛内の細胞を振動させます。その音を増幅して脳神経を通じて大脳聴覚野で感じるのが音への認識の仕方です。

そのことによって鼓膜領域まで疾患がないか、どうかということを外部から入る音の量で調べるわけです。

また、骨伝導というのは、骨伝導携帯電話というのが知られていますが、骨に当てることによって耳で聞かなくても、鼓膜を振動させずに感じるという、直接内耳の聴覚の所まで振動を与えているのです。

骨伝導が聞こえないというのは、聴覚器そのものに疾患があるということになります。

耳鼻科の聴力検査には通常2種類のオージーメータを用い、伝導性難聴または感音性難聴の疾患部位を特定することにより、耳鼻科による耳疾患の処置および手術を行うために使用されます。

例えば、耳の中に耳あかなどが詰まっていると気道聴力が伝わりにくくなり、そのために、聞こえにくいというのは疾患名としては、伝導性難聴ということになります。また、逆に鼓膜に至るまでに何らかの疾患がなくて、聞こえないというのは、蝸牛そのものに問題があると言うことになります。ですから、蝸牛から内耳、脳に至るまでの疾患があるかどうかの判定をするあめの方法としては骨伝導を用いて調べるという方法ということになります。

聴力測定の方法ですが、横軸に125,250,500,1000,2000,4000,8000ヘルツと周波数が並び、左から低い音で倍々と高い音になっていきます。125ヘルツ(低周波)は低い音、8000ヘルツは(高周波)は、高い音で、キーンという音になります。

横軸は、音量です。上に行くほど小さな音、下に行くほど大きな音になっています。10デシベル、20デシベル、30デシベルとレベルが変わります。この10デシベルの差は10×10で、20デシベルの差は10×10×10、そして30デシベルの差は10×10×10×10になります。

ですから100倍、1000倍、10000倍というように大きくなっていきます。この差というのは、大きな差になります。正常範囲は30デシベルより上で、マイナス10デシベルぐらいの辺りまでが正常範囲になります。20代の平均聴力レベルは0デシベルだと考えてください。

明日へ続きます。

参考文献 アンチエイジング かみ合わせ力 長坂 斉著 アートダイジェスト

2007年12月 2日 (日)

咬合関連症候群3

昨日の続きです。

本日も長坂先生の著書よりお伝えします。

咬合関連聴覚障害

かみ合わせ異常が原因で正常な咀嚼運動が出来なくなると、からだ全体にさまざまな症状が発生するのですが、なかでも聴力に関しては、その時どきのかみ合わせの状況により、即時に対応し変化していることが分かったのです。

かみ合わせバランスが良くなることにより、全身のさまざまな症状が減少し、聴力においてもその値が改善する、つまり、正常なかみ合わせ運動は、からだ全体のバランスを整える機能を有しているということになります。

ここで、「かみ合わせ」と「聴力」に関連する症状として、「咬合関連聴覚障害」があり、別の名を「顎関節症耳症状」ともいいますが、次のような症状を挙げることが出来ます。

  1. 咬合関連性聴力低下症。耳鼻科疾患が原因の真性難聴ではなく、耳鼻科にて原因不明とされている突発性、または老人性と呼ばれるもので、かみ合わせ治療をおこなうことで改善する場合、仮性の難聴と考えています。
  2. 咬合関連性めまい、立ちくらみがある。いわゆるメニエール症候群。
  3. 咬合関連による耳鳴り。耳鳴りは耳鼻科にて計測することが不可能とされ、原因においても不明とされているものですが、かみ合わせ改善にともなう一定の聴力の向上が見られたとき、耳鳴りの症状が消失することが分かりました。
  4. 咬合関連に関する耳痛

といったものがあります。

それでは、咬合関連症聴覚障害には何があるかということを考えてみます。

聴覚障害は、かみ合わせによって咀嚼関連筋の左右差から起こる脳血流の変化が起こり、また、それと同時に顎関節運動に関連した側頭骨部付近の咀嚼筋圧の変化によって起こると思われます。

脳血流の増加は、側頭骨内の血流の左右差が生じて来て、蝸牛内分のリンパ圧そのものの左右差が生じるためと思われます。そうした現象が聴力の違いとなって現れると思われます。

明日へ続きます。

参考文献 アンチエイジング かみ合わせ力 長坂 斉著 アートダイジェスト