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しろくま先生のブログ
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2007年12月16日 (日)

和の薬膳1

本日は、宮田隆先生の「老けない人は歯がちがう」からお届けいたします。

健康食材は足下にある

私の医院では、希望する患者さんに「薬膳指導」を行っています。担当するのは、学校給食施設や保険センターで働く管理栄養士のチームです。

栄養学を専門的に修めているだけでなく、中国医学も学んでおり、薬膳アドバイザーの資格ももっています。

薬膳というと、漢方の知識や特別な食材や調理を必要とするイメージがあります。しかし、私たちの考える薬膳は、食べ物の属性や体質・体調の見極めについては中国の思想にもとずいていますが、使う食材は、日本に多く出回る食材が中心です。

日本人には、長年にわたってからだに慣れ親しませてきた、日本の食材が一番体質に合うと考えるからです。私たちが実践するのは、いわば「和の食膳」です。

昆布、山芋、そら豆、鰹、鰯、餅米、そば-和の食膳の登場する食材は、日本人ならば一度は口にしたことのあるもの。おいしい食べ方も、旬も良く知っている身近な食材ばかりです。

郷土料理という言葉がありますが、その土地にある食材をその土地ならではの方法で調理したものが、一番おいしく感じられ、新鮮で体にいいものです。

私たちは、大きな自然の流れの中にいます。夏に収穫されるきゅうりやナスといった食べ物は水分をたっぷり含み、ほてった体を冷やしてくれます。冬にとれる菜根類は、水分が少なく養分がぎゅっと凝縮し、体を温めます。人間は自然の一部ですから、自然によりそって暮らすことが、体が一番喜ぶのです。

人間が生きていくための環境は、「衣食住」がベースになります。

日本は四季があり、季節の移り変わりがはっきりしています。そのため、私たちは季節の移り変わりごとに衣替えをしたり、住居の敷物や冷暖房を切り替えたりと、自然に合わせて生活しているはずです。

ところが、食についてはどうでしょうか。一年中、夏野菜のキュウリをかじっていたり、南国のフルーツを食べていたりするのが、当たり前の時代になってしまいました。自然と調和しないバランスを欠いた食事は体のリズムを崩し、健康を損ねることに繋がって行きます。食は季節とともにあり、季節ごとに変わっていくのが、本来の自然な生活なのです。

もちろん、たまには異国の料理や自分の好きな食べ物を楽しむのもよいでしょう。ただし、毎日の食生活の基本となるのは、やはり和の旬食材。あくま和食を中心とした食事で体を整えていくことが大事です。

好きなものは控えめに、嫌いなものは多めに

薬膳指導では、栄養士が患者さん本人の自覚症状や病歴などを聞きながら、現在の体調や体質を見立てていきます。そこで興味深いのは、食べ物の好き嫌いと体質の傾向が比較的、一致することが多いのです。

たとえば、貧血気味の人はレバーやかきといった血液を豊かにする食べ物が苦手であり、体を温めて興奮させる作用のある鶏肉を高血圧の患者さんが好んでいたりします。

誰しも好きなものは、自然と食べる機会が多くなり、ついつい多めに食べてしまいます。一方、嫌いなものは、食べる機会も量も減らしがちになります。

一日に食べられる食事の量は限られていますから、何かが増えれば、そのぶんなにかが足りなくなります。そのバランスの崩れが、知らず知らずのうちに、体に影響を与えていることがあるのです。

食べ物に好き嫌いがある、好きなものばかり食べているという人には、「好きなものを控えめにして、苦手と思っているものを食べるようにしてください」とアドバイスしています。

どうしても苦手、ということであれば、同じ属性で効果が近い食材をとるように勧めます。

薬膳の発想には、これを食べていれば安心という食べ物はありませんし、絶対に食べてはいけないというものもありません。大切なのは、まんべんなくいろいろな食べ物をとってバランスを取ること、さらに体質や体調に合わせて量や種類を調整出来れば、偏りのない中庸をいく体、つまり健康な体を作ることが出来ます。

明日へつづきます。

参考文献 老けない人は歯がちがう 宮田隆著 草思社

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