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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
毎日のケアについてのアドバイスを載せていきます。
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AED
当院では、心停止の救命措置に必要なAED(自動体外式除細動器)を設置しております。

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2017年3月24日 (金)

義歯作製の時

毎日の様に訪れる新しい患者さん。いわゆる『新患』と私達は親しみを込めて読んでいます。
最近特に多いのが「新しい入れ歯を作製して欲しい」という依頼がとても多いです。
ただ、入れ歯作製の患者さんの役半分が、今まで使用していた入れ歯を持参されない事が多いのです。
我々にとって今まで使ってきた、いわゆる「旧義歯」というものは宝の山なのです。
どのような入れ歯の形をしているから気に入らないのか、ちょっと調整すれば仕えるようになるのか、それとも、本当に新しく新製作しなければいけないのか。
入れ歯を作り直す前には、必ず歯や粘膜の事前準備が必要な場合がありますので、その予備治療の間に現在の入れ歯を調整して使って貰う事になります。
そのため、必ず義歯作製希望の新患の皆さん、今までの義歯を持参してください。
よろしくお願いします。

2017年1月27日 (金)

過保護治療

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娘の矯正を行ったら痛みが酷くて、しくしくと泣いていたというブログを書きました。 次の日に親ばかでブラケットからワイヤーを外してしまいました(汗)。 痛みの原因というのが、歯肉にワイヤーが当たって痛いということだったのです。 そこで、ネットで探しまくり、ワイヤーに装着する事が出来る極細の身体親和性の高いシリコンチューブを発見。 早速購入。 そこで娘のワイヤーに通して見ました。 これで、娘の矯正の痛みが減ったら、一般の患者さんにも応用しようっと。 結局、娘を人体実験にしてしまった。 まあ、結果オーライ。

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2017年1月24日 (火)

レーザー!

ついに念願のレーザーが当院に納入されました!!
現在も1台別の種類のレーザーがあり大活躍中なのですが、どうしてもレーザーの得意分野が違うので対応出来なかったのです。
今度購入したレーザーはEr:YAGレーザーと行って痛みが少なく手術に向いているのです。
手術が多い当院としてはまさに打ってつけ。
また、一部保険適応もしていて、一般の歯科にも活躍しそうです。
私の師匠でもあるいわきの渡辺先生からも早く導入しなさいと叱られていたのですが、かなりの高額機材なので二の足を踏んでいたのです。
しかし、ついに購入出来ました。かなり手術の成功率やメンテナンスの質の向上が計れるのかなと楽しみにしています。
写真は導入される際の業者の説明会の時のものです。

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2016年11月21日 (月)

GeePee福島(噛み合わせの勉強会)の3回目を開催しました。

今月の13日に当院にてGeePee福島の3回目の研修会を開催しました。
参加者は地元の技工士さん(当院の黒澤さん含む)3名と東京から1名の歯科医師と地元から私と高原先生の6人で受講しました。
講師は、世界的に有名な技工士さんでもある長谷川篤史先生といわきの西山先生。
長谷川先生は、TRPという歯科医師が設定した患者さんに適切な顎位を正確ににデータを咬合器へと移行して被せもの(補綴物)を作製する仕組み、術式を詳しく説明してくれました。

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特に、当院の技工士の黒澤さんには、分かるまで根気よく説明してくれ、いつもは寡黙な黒澤さんが声を張り上げ皆と議論している姿は、院長として嬉しく思いました。
午後には、高原先生と私の患者さんを西山先生のご指導の下、治療を行いました。

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とにかく、盛りだくさんの内容と、当院での開催ということも相俟って精神的、肉体的にくたくたになりました。まあ、それだけ充実していたということなんですけど。
終了後は、有志が集まっての反省会。

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前日も懇親会があったので、仲間達とじっくりと腰を据えて議論する事が出来ました。
企画して頂いたGeePee福島の西山会長、本家GeePeebrothersの青木先生、長谷川先生、参加者の皆様ありがとうございました。

2016年11月16日 (水)

一日矯正、セラミック矯正。

良く最近目にする歯科の広告で、「一日矯正」や「セラミック矯正」という言葉を目にします。
これは非常に危険な治療だと断言出来ます。
ここからは反省なのですが、現在の様に矯正治療をしていないとき、つまり歯並びや噛み合わせの重要性が分かっていない10何年か前は何例か施術した事がありました。
やはり、後半問題が起こってきて非常に勉強させられました。
なぜ危険な治療かというと、そもそも前歯の歯並びが悪い原因は、後方の臼歯群が前歯の方へ倒れてしまっているために起こるポステリアディスクレパンシーが原因と言われています。また上顎の歯並びが悪いと、それに引っ張られるように下顎の歯列も悪いです。下顎の歯列を治さず、上顎の歯列だけ治しても辻褄があいません。以下のような症状が出ます。
歯は上下の歯が噛んで機能(顎関節、咀嚼等々)を発揮しますので、見た目だけを強制的に形態を変えてしまうと、顎、咀嚼(食事)、噛み合わせ、会話、知覚過敏の多発、歯の痛みがじわじわと発言してきます。
元々、歯並びが悪いと言うことは、口腔内に出ている歯冠の部分だけが悪い方向に向いているのでは無くて、歯根も一緒に悪い方向を向いていると言うことになります。
この一日矯正やセラミック矯正という削って被せもので歯の方向を変えてしまうというのは歯根の向きを無視しているので、後々無理が出てきます。
凄くわかりにくい説明なのだけど、とにかく歯医者の私は身内の治療では絶対やらないし、ましてや自分の患者さんには絶対勧めません。

続きを読む "一日矯正、セラミック矯正。" »

2016年7月28日 (木)

例えばこんな風に考えてみれば(歯列不正の原因)

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最初のこの写真は娘のある日の本棚の写真です。 私の娘は嬉しい事にかなりの本好きで、小学校でも毎日の様に図書館で本を借りてくる程なのです。 学校では扱っていない本は、自宅で揃えているのでです。 もちろん、本棚には限りがありますので、余裕のある最初はどんどんと無造作に突っ込んで行けばいいのですが、そのうち写真にあるように本が入らなくなってくるのは明白の理ともいえます。 では、どうすれば限りの有る本棚に本を入れていくかを考えるようになって来ます。 やり方として幾つか挙げるとすれば、最初に本を何冊か本棚から外す(もしくは廃棄)。無理矢理押し込める。という二つがあると思います。 最初の本を何冊か本棚から外すというやり方は、問題の先送りなので近々また同じ問題に遭遇してしまいます。 無理矢理押し込むというやり方は、もう本棚の整理を放棄している事になります。本棚の空いているスペースに無理矢理押し込め始め、読みたい本を探すのも困難になってきますし、地震の際の倒壊へと繋がる可能性もあります。 ただ、本を増やさないとか、もう読まなくて良い本を寄付したり、古本屋さんへ売ってしまうというのも一つの手だと思います。 では、この写真の本棚を以下の写真の様に並べ直したらどうでしょう。すっきりと本棚に収まりました。

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これは、ただ単純に斜めになっている本を縦に起こしただけです(笑)。 同じ面積でも斜めを縦に直しただけでこのぐらいの数なら綺麗に収まってきます。 では、今回何を言いたいのかをいえば、歯並びの事です。 口を本棚に置き換えて見ると、歯列不正の起こっている原因は、娘の最初の本棚と一緒です。 後方の1本が斜めに生えてきてしまったため、それが次の歯を押し込め、前方へドミノ倒しの様に次から次へと倒れていく。これをポステリアーディスクレパンシーと言います。 もちろん、前方へ前方へと倒れて行きますから、スペースが足りなくなって歯列不正へと繋がってしまう。 本なら多少倒れても、取り出して読めますが、歯の場合は、それぞれの歯固有の働きがあります。 それぞれの歯がしっかりと立っていて、上下の歯がかみ合ってこそ効果があり、人間の健康へ寄与できるのです。 歯が前方へ傾斜した状態で、歯を何本か抜いて辻褄を合わせようとすると、歯それぞれの機能を発揮出来ないばかりか、咬合時痛や知覚過敏を発生し、歯が足りなくなるため、その歯を納めている歯槽骨(本棚)の歯列弓が小さくなってしまい、遠い将来入れ歯を入れたり、インプラントを入れたりする歳の大きな障害となってしまいます。元々大きな顎で、それ相当の動きを必要としていた顎機能が小さな動きしか出来なくなってしまい、顎関節症の引き金となる恐れも多いです。当院の患者さんで言えば、抜歯矯正をした患者さんが顎関節症や酷い知覚過敏、咬合時痛を起こして来院しています。 ただ、抜歯矯正を否定するつもりはありません(笑)。 矯正時間が短縮出来ますし、唇の形が患者さんの納得する形態に落ち着く事が多いから。 ただ、同じ抜歯をするのなら、最初に斜めになってしまう原因の親知らずだけ抜歯すればいいと思います(笑)。しかも歯列不正が始まる小さい子供のうちに。

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2011年2月16日 (水)

医科との共存を考える

先日の休日歯科診療にいった際に、待合室に置いてあった医科用の雑誌に医科と歯科の連携の記事が載っていました。

十分に時間があったので、メモってきた資料をここに書き出してみたいと思います。

◇全身の疾患と関連する口腔領域。歯科治療で改善する事例

これまでの医科・歯科連携というと、高齢者のQOL向上を目的にした口腔清掃や義歯の調整、さらには摂食・嚥下障害リハビリテーションなど、主に“食べる”という限られた機能に視点が置かれてきました。

もちろん、こうした連携は大切ですが、歯や顎は食べるという機能以外にも全身のさまざまな器官機能と関連しています。

内科

・糖尿病、IGA腎症、動脈硬化性疾患・・・・歯周病治療、歯性感染病巣治療 

・睡眠時無呼吸症候群・・・・スプリント療法、パタカラ療法、咬合治療

・偏頭痛・・・顎関節治療

・誤嚥性肺炎・・・・口腔ケア、咬合治療、欠損補綴治療

・肥満・・・咬合咀嚼効率改善治療

整形外科

・運動器有痛性疾患、運動障害(主に関節原性、まれに神経原性)

・・・・・・・・・・・・・咬合治療、顎位改善治療、欠損補綴治療(義歯など)

・関節性リウマチ・・・歯性感染病巣治療、咬合治療、顎関節治療

皮膚科

・アトピー性皮膚炎、難治性貨幣状湿疹、難治性汗疱症皮膚炎、難治性口角炎、等々

・・・・・・歯性感染病巣治療、歯科金属除去術、う蝕治療、咬合治療

リハビリテーション科

・脳卒中性運動器・感覚器の機能障害・・・・咬合治療、欠損歯補綴療法

・摂食・嚥下障害・・・咬合治療、歯科的装具機能補完治療、パタカラ療法

精神科

・認知症・・・欠損補綴治療(主に義歯治療)、咬合治療、パタカラ療法

耳鼻咽頭科

・ベル麻痺・・・パタカラ療法、咬合治療、欠損補綴治療、歯冠修復、歯科金属除去術

・難治性めまい、難聴・・・・・欠損補綴治療、歯冠修復、咬合治療、顎位改善療法

眼科

・視力低下例一部・・・・顎位改善療法、欠損補綴治療

こうして、医科との連携を考えるとまだまだ歯科が医科界の中で貢献できる範囲は広そうです。

今後は、我々歯科医師が声を大きく発して、医師の先生達に呼びかけても良いかもしれないですね。

参考文献 CLINIC BAMBOO 2009.AUG

2010年11月28日 (日)

入れ歯オーバーホール

最近、入れ歯が合わないという新患の患者さんが多い。

大概は、入れ歯が合わなくなってきたので、新しい入れ歯を作成したいという依頼が多いのです。

しかし、50%位は、現在使っている入れ歯を修理、もしくは調整すれば問題ない場合が多いです。

患者さんは、新しい入れ歯を作るものだと思って来院しているので、『調整だけで一度使ってみてください』と言われるとかなりびっくりする様子。

もし、入れ歯で不快症状が出た場合は、一度診せてくださいね。

2010年9月 1日 (水)

ガルバニー電流について

41sttqihiql__sl500_aa300__2 本日は、吉川涼一先生の著書『金属アレルギーと歯科治療』より、ガルバニー電流についてお届けいたします。

◇ガルバニー電流と電磁波の問題

金、銀、アマルガム(水銀合金)など、2種類以上の金属が口の中に存在していると、電解質となる唾液を通して、微量の電流が流れることがわかっています。

これは、いわゆる「ガルバニー電流」と呼ばれるものです。

話は1780年にさかのぼります。

イタリアの解剖学者・生理学者のアルバニー博士は、解剖して吊してあったカエルの足が、金属に触れてけいれんを起こすのを偶然発見し、からだの異なる金属が触れていると、直流電流が流れることを突き止めました。これを「ガルバニー電流」と呼ぶようになりました。

口の中も、2種類以上の金属によって、このような電気が普通に発生しています。

スプーンやフォークだけを口の中に入れていると、変な味がしたり、イヤな感じがしたことはありませんか。あるいは、銀紙やアルミホイルのような金属質のものを奥歯で噛んだときに、全身がゾクゾクッとした、という経験もよくあることでしょう。

これらは、歯科金属によって起こされる電気、ガルバニー電流のいたずらです。

口の中に発生する電流のことは以前から知られていましたが、歯科金属アレルギーの症例が報告されるようになった現在、この電流は問題視されています。

なぜなら、口の中にガルバニー電流が流れたときに、歯科金属からは大量の金属イオンが溶け出すからです。

溶け出した金属イオンは唾液に混じって体内に入っていき、歯科金属アレルギーの発症を促す、というわけです。

また、私たちのからだのはもともと電気的な信号を発生して機能していますが、それよりも大きな電流が口の中に流れると、正常な神経機能をじゃまする可能性があるということも指摘されています。

それが、さまざまな原因不明の症状を引き起こしているのではないか・・・・・だから、メタルフリーにしたときに、それらの症状があっさり消えていくことがあるのではないか、というわけです。

ガルバニー電流以外でも口に中の金属が起こしているのではないかという新しい疑惑があります。それは、歯科金属が電磁波を集める、ということです。

電磁波のからだへの影響の因果関係も、医学的に証明されたものではありませんが、電磁波の人体への悪影響は、世界でも多数の報告があります。口の中の金属が、電磁波を常に集めているというのは気持ちのいい話ではありません。

メタルフリーにすることの意義は、これらの不安な要素もなくすことが出来るというメリットにも繋がると思います。

参考文献 『金属アレルギーと歯科治療』 吉川涼一著 現代書林

2010年7月 7日 (水)

試行錯誤中

この1ヶ月の間に、自分の治療方法に疑問を抱くようになったのです。

今までは、慢心していたというか、とくに疑問にも思わなかったのですが、考えれば考えるほど泥沼の中に入っていく感じ。

そこで、一度、大学時代の教科書を持ち出し、自分が現在行っている治療の教科書を比べて読み直しています。

また、患者さんには、申し訳ないのですが、納得のいかない治療は、もう一度やり直させていただいております。もちろん無料で。

経験を積めば積むほど、謎が増えていく。苦悩する毎日。

2010年5月 8日 (土)

JHエンドシステムについて

昨年の夏に講習を受けてきた歯の根の治療法『JHエンドシステム』なのですが、非常に成績が良く、自分でも成績がよく驚いております。

このシステムになれるのに、約半年を要しました。

患者さんには、「抜歯の可能性も十分考えられます」と前置きをし、いざというときは抜歯もあるとの承諾をとった上で、治療を始めるのですが、ほとんどの歯牙が抜歯をせずに至っています。

これは、本当にすばらしことだと自画自賛です。

まだまだ、技術が不慣れで、向上途中にあるのですが、今年も是非同じ講習会に参加して、現在分からないところ、向上の余地があるとことを見極めたいと思います。

インプラントの治療も非常にすばらしいですが、自分の歯で食事をする方が、よほどすてきです。

2010年3月31日 (水)

解剖学的な位置

昨日は、親知らずの抜歯が5本、歯根端切除の手術が1件。日に日に、手術する件数が増えてきています。

院内での手術といえば、一般的には小手術に分類されるのですが、歯肉を剥離し、骨を削除することに変わりがないので、手術の大小はあまり関係ないと思います。

手術をする上で一番考慮しなければいけない事は、解剖学的なイメージです。

教科書レベルでの解剖の知識とエックス線上での画像解析をクロスさせなければなりません。

では解剖といってもなんの解剖を一番チェックしなければいけないかというと、それは、血管の走行と神経の走行だと思います。

神経に関しては、エックス線ではなかなか解析が難しいので、教科書レベルの情報を豊富に蓄積するしかないのです。しかし、切開の際に、丁寧に剥離をしていけばある程度は危険な状況を回避できるのではないかと思っています。

もっとも注意深く手術を行わなければいけないのが、血管の走行に関してです。

ほとんどの血管が粘膜内に入っていますが、希に骨内に走っている血管もあります。前歯部、小臼歯部の血管は比較的細いので、止血も比較的簡単なのですが、大臼歯部になると、血管自体が太くなってくるので、止血自体も非常に困難になってきます。

しかし、最近ではCT撮影により、骨内の断層撮影が出来るようになってきたので、5割程度は確認出来るようになってきました。しかし、すべての患者さんにCT撮影を勧めることは難しいです。今後も、解剖の知識と経験で対応するのが現状のようです。

しかし、サイナスリフトなどのインプラントがらみの小手術に関しては、やはりCT撮影は必須になってきますので、そこはしっかりやっていきたいと思います。

事前のしっかりとした患者さんのリサーチでかなり医療事故は防げるのかなとは思っています。

もちろん、ボーンワックスやレーザーといった止血用具の管理も大事ですが・・・。

2010年3月16日 (火)

外れるには必ず原因があります。

最近、新患の患者さんの中に多い訴えは、補綴物(被せもの)が外れてしまい、来院する患者さんが非常に多いということです。

外れてしまった患者さんは、過去に必ず別の部位も外れた経験がある方が多いような気もします。

外れやすい被せ物にはいくつかの共通点があります。

1:噛み合わせがあっていない(高いことが多い)

2:被せ物と歯肉の間にすき間がある

3:歯ぎしり、食いしばりの傾向がある

こういった状況がある場合、被せ物が外れやすいのかもしれません。

2010年3月13日 (土)

悩みが増える拡大鏡

私が拡大鏡を診療に採用してからすでに7年になります。

拡大鏡とは、顕微鏡とは違います。拡大率は顕微鏡は26倍くらいまで見えますが、拡大鏡はせいぜい10倍まで。

顕微鏡は大きくて、値段も高いので、拡大鏡を使っているという訳です。本当は顕微鏡がほしいのですが・・・。

私は最初は、2,5倍という拡大率のものを使っていました。それでも、かなりの所まで見えます。格段に診療技術は向上しますし、治療成績もかなり向上します。

2年前に、2,5倍では物足りなくなり、8倍を購入しました。8倍になると、かなりの所まで見えるようになりますが、光量が必要になります。去年、拡大鏡に付けるハロゲンライトを購入しました。それまでは、7年前に購入したライトを使っていたのですが、そろそろ寿命なので、買い換えたわけです。

このハロゲンライトは、小さい割に、手術灯と同じ光量があります。これはかなりまぶしいです。最大で使うとまぶしくてとても目を開けていられません。そのため、LOW の状態で使っています。

この8倍の拡大鏡を用いて、歯の根の治療をしているのですが、これが非常によく見える。

顕微鏡ほどではないのですが、根の先の方までしっかりと見えます。今までの治療ではそこまで見えなかったので、手探りにて根の治療をおこなっていました。

しかし、今は根の先まで見えますので、だんだんと悩みも増えてきました。根の内壁にこびりついている汚れや薬、または残髄までしっかりと見えますので、それをがんばって取らなければいけないのです。今までは見えなかったので何とも思わなかったのに、今はしっかりと見えるので、取らなければいけないと必死になっています。

根の先は非常に繊細で細いのです。それに対応する技術も道具も用意しないといけません。時間もお金も掛かりますが、最近は、必死に勉強しています。

将来購入予定の顕微鏡なんか、もっと見えるはずなので、そのときまでに少しでも技術を向上させないといけないと思っています。

2010年3月10日 (水)

上顎の歯と下顎の歯のすき間

上顎と下顎を噛ませたとき、間に出来るすき間を『クリアランス』といいます。

このクリアランス(すき間)は、当たり前ですが、歯が抜けると出来てきます。

ところが、抜けたまま放置してしまうと、横の歯が倒れてきたり、対顎の歯が伸びてきたりして、すき間がほとんどなくなってしまうのです。

このすき間がなくなってしまった部に歯を作るのは至難の業です。

しっかりと治療をするには、矯正を行い、正しく歯列を戻すしかありません。しかし、たいていの患者さんには、その意志がないため、少ないクリアランスで何とか処置をしないといけないのが、しろくま歯科の現状です。

ほとんどおせんべいのような被せ物を対顎すれすれにセットしていき、なおかつ、顎機能もくるまず行うのは、本当に骨が折れます。

出来るだけ歯を削らないで治療をしようと心がけていますが、『致し方ないdown』という状況は出てきます。

このクリアランスのない部位の治療をしている時の私の血圧はおそらく200を超えているはずです。

もう、命がけです。

2010年2月15日 (月)

蔓延する化学物質について2

本日も、吉川涼一先生の著書『金属アレルギーと歯科治療』よりお届けいたします。

◇シックハウス症候群から化学物質過敏症へ

新築の家やマンションに入居したとたん、頭痛、目の痛み、鼻炎、動悸、皮膚炎、不眠、疲労倦怠感など、アレルギー症状を中心としたさまざまな症状に見舞われる病気です。

住まいは、一生に一度の高価な買い物ですから慎重に選択したはずでしょうし、またその住まいにはこれからの家族の夢が託されていたはずです。ところが、その夢のマイホームがかえって家族の苦病の源になってしまう。こんな不幸なことはありません。

原因は合板や壁紙などに使われた接着剤に含まれる化学物質です(ホルムアルデヒドなど)。やっかいなことに、接着剤などに含まれるホルムアルデヒドは、室内で10年以上にもわたって少しずつ揮発していきます。おまけに最近の住宅は機密性が重視されていて、換気が不十分というケースが少なくありません。こうして家族は、呼吸するたび、家から揮発する化学物質を体内に入れてしまい、アレルギー疾患を引き起こしてしまうのです。

もともと体質的にアレルギー反応が強い人が、シックハウス症候群のように化学物質にさらされて発症すると、病状がさらに悪化して「化学物質過敏症」におちいってしまうことがあります。

そうなると、石鹸、シャンプー、化粧品、衣類、灯油、排気ガス、はては新聞のインクの臭いでさえ、体内に入ることによってひどい症状を起こすようになります。

患者さんは、すべての自然素材で作られたもののなかでしか暮らすことが出来ませんが、現実的にはそのようなことは不可能で、常に症状に苦しむことになってしまうのです。

歯科治療でも、使用するものはすべて化学的に合成されたものばかりです。歯の治療もできません。

参考文献 金属アレルギーと歯科治療 吉川涼一著 現代書林

2010年2月14日 (日)

蔓延する化学物質について1

本日は、吉川涼一先生の著書『金属アレルギーと歯科治療』よりお届けいたします。

◇歯科金属アレルギーの増加は・・・。

歯科金属から溶け出してくる金属イオンが体内に入ることによって、さまざまな慢性的な症状や体調不良が起こっているのではないか。

難治性のアトピー性皮膚炎の原因は、歯科金属ではないのか・・・。このような事が騒がれはじめたのは、ここ10年ほどのことです。

歯科金属と慢性的な症状や疾患との関係は、まだ医学的に解明されていません。ではなぜ、最近になって歯科金属アレルギーが取り沙汰されるようになったのでしょう。

一つには、メタルフリー(金属を使わない治療)をしたときに、患者さんの慢性病が、急速に改善して治ってしまったという、臨床的な経験や疫学的な調査の結果です。証拠はつかんでいないが、状況証拠は確かに集まってきています。歯科金属は、限りなく黒に近いグレーという状況です。

そしてもう一つの理由は、一定の害をもたらす歯科金属に対して、人間の体のほうの許容量が小さくなってきた、ということも考えられます。いままでは歯科金属程度では慢性症状も慢性疾患も、さほど発生しなかったものが、現代では比較的簡単に発症しやすくなっているのではないか、ということです。

メタルフリーにすれば治ったという症例が増え、また疫学的な調査でも、あやしいと思われるデータがそろうようになったのは、そういう患者さんが増えたからに違いありません。それだけ発症する側の患者さんの体も、昔に較べると変化して来ているのではないかと思われます。

現代社会でアレルギー性疾患が増えている理由はさまざまでしょうが、一つの重要な要因が「化学物質」です。高度成長期の中で急速に増加したさまざまな「化学物質」は、私たちのからだに入り込み、アレルギー性疾患などの発症を促しているのではないかと思われます。

たとえば「シックハウス症候群」もその一つです。

明日へ続きます。

参考文献 金属アレルギーと歯科治療 吉川涼一著 現代書林   

2010年1月20日 (水)

歯に大きな穴が開いたときの治療~永久歯編~

本日も昨日に引き続き、熊谷先生と医療ジャーナリストである秋元秀俊さんの『徹底解剖 むし歯・歯周病~「一生笑顔」を約束する新しい歯科の知識~よりお届けいたします。

◇穴があいても、リスクコントロール

今日は永久歯についてみてみましょう。歯は非常にリスクコントロールの重要性が大事なのですが、これは初期の虫歯に限ったことではなく、大きな穴があいてからも同じです。

歯に穴があいてしまうと、むし歯のリスクが一つ増えることになりますから、リスクコントロールがより大切になるのです。残念ながら、大きな穴が自然にふさがることはありませんが、リスクコントロールをすれば、穴の拡大、進行を止めることが出来ます。

また、まだ軟らかいうえに、感染部分の色も淡い進行中のむし歯には、なかなか気がつきにくいものですが、この段階でリスクをうまくコントロール出来ないと、感染は一気に広がり、穴もどんどん大きくなります。

やがて感染は象牙質のなかにまで進み、痛みという信号を発して私たちに治療を促しますが、こうなると削って詰める処置で、歯の機能を回復するしか方法がなくなります。しかhし、むし歯の後始末のために削られた歯は、たとえどんなに丁寧な処置を行っても、より酸に浸されやすくなります。上手に処置しても、むし歯のリスクを改善しなければ、結局再発してしまうのです。

そして削り方、詰め方、その材料はさまざまです。患者さんにはこの違いを気にする人が多いのですが、本当に大事なのは、感染した歯質をしっかり除去したうえで、再びミネラルの収支バランスが崩れないようにすることなのです。

「むし歯の治療」とは「リスクをコントロールして、ミネラルの収支を改善する」ことであると、肝に銘じておいてください。

◇穴の処置のキーポイント

むし歯の穴の処置には、三つのキーポイントがあります。

まず一つ目は、歯の中に入り込んだたくさんの細菌を除去または殺菌することです。そのために感染した象牙質を削り取ります。けがにたとえれば、細菌が入り込んで膿んだ組織を切り取り、消毒する処置です。

二つ目に、削り取ることによってむき出しになった象牙質の傷口をふさぎ保護する処置です。これは象牙質と一体になった組織である歯髄を守るための処置でもあります。けがの処置でいえば包帯をかけるようなものです。

手足のけがなら、自然に皮膚にあたるエナメル質は再生しないので、三つ目のポイントとして穴を金属やプラスチックといった人工の材料で埋めて、元の形を復元します。また最後に、色も自分の歯のようになれば、さらに満足です。

患者さんの目には、穴を埋めて外見を回復した姿しか見えませんが、しっかり細菌を除去したり、傷口を保護して、歯のなかの歯髄を守る「見えない」処置こそが大切です。

なぜなら、歯は一見死んだ組織のように見えますが、そうではないからです。硬い歯は、象牙質と一体になった歯髄によって体液を内部から受け取り、痛みを感じたり、刺激に反応したりしています。

歯を「生きた組織」にしているのは、この歯髄なのです。

◇「歯を守る」治療と「痛くない」治療

歯髄を守るために、細菌に感染した歯質を丁寧に除去し、傷口をしっかり保護するといった「歯を守る」処置が痛くなければいいのですが、残念ながら痛みのない治療と、歯を守る治療は両立しないことがしばしばです。

感染した歯質をしっかり除去しようとすると、どうしても痛みが出ます。また歯質を除去した結果、歯髄がむき出しになり痛むこともあります。歯髄を除去すれば、とりあえず痛みはなくなりますが、歯は死んでしまいますし、除去後の経過は必ずしもよくありません。

また、削るとき、痛みのないように麻酔をすると、血行が悪くなり歯髄がダメージを受けやすくなるうえに、患者が痛みを訴えないので、歯を削りすぎてしまう傾向にあります。

患者の喜ぶ「痛くない」治療は、技術的には簡単ですが、良いことばかりではないのです。

最近では抗菌剤を利用して感染した歯質を殺菌し、出来るだけ歯質を削らずに残そうとするやり方もありますが、硬い歯質に薬剤をしみこませることは難しく、思うような結果が出ていません。また、むし歯の穴を接着剤で覆ってしまえば、痛みをなく歯髄も保護できるといいことずくめなのですが、なかなか完全に覆うことは困難です。

このように、痛みがなく、しかも確実に歯を守ることの出来る治療はありません。削って詰める以上は、たとえ痛くても、丁寧に痛んだ歯質を除去し、確実に「歯を守る」治療を進めるべきなのです。

参考文献 徹底解剖 むし歯・歯周病~「一生笑顔」を約束する新しい歯科の知識~ 熊谷崇 秋元秀俊 共著 法研

2010年1月19日 (火)

歯に大きな穴が開いたときの治療~乳歯編~

本日は、熊谷先生と医療ジャーナリストである秋元秀俊さんの『徹底解剖 むし歯・歯周病~「一生笑顔」を約束する新しい歯科の知識~よりお届けいたします。

◇乳歯のむし歯は取り返せる

さて、むし歯がひどくなり、大きな穴があいてしまったら、どうしたらいいでしょう。

まず乳歯についての話です。乳歯は軟らかく、簡単にすり減るうえに、対酸性が低いので簡単にむし歯になってしまいます。そのうえいったんむし歯になると、あっという間にひどくなり、口中至る所がむし歯になったり、歯がすっかりなくなるまでひどくなることもあります。

また、その間も子どもの顎はぐんぐん成長するので、乳歯のひどいむし歯は大人になってからの歯並びにも影響します。

乳歯がむし歯になってしまった場合には、見かけを治すことよりも、ここでむし歯をつくってしまうリスクをコントロールし、いずれ生えてくる永久歯をむし歯にしないことのほうが大切です。

乳歯は米粒のように小さいので、精密な治療はとてもむずかしい上に、子どもをむし歯治療に協力させるんは至難の業です。

そして、乳歯はいつか永久歯に生え変わる歯ですから、仮にむし歯をつくってしまっても、取り返しのつかない失敗ではありません。

ですから乳歯がむし歯になった場合には、とりあえず痛みを無くした上でリスクコントロールを徹底し、永久歯に悪い影響が出ないようにすることがキーポイントになります。

明日は永久歯編です。

参考文献 徹底解剖 むし歯・歯周病~「一生笑顔」を約束する新しい歯科の知識~ 熊谷崇 秋元秀俊 共著 法研

2010年1月 6日 (水)

歯医者さんは痛くなったときに行けば良い・・・・?

本日は、トータルスマイルという歯科医師集団がお書きになった『定期健診へ出かけよう』という本よりお届けいたします。

◇歯医者さんは痛くなったときに行けば良い?

Cさんは70歳の男性です。彼は若いときから健康には人一倍気を遣っていました。その証拠に彼は何か異常や痛みを感じるとすぐに歯科医院の予約を取り、診察を受けたのです。

「先生、今日も右の上に痛みと腫れがあって・・・・・・診てもらえますか?」

それを受けた先生は、

「ああ、ここが腫れているね。これは、神経を取った歯だから脆くなって割れてしまったのですよ。もうどうしようもないから抜いた方がすっきりしますよ。」とレントゲンで根が割れているところを指摘しながらおっしゃいました。

Cさんは、過去の事をいろいろ思いだしていました。

「この歯の神経を抜いたのは・・・何回か詰め物をしたけれども外れてしまって・・・そうだ、しみるようになって・・・・それで神経を抜いてもらったんだな・・・。」

そして、疑問におもったのは・・・・

「歯は、削ったところから大きくなって、しまいには抜かなきゃいけなくなる運命にあるんだ・・・・でも、前にテレビで80歳で20本の歯を残そうと言っていたがそんな人たちってどうやって健康を維持しているのかな・・・・・?」ということでした。

しかし、Cさんのお口にはも8本の歯しか残っていません。最近は、入れ歯が大きくなったこともあって、食事もあまり美味しく味わうことが出来ないと感じていました。

彼はもちろん入れ歯が手放せない状態です。

もちろん噛みやすいインプラントも考えたことがあります。しかし、彼のお嬢さんご夫妻はご自宅を新築なさるということで、是非援助してあげたいので経済的な余裕はあまりありません。

しかし、入れ歯に対しては、「力が入らない」「よくかみ切れない」「違和感がまだある」などの不満もお持ちです。

「あ~ぁ、どんどん歯が無くなってじきに総入れ歯になるんだろうな~とため息をつきました。

Cさんは、いつもトラブルがあるとすぐに歯科医院にかかるように心がけていました。

しかし、Cさんの歯は小さい詰め物が徐々に大きくなり、そして神経を抜き、その歯が割れてきて抜かなければならなくなるということを何度となく経験してきました。

「何か間違っていたのかな・・・・」

というのがCさんの素朴な疑問でした。

Cさんの疑問はたくさんの方が感じられていることなのです。

何が間違っていたのでしょうか?

◇歯医者に行けば行くほど歯は、悪くなる・・・・・。

Cさんの経験なさったことは、ほとんどの日本人が経験していることだそうです。なぜなら、“日本”という国の成人の歯の数は、先進国の中で最下位なのです。

皆さんもショックを受けていると思いますが、実は“タイ”という国の人々よりも歯を健康に保持している人は少ないのです。

日本での80歳の歯の本数はわずかに6本に比べ、タイは10本以上歯が残っているのです。もちろん、欧米では20本を超えている国がほとんどです。

長崎大学の新庄先生がまとめられたデータでもこのことは証明されています。

そのグラフ(実際の本を参照ください)でもお分かりになるように、症状がある時に歯科にかかっている人は80歳になるとわずか6本の歯しか残らないということなのです。

なぜ、日本人は、高度な医療技術がある環境にいながら決して先進国とは言えない“タイ”の人々より残る歯の本数がすくないのでしょうか?

なぜ、欧米の人々の半分くらいしか歯が残らないのでしょうか?

それは、5つの大きな理由があると思います。

①定期的に歯や歯ぐきの手入れを歯科衛生士にしてもらう習慣がない。

②歯のにトラブルが発生して初めて歯科医院を受診するという習慣が定着してしまって。

③むし歯の治療は削って詰めることで完全に回復するという勘違いが常識として定着してしまった

④流通が発達し、いろいろな砂糖を含む食品が市場に溢れ、いつでもどこでも簡単に手に入る環境がある。

⑤保険制度の弊害で、歯科医院は“削って詰める”という行為を行わなければ収入を得ることが出来なかったために歯医者さんも行政もあまり予防に関心を示さなかった。

よく考えてみると歯医者の側にも一般の方々の側にも原因があることがわかります。しかし、同じ環境であれば、この事実は変えようがありません。

それは、、、、、「歯医者に行けば行くほど歯は、悪くなる」

これが日本の正しく、そして悲しい現状なのです。

しかし、このままでいいのでしょうか?

参考文献 定期健診へ出かけよう トータルスマイル(天羽大介 鎌倉聡 佐名川徹 田中伸尚 笠井啓次 竹下誠 成富健剛)著 ブイツーソリューション   

2009年12月21日 (月)

こんな症状があれば早めに歯科で診察を

本日は、森山貴史先生の『中高年の歯の病気がすべてわかる本』よりお届けいたします。

◇命に関わらなくても放置は禁物

むし歯や歯周病のはほとんどの場合、その自体が直接命に関わることは少ないと思われていて、かなり悪くなるまで放置されがちです。

そのため手遅れとなって歯を失うこともあります。しかし、早めに歯科を受診すれば、歯を失わずにすむことのほうが多いです。

次のような症状がある場合は要注意。歯科医に相談しましょう。

・歯肉が腫れる、歯肉から出血する、歯がぐらぐらする、歯肉が後退して歯の根本が見える→歯周病かもしれません。

・歯が痛い、うずく、歯に穴が開いている→むし歯かもしれません。

・冷たいものや熱いもの、酸っぱいものがしみる→むし歯や知覚過敏かもしれません。

・顎の関節が痛い、口をあきずらい→顎の関節の病気かもしれません

・歯肉や舌、口腔粘膜にできものやただれがある→口腔粘膜の病気かもしれません。

・歯の根元に石のような硬いものがある→歯石がたまっているかもしれません。

参考文献 中高年の歯の病気がすべてわかる本 森山貴史 主婦と生活社  

2009年12月20日 (日)

むし歯から起こる歯髄の炎症と治療

本日は、熊谷崇先生と医療ジャーナリスト秋元秀俊さん監修の『徹底図解 むし歯・歯周病~「一生笑顔」を約束する新しい歯科の知識~』よりお届けいたします。

◇歯髄を守るか、痛みを解決するか

歯がズキズキ痛み始めたなら、歯の中の歯髄(血管と神経の集まり)が炎症をおこしています。このような歯を治療するために、細菌に感染した歯質を除去していくと、歯髄が露出することがあります。

こうなってしまうと、感染を防いで歯髄を生かすか、炎症のひどい部分を切り取るか、あるいは全部取ってしまうか、選択は大きく分かれます。

生かすか殺すかという判断ですが、本来は歯髄の受けているダメージの程度によって決まります。しかし、痛みをともなう治療ですから、患者さんと歯医者さんの関わりの深さが、どうしても処置方針の決定に影響します。

ダメージを受けた歯髄を生かすと、あとで痛みが出たり、自然に歯髄が死んでしまうというトラブルの可能性が高くなります。半分残すことがありますがこれも同じです。患者と歯科医の間に十分な信頼関係がない場合には、このような不確実な治療はしにくいものです。

歯髄を殺して除去してしまえば、当面は痛みが無くなるという確実な結果が得られます。もちろん長い目でみるなら、歯髄はできれば取りたくありません。歯髄がなくなると歯は死んでしまいますから、もろくなり、時間がたつと変色していきます。あるいは歯根の先に膿がたまるかもしれません。歯髄は、歯の命ですから、可能であれば守りたいものです。

◇『神経を抜く』治療とは

ひどいむし歯で、歯髄がダメージを受けたとき、生きている歯髄を除去して痛みをしずめる処置を、歯医者さんは「神経を抜く」と表現することが多いようです。

正しくは、「抜髄(ばつずい)」といい、歯髄を処置したあと、歯髄のあった空洞を清掃し、封鎖しやすいように整える処置です。

抜髄の目的は、炎症を起こしている歯髄を除去して、骨の中に病変の及ぶのを避けることにありますが、被せる治療をすませた歯が痛まないように、あらかじめ健康な歯髄を除去してしまうこともあります。歯の神経は、痛みという信号で危険を教えてくれますが、その信号を避けるために信号機を外してしまうのです。

しかし、歯髄がなくなった歯は、枯れ木のようなもので、割れやすくなります。信号機を外してあるために、むし歯が再発しても痛まないので、むし歯に気がつかないという問題も起こります。このため不必要に抜髄することは避けるべきです。

また、きれいな見かけを回復するために歯を削るときに、歯髄のスペースが大きい場合には健康な歯髄を取らざるを得ないことがあります。さらに患者さんが治療中に強く痛みを謡えたり、治療後の一時的な不快症状を恐れる場合には、痛みを完全にコントロールできる抜髄を選ぶ傾向があります。

長い目で歯の健康を守ることと、その場の快適な選択は、ここでも矛盾します。

参考文献 徹底図解 むし歯・歯周病~「一生笑顔」を約束する新しい歯科の知識~ 熊谷崇・秋元秀俊監修 

2009年12月 9日 (水)

口腔粘膜疾患とは

本日は、山崎博嗣先生の著書『歯・口腔のことがよくわかる本』よりお届けいたします。

◇口腔粘膜疾患とは

口腔粘膜というのは、口腔内で歯や骨のような硬い組織に対する言葉で、柔らかい部分を示します。たとえば舌、歯肉、入れ歯の下にあたる歯槽粘膜、頬粘膜、あるいは上あごの部分の口蓋粘膜、舌の下の周囲にあたる口腔底粘膜、口唇の内側の口唇粘膜などに分けられます。

粘膜上皮《粘膜のもっとも表層》は組織学的(顕微鏡を使って詳細に観察した結果)にいいますと重層扁平上皮(じゅうそうへんぺいじょうひ)という名称が与えられ、体の中では生殖器の粘膜と組織学的に類似しています。

口腔粘膜は丈夫で、水が入ってきても、堅い食物が入ってきても、耐えられる、あるいはたとえ傷が出来ても治りやすいという特徴があります。

一方、口腔と隣接する鼻粘膜の上皮は、円柱線毛上皮(えんちゅうせんもうじょうひ)といって、ゴミなどを繊毛で払いのける作用は得意なのですが、水泳などで鼻に水が入るともう大変、というように水に弱いといった口腔粘膜とは異なった特徴があります。

胃など消化管の粘膜はまた違う特徴があるのです。

口腔粘膜の疾患は数多くありますが、口内炎と一般的には言われている状態で、肉眼的に丸く小さい白いくぼみで、周囲は赤い輪で囲まれており、小さい割にはひどく痛む病状を有する、アフタ性潰瘍と言われるものがもっとも一般的と思われます。

痛みの割には、前述の口腔粘膜の特徴のように治りやすく、約一週間ほどで良くなります。その全身的原因には、ビタミン不足などがあげられますが、詳細は不明と言われています。

局所的原因として、日常で気をつけることに小外傷があると思われます。例えば、新しい義歯が入ったばかりで、それが気になって舌が絶えずそちらへいってしまい、舌表面粘膜がこすられて傷になる場合、あるいは歯ブラシで“ゴシゴシ”やりすぎて歯肉粘膜を傷つけてしまう場合、ざらざらした揚げ物で傷をつけた場合などがあります。

この小外傷に対して、唾液の中の“ネバネバ”成分【ムチン】が対応していますが、それ以外にダメージが大きい場合に生じるものと考えられます。

口内炎には、このアフタだけでなく、いろいろな種類があります。昔ある学者が、口腔粘膜は全身の鏡ですといい、歯と歯肉しか診なかった歯科医を啓蒙しました。口腔粘膜は、まず色を見るようにしてみてください。

正常の血液循環がなされている場合では、ピンク色です。それよりも白い場合には貧血が疑われます。もっとも口腔粘膜が白くなる場合は相当重傷の貧血ですので要注意です。

貧血の診断には、普通は口腔粘膜でなく眼瞼結膜をみて推測されます。歯肉が黒い場合には、メラニン色素沈着が考えられます。メラニン色素は皮膚だけでなく口腔粘膜にもあります。しばしば、歯肉が黒いといって若い患者さんが心配して来院されることもあります。また黒色腫といった悪性の腫瘍もありますが、頻度は非常にすくないといえます。

普段のピンク色の口腔粘膜を基準にして、白い部分、もっと赤い部分は、口腔粘膜の疾病である可能性が高いので注意してください。また口内炎と思われても、一週間してもいくならない場合には、歯科受診をしたほうが良いと思われます。

歯科医は口腔粘膜に生じるがんも考慮にいれて診断しているのです。当然、扁平上皮がんということになります。最近では、二子山親方が口腔底癌でなくなられました。口底の場合には唾液腺由来の腺がんのこともあります。

参考文献 歯・口腔のことがよくわかる本 山崎博嗣著 本の泉社 

2009年12月 2日 (水)

口腔環境の維持には2つのコントロールが必要

本日は、島谷浩幸先生の著書『歯磨き健康法』よりお届けいたします。

◇2つのコントロール

一般的に言われるように。口腔内の健康維持には次の2つのコントロールが必要です。

①炎症のコントロール

②力のコントロール

一つの例として、歯周病の炎症で痛くて噛めない場合の治療法について見ていきましょう。

歯周病の炎症は、歯周病菌が歯周ポケット内で過剰に増殖して炎症を引き起こしているわけですから、まず「炎症のコントロール」として、歯周ポケット内を徹底的に機械的に清掃して、出来る限りの細菌を排除します。

しかし、ポケットの深い部分まで完全に細菌の排除をするのは不可能ですから、抗菌剤をポケット深部に注入したり、あるいは内服として抗菌薬を飲むことで対応します。

また、炎症が強いと歯が浮いて噛んだときの痛みになるので、「力のコントロール」として、歯を削って噛み合わせを調整し、咬合力の負担を和らげる必要があります。

それと合わせて、患者さん自身には、歯磨き・うがい薬を使ったブクブクうがいの徹底と固い物は噛まない、体を安静にする、薬をきちんと飲む、といった注意を与えます。

このように、歯科の治療において、「炎症のコントロール」と「力のコントロール」の組み合わせは非常に重要なのです。そこでそれぞれについて、さらに詳しく見ていきましょう。

①炎症のコントロール

「炎症の五大徴候」と言われる、疼痛、腫脹、発赤、熱感、機能障害が炎症の主要症状として現れます。口腔二大疾患の虫歯・歯周病関連の症状で、全患者さんの9割以上がこれらの症状を訴えます。歯科で認められる症状もほとんどが虫歯・歯周病に関連します。

例えば、「虫歯が疼く」場合はもちろん、「冷たいもので歯がしみる」、「噛むと歯が響く」といったこれらの症状すべてが炎症によるものですし、「歯磨きの時に歯肉から血が出る」、「歯肉が腫れた、膿が出る」といった歯肉の症状もすべて炎症です。

何度も述べているように、虫歯・歯周病は口腔内細菌の感染症です。ですから、①の炎症のコントロールは、いかに口腔内細菌をコントロールするか、つまり「プラーク・コントロール」をいかに上手にしていくか、と言うことなのです。その手段としては、歯磨きやうがい薬を使ったブクブクうがいも効果的な方法ですし、歯磨きの出来ない所は、薬の力によって細菌をやっつけることになります。

②力のコントロール

口腔内での「力」で言えば、まず第一に「咬合力」、つまり「咬み合わせ」の力です。

この力は相当強いものであり、成人男性の咬合力は、1センチ平方あたり60キログラム以上にもなります。この強い力は時として、歯・歯肉や顎関節を痛めるというような悪影響を及ぼすことがあるので、過度の力がかからないような力のコントロールが必要になります。

参考文献 歯磨き健康法 島谷浩幸著 アスキー新書 

2009年11月27日 (金)

口の中が電池になっている

本日は、福岡博史先生の著書『歯と口を治せば、不調は治る!』よりお届けいたします。

◇口の中が電池になっている

口の中に電流が発生することをご存じでしょうか?

これは事実です。口腔内に2種類以上の金属が存在している場合に、唾液を介在して起こる化学反応なのです。

唾液は、97%の水と、ナトリウムかカリウム、カルシウムなどの無機質、ムチンなどの有機物で組成されています。

この唾液が電解質溶液となって、2種類の金属のうち、イオン化しやすい金属が溶け出し、腐食が起こるのです。溶け出した金属はマイナスに帯電するので、他の金属との間に電位差が生じるため、口腔内に微電流が流れるというわけです。

また、こうした腐食には、金属が原因のほかにも、口腔内バクテリアによる「微生物腐食」などもあります。もちろんどれも非常に小さい反応で、本人は、感じることはありません。こうしたさまざまな腐食によって溶け出した金属が、体内に取り込まれます。

その多くは体外に排出されますが、その量が多かったりその期間が長かったりすれば、その一部が残留して、体の中でさまざまな悪さをすることになるのです。

◇金属が及ぼす悪影響と対策

有害金属がからだに及ぼす影響として知られるものには、金属アレルギー、リウマチ、アルツハイマー、自閉症などがあると言われています。

金属アレルギーは、湿疹、掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎、口唇炎、舌炎などがあげられます。いずれも対象の金属がイオン化することでアレルゲンとなります。

たとえば、青果店やスーパーに多いのですが、レタスをさわると強度の皮膚炎を起こすレタスアレルギーの方がいます。ところが、彼らがレタスを食べてもなにもおこりません。なぜなら、レタスに含まれるアレルゲンは元素(それ以上分解すると、ものの性質を失う単位)ではないので、消化液で分解されると別の炭化水素などになり、もはやアレルゲンではなくなってしまうのです。

ところが、金属は元素ですから、アレルギーを起こしやすいイオン化が起こったものが口腔粘膜に吸収されていったん体内に入ってしまうと、しっかりとアレルギーを引き起こしてしまうのです。

このように因果関係がはっきりしている金属アレルギーに比べて、リウマチなどの他の疾患は、原因不明のものが多く、かつ難治性のもの、治療が困難なものが多いことにお気づきのはずです。それでも、有害金属が原因の一つとして充分に考えられるという意味では多くの信頼できるデータができあがっているのです。

歯科金属のアマルガムが、有害金属の筆頭としてあげられたのには、水銀という明らかに体によくない金属が含まれているからでした。

確かに水銀は、水銀中毒という言葉があるように、いったん体内に入ると、タンパク質と結合して、血液に乗って体中を巡ります。それがやがて脳に到達して中枢神経に蓄積されていくことで、知覚障害・運動障害をなどを引き起こします。急激に蓄積された場合は、脳が萎縮することもあります。

もちろんこれは、長年かつ臨界点を超えたという結果ではありますが、だからこそ、「気がつかぬうちに進み、気がついたときには遅い」という、歯周病に似た特徴を持ち、歯周病以上に恐ろしい状況が起こりえるわけです。

水銀だけでなくこうした金属は、本来地球上のあちこちに存在するものですから、衣食住の環境そのものに点在し、口、皮膚などからも知らない間に入りこんでいるものです。だからこそ、わかっているものは極力取り除き、早い段階で排除していく必要があるでしょう。

現在、自分の体にどのような有害金属(に代表される有害物質)がたまっているかは、髪や爪を採取して、取り込まれている金属の種類や量を分析することが可能です。また歯科領域でも、口腔内の電圧を測る機械で、部分的に高い歯=異常を示している歯を示している歯を調べることも出来ます。

そういう意味において、歯科材料からの有害金属の侵入は、他の要因(衣食住からの侵入)にくらべて判断しやすく、なおかつ、害を及ぼしているものが特定できれば、すぐにそれを排除して安全なものに詰め替えればいいいのですから、自分のからだのリスク管理として、口腔ケア=オーラルエコは、かなり安易でかつ効果の高いものだということがわかっていただけると思います。

ただし、「昔詰めた金属は危険だから、すぐにとってもらいましょう」ということではありません。たとえば飲料物や化粧品などから金属を取り込んでいる可能性もあります。同じ金属でも、溶け出す量や影響を及ぼす量は人によって違うからです。ここでも免疫力の違いが大きく関わってくるのです。

参考文献 歯と口を治せば、不調は治る!福岡博史著 主婦と生活社  

2009年11月26日 (木)

マウスピースによる治療

本日は、吉野敏明先生の著書 『再生治療で歯並びを治す』よりお届けいたします。

◇咬み合わせ治療の第一段階はマウスピースによる診断

Amazon.co.jpの和書で検索すると「かみあわせ」で三十九件、「咬み合わせ」で七件、「噛み合わせ」で三十九件、「矯正」でなんと一一一八件もヒットします。

その多くが咬み合わせと全身の関係は隠れたベストセラーのようです。ところが、「マウスピース」で検索すると、歯科治療間連の書籍では一件で、しかもマウスピースを用いた矯正治療の方法のようです。

歯科治療の特殊性は「削って治す」ことであり、またこの「削る」という行為は不可逆性の行為、すなわち元には戻せない行為です。古代人は歯がなくなると死んでしまいました。現在の野生動物もそうです。

現代人は詰めたり被せたり、最近ではインプラントをしたりして歯の欠損を補えるとはいえ、それが健康な自分の歯に勝ることは決してありません。歯は生きた臓器ですから、削らない方が絶対にいいのです。

ところが、咬み合わせや顎関節を治療するためには、上の歯と下の歯の接触の仕方や方法を変えなければなりません。しかも、顎関節の治療によって、日々上下の関係は変化しますから、咬み合わせもどんどん変化します。そのたびに歯を削っていてはたまりません。

ですから、マウスピースを装着し、このマウスピースを削って、あるいは足して、咬み合わせである咬合を治療し、結果として最小限の歯の削合を行えば、倫理的んひも抵当化されるわけです。

さらに大事なことがあります。このマウスピースは作っておしまいではなく、マウスピースからあらゆる情報が得られるのです。これを用いてさまざまな「診断」をしていきます。

すべての医療において、診断は治療には先行する最も大事な行為ですが、歯科治療の場合は特に、先ほど述べた「不可逆的」があるため、生命に直接関係ないとはいえ診断は非常に重要な行為です。この点を軽視した現在の国民健康保険制度は残念なことです。

◇マウスピースでこんなことがわかる

①上下の顎の咬み合わせが上下左右前後の三次元的に適正かどうかの診断

②その咬み合わせが、顎関節や咀嚼筋、そして全身骨格と調和しているかどうかの診断

③歯ぎしりや食いしばりなど、いわゆる食事以外の顎運動があるかないか、またその強さ、動く方向、左右差があるかないかの診断

④①~③を診断し、そしてマウスピース上で正しい咬み合わせになるように治療したとき、歯を削ったり矯正したり、あるいは手術をする必要があるかどうかの診断

⑤突発性難聴、耳鳴り、めまい、手足のしびれ、顔面麻痺などの疾患が現在の咬み合わせと関係あるかないか、関係があった場合はどの程度治療できるかの診断

⑥短期的、あるいは恒常的な精神状態や精神疾患が現在の咬み合わせを関連しているかどうか、関連している場合はその症状が低減できるかどうかの診断

⑦ストレスなどのセルフチェックは客観的なチェックの応用

⑧その他

などがあります。これの診断はマウスピースを装着してすぐにわかるものではありません。

まず生活習慣、生活状況、咀嚼習慣、睡眠時の姿勢、歯科治療歴やどのように咬み合わせが発育形成されてきたかなどを患者様からの問診で、十分に情報を得ます。必要な場合は患者さんのご家族やパートナーなどにもご本人が自覚されていないこと(睡眠時の歯ぎしりなど)について問診しますし、子供の時の写真などを持ってきてもらい、どのように顎間面系が発育してきたかを推察します。

場合によっては、睡眠時の姿勢を診断するため、カメラをお貸しして、夜間ご家族に撮影してもらったり、睡眠時間の呼吸状況を耳鼻科で調べてもらったりします。

その上で、顎関節のレントゲン、頭蓋骨のレントゲン、咀しゃく筋や頭頸部の筋肉と関節の接触、姿勢の写真撮影、上下の顎の模型の作成、もちろん歯のレントゲンなども撮影します。

この時点で、咬み合わせの治療が必要であるかないか(咬み合わせに関係がないことがわかることもあります)、もしある場合はこれらすべての状況を確認し、何が咬み合わせ不良の原因であるかの事項を調べ、いくつ問題があるか、そしてその問題の順位づけをし、さらに各々の程度がどのくらいであるかを予測します。

そしてそれらをマウスピースを装着することで明確化していきます。マウスピースを装着することで、診断と原因除去を同時に行っていくのです。

ですから、マウスピース装着後は、数日~一週ごとに来院していただき、その都度変化亜した咬み合わせに対してマウスピースの調整をします。調整はマウスピースを削ることもあれば、材料を足すこともあります。ですから、マウスピースは厚くなったり薄くなったり形が変わったりします。

参考文献 再生治療で歯並びを治す 吉野敏明著 ディスカバー携書 

2009年10月22日 (木)

歯のホワイトニング

本日は、日本経済新聞2009年9月26日分のNIKKEI PULUS1よりお届けいたします。

◇歯のホワイトニング

モデルやタレントの笑顔で印象的なのが歯の白さ。一方、鏡の中で微笑む自分の歯を見ると、黄ばみが気になる、という人も少なくない。

結婚式や同窓会などが増えるこれからの季節には、より白い歯を手に入れたいと考える人は多いだろう。最近注目されている歯のホワイトニングの手法を探った。

「毎日しっかり歯磨きをしているのに、何だか歯が黄ばんでいる」と感じている人は少なくない。それもそのはず。実は日本人の歯の色は、もともと欧米人に比べ少し黄色い。また、年齢を重ねるごとに歯の黄ばみが気になるようになるが、これは加齢により歯の内側の濃い色が透けて見えやすくなるからだ。

こうした悩みに対応した治療法がホワイトニングだ。ホワイトニングでは、過酸化水素水や過酸化尿素といった薬剤を使って、エナメル質や象牙質に沈着した着色汚れを漂白する。

薬剤に含まれる過酸化水素が口の中の水と反応して着色汚れを分解する。

漂白剤を口の中で使うので、安全面が気になるところだが、、昭和大学歯学部の久光久教授は「過酸化水素水はもともと歯周病治療の際の殺菌に使われていた薬剤。歯をコーラに付けたときよりもホワイトニングの方がダメージが少ない。」と説明する。

◇1日1~2時間

ホワイトニングには2種類の方法がある。1つは歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」。もう一つは自宅で行う「ホームホワイトニング」である。

オフィスホワイトニングでは歯に薬剤を塗り、そこにレーザーなどの光を当てて薬剤を急激に反応させて白くする。通常は比較的高濃度の薬剤を使うことが多い。利点は一回の治療ですぐに白くなること。大切な行事などですぐに白くしたいときなどに向いている。ただし「透明感がやや少なくマットな(つやのない)白色に仕上がることがあり、歯の色が再着色する『後戻り』が起こりやすい』と久光教授は話す。

一方、ホームホワイトニングは、まず歯科医院を受診してマウスピース形のトレーを作ってもらい、薬剤とともに家に持ち帰り、自宅で行う方法。トレーに薬剤を入れ、一日に1~2時間歯に装着すると、2~4週間で歯が白くなる。寝る前の空き時間や家事の最中に漂白出来るのが特徴だ。歯科医院のいすの上で緊張する必要がない。「すぐには白くはならないが、ゆっくりと漂白するので歯の透明感が失われずに白く出来るのが特徴。歯の再着色もしにくい」と久光教授。

日本大学歯学部の宮崎真至教授は「日本大学の患者の場合、7割がホームホワイトニングで、3割がオフィスホワイトニング。ゆっくり自宅で行いたいという人は女性が多く、短時間で済ませたいという人は男性が多い傾向にある」と話す。

◇過半数に痛みも

ただし、ホワイトニングは一度で効果が障害続くわけではない。次第に着色するので、白さを保ちたい場合には、オフィスホワイトニングなら約半年、ホームホワイトニングなら約1年ごとに再度ホワイトニングを行う必要がある。日ごろのメインテナンスも大切。

赤ワインなど着色しやすい食べ物を控えたり、定期的に歯科医院でクリーニングを受けたりするといい。

1つ覚えておきたいのは、ホーム、オフィスいずれの方法でも、軽いケースを含めて55~75%の人で歯の痛みや違和感など知覚過敏症状が出ること。ただし、それも市販の知覚過敏用の歯磨き剤を使えばおさまることが多い。

医療機関を選ぶ際には知覚過敏などの説明があることが重要な軸になる。また、「ホワイトニングでは、患者が求める歯の白さなどのニーズをきちんと把握する必要がある。質問がしやすい雰囲気であることや、歯科衛生士や歯科医師との相性も大切な要素になる」と宮崎教授。

◇まずむし歯治療

ホワイトニングを行う際、まずむし歯などの治療が必要。妊娠中や授乳中も控えた方がいい。さらに宮崎教授は「エナメル質や象牙質の形成が不十分な歯の場合には、色むらができるのでホワイトニングには向かない」と限界を説明した。

「エナメル質の形成不全などでホワイトニングが出来ない場合には、歯のマニュキアという方法が向いている。歯の表面にコーティング剤を塗り固め、歯を白くするものだ」とホワイトニング専門の歯科医院ティースアートの椿智之代表も話す。コーティング剤を光りで固めるのではがれにくく、1~3ヶ月もつという。

2009年9月24日 (木)

あごでぽきんと音がする

本日は日本経済新聞2009年9月19日号の健康生活NIKKEI PLUS1の『ヘルスこの一手』よりお届けいたします。

◇痛みと開口幅に着目

食事の時、口の開閉につれ、耳の前で「カクン」「ポキン」などの音を感じる人は結構多いのではないだろうか。

耳の前に指を当て、口を開け閉めするとよりわかりやすい。この音は顎(がく)関節から発する音で、クリック音と呼ばれるものだ。

典型的なものは、口の開閉それぞれに繰り返し音が発生する症状。私たち歯科医師は「相反性クリック」と呼んでいる。

顎を動かすとジャリジャリ、ゴリゴリという音を感じることもあるが、こちらはクレピタス音と名付けられている。

顎関節とは下顎骨と頭蓋骨(ずがいこつ)を連結している関節のこと。関節をスムーズに動かすため、下顎骨と頭蓋骨との間には軟骨のクッションみたいなものが挟まっている。この関節円盤はハンモックのように前後から支えられ、通常は下顎骨の関節部分に帽子のようにかぶさっている。

クリック音が起きるのは、ハンモック様の支えに異常が生じ、関節円板がすれてしまうことが原因だ。開け閉めのたびに下顎骨の関節部分が関節円板にひっかかり、乗り越える時に「かくん」「ぽきん」と音が出る。音がしても痛みがない場合もある。

どの段階で受診すればよいのか迷うと思う。一般的な目安としては、口を開けた時の上下の前歯間の距離が40ミリ程度あり、咀嚼(そしゃく)時に引っかかる感じや痛みが出なければ、すぐ治療の対象にしなくてもよい。

音が消えても口が開けにくくなったり、音が続いて痛みや開口障害が頻繁に起きたりする時の方が、受診には必要だ。

一方、クレピタス音は下顎骨の関節部分が変形した場合や、骨の変形を伴う疾患で生じる。この音が出ている場合は、X線検査で骨に異常が認められる場合がおおい。すでに骨の変形があるため、簡単に症状が改善することは難しい。それでも食生活を工夫したり、歯のくいしばり・噛みしめをしないように注意することで痛みが軽くなることはある。痛みを伴うようであれば、まず受診をすすめたい。

顎関節のトラブルの治療は、開業歯科医院をはじめ総合病院、大学病院など様々な施設で治療出来るが異なるので、担当医と十分に話し合うことが大切だ。

テキスト:国立病院機構東京医療センター歯科口腔外科医長

2009年9月21日 (月)

大人は治療済みの歯に要注意

本日は、倉知ななえ先生の著書『きれいな歯をつくる 大人のためのデンタル・ブック』よりお届けいたします。

◇大人は治療済みの歯に要注意

あなたは子どもの頃、歯医者さんでむし歯を治療してもらった経験はありませんか?実は大人の場合、むし歯になるリスクがもっとも高いのが、その治療済みの歯なのです。

むし歯は、口の中にいる虫歯菌が作る酸によって、歯の表面のエナメル質が溶け出すことによって起こります。

子どもに多いむし歯は、健康なエナメル質の表面や隣接歯に穴があき、色が変わってくるので、よくチェックしていれば、比較的簡単に発見できます。

ところが、大人の場合は、昔のむし歯治療で入れた詰め物やかぶせ物のわきから少しずつ進んでいくため、口を開けたときに目に入りにくい部分から始まり、歯の中へ中へと進んで行きます。

これを二次カリエスといいますが、もしそれが神経を抜いてある歯であればどんなに進行しても痛みは感じません。しかも、詰め物や被せ物には変化がありません。

こうした状況のために、気づいた時には、かなり深くまでむし歯が進行していることが多いのです。

むし歯治療の際、健康保険が利く範囲で使われるプラスチック(レジン)の詰め物や金属の被せ物は、残念ながら、一度入れても一生ものではありません。どれくらいもつかは、その人の口の中の状態や毎日のケアの仕方などによって違いますが、寿命があるのです。

これら人工物が年月とともに傷んでくると歯との間にすきまができ、そこからむし歯が発生しやすくなります。歯と被せ物の収縮率の違いから、被せ物と歯の間にすき間ができ、そこからむし歯になる場合もあります。

詰め物やつらなった被せ物は、天然の歯に比べて、どうしても汚れがつきやすいという欠点があります。そのために、その周辺は健康な歯以上に、丁寧に清掃する必要があるのです。

「治療がすんだから大丈夫」という油断は大敵!あなたの詰め物、被せ物の周囲は大丈夫ですか?

参考文献 きれいな歯をつくる 大人のためのデンタル・ブック 倉知ななえ オーイズミ出版  

2009年8月29日 (土)

パニック障害の治療

本日は、渡辺登先生の著書『パニック障害』よりお届けいたします。

◇パニック障害は薬での治療が中心~ほとんどの人が治るか改善する~

パニック障害の治療は、薬物療法が中心です。薬の効果はとても高く、パニック発作を抑え、予期不安の症状を改善する働きがあります。

個人差はありますが、三~四週間に服用で効き目が現れ始め、ほとんどの人が普通に生活できるようになります。軽症の人の場合では、完治してしまうことも珍しくありません。

広場恐怖のある人には薬物療法と併用して行動療法《下記参照》が有効です。薬だけよりも治りが早くなります。

時々薬に対して抵抗感を持つ人がいますが、パニック障害の薬は怖いものではありません。心配なら医師に相談し、医師と二人三脚で治療しましょう。

◇行動療法~徐々にふつうの生活に戻していく~

行動範囲を狭め、ついには外出出来なくなってしまう広場恐怖。少しづつもとの生活の戻して行くには、勇気をもって、一歩を踏み出さなければなりません。行動療法はそのための治療です。

★誤った思い込みを修正する

多くのパニック障害の人は、広場恐怖に苦しんでいます。その恐怖は、誤った思い込みでできあがったものに過ぎません行動療法とは、恐怖の対象へ少しづつ近づいていって、誤った思い込みであることを認識させ、恐怖を克服していく治療です。

★恐怖の対象へ少しずつ近づいていく

行動療法では、まず、「一人で電車に乗れるようになりたい」など、具体的な目標を設定することからスタートします。

次に、その目標をいくつかの小さな段階に分けて、一番楽な物から挑戦していきます。そして、その場所に慣れることが出来たら、次の段階へと進んで行きます。

大切な事は、一つ一つの段階で、ここに来てもなにも起こらないのだということを確認することです。このようにして、恐怖の対象を一つづつ克服し、普通の生活を送れるようにしていきます。

◇こんな治療法も

★認知療法

うつになると、ものごとを自分にとって悪いほうへと受け取りがち。治療者と対話をしながら、考え方(認知)のゆがみを修正していく方法。考え方のゆがみは、病気の快復を妨げたり、自分で自分のストレスを増やしていることもある。

★自律訓練法

一種の自己暗示をかけて、心身の緊張をほぐしていく方法。心身の緊張や不安をとり、ストレスに対しても強くなる。習得するにはある程度の練習が必要だが、リラックスする方法を主簿得るだけでも有効

参考文献 パニック障害 渡辺登著 講談社  

2009年8月27日 (木)

虫歯がないのに歯が痛い

本日は日本経済新聞2009年8月22日分のNIKKEI PLUS1のなかの健康生活『ヘルス この一手』よりお届けいたします。

◇虫歯がないのに歯が痛い

「歯が痛いので歯医者に行ったけど虫歯がないと言われた」と、困った顔をして私のところに来る患者さんが時々いる。

そんな時考えるのは「この患者さんは突発性三叉(さんさ)神経痛の可能正があるのでは」ということだ。

三叉神経は脳神経の一つで、顔面を通っている。額と上顎、下顎の三カ所に分布することから三叉神経と呼ばれるゆえんだ。歯や口腔粘膜の知覚がこの神経に支配されているので、三叉神経痛は歯痛との区別が難しい。これがしばしば問題となる。

三叉神経痛は、痛み以外の症状が乏しい「突発性」と、顔面や歯に痛みの原因がある「症候性」に分けられる。

突発性三叉神経痛は神経の走行路など限られた部分に、電撃のような短時間の激しい痛みが出ることが多いが、軽い痛みが長引くこともある。

痛みの発作は食事や洗顔、歯磨き、ひげそり、はてには顔に風が当たった時にも起こることがある。

顔面の片方の同じ部位が反復して痛むことも特徴で、痛みがない時には、患者さん自身も忘れていることもある。

突発性の痛みの場合、カルママゼピンという薬がよく効く。まずこの薬を処方し、症状が良くなれば突発性であると診断することもある。

一方、症候性の方は痛みが長時間続いたり、痛みの他に腫れや感覚の麻痺など別の症状を伴う事がおおい。

これらが鑑別点になるので、患者さんは症状を出来るだけ整理して伝えて欲しい。

この病気は中高年に多いとされている。原因がはっきりしない歯痛で、これまで述べられたような症状に当てはまる場合は、三叉神経痛による痛みかもしれない。

カルママゼピンによる治療効果が不十分な時は、手術による外科療法や神経ブロック療法を採ることがある。実際に私が担当した中にも、口の痛みが強く、カルママゼピンを多量服用いしないと症状が軽くならないが、薬の副作用でふらふらしてしまう患者さんがいた。話し合いの結果、手術を選択したところ、服薬が不要になった。

原因が不明の歯痛や口腔周囲の痛みが続くときは、歯科口腔外科や耳鼻咽喉科、場合によっては脳神経外科の受診とおすすめする。

テキスト:国立病院機構東京医療センター歯科口腔外科外科部長 大鶴 洋