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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
毎日のケアについてのアドバイスを載せていきます。
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当院では、心停止の救命措置に必要なAED(自動体外式除細動器)を設置しております。

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2023年11月14日 (火)

迷いが無くなってきた治療方

話しやすい雰囲気を自ら努力して作っているので、患者さんからは良く質問されます。そんな時に自分の中で確固たる診療の基準が無いと患者さんによって治療説明が変わってきてしまうので辻褄が合わなくなってしまうのです(汗)。

私の診療の基準は噛み合わせ(特に顎関節を中心に考える)にしています。

(若い頃は色々と考え込んでしまい、説明が二転三転して患者さんを混乱させてしまっていたのです)

だから最近の私の考え方は非常にシンプルで迷いがなくなってきました。ただ私の治療方法は私だけが出来るというわけでは無くて、誰にでも出来るシンプルなやり方です。

きちんとデータを取り、そのデータに沿って治療を淡々とガイドラインに沿って行っているだけです。

この治療の利点はデータを元に行っているので、上手く治療結果で出ない場合は患者さんに断って、少し治療の工程を戻って見直す事が出来る事です。このやり方を確立してからはあまり治療では悩まなくなりました。

もちろん、患者さんの口腔内の状況によっては保健治療では難しい場合もあるし、通常の治療期間よりも長くなってしまう事が出てきますから、そこは患者さんと話し合い、治療期間や治療方法、治療費等々を詳しく詰めて行くことで解決出来ています。

ただ、私にも難しいという場合があって、それは患者さんがご高齢で話し合いが出来ない場合(認知症等々)は難しいです(苦笑)。

また、自分の治療方法が確立してからは、他の先生との治療での交流等にストレスが感じられるようになってきました。特に自分と同じ分野の噛み合わせの先生とはあまり詳しくディスカッションしなくなりました(同じ理論の先生とは別です。理論的な展開をする先生のお話は非常に面白く、自分も知識の吸収が出来る事があるので、研修会等に参加して見たくなったりしますが)。

一番頭が痛いのは、経験だけで理論が無く「私にしかこの噛み合わせが出来ない」って公言している先生の「異次元理論」は近づかない様にしています(笑)。

(データも顎関節との関係を無視した噛み合わせ理論なんて危険過ぎます)

そういう事を聞きに行っている歯科関係者も苦手です(苦笑)。その信者の先生や技工士さん達には申し訳ないのですが、話を聞いても迷ってしまうばかりでメリットが無いので、最近は少し距離を取っています(どうやら私の方が変わり者の歯科医って思われているみたい)。

というか、私が距離を取られているのか!!

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2023年11月 8日 (水)

噛み合わせの治療とは。

医科には沢山の科(内科、外科、小児科、整形外科、眼科等々)があるのですが、歯科は一般歯科、歯科口腔外科、小児歯科、矯正科ぐらいしか聞き覚えがないと思います。

しかし、実際の歯科も医科に負けない位、細かい区分枠があります。歯科大学病院が沢山の階で診療が必要なのはその為です。

ですから、歯科の治療を患者さんが望む場合、大学病院の様な治療の縦横の関係がしっかりした環境で望むのなら別ですが、歯科を開業医で治療を望む場合は、事前にその先生が何を治療の主軸に置いているかを調べてからの方が、治療が効率的に進みます。

歯科の開業医を大まかにいえば、歯周病をメインに置いている予防系、噛み合わせや顎関節をメインに置いている機能系、義歯やインプラントをメインに置いている欠損補綴系、抜歯や小手術をこなす事が出来る手術系に分けられると思います。

当院は、基本的にすべてが出来るハイブリッド型なのですが、私が基本的な主軸においているのは噛み合わせと顎関節の治療です。

顎関節の治療を行っていて感じた事なのですが、大抵の患者さんは開口運動(一般的にしゃべる位に口を開ける)は問題なく行えるのですが、滑走運動(ハンバーガーを食べるみたいに大きな口をあける)が出来ない患者さんが多いです。しかし、しゃべる位には口が開くし、それで不便が無いために、自分が「顎関節症」になっている事に気がつかないのです。

人間の顎関節は両耳の直ぐ前に位置しています。そのため左右にあるのです。その顎関節の主要パーツでもある下顎頭は下顎骨の後方先端に着いている関節です。その下顎頭がある下顎骨には歯が生えています。

ですから、歯の生え方が左右バラバラだと、顎関節の左右の位置もバラバラと言うことになります。

左だけ動くけど、右はあまり動かないというのは、「歯の噛み合わせが悪いので左右の顎関節の状態も悪い」という事になるのです。

これは現実生活の中に置き換えると、噛み合わせが非対称ということになりますから、凄く負荷が大きい歯と負荷がまったく無い歯に分けられます。負荷の大きい歯は歯周病にもなりますし、知覚過敏にもなるし、虫歯にもなるし、最悪歯が割れたりします。

こういった事を注視して治療を行うのが『噛み合わせ歯科医」です。

そのため、初診で来た患者さんの歯に掛かっている負荷を少し楽にしてあげると、途端に痛みが無くなったりもします。不思議ですよね。

だから、歯が痛くなったらすべて歯の虫歯や歯の神経のせいにせずに、まずは口の中の噛み合わせや顎関節の機能が十分に機能しているかを調べてみる

2021年7月16日 (金)

無計画治療。

開業期間が15年を超えると、色々と変化を感じる事が多いです。

開業当時は30代だったのに、今は50代だから、昔から比べたら歯科の技術や診断能力は段違いで今の私の方が良い歯科医師だと思います。

開業当時は治せなかった疾患も、今では普通に治す事が出来ます。おごりは大敵なのですが、何分比較が昔の自分なので、今回は大丈夫でしょう(笑)。

昔の私は、技術のスキルを多く勉強していました。例えば、歯の抜き方、インプラントの手術の仕方、歯の根の治し方、歯周外科の術式、歯の削り方等々です。しかし、手術の仕方が上手くなっても何にもならないというのは、歳を重ねるとよく分かってきます。

問題は、「出来る(歯科の技術)」では不十分で、患者さんの口腔内の状態を見極める診断力と、どんな状態でその技術を活用するか。。。。の判断が重要だと思うのです。

だから、昔の私もそうでしたが、インプラントは出来るけど、やって良い状態なのか、やっては駄目なのか、歯を抜歯すべきか、保存すべきか等々の判断が曖昧で下手。

勢いに乗っている若手の歯科医師と私の違いは、自分の技術に《 ブレーキ 》を掛けられるか、若手が知識不足で手が出ない症例を、内科的知識と患者さんの生活環境を見極めて処置という《 アクセル 》が踏めるかだと思います。

先日、車の免許を返納してしまった高齢者の患者さんがいるのです。車が無いので、遠方の私の歯科医院にへ来られないということで、近場の若手の先生の歯科医院を受診したそうです。

そこでは、患者さんが診て貰いたい入れ歯には手をつかず、手を付けなくてもよい状態の良い歯が折れているとの診断(実際はまったく折れてはいませんでした)で、神経の処置を始めてしまったのです。

実際は、折れてもいない健康な歯の神経を抜く行為ですから、患者さんにとっては悪夢でしかありません。しかも、その高齢の患者さんが内科的疾患があると分かった時から麻酔等の身体に負担のかかる薬剤の投与は止めてしまったというのです。

毎回、麻酔無しで神経の存在する歯を削って(麻酔なしで神経を抜こうとしていたので、痛いに決まっている)いたのだから、患者さんとしてはたまったものではありません。

その若手の先生は、とにかく自分のスキルを上げたかったのかなと思います。患者さんの利益よりも自分の経験を積む方を優先してしまったのでしょう。患者さんは入れ歯を診て貰いたかったのに、関係のない、痛みの無い歯に難癖を付けて新しい技術を、その患者さんを使った試してみたかったのでしょう。

しかし、患者さんに内科的疾患があると、処置後に気がついてしまい、削ってしまった後に、削った責任が取れない行動を起こしてしまった。

患者さんとしては堪った物では無いと思います。望んでいた治療は受けられす、今まで何の問題も無い歯を削られ、しかもその歯を治療出来ず、痛みだけを与えてしまった。これでは、歯科の信頼性は地に落ちますし、不信感しか募らないでしょう。

その若手の先生は、今後こうした苦い経験を積んで成長していくでしょうけど、今回は順番がバラバラでした。

まず、その先生は「歯を削る」が一番で、患者さんの内科的疾患や主訴をないがしろにして、無計画で欲望のままに治療を始めてしまったのが敗因です。

まず、患者さんの状態を見て、治療計画を立ててあげるべきでした。患者さんの生活環境や内科的疾患がある場合は、「本当はやった方が良い治療」もあえて行わないという選択も必要だと思います。なぜなら歯科は外科に分類されますので処置によっては口腔内のバランスが崩れてしまうからです。

若手の先生は、その患者さんに麻酔を掛けないで神経を抜くという処置をしようとしていましたが、もっと内科の知識や全身疾患を勉強されて、ある程度は麻酔を掛けても大丈夫と言うことを学んだ方が良いと思います。体に優しい麻酔薬もあるのですから。

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2021年6月 3日 (木)

努力の先にあるもの(叱られ覚悟ブログ)。

子供の頃に一度母親に、「お前は必ず2回失敗する子だね」とため息をつかれた事があります。

実を言えば、それを母親に言われた時に、「マズイ、親には分かっていたんだ」って恥ずかしい思いをした事があります。実は自分でも分かっていたのです。2回失敗癖の事は。

私は子供の頃、危機感をあまり持たずにのんびり育ってしまったので、友人との競争(スポーツや勉強など)には全く興味が無く、負けず嫌いの反対の「負けても気にしない」という駄目な性格でした(苦笑)。

だから、なにをやっても長続きしないし(飽き性)、反省も無し。

本当に親からしたら、心配の塊みたいな子供でした。

そのため、何事にも本気で取り組まなかったので、1回目は知識不足や、やる気の無さで失敗。2回目はおめでたい性格だったので、「まさか、2回は失敗しないでしょう?」と人生を楽観視して、反省と復習をせずに失敗してしまう・・・・こういうことを繰り替してばかりいました。

大学を2回留年した時も同じ気持ちでした。ただ、大学は親から離れて一人暮らしだったため、頼れる人はいないし、友人は先に歯科医師になっているし、後輩は先輩になっているしで、精神的にかなり落ち込んだし、反省もしました。

そこから、同じ境遇の友人(苦笑)と相談して、気持ちを入れ替える事にしました。

こんな生き方をしていると人生詰んでしまうと思ったから。

これが良かったです。今考えると。

どんな風に考えたかと言えば、「とにかく失敗しないように頑張る。もし失敗してしまったなら、自分の物になるまで練習したり、勉強する」という風な感じ。

これで、2回失敗癖が減りました。2回失敗してしまったとしても実りの多い経験になりました(以前は経験にすら成らなかったです。反省が無かったので)。

前置きが長くなってしまいましたが、何が言いたいかと言えば、毎日行っている失敗しないための努力は、全て生活する為に行っている努力だということです(人生を詰まない為)。ゲスな言い方をすれば、その努力は必ず「稼ぎ」に繋がっていなければならないといけないと考えています。

《 稼ぎがあれば、精神的に余裕が出るし、スタッフを幸せに出来るし、最新の機材や新しい技術を研鑽しやすくなり、患者さんに貢献できます 》

稼ぎに繋がらない「努力」は、「趣味」だと思っています(趣味は何度失敗しても良いし、それも楽しいし)。

医者や歯科医師は、スキルや知識を向上させないと行けない職種です。人の体に触れる職業で責任が伴いますので。

だから、人体の構造(我々は口腔や顔面の解剖)を熟知していないといけないし、スキル(技術)も向上させないと行けません。一度スキルを身につけようと決心したなら、何度も何度も何度も何度も練習して練習して練習を繰り返す必要があります。

そうして身につけたスキルは、自分自身の体に定着して、医療を施す事が出来る様ようになり、脳が瞬時に術野に反応し、勝手に指先が動く様になります。ここまで出来て初めて医療です。

だから、一つの技術を身につけたら、おいそれと次の技術には行けません。深掘りして自分のものにしないと。

ジャンボジェット機の免許は、飛行機の機種ごとにあると聞いています。免許以外の飛行機は飛ばせられないと聞いています。慣れないと多くの乗客の命を危険にさらすので。

現在は歯科医師過剰時代と言われています。

多くの歯科医師は貧困に喘いでいます。しかし、残酷な言い方をすれば、貧困に喘いでいる歯科医師が不真面目という訳ではないのです。彼らは実に多くの研修会や学会に真面目に何度も何度も通っています(同じ研修会に2回も3回も通っている強者もいます)。しかし、それが稼ぎに繋がっていない。

だから、通っている研修会は趣味なのかもしれません。勉強会に出席している友人に会いたいとか親睦を深めたいとか。

多分、これを読んで不快に思っている先生も多いかと思います。しかし、これが現実です。

私は不謹慎だとお叱りを受けるかもしれません。

ストレス過多のこの世の中、口腔の疾患は溢れています。患者さんが減っている訳では無いと思います。

研鑽を積んで、それが実りに繋がっている先生は、良い努力を続けているのでそれを継続するべきですが、全く患者さんに恵まれない先生は、努力のベクトルを自分に向け過ぎですので、患者さんへ向けるべきだと思います。

上から目線では無く、患者さん目線で。患者さんの分かる言葉で説明し、安心を提供する。それが医療。

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2021年4月 7日 (水)

歯が痛いのです。

歯が痛いのです。ここ2ヶ月くらい。

私は常日頃、患者さんの歯痛の悩みを受け止め、アドバイスや治療を施しています。

もちろん、治療を行うのは最終手段。基本的には痛む理由を患者さんに説明して、再発しないように、治療費が掛からないような生活をアドバイスする事の方が圧倒的に多いです。

全ての患者さんの痛みを「歯を削って埋める」「歯の神経を抜く」を繰り返していれば、私の体は持ちませんし、患者さんからの信頼を失ってしまうでしょう。

本当に治療しなければいけない歯牙は、生活環境を改善しても痛みが取れない場合と齲窩が象牙質や神経(歯の深い所まで)にまで達してしまった場合のみなのです。

歯が痛む場合の大きな原因は、歯に長時間負荷が掛かっている時です(私はそう考えます)。

「硬い歯」と「硬い歯」が硬い食物を挟んで、万力の様に日々砕いているのですから、噛みどころが悪かったり、歯と歯が長時間食いしばっていたら、歯を支える歯根膜というスプリングが歪みの伸びきって痛みを発します。

しかし、体は生き物なので、工業製品の様に一度壊れてしまったら交換するまで直らない機械では無く、壊れた原因を取りのぞき、改善してあげれば元に戻りやすいです。

で、私の歯が痛い原因ですが、自分が歯医者なので良く原因が分かっています。

ここのところ、難しい手術や細かい矯正治療などが続いたせいで、治療中は食いしばって治療しているのです。

私は細かい治療をする時は、息を止めて、歯を食いしばり、集中して行います。

特に右の上顎小臼歯に強く当たっている事が多いと自覚しています。

まさに、その歯が夜にシクシクと痛みます。

土曜から日曜日の診療が無い日は、歯の痛みが「ピタッ」と収まるのです。

夜中などはマウスピースなどを装着して歯を守れるのですが、診療中はマウスピースをして治療は出来ないのです。途中で説明しないと行けないし、コロナの関係上、患者さんの前でマスクを付けたり外したりも出来ないので。

しかし、自分の歯がシクシクと痛みながらの、患者さんの歯の痛みを改善しているというのは、何だか皮肉なものです。

長期の休みが欲しいこの頃です。

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2021年3月21日 (日)

最近のお気に入り。

最近私が好んで使っている歯ブラシは、EBISUさんのプレミアムケアW62という歯ブラシ。

これは奧さんが偶然購入してきてくれたのですが、ヘッドの後ろが「舌クリーナー」となっていて、ブラッシングする度に舌クリーナーが口腔内の粘膜を刺激してくれて、とても気持ちが良いです。

また植毛の中に「ステインリムーバー毛」という歯面の汚れを落としやすい構造の毛が入っているみたいで、これまたよろし。

大型ドラックストアならどこでも購入出来ると思いますので、気になる方は是非。

ただ、難点はすこし繊細さには欠ける気がするので、歯周病がかなり気になる方には向かないかも。

そんな方は歯科医院推奨の歯ブラシを購入してください。

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2021年1月 3日 (日)

毎年難しい年末の診療。

またまた去年の話です。

毎年思うのですが、年末の診療はとても難しいのです。患者さんが年内までに終了したいと思う気持ちが高ぶりますが、診療側は、年末年始の診療休診期間に痛みや重大な事故が起こらない様に調節しなければ行けないのです。

そのため、大型の外科的処置(インプラント手術や親知らず、大きな腫瘍の切除)といった処置後に痛みが持続しそうな治療は極力控えるようになるのです。

しかし、年末の急患は、すべて歯肉が腫れていたり、抜歯が必要な処置だったり、本当に肝が冷える恐ろしい症状ばかり(苦笑)。これが年末で無ければ、腰を落ち着けてじっくりと手術を行うのですが、なにせ年末。痛みが出ても、次に診る事が出来ないのです。

この記事を書いているのは、実はまだ年末であと何日か診療日が残っているのですが、何事もなく終わって欲しいと願うばかり。

あ〜神様!!

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2020年9月 9日 (水)

新型コロナウィルス感染症対応従事者慰労金交付事業完了!!

福島県(全国で実施 都道府県で対応)が交付する医療従事者に向けた慰労金の交付を完了しました。

県より支給された交付金を、本人による給付金の確認の後、受領した証として、住所と捺印を頂き完了です。

当院は、スタッフに今回の慰労金の手続きを行って貰い、大変助かりました。

8月の末に給料明細と一緒に慰労金を渡すことが出来ました。

本当に医療機関はスタッフがいないと全く仕事が出来ないので、今回の慰労金の政府の決定には本当に有り難かったです。

また、一層地域住民の方々の為になるように頑張りたいと思います。

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2020年7月14日 (火)

成功体験を積み重ねろ!!

私の場合、精神的、肉体的に調子の良い時は、放っておいてもどんどん自ら仕事をこなします。

しかし、精神的か、身体的か原因が分からないけど、体が怠く、調子が上向きにならない時は、当たり前ですが、心のエンジンの掛かりが悪く、効率が低いです。

そういうときは、日頃面倒臭いってほおっておいた事務仕事をどんどん無理矢理こなすに限ります。

時間が掛かって面倒臭いって仕事は実際少なくて、面倒臭いだけで実はすぐに出来てしまう仕事が殆どなので、ぐいぐいと仕事をかたづけます。

勿論、自分の感情のスイッチはOFFにして、手だけを事務的に動かして仕事をこなして行きます。

そうすると、20分くらいで心のエンジンが始動し始めて、ペースが上がって来ます(笑)。

要は、気持ちの《 面倒臭いスイッチ 》が入っているだけで、エンジンさえ掛かれば後は普通に仕事がはかどります。

勢いで仕事をしていれば、大抵昼休みか、診療終了の時間がやって来ます。

私の場合、小さい成功体験を積み重ねれば、仕事のペースが上がってくることが最近分かりました。

ちなみに、面倒臭い事務仕事というのは、資料をファイル別に分別したり、ファイルに綴じたり、連絡事項のメールをしたりというほんの些細な事です。

とにかく頭が動いていない時は、手を動かして行けば何とかなるって話でした(笑)

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2020年7月11日 (土)

こどもの手。

私には子供が二人居ます。

娘と息子です。娘は中学生になったばかりで息子は小学生の上の方。

最近、寝ている子供たちの「手」を触ってみたのです。

二人ともゴツゴツとマメが沢山出来ています。

特に二人とも運動をしている訳では無いのに・・・・。

これは多分、毎日の通学に関係があると思っています。小さな体に自分の体重の半分くらい有るんじゃないかと思われる位の重い荷物を持っているのです。

大人の私が持っても「重いっ!」って思ってしまうくらい重量がある荷物です。

あれでは絶対に子供の骨格が変形してしまうと感じます。

まあ、親ばかな意見なのでしょうが、それにしても重すぎます。

でも、勉強等をしっかり頑張ってくれている様なので、見守って行きたいと思います。

頑張れ!

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2020年7月10日 (金)

私生活の安定=仕事の安定

毎日の生活の成功は、いかにマイペースにルーティンを崩さずに生活をしていくかに掛かっていると思います。

しかし、その毎日の決まったルーティンを持続するのが本当に困難で難しいです。

その大きな「難しさ」の要因は、やはり「メンタル(精神力)」に掛かっていると思います。

どんなメンタルかと言えば、私の場合は「仕事以外の生活面」が充実しているか否かなのかと思います。

やはり、子供や親の体調が悪かったり、自分の生活リズムが狂っていたりすると、かなり仕事面でも狂いが生じやすいです。

つまり、私の場合、私生活のリズムの安定が仕事の成功の秘訣だと思います。

ただ、社会的に責任ある立場にどんどん人生が肥大してくると、私生活(プライベート)にもガンガンと容赦なく仕事が舞い込んできて、生活リズムがどんどん崩れていきます《泣》。

まあ、歯科医師会の仕事や同窓会の仕事の事です。私の場合。

今の歯科医師会の五役(理事の私の更に上の立場の方々)と呼ばれるかなり責任のある立場の方々なんて、私の精神レベルの次のステージに上がっているように思い、もはや同じ歯科医師とは思えない位、異星人に見えます(人間とは思えない)。

私には到底無理です(マジで)。

どうやったら、全てを悟った修行僧の様に安定した精神面を保てる様になるのでしょうね。

多分、それを知ることが出来るのは来生か、仕事を引退する間際か、、、そんなところでしょうか。

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2020年7月 1日 (水)

棚が足りない問題。

5年前に当院を増築した際にかなり大きめな収納スペースを確保したのですが、殆ど埋まってしまいました。

物は意識的に注意しないとどんどんと増殖してしまうので、困った物です。

しかし、カルテ等の患者さんの個人情報は簡単に棄てる事が出来ないので、何か対策を考えなければいけません。

院内の中は基本的に要らない物はないため、場所を確保する場合は「必要だけど、長年使っていない物」を棄てて、場所を確保する必要があります。

これも中々難しいですよね。

本当に頭の痛い問題です。

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2020年6月10日 (水)

この資料は凄い!

もの凄い参考書を購入してしまいました。

「模型を見る 模型を読む」という歯科の本です。

一般の方は何の興味も持たないかも知れませんが、歯科関係者の噛み合わせを専門にしている方が見たら驚愕の内容です。

この本の内容は、、佐藤貞勝先生が研究のために1955年頃から50数名の研究員とともに生後4ヶ月の乳歯萌出から20歳前後の永久歯列完成までを2ヶ月間隔で歯列模型を採得し続けた物をまとめたものです。

本の中身は、この間の歯列模型の写真を羅列したものに過ぎないのですが、この凄さは計り知れない程の破壊力があります。説明は全く要りません。

成長過程での経年変化がハッキリと分かり、不正咬合の成り立ちの恐ろしさを診る事が出来ます。

こういった歴史的研究をまとめた清書は、大抵10万円以上する大型本の場合が殆どなのですが、この本はコンパクトな手のひらサイズでしかも定価が1万円を切るという凄さ(値段を抑える工夫が随所にみられます)。小さく手頃なので、いつでもどこでも見られ勉強出来ます。

佐藤歯学研究所が多くの先生方に歴史的研究を活用して欲しいという熱意がヒシヒシと伝わってきます。

大事に活用させて頂きます。

ほんと、こんな歴史的大書、言葉は要りません。写真だけで臨床のヒントを多く提供してくれています。

佐藤先生と出版を快諾した出版社に感謝。

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2020年2月27日 (木)

社会の利益を考えて行動する。

ウィルスの厄介な所は、感染経路が特定しづらいという所にあると思います。
感染経路さえ特定出来れば、その原因を隔離なり必要処置を施せば被害を最小に防げると思います。
しかし、その経路特定が難しい為に世界各国で混乱が続いているのだと思います。
思い切って、中国からの入国を一時的に拒否するなど強硬な姿勢を示せれば良いのですが、それも国家レベル、個人レベルで考えれば民主主義の日本では難しいのでしょうね(もう遅いという指摘もありますが。)
今後我々に出来る事は個人レベルで感染経路を作らない、集団には近づかないということでしょうか。
昨日、申し込んでいた年間研修会の延期のお知らせが来ました。
予定もかつかつの中、かなり楽しみにしていたプログラムだったので、残念至極ではありますが、個人の利益よりも社会全体の利益を優先した研修会側の姿勢は買いたいと思っています。
かなり辛い決断だったと思います。
私も歯科医師会の学術理事という立場上、研修会を企画運営する側なので、「延期・中止」の決断の難しさは皆さんが想像しているよりも、更に困難だと思います。
今は、自分が感染しないための行動をすることが社会全体の利益に繋がると言うことを肝に銘じて生活するのみです。

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2019年9月 6日 (金)

涼しくなってきたので。

ここの所、夜も涼しくなって来たため、夜に仕事をするのも大分楽になって来ました。
こんな時は、珈琲でも飲みながら資料の整理や読書、はたまた技工作業などをするのが良いですね。
先日は、矯正のワイヤーの屈曲を行いました。
私の場合(あくまでも私の場合です・・・)、心の乱れがワイヤーの屈曲の乱れに繋がるので、いつでもワイヤーの屈曲を出来る訳ではありません(苦笑)。
先日の夜は心穏やかに屈曲作業が出来ました(笑)

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2019年8月24日 (土)

健康増進法が改正されました2

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昨日の続きです。
今日も煙草と健康に関する事を歯科医師会から送られてきた資料からご紹介いたします。
「加熱式タバコは本当に安心か?」
・煙が出ない
・水蒸気
・害がない、少ない
・受動喫煙がない
上記の理由から紙巻きタバコから加熱式タバコへの移行する喫煙者が増えているそうです。
ところで、吸い込んではき出す蒸気は「水蒸気」ではなく、正確には「エアロゾル」で有ることをご存じですか?
WHO(世界保険機構)は「電子タバコのエアロゾルに曝されると健康に悪影響を及ぼす可能性がある」と指摘しています。

発がん性との関係は?
国立がん研究センターの研究グループの多目的コホート研究「JPHC研究」では喫煙と飲酒は、ともに口腔・咽頭がん発症リスクを増加することが確認され、「口腔・咽頭がんの予防には喫煙せず、飲酒量を控える事が口腔がんを予防する上で重要である」と結論づけています。
・口腔がんの発症率は全がんの1〜2%でここ30年間で約3倍に増加、年間約7、000人が新たに発症し約3,000人が死亡しています。
また、口腔がん全体の5年生存率は60〜70%で初期のものではほとんど治癒することから、できるだけ早期に口腔がん検診の受診をお勧めいたします。

卒煙のすすめ(卒煙:喫煙者として現役を引退または喫煙などを卒業すること)
喫煙が人体に与える影響を調べるための喫煙指数(ブリンクマン指数《喫煙指数》)
1日あたり喫煙本数(本)×喫煙年数(年)
500以上:気管支関係の罹患者数が増加
1300以上:肺がんや喉頭がん等の罹患者数が増加

となるようです。

2019年5月27日 (月)

私の診療のスタイル

歯科医師には多くのタイプが存在します。
歯内(根)、歯周病(歯肉の病気)、補綴(入れ歯、被せもの)、外科(抜歯、腫瘍)、小児歯科(こども)、訪問歯科、矯正(歯並び)などの専門性の高い治療を極め、その治療を軸に治療を組み立てるタイプ。
保険治療を丁寧に行うタイプ。
自費専門で治療を行うタイプ。


私は自分でどのタイプに属するのかと考えると、保険の治療を中心に考えて、保険では治療出来ないと判断した症例だけは自費の治療にしていくというパターンでしょうか。
専門性で考えると、補綴(入れ歯、被せもの)だと思うのですが、必要があれば、外科(腫瘍と大きな手術以外)と矯正も自分で行います。
難しい根の治療や、小児の治療は専門性の高い先生に紹介させて頂く事もあります。
で、先日もこのブログで書いたのですが、とにかくせっかちなので(苦笑)、沢山の患者さんを診療したいと常々考えています。
保険と自費を満遍なく行い、かつ、沢山患者さんを診療するには、診療のスピードが大切になります。
出来るだけ患者さんの苦痛を少なくする為に、チェアタイムを短くしてあげたいって思ったのが、スピードを上げようと考えた理由です。
とにかく若い頃から、信用性の高い質の高い診療を効率的に行うにはどうしたら良いかをずっと考えてきました。
(講演や研修会、学会にて技術を学んだ後も、自分の診療室でどうやったらこの技術を効率よくシステマティックに出来るかを考えてばかりいました。)
しかし、その診療のスピードが少し昔に比べて落ちてきました。
原因は、視力、体力の低下と機材の劣化。
機材は交換すれば良いけど。
体力は地道に頑張るとして、視力は、少し目を休ませたりするしかないのかな。
とにかくまた、課題が出てきたので、特効薬を考えましょうか。
これも楽しい作業。

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2019年5月25日 (土)

歯科検診でみえてくるもの

今週の木曜日に2回目の学校歯科検診(郡山東高校)に行ってきました。
今年から、自分の口腔内で気になる事があれば、事前に質問事項が検診票に付箋で貼ってあります。
多くの質問があると思うのですが、面白い事に3つの質問しかないのです。
・歯肉からの出血
・知覚過敏
・顎関節症
本当に、計ったようにこの質問しかありません。
これらは歯科の問題点を鋭く突いているのです。この質問3つは(笑)。
口腔内で発生する問題での2大原因は、「バクテリア」と「荷重(ちから)」です。
歯肉からの出血の原因はバクテリアが原因です。
バクテリアとは、細菌の事で、歯に「歯垢(細菌のかたまり)」や「歯石(細菌のかたまりが固まったもの)」がこびり付き歯肉の炎症や発赤が起きているのです。いわゆる歯周病。
顎関節症というのは、下顎骨を支えている顎関節部の故障の事。なぜ故障するのかといえば、噛み合わせが左右非対称で、同時に噛めないので、異常のある顎関節部の下顎頭が異常に後方へ移動してしまい、それに伴い関節円板が前方へ移動をしてしまう疾患。つまり、「荷重(ちから)」が掛かりすぎているのです。
知覚過敏(歯がしみる事)の発生機序は、歯周病や歯肉炎で、歯肉が下がってしまい、敏感な象牙質が露出してしまっているパターンと、歯ぎしりや食いしばり等の力で、エナメル質が剥離(「はくり」 脱落してしまうこと)が起こって、象牙質が露出したり、神経の近くまで歯が無くなってしまったりと、歯周病の原因と顎関節症の原因がミックスした現象なのです。
学校検診のわずかな人数(といっても人数は100人を超える大人数なので、統計的n数は必要充分)で、歯科の問題がクッキリ浮き彫りに出来たのは面白いなって思いました。
新任の養護の先生のお手柄だと思います。
ただ、生徒さんから顎関節症を相談されても困った事が。
それは、顎関節症とは、下顎骨の動きが制限される為に、左右の顎関節部の動きが妨げられて(非対象に動いてしまう)起こる症状なので、下顎骨や上顎骨の末端についている「歯」を動かして顎関節部の動きを滑らかにしなければ行けないから、「顎機能矯正をしたらいかがですか?」と忠告すると、「矯正が終わったら,顎関節症になってしまった」という答えがチラホラ。
顎関節というガジェット(機械的な動き、メカニズム)を理解しない先生がいるのかもしれません。
矯正というのは、並べやすく抜歯して、見た目を良くして・・・・も大事ですが、上下の歯の接触関係を無視した「見た目優先」では顎関節を悪化させてしまうのではと懸念してしまいます。
矯正治療で顎関節症になってしまった患者さんに、「もう一度矯正治療をさせて頂けませんか?」ってお願いする程、辛い事はありません(泣)。

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2019年2月20日 (水)

舌癌

堀ちえみさんご自身が「舌癌」で在ることを公表し、闘病されています。
さぞかし、辛く大変なことと、お察しいたします。
一刻も早い回復を願っております。
舌癌の認識は、私達が20年以上前に歯科大学で習ったときと、だいぶ統計的に変わってきているようです。
私が大学で舌癌を学んだときは、2:1で男性の方が発症率が高いとされていました。
理由としては、喫煙率が高く飲酒量の多い、生活習慣がよくない中高年の男性が発症しやすいから。
ところが、日本癌治療学会がんの診療ガイドラインによると、口腔がんの罹患(りかん)者の男女比は変化してきていて、近年は男女比3:2と、女性の比率が高まっているという。なかでも、若い女性に口腔がんが増えているらしいのです。
口腔がんが若い人たちに増えている理由は、まだ明らかになっていないのです。
一番の原因は、先天性の物ではなく、後天的に慢性的な刺激を受けて発症するものなのです。
では、その後天的な刺激とはなにかといえば、放置した虫歯の鋭利な部位が長期間、舌に刺激を与え続けていたり、歯並びが悪く舌の動きを妨げたり、傷を付けたり、合わない入れ歯を長期間入れていたり等の長期間慢性的な悪い刺激を舌に与え続ける為に起こると言われています。
そこに、喫煙の習慣があると一気に癌化のスピードが上がります。
セルフチェックでの舌癌が口内炎かの違いですが、治る期間が大事になります。口内炎は長くても10前後で完治しますが、1ヶ月以上も状態が良い方向へ変化が無い場合は直ぐに専門医に相談するべきだと感じます。
口の中の癌は悲惨です。
状態が悪化する前に対処する事をお奨めいたします。

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2019年1月21日 (月)

てんやわんや(汗)

今朝は本当に大変でした(大汗)。
ちょっと朝のうちにやらなくては行けない仕事があったので、余裕を持って医院内に入りました。
週明けの仕事が溜まっている状態だったので、始業までの間にかたづけようと、ちょっと楽しみながら事務仕事をしていました。
そんな時です。
急に電気のブレーカーが飛びました。
実は、朝にブレーカーが飛んだのは先週末もあったのです。
電力は直ぐに回復したのですが、第二手術室のレントゲン用のパソコンの調子が悪くなってしまったのです。
もう、全く起動しない。
直ぐにその手術室で親知らずの抜歯の手術があるのに〜〜(泣)。
取りあえず、他の事務仕事は置いておいて、パソコンの修理、復旧に集中しようと思いました。
ただ、週明けなので、急患が朝、沢山来院していて、パソコンばかりに関わっていられない、しかし、パソコンが復旧しないと治療が出来ないという板挟み。
こんな時に大事なのは、落ち着く事です。
深呼吸を何度もしながら、順序よく治療とパソコンに関わりました。
10時には全て丸く収まっていました。
何事も落ち着く事が大事ですね。
(自分に言っている。。。苦笑)

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2018年12月18日 (火)

師走の歯の痛み。

12月も半ばを過ぎましたね。
この時期は何かと忙しく、時間に追われています。
とにかく時間に余裕がなく、しかも、気持ちも「何とか年内にこの仕事(用事等々)を終わらせたい」という追い込まれたものになります。
これは確実に体も蝕んでいきます。
歯に関して言えば、「心」ではなく「脳」へのストレスとなって現れます。
「脳」へのストレスは「歯ぎしり・食いしばり」で体はまず解消しようとするのです。
そのため、歯科に関して言えば、食いしばりによる「歯根膜痛」という強い痛みが発生しがちです。
治療方法としては、歯を少しだけ削って、噛み合わせの当たりを少なくする事や、マウスピースを装着して歯を保護する方法などがあります。
マウスピースの場合は間に技工操作が入りますので、年内に作りたいってご希望の場合は、時間が掛かりますから、「是非、年内に」とご希望の場合はお近くの歯科医院へ急いでご連絡した方が良いと思います。

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2018年10月26日 (金)

首、膝・・・。

どんな事でもそうなのですが、「1万時間の法則」というものがあります。
どんなに難しい事でも、不器用で出来なくても、とにかく1万時間その事について繰り返し行っていればどんな人でも上達するって事みたいです。
楽器(ピアノ)、職人さんの修行等々。
だから、毎日、毎日同じ事を繰り返し、意識をもって繰り返せばどんな人でも上手くなれるのです。
私の歯科治療も同じ。
明らかに医者に成り立ての時や開業時の自分の歯科治療の腕前は上手くなっているし、時間も早いです。
これは自信をもって断言出来ます。
私は基本的に血なまぐさいのか、外科手術が大好きなのです。
(細かいのも好きなので、最近は矯正も大好き)
だから、今まで難しいと言われてきた外科術式にも挑戦し、自分の物にしてきました。
(代診の先生が30分やって抜けなかった歯を10秒で抜いた事もありましたっけ)
術式が上手くなったのは、実は診断が上手くなっているのが原因です。
診断が上達しているので、余計な事をしなくなったのです(自慢ではなく、事実として)。
ただ、最近新たな問題が出てきました。
例えば親知らずの抜歯なのですが、下顎の横を向いた状態で埋まっている歯はどは、口腔内で、しっかりと切開、骨除去を丁寧に行えば歯がクッキリと見えてくるので、CTで神経の場所を確認しつつ丁寧に手術すればいとも簡単に抜歯できます。
これは私が上手いからではなく、1万時間の法則のたまものです(最初の方の患者さんには申し訳ないですが、そりゃ15年以上前の抜歯は時間はかかるは、口の中は血の海だわって。。。。)。
親知らずは下顎だけではありません。
上顎にもあります。
上顎は比較的簡単で、「サクっ」と抜ける場合も多いのですが、親知らずが深い位置にある場合は、下顎の親知らず抜歯よりも難しいです。
とにかく見えないから(苦笑)。
で、難し上顎の親知らずの場合は、とにかくCT画像をじっと見つめて、親知らずと上顎洞、第二大臼歯との位置関係、唇側よりや口蓋よりかを見極めて切開と骨除去をすすめていくのですが、ずっと前屈みの中腰で、左足をずっと踏ん張りながらの作業。
最初に、「首」が悲鳴を上げてきます。
次に「膝」。
10年前は体の悲鳴は聞こえなかったけど、治療がいまいち。
今は治療は自信あるけど、体が悲鳴。
ほんと上手くいかないわ、世の中。

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2018年9月 3日 (月)

歯科恐怖症3

昨日は、とにかく麻酔が嫌いってタイプの歯科恐怖症の話しを最後にしたのですが、まだまだ歯科恐怖症のパターンは存在します。
次は、麻酔が嫌いなのでは無くて、純粋に痛みが怖いっていうパターン。
このパターンの患者さんはとにかく真面目。予約時間厳守。歯科医師としては一番好きなタイプ(笑)。
そのため、どんな治療にも麻酔を要求します。
神経が無くて、痛みを感じない場合でも麻酔を要求します(笑)。
でも、まっっっっっっっっっったく嫌な感じがしません、なんでだろう。
むしろ、一生懸命さが伝わってきて好ましい感じすらします。
次の歯科恐怖症は『音』。
タービンやエンジンの「キ〜〜〜〜〜ン」(当院は5倍速というエンジンを使用しているので、この音はしません)という音が苦手な人。
最初は本当にどうしたら良いか分からなかったです。やはり歯科診療は機械を使わないと行けないので音は消せないのです。
そんな時に考えたアイディアは、耳栓です。
耳栓を販売する事にしたのです。しかもその耳栓を「マイボトル」ならぬ「マイ耳栓」として治療終了までお預かりするというアイディア。
最近はそんなに音の恐怖症の方は来院してこないですが、耳栓はいつも置いてあります(多分、明日チェックしてみよ)。

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2018年9月 2日 (日)

歯科恐怖症2

歯科恐怖症はタイプ別に分ける事が出来ます。
まず、古典的なパターンとして、とにかく歯医者が大嫌い。
年に1人くらい、面と向かった「私歯医者が大嫌いなんです」っていう患者さんがいます。
もちろん、歯科治療が嫌いで、私達歯科医師の事が嫌いではないって事は理解出来るのですが、いきなり言われると、最初は脳が反応出来なくて『ムスッ』っとしてしまいます。
患者さんも私の機敏な顔つきに反応するのか、「あ、先生の事では無いですよ、歯科の治療が・・・・」ってほぼ100%言ってきます(笑)。
話しがそれましたが、とにかく自分では見えない口の中に機械を入れられて削られるという行為を想像するだけで、足がすくんでしまうタイプ。
その次に多いのが麻酔が嫌いな歯科恐怖症。
尖端恐怖症ではないと思うのですが、とにかく麻酔が大嫌い。このタイプは老若男女全ての年代に多いです。しかし、一度麻酔の恐怖を克服してしまうと、今までの歯科恐怖症で出来なかった治療を取り戻すかの様に積極的に治療を受け始めます。
今から10年くらい前(もう時効だから話しちゃおう)の患者さんの事です。
とある会社のお偉いさん。もう、注射が大嫌い。
しかし、どうしても歯を抜かなければならない状態。ただ、会社で忙しいとか、人前に出なくてはならない、来月になったら、来年になったら、と延々と長引かせていたのです(それでもキチンと来院してくるから偉い。流石人の上に立つ人)。
その時も会社の都合が付かないからって断りの為に来院。
で、つい私が言ってしまったのです。
「会社の都合が付かないのではないでしょ。○○さんの覚悟が出来ていないんでしょ」って。
(ほんとは、こんなこと患者さんに向かって言ってはいけないです。でも馬鹿な私はたまに言ってしまうのです。すいません)
で、その時、彼のプライドに傷がついたのでしょうね。
「先生、今日抜いて下さい。」とキッパリ言い切りました。
その時に患者さんは開き直ったのでしょうね。それ以来、歯科恐怖症はキッパリ無くなりました。
ちょっと患者さんには傷つかせてしまったと反省しているのですが、今では真面目に通院してくれています。
歯科恐怖症の話し明日に続く。

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2018年9月 1日 (土)

歯科恐怖症1

子供の頃に歯科で恐怖体験をしてしまうと、本当に悲惨なのです。
私もその一人。
子供の頃、虫歯が痛くて父に治療を頼みました。
その時はちゃんと麻酔をしてくれたと記憶しているのですが、抜髄という神経を抜く処置をする時に体中に電流が走るような痛みが一瞬走りました(泣)。
それ以来、治療台の上に座るのが怖くて怖くて仕方がありませんでした。
歯科恐怖症になってしまって一番の不幸は、心の葛藤があります。
「今、現実の歯の痛みと歯科の治療の恐怖を天秤に掛けてしまう」のです。
勿論、今現在の歯の痛みも耐えがたいのですが、歯科の恐怖も身震いする程の恐怖がある。そうこうしている内に歯の神経が完全に死んでしまって(壊死)、痛みが引いていくと、大きな穴の開いた歯の事は頭の片隅からも消えてしまう。
そうこうしていくうちに、大きな穴の開いている神経の死んだ歯は脆いので、歯冠(歯肉より上の部位、いわゆる歯の部分)が崩壊し、歯並びが崩れ、健康な歯に負担が掛かり、その歯も虫歯になり・・・・とう悪循環に陥ってしまいます。
今私は、歯科医師で生計を立てているから,嫌と言うほど虫歯の危険性については分かっています。
しかし、学生の頃は分かっていませんでした(後悔)。
だから、私の口腔内は悲惨です。
歯科医師のくせに、前歯はインプラントです(逆転の発想で、患者さんにはインプラントは良い物ってアピールするのに使っていますけども)。
私は歯科医師なので、歯科恐怖症よりも歯をちゃんとした方が良いって強制的に分かっちゃったから、今は恐怖症ではないけど、私のような機会がなく、恐怖症を克服出来ない方はほんと、何とかしたいな。
明日へ続く。

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2018年4月 4日 (水)

フィラーワード

フィラーワードって知っていますか?
日本語訳をすると「不要な言葉」という意味です。又の名を「えーあー症候群」。
人ととの会話の中で「えーーーーっと」とか「あーーー」とかを無意識に言葉の最初に挟んでしまう言葉です。
これって、とっても会話している人にとっては聞き取りにくいし、理解しにくい(苦笑)。
またこのフィラーワードがある人に限って話しが長い・・・(泣)。
研修会や講演会、テレビの司会者で人気のある講師、アナウンサーの会話にはフィラーワードが全くない。
とても聞きやすいし、話しが完結なんです。
自分でも患者さんと話す時や友人と話す時は、出来るだけこのフィラーワードを入れない様に努力していますが、やはり緊張していると出てきてしまう。反省反省。
私は今、郡山歯科医師会に属しているのですが今の会長でもある伊藤先生の話し方にはいつも切れがあって、頭にすんなり内容が入ってくるのです(言葉に人を納得させる力がある)。非常に頭の良い知的な人だなっていつも思っているのですが、彼の喋る言葉にはフィラーワードが全く無い。
水が高い所から低いところへ流れるがごとくスムーズな物腰。凄く憧れます。
そういえば、前会長の藤田先生もフィラーワードは無かった。その前の柳田会長も。
フィラーワードが駄目と言っているのではなく、相手に与える印象が悪く捉えられる可能性があるので注意しなければならないねって事なんです。
フィラーワードの裏には、相手に良く聞かせようと頭の中で整理している時間にこの「あー」が出てしまうと思うのです。
前出の伊藤先生に関して言えば答えを求められたり、挨拶の前にはぐっと息を整え一瞬思考する表情をするのです。一瞬で考えをまとめているだろうな。
人前で話す機会が多いから慣れているというのもあるかもしれないけど。

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2018年2月25日 (日)

カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)

私達の目と鼻の先にある総合南東北病院にてカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)の院内感染が昨年12月末から本年1月にかけて入院患者さん5人に発生いたしました。
南東北病院では現在、発生経路などを鋭意調査しているという事なので、調査結果を待ちたい所です。
なお、2月の現在新たな感染症および新たな保菌者の発症は起きていないと言うことです。
大変心配な事態ではありますが、南東北病院は郡山では大変信頼の置ける(この発症にて亡くなられた患者さんには、お気の毒でした。ご冥福をお祈りいたします。)病院の一つです。早めの解決を強く望んでいます。

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2017年11月11日 (土)

ついに立てなくなってしまいました。

昨日は午前中、急に診療を休んでしまい申し訳ありませんでした。
朝の5時頃、左足のしゃれにならない痛みで目が覚めました。
もう、尋常ではない痛みで冷や汗がだらだらと出ました(苦笑)。
痛みを堪えて起き上がり、足の検診。
くるぶしや太ももが熱を持って少し腫れています。
湿布を足中に貼りまくり、歯科医院へ這うようにして向かい、痛み止めを飲みました。
痛み止めが効いたのか、少し楽になりました。
しかし、歩くことが出来ません。
今まで無理して診療して来ましたが、「今日は本当に病院へ行かなきゃだめだわ」と観念しました。
医者の不摂生とはこのこと。
スタッフに連絡して、午前中の患者さんをキャンセルして貰い、奥羽大学の先生にも、本日の学生実習は欠席しますとの連絡をしました。
自分では身動き出来ないので、奧さんに運転して貰い、近くの南東北病院へ行きました。
急患扱いだったので、かなり待ちました。約2時間半。
病院の待合室で待っていたので、じっとしていましたが、その間もかなり痛みました。
(このブログを書いている時もかなり痛いです)
11時半に最初の問診を受け、予想通り坐骨神経痛の疑いが強いと言うことでX線撮影を行いました。
結果は、椎間板ヘルニアの神経圧迫による座骨神経痛という診断でした。
幸い、手術をするような大きな症状では無かったのですが、痛みが引くには2〜3週間掛かるとの事でした。原因が分かってひとまず安心しましたが、この痛みが暫く続くと思うと少し憂鬱です。
足の痛みが早く取れるように祈ってお医者さんの言いつけを守って早く良くなりたいと思います。
ただ、今回担当して頂いた武田先生がとっても良かった。
南東北では一度、担当医がらみで嫌な思い出があるので、今回はとても救われた気持ちでした。
武田先生ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。

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2017年10月23日 (月)

口の中の血豆

先日、朝起きたら口の中に「プクッ」とした違和感がありました。
鏡で自分の口の中を確認したら頬粘膜に血豆が出来ていました。
血豆が口腔内に出来る理由としては以下の事があります。
・噛傷
・ストレス(過度な)
・疲労
・噛み合わせが悪い
・頬のたるみ
・胃腸疾患
私の場合はストレスや疲れによる歯ぎしりの際に出来た噛傷です。
この血豆は中に多くの血液を含んでいますので、指等でいじってしまって破けてしまうと大出血を起こします(直ぐに止血しますし、命には別状はないのですが・・・)。
ですから、一番よい治療方はそのまま放置が一番いいです。
私の血豆も朝発見して、夜には小さくなっていました。
口の中に出来る異常は体の異常を発見するシグナルとなります。
気になった場合は直ぐにお近くの歯医者さんへ。

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2017年7月16日 (日)

クラスプ

歯科の専門用語で入れ歯のバネの部位をクラスプと言います。
歯の形態は様々な曲線からななっており、その曲線の中から適切な位置を選び取り、技工士さんがその曲線に合わせてワイヤーを曲げたり、鋳造という技術を使って曲線に合わせて作って行きます。
その選んだ歯の曲線より下にワイヤーを作ってしまうと外れなくなり、上に作ってしまうと外れやすくなり、非常に微妙な位置を選んで作製しています。
ですから、義歯が完成して口腔内に装着する時は、「ズ、ズ、ズ、ズ、ズ・・・」という擦っているような感覚で歯にバネが入っていきます。
この擦っているような感覚がとても大事なんです。
ただ、バネは金属なので金属疲労が生じます。
そのため、先ほどまでキツくて外れにくかった入れ歯が急に緩くなったり、外れやすくなったりします。
この金属疲労で緩くなったバネは歯科にある特殊な工具で締める事が出来ます。
ただ、一度金属疲労を起こしているので扱いは非常に繊細に行わなければなりません。
決して自分でバネをペンチで曲げないように、緩くなったら、面倒くさいけど必ず歯科医に調節して貰ってくださいとお願いしています。クネクネといじると歯に入らなくなったり、酷いと折れてしまいます。
この事は新しい義歯を装着する際に、必ず注意するようにしています。
ただ、夜中とかに緩くなると「ちょっとだけなら・・・」とペンチでクネッっとやってしまうのです。
お気持ちは分かります(苦笑)。
しかし、この微妙な力加減はかなり修行がいるのです。
私も歯科医師になったばかりの頃はよくバネを折ってしまいました。
何千本も自分で曲げてみて修得した力加減なので、一般の方には難しいかもしれません。
ですから、バネが緩くなったら、面倒くさくても必ず歯科医師に調整して貰ってください。
お願いします。

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2010年2月19日 (金)

よく噛めば頭がよくなってボケない

本日は、中村輝夫先生の著書『食は一生-そのための「歯」の本』よりお届けいたします。

◇よく噛めば頭がよくなってボケない

噛まなくてもよい粉末の飼料で育てたネズミと、よく噛むうちに固形飼料で育てたネズミを絶食させた状態で、出口に餌を置いた迷路に入れ、どちらが試行錯誤が少ないかを調べてみると、固形飼料で育ったネズミの方がよい成績を収めました。よく噛まないと賢くならないのです。

生まれて間もないネズミの歯が片側だけ生えてこないよう、将来、歯になる組織を摘出しておいて固形飼料で育てると、このネズミは片側だけで咀嚼して成長します。成長してから脳細胞を顕微鏡で検査すると、歯がない側の反対側の脳の発育が遅れていることが確認できました。

ご存じのように右半身の刺激は左脳に、左半身の刺激は右脳にと、身体からの刺激は左右反対側の脳に伝わります。よって、歯がない側の反対側の脳の発育が遅れいたのは、歯がないため、咀嚼の刺激が伝わらなかったからと考えられます。

咀嚼しないと脳の発育が遅れることが推測できます。

また、幼稚園の子どもたちの噛む力と幾何学図形テストの成績の関係を調べたところ、噛む力が強い子の方がテストの結果が良かったそうです。

小・中学生の運動能力の調査でも、歯が丈夫で噛む力が強い子のほうが優れていたことがわかりました。しかしながら、おかずに硬いものが入っているとはき出してしまったり、噛まないで飲み込んでしまう幼児が増えているといわれており、心配です。

高齢者の痴呆と歯の関係については、どちらかというと、歯がなくて噛めない方のほうがボケやすいようです。また、寝たきりの高齢者に入れ歯を作って、自分で咀嚼出来るようにしたら、元気が出て起き上がって歩けるようになったという話をよく聞きます。これは、噛む動作が脳の血流量を増加させるからで、実験でも確認されています。

火を知らなかった原始時代の人間は生肉をほうばり、木の実を歯で食いちぎって生きていました。やがて、火を用い、焼いたり、煮たりして食物を調理して食べるようになりました。人間の食の変換をみると、より食べやすく、軟らかくなているのが伺えます。調理することにより、消化しやすく、美味しく、食べやすくなったので、現代人はあまり噛まなくても充分な栄養がとれるようになりました。

車社会になって歩くことが少なくなった現代人は、運動不足を解消するためにフィットネスクラブなどで器械の上を歩いたり、走ったりしています。同じように噛むことが少なくなったことを補うために、ガムを噛んだりします。

これらは、何か変かもしれません。本当は、山村の元気な高齢者のように、自分の身体を使ってよく働き、昔の日本人が食べていたような噛み応えのあるものをゆっくり咀嚼する生活がいいのでしょう。スローライフ、スローフードが頭にも健康にもよさそうです。

参考文献 食は一生-そのための「歯」の本 中村輝夫著 東京図書出版