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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
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2007年5月31日 (木)

丈夫な歯を保つには・・・・。

本日は、日本経済新聞5月27日付けに載った新聞記事からです。

丈夫な歯を保つには・・・。

歯みがきに使う歯ブラシや歯磨き粉、洗口液。ドラッグストアへ行くと、口腔ケア用のさまざまな商品があふれています。

どれを使えばいいのか分からず、迷うこともおいでしょう。歯の健康を守るには目的にあったものを選ぶことが大切です。

歯ブラシは、毛の太さや硬さ、並び方などが異なります。硬いほど汚れを落とします。ヘッドの大きさは歯2~3本にあたる位が磨きやすいです。毛の並ぶ列が多いほど磨く時間が短くて済みます。

一番奥の歯が歯肉と接する側面部がもっとも虫歯になりやすいです。この奥歯は40歳以上の大半が虫歯だと言われています。

ライオンのオーラルケア研究所の氏家高志所長は「ここをケア出来るように歯ブラシを選び、当てる場所を意識して使うといいですよ」と助言します。

最近人気の電動歯ブラシは当て方などを正しく使えば効果的という意見が歯科医の間にも多い。

高速振動で発生する水の力によって、歯ブラシでは届かない汚れにも効果があるとの研究報告もあります。

鶴見大学の新井高教授が電動歯ブラシの効果を調べた世界中の研究を集めたところ、手磨きや電動歯ブラシ、超音波歯ブラシなどの効果に差はありませんでした。

「手で正しく磨くと5~6分かかるものが、電動だと約2分。ただ、道具よりも磨き方が重要であることにはかわりがありません」(新井教授)

中高年が気を付けたいのが歯周病です。歯肉がやせて歯と歯肉の間の溝が深くなり「歯周ポケット」が出来ます。

歯垢や汚れが溜まりやすく、歯ブラシではなかなか落ちにくい。毛が柔らかくて、毛先の細いタイプを選び、時間をかけてゆっくりと磨くといいです。

歯と歯肉に挟まれた「三角地帯」の汚れは特に磨きにくいものです。歯間ブラシで力をかけすぎずに回しながらすき間をきれいにする。最初は直径0.8㎜くらいが目安。すき間は場所によって違うので、一人で何本も使い分けるのが良いです。

歯間ブラシが入らない場所はデンタルフロスを使います。歯肉を切りやすいので歯科医に使い方を教えてもらいましょう。

洗口液~夜寝る前の歯みがき後に~

歯みがき効果を高めるために洗口液を使う人も増えてきました。歯周病、虫歯、口臭予防など用途別にありますが、口内の菌を減らしたり、除去しやすくするのが主な役割で、歯みがきの変わりになるものではありません。あくまで補助的なものと覚えておきましょう。

花王パーソナルヘルスケア研究所の前田室長は「使いすぎると口の中の善玉菌まで死滅してしまいます」と注意を促します。

新たに口内に入った細菌で炎症などを起こすこともあるといいます。就寝前の歯みがき後に使うのが良いでしょう。

歯磨き粉や洗口液は医師の処方する医薬品もありますが、大半は薬効成分を含む「医薬部外品」と含まないで口臭対策の清浄剤などからなる「化粧品」に分かれます。購入の際に、表示をきちんと確かめることも大切です。

2007年5月30日 (水)

乳児のおしゃぶりについての見解

本日はデンタルトリビューン紙からのトピックです。

(米国)The Academy of General Dentistry(AGD)がおしゃぶりの使用に関して、子どもの口腔衛生に必ずしも有害と言うわけではないが、乳児におしゃぶりを与える際には十分に気を付ける必要があるとして、注意を促しています。

米国小児歯科委員会渉外担当者で、AGDの機関誌General Dentistryに論文が掲載された歯科医師のJene Soxman氏は「おしゃぶりを行う行為には、一般に信じられているのに反してプラスの効果もあります。ひとつは乳児突然死症候群の危険性を減ずる働きであります。おしゃぶりを与えられた乳児の睡眠は、与えられない場合に比べて深くなりすぎず、これにより呼吸停止に至るような深睡眠に陥ることを防いでいる可能性があります。さらに、おしゃぶりの吸飲により乳児は満足感を味わい、快適に過ごすことができます」と指摘しています。

しかし、乳児を持つ親は、おしゃぶりの使用が口腔衛生に及ぼしうる影響に十分に配慮する必要があります。

歯科医師でAGDのスポークスマンであるLuke Matranga氏は、

「おしゃぶりの使用は2歳までにとどめるべきで、歯列不正や顎骨の発育異常が生じても、2歳までにおしゃぶりの使用を止めれば、6ヶ月以内に十分に矯正が可能であります。その以上おしゃぶりを使用したり、指しゃぶりを放置していると、口腔や歯列の正常な成長・発育、あるいは口蓋の形態などに何らかの障害が生じるおそれがあります」と警告しています。

乳児からおしゃぶりを取り上げるのは安易な事ではないが、いくつかの対処法も考えられます。

例えば、おしゃぶりを酢に浸して嫌な味を付ける、おしゃぶりの乳頭部分に穴を開けたり、短く切って吸飲により得られる満足感を減らす、外出したときに意図的に忘れてくる、突然、変わりのものと変えてしまうなどの工夫です。

AGDでは、おしゃぶりの使用に関して、以下のような注意と提案を呼びかけています。

  • おしゃぶりを与えるのは、乳児が眠りにつこうとしているときに限定する
  • おしゃぶりのつばの部分が、口唇の内側に巻き込まれると、裂傷をおう危険がある
  • つばの部分に、通気口があって空気の通路が確保されたおしゃぶりを使用する。誤って飲み込んでおしゃぶりを喉につまらせても、呼吸が出来るようにしておくことは大変重要である。
  • おしゃぶりを落とさないように、ひもを付けて乳児の首にかけるのは、誤って首を絞める恐れがあるため、してはならない。指にはめられたおしゃぶりを使用する。
  • 正しい位置で吸飲できるよう、乳首の形態は対象形であることが望ましい
  • 使用しなくなったおしゃぶりは廃棄する。そのまま放置したり譲渡するのは衛生上このましくない。

2007年5月29日 (火)

歯科とCoQ10(コエンザイム・キューテン)

本日は、鶴見歯科大学の斉藤一郎先生の著書からお届けいたします。

アンチエイジング医学を語る上で、サプリメントは欠かせない要素の一つです。サプリメントを摂取するのは口から。

「口からはじめるアンチエイジング」を語る上でも、不可欠な存在です。

唾液の専門家として、私が現在最も注目しているサプリメントについて述べましょう。

これまでにも触れましたが、それは、「CoQ10」と呼ばれる抗酸化物質です。現在、「コエンザイムキューテン」というような商品として大変な人気を集めており、メーカーの製造が間に合わない程だと報道されています。

CoQ10はもともと心臓病の治療薬として使われていたもので、協力な抗酸化物質としてフリーラジカルの除去作用を持っていることが数多く報告されています。癌を破壊するT細胞の増加を助ける効果があることも報告されています。

CoQ10は、私たちの細胞すべてに存在します。人の体内で生合成され、また魚介類など多くの食品からも少量は摂取できます。(イワシやサバなどの青魚や牛肉などの食品に含まれますが、その量は決して多くありません)。そして、私たちが健康的に生きていく上で、必要不可欠な物質でもあるのです。

一方で、CoQ10は加齢などにより減少し、不足しやすいという特徴があります。CoQ10はミトコンドリアに多く含まれ、エネルギー産生に多大なる貢献をしています。

健康維持や老化対策のためには、目安として1日30~60ミリグラムの摂取が推奨されていますが、30ミリグラムのCoQ10を摂るためには、イワシなら6匹分、牛肉なら950グラムも必要なのです。食品からだけではなかなか摂りきれないため、サプリメントで補給するのが効果的だとされています。

CoQ10は、歯周病に対する予防効果も認められています。これも歯科医である私がCoQ10に注目している理由の一つです。

アメリカでは、CoQ10入りの歯磨き粉も売られています。歯周病は生活習慣病であり、虫歯とならぶ2台疾患です。

私たちは、現在、CoQ10を含有したチューインガムの開発に取り組んでいます。このガムによるサプリメント摂取という形式は、体内への吸収を考えた際、大変有効な方法だと考えています。

参考文献 不老は口から アンチエイジング最前線 斉藤一郎著 知恵の森文庫

2007年5月28日 (月)

またやってきた。

年に何回かあるんです。

ブログのネタが枯渇してしまうときが。

書くネタが無いわけではないのですが、どのネタも、「これは今書くネタではないな~」と感じてしまうのです。

そんなときは、体の中にもやもやが溜まっているので、散歩でもしてこようかと思います。

2007年5月27日 (日)

Yahoo!ニュースから!

Yahoo!ニュースにこんな記事が載っていました。

以下全文です。

2007年5月23日、FDA(アメリカ食品医薬品局)は中国産の練り歯磨きからジエチレングリコールが発見されたとして、全面的な調査を開始した。報道を受け、中国でも各地の練り歯磨き工場での立ち入り検査が行われているもよう。

今回きっかけとなったのは、パナマで中国産練り歯磨きから致死量のジエチレングリコールが発見されたこと。製造元の江蘇省丹陽市の成事家化有限公司は輸出専門の練り歯磨き製造業者。会社は中国では練り歯磨きに少量のジエチレングリコールを使用することは合法であり、安全だとコメントしている。

ジエチレングリコールは腎臓や中枢神経に悪影響を及ぼす有毒物質で、過去多くの死亡事故が起きている。安価な甘味料・保湿剤として使用されるケースが多い。先日も中国企業が輸出したジエチレングリコールを原料とした咳止め薬が原因で、数百名の死傷者が出たばかり。現在、中国ではジエチレングリコールを規制する法律がなく、企業の自主判断に任されているという。世界各地で中国発ジエチレングリコールの健康被害が広がる中、早急な対策が望まれる。(翻訳/編集・KT)

中国は、こうした事件が多いですね。非常に繊細で優れた人々も多く排出していますが、少しアバウトな人格の人も多いのかもしれません。

我々も、購入する際は気を付けなければいけませんね。

2007年5月26日 (土)

歯並びと虫歯の関係

歯並びを良くすると多くのメリットがあります。

なぜなら、歯並びが悪いデメリットを克服しているからです。

歯並びが悪いといくつかのデメリットがあります。その中の一つに虫歯との関係があります。

今回は、それを考えてみましょう。

①歯のすき間などに歯垢がたまりやすい。

歯がきちんと並んでいないという事は、それだけブラシが届かないすき間が多くなると言うことです。そのため、歯みがきをしても歯垢が溜まりやすく、虫歯になりやすくなってしまいます。

②噛み合わせがうまくいっていないため、歯が痛みやすい

歯並びが悪いと噛み合わせがずれてきます。なぜなら、歯並びが悪いときには、歯の「押しくらまんじゅう」が起こって、奥歯から順番に前の歯を押してくるので、歯が傾いてくるからです。

噛み合わせがずれてくると、噛んだときに特定の歯ばかりに負担がかかるので、その歯が痛みやすく、虫歯になってしまう可能性があります。

それともう一つ、歯が傾いていると、歯の根元を支えている部分の負担が大きくなって、歯が痛みやすくなります。歯はもともと垂直に生えています。上の歯と下の歯が垂直に生えている場合は、強い力で噛んでも歯の付け根には力が分散されさほど大きな力はかかりません。

このことは、机に削っていない鉛筆を垂直に立てて、机に接している所を片手で支えて、もう一方の手で真上から押してみるとよく分かります。真上から強い力で押しても、支えている手には力を入れなくても鉛筆が倒れることはありません。

しかし、鉛筆をすこし傾けて、同じように真上から押してみると、今度は支えている手に力を入れなければ、鉛筆は倒れてしまいますね。

これは、歯も同じです。傾いていると、垂直の時のように強く噛もうとすると、歯の根元には大きな力がかかって、痛むのが早くなってきます。

また、歯が傾いてその後ろの歯が、噛み合わせ面より早く当たるようになると、奥歯のあたる部分が痛みます。

このように、噛み合わせがおかしくなると、不都合が起こるのです。

矯正によって、歯並びを治す時は、このように倒れた歯をまっすぐにする治療法をおこなっています。これは、歯を健康に長持ちさせるために治療でもあるのです。

参考文献 抜かずに治す「歯並び」なっとくBOOK 岸本雅吉著 海苑社

2007年5月25日 (金)

まだまだ足りない。

ここ1ヶ月以上、咳と微熱が続くため、重い腰を上げ、近くの内科を受診。

問診と、肺のレントゲン、血液検査。

肺の写真に悪い像が見えなかったので、アレルギーを見ましょうということで、次回検査の結果を聞きに来てくださいと言われました。

だいたい次の火曜には出ていますから、仕事が終わったら来てくださいと言われました。

「でも、先生、私も仕事が終わるのけっこう遅いのです。大丈夫ですか?」

「大丈夫です。9時最終受付ですから」

正直、びっくりしました。

私もけっこう働いていると思いますが、この先生は私の上をいっている。

まだまだがんばりが足りません。

明日からまた気合いを入れ直します。

2007年5月24日 (木)

様々な意見

最近、多くの若い歯科医師とミクシィの中で、議論する機会が多くあり、そのなかで良く持ち上がる話が、「いかに今の歯科界を良くしていくか」ということです。

現在、歯科医院はコンビニエンスストアよりも数が多く、5軒に1軒はワーキングプア状態にあると言うほど、歯科医院の数は飽和状態です。

そのなかで、みな生き残りをかけて必死なのですが、その歯科医師一人一人が考える、今後の歯科界の向かうべき方向性の考え方に大きくばらつきがあるのです。

ある歯科医師は、個人の能力を最大限に伸ばして、患者さんに選ばれる歯科医師になるようにすればよい

とか、

歯科医師の数が多すぎるので、厚生省に働きかけ、国家試験の合格率と下げ、歯科大学の入学定員を減少させろ

といった過激な内容まであります。

それぞれの意見の中にもそれぞれ筋の通った理屈がちゃんと存在しているので、思いつきで発言しているわけではなさそうです。

「歯科界を良くする」と言うだけでも、これだけ方向性の違う意見が出てくるわけですから、厚生省も頭を抱える理由がわかります。

とてもこれをまとめる政治家にはなれないと痛感します。

では、私のスタンスですが、作家の村上春樹氏の本にかなり影響をうけているので、「他人の事はよく分からないが、自分は自分に出来ることをただ頑張るだけ」といったところでしょうか。

2007年5月23日 (水)

のど飴症候群

1日に人間は、どのくらいの唾液が出ているのでしょうか。

だいたい、大人で1日に1~1.5リットルもの量の唾液が出ているのです。かなりの量です。

しかもこれは、健康な人が1日に出す尿の量とほとんど同じです。

もちろん、1日の間に徐々に出てくる量ですし、人種や個人差によっても異なります。

また、同じ人間でも気持ちの変化や自律神経の働きで変わります。酸っぱいものを見たり、食べたりすれば、一度にたくさん出る事もあります。

チューイングガムを噛むと10倍くらいの量に増加するようです。

それではもし唾液が出なくなったらどうなるでしょうか?

まず、口の中が乾燥して舌が動かなくなります。こうすると、話すことは出来ません。次に、食事も取れなくなるでしょう。さらには、口の中の匂いがきつくなり、ひどい口臭に自分も周囲の人も悩まされます。やがて口の中はひからび、カビだらけになってしまうのです。

なお、口の中の唾液が少なくなると、歯と歯の間の隣接面が乾燥し、虫歯も発生しやすくなります。

以前、唾液の働きをこのブログで書きましたが、常に口の中を潤してくれる唾液があるからこそ、私たちは高いQOL(生活の質)を保つ事が出来るのです。

ところがです、現在、国民の4人に1人が「のど飴症候群」で悩んでいるという報告があります。のど飴症候群というのは口の中の乾燥症のことで、唾液が無いためにいつもあめ玉を口にしていないといられないという状況の事です。

高齢者では40%の人が、口の乾燥を訴えているといいます。

唾液は、口の中にある唾液腺から湧き出ます。この唾液腺は15歳くらいまでは発達するものの、その後20歳を越えると老化現象が見られ、唾液の量もすくなくなってくるようです。

ですから、加齢によって、「のど飴症候群」になる方も増えてくるわけです。

やはり、「唾液の多さ」は「若さの象徴」といってよいでしょう。

参考文献 唾液はなんでも知っている! 岡澤美江子/伊藤実喜監修 宮西ナオ子著 三五館

2007年5月22日 (火)

ちょっとしたコツとグレイプバイン

先週末、私は、ひどい風邪に悩まされ、咳が昼夜を問わず出続け、常に咳止めを携帯していなければならない状態でした。

そんな中、久々の勉強会が地元郡山で開催されました。いつも懇意にしている材料屋さん主催のものだったので、近いということも手伝って、参加してみることにしました。

しかし、地元開催の勉強会と言うのは、非常に気が楽です。まず、早起きしなくてもいいし、事前の下調べを直前までできますし、それに、頭がクリアなので、集中力がちがいます。

この講義は広島大学の助教授の先生が講師だったのですが、非常に考え方がユニーク。

すべての患者さんが、有名な自費専門の歯科医師のまねをしなくても良いじゃないかという考え方をこっているのです。

「すべての患者さんがフェラーリやベンツのエンジンを好んでいないと同じように、患者さんも、安全で快適なカローラのエンジンでも生活は十分営めますよ」というスタンス。

そのため、歯科医師が診て、この患者さんは、過剰な診療はしなくても良いと思った時は、短時間に手軽に出来る診療をしましょう と言うことでした。

これは、手抜きではなくて、手軽に出来るのは、実は化学に裏付けされたきちんとした約束が存在します。

「その約束をきっちり守れば、十分な診療が出来ますよ」というものでした。

それと、おもしろかったのは、大学で研究されている先生のため、材料と材料の掛け合わせにより、治療効果を上げている点。

歯の材料の利点、欠点をしっかり理解し、理工学的、生理学的に、いつもと違う使い方をして、相乗効果をあげているのです。

このような事は、やはり、大学に勤務していないとなかなか発見できません。こういう事を惜しげもなく教えてくれる先生は好き。

この日は、実は午後に仙台に行かなくてはいけなかったので、残念ながら午後の勉強会は辞退して帰ってきました。

この日は、仙台のゼップ仙台で「グレイプバイン」のライブがあったのです。

グレイプバインのライブに行くのは今回が2回目。

前回行ったときは、横浜で、しかも妻の付き合いだったので、曲もあまり知らなかったのですが、印象が強烈過ぎて、あまり楽しめませんでした。それでも知っている曲がかかると、すごく楽しかったのを記憶しています。

そのため、すべての曲を知っていれば、きっと楽しいに違いないと思い、横浜のライブの日以来、出来る限り、グレイプバインの曲を聴くように心がけました。

それで、昨日のライブ。知らなかった曲はわずかに3曲。はじめは「うるせー!!」って思ったけど、そのうちその音がここちよくなってきました。

今朝、このブログを書きながら、「あ、咳が止まっている」と気が付きました。

風邪も精神的な改善で、治りが良くなるのかな~。

2007年5月21日 (月)

歯の治療は、実は・・・。

本日は、飯塚哲夫先生の著書「歯科受診の常識」からお届けいたします。

歯の「治療」は、実は「修理」

多くの人々は、「歯の治療」というものを、具体的にはどのようなものと考えているのでしょうか。

「歯の治療」というと、おそらく、「つめる」「かぶせる」「差し歯をいれる」「入れ歯をいれる」「歯を抜く」「歯並びを直す」といったことを想像すると思います。

しかし、このような行為を「医療行為」と見なしている国は、世界中を見渡しても、日本を含めて只の一つもありません。

つまり、一般に「歯の治療」と考えられているのは「治療」ではなく、「医療」の範疇に入るものではないのです。

「入れ歯をいれる」という行為を考えてみましょう。

口の中へ入れ歯を入れても、どんな種類の病気も治りません。そもそも入れ歯を入れるという行為の目的は、病気を治すことではありません。それは口の中の土木工事にすぎません。

入れ歯を入れれば、歯の無い所に人工の歯が作られてモノが噛めるようになります。しかし、それによって何らかの病気が治るわけではありません。

虫歯の穴に金属や合成樹脂などを詰めれば、穴はふさがります。虫歯のために形が崩れた歯に金属の冠をかぶせれば、歯の形は元通りになります。モノが噛めるようになります。

しかし、そのような行為は、虫歯で崩壊した歯の形を回復するための土木工事に過ぎず、虫歯という病気を治す役に立つものではありません。

虫歯で崩れた歯に差し歯を入れれば、歯の頭(歯冠)の形は回復します。しかし、この行為にも「医療」の意味がないことは明らかでしょう。

歯を抜く事が「治療」でないことは、言うまでもないことです。歯の治療とは、歯の病気を治して健康な歯にする事です。そうなれば、抜く必要はなくなります。つまり、「歯の治療」とは「「抜歯」とは正反対の行為なのです。

歯の神経を抜く(とる)ことを「治療」と考えている人は、すくなくありません。何か悪いところ、あるいは病的なものを取り除いて健康にすることと思っているのかもしれません。

そもそも「神経をとる」という言い方が間違っているのです。歯の中には「神経」が入っているのではありません。「歯髄」と呼ばれる、生体の一部が入っているのです。というよりも、この歯髄が「歯」という器官の本体であり、我々が「歯」と考えている硬い部分は、歯の衣服とでも考えるべきモノなのです。

たとえば、貝という動物の本体は我々が食べる中身のやわらかい所であり、貝殻ではありません。貝殻は、貝という動物の衣類にすぎません。中身のない貝殻は、貝という動物の死骸と言っていいでしょう。神経をとってしまった歯は歯の死骸にすぎませんから、神経をとるという行為は、歯を殺すことなのです。

歯そのものに問題があって抜かれる歯は、例外なく死んだ歯、つまり歯髄のない歯です。

生きている歯は、どんなに高齢者の歯でも、歯自体の問題で抜かれることはありません。この一時を考えても、「神経をとること」すなわち「歯を殺すこと」がいかに重大なダメージを歯に与えることであるか理解できると思います。

しかし、実に多くの人が、「神経をとること」を一種の治療と考えているようなのです。「この歯は、たしか3年まえに、ちゃんと神経はとってもらっているはずです」と言う患者さんは大勢います。

歯並びを直すいわゆる矯正治療は「治療」でないことは明らかでしょう。歯を動かして悪い歯並びをきれいに並び替えることは、まさに、口の中の「土木工事」そのものでしょう。

歯並びを直す歯列矯正という行為を医療行為の一種と考えている国は、世界中に一つもありません。歯並びを直す行為は、美容的効果はあるかもしれませんが、医学的見地からは数々のデメリットがあり、メリットはほとんど無いものなのです。

しろくま歯科医院から一言。

今回のブログは、いろいろな考えがあっても良いのではないかという立場から参考にさせていただきました。

私は、歯科治療はれっきとした医療と思っていますし、矯正治療も必要不可欠なものです。

しかし、非常にドライな考え方をすれば、飯塚先生のような考え方も一理あるのかなというきはします。

参考文献 歯科受診の常識 歯科に行くまえに読む本 飯塚哲夫著 愛育社

2007年5月20日 (日)

消化は口から始まっている

本日は、宮田隆先生の著書「老けない人は歯がちがう」からお届けいたします。

「歯はなんのためにあるのか」といえば当然、食べ物を噛み砕くためにあります。

食べ物の存在は本来体にとって“異物”となります。人間の体には、自分の体の構成要素でないものが侵入してくると、これを異物とみなして攻撃する防衛機能が備わっています。

そこで、消化器官は、唾液や胃液、胆汁などに含まれる消化酵素で食べ物を分解することで、食物という異物がもっている抗原性(アレルギー反応などを起こさせる性質)をなくして、「栄養素」という生きていくうえで不可欠の物質へと変えていくのです。

「歯を一生守る」必要があるのは、まさにこのためです。歯を守ることは、生命を守ることに直結しているからです。

毎日、食事のたびにいちいち歯を磨いたり、免疫力を高めて歯周病や虫歯にかからないように努めるのは、すべて咀嚼のためです。より高いレベルで健康を維持して、若さを保ちたければ、しっかり咀嚼する(=栄養を取り入れる)ことが肝要なのです。

咀嚼の役割は、ただ飲み込みやすいように小さく砕くだけではありません。それと同じくらい大切な働きとして、唾液と食べ物をよく混ぜ合わせ、食べ物に化学反応を起こさせる役割があります。

その意味では、歯は、胃や腸と連なる消化器官の一部なのです。

味覚や咀嚼運動が合図となって、舌下腺、顎下腺、耳下腺といった唾液腺から唾液がでています。この唾液が食べ物と混ざると、消化がスタートします。

米などを食べているときに分泌される唾液には、α-アミラーゼという消化酵素が含まれており、炭水化物を麦芽糖に分解して、胃腸で吸収されやすい形に変える働きがあります。

米をはじめとする炭水化物が噛めば噛むほどうまくなると言われるのは、口の中で、炭水化物が糖に変わるためです。

食事中や空腹時に出される唾液は、通常よりネバネバとしています。これはムチンという粘度のある成分が多く含まれるためです。

ときとして食べ物には、辛み、苦み、熱さ、冷たさなど、さまざまな刺激があります。胃や食道の粘膜はデリケートなので、これらの刺激が繰り返されると、組織が傷ついて潰瘍などの原因となることもあります。

ムチンは、食べ物をオブラートのように包むことで、食べ物が胃や粘膜に刺激を与えるのを防ぎ、飲み込み動作をスムーズにさせる役割があるのです。

辛いものや苦いもの、すっぱいものは、思わず素早く飲み込んでしまいがちですが、良く噛んで、唾液と絡ませれば、胃腸の粘膜が荒れるのを防ぐことが出来ます。さらに、唾液には、食品中の発ガン性物質や細菌を抑制する働きも備わっています。

よく噛めば、体に有効な栄養素をより吸収しやすくして、体に有害な物質はぐんと減らすことができます。同じ食べ物をとるのでも、よく噛んだ人と、噛まない人では、からだに取り込まれる成分がまるで違ってくるのです。

唾液による消化は、胃に移ってからも20~30分間にわたり続いています。つまり、咀嚼が不十分で唾液が食べ物によくからんでいなければ、それだけで胃腸の仕事を増やして、負担をかけることになります。

咀嚼という消化の第一段階でのつまずきは、消化活動に最後まで影響を与えます。十分に咀嚼されていない食べ物の成分は、小腸での吸収率が低下するともいわれています。

健康のために、どんな食べ物を選び取るかも大切ですが、体にどう効率的に取り込ませるかも同じくらい重要なことなのです。

その鍵は、歯によって行われる咀嚼にかかっています。

参考文献 老けない人は歯がちがう 宮田隆著 草思社

2007年5月19日 (土)

みそ汁の具は何をいれる?

みそ汁の具は主に何を入れているのかをインターネットで調べてみると、1位は、豆腐、2位はわかめ、3位は油揚げだそうです。

なんでこのような話を切りだしたかというと、先日、ジムのトレーナーの丸山さんと話をしていたときの事です。

何かの弾みにみそ汁の話になったのです。

「先生、私のうちのみそ汁は具だくさんですよ、トマトに豆腐、パセリに白菜」

「え、ちょっと待ってくださいよ、トマト?」

「はい、トマト。」

「トマトってみそ汁に入れますか?」

「入れますよ~。野菜ですから」

「トマトって野菜なのかな~、フルーツなのかな~」

「先生、トマトは野菜ですよ」

確かに、トマトは、野菜ジュースになる材料の代表格。そう考えると野菜です。

私は、トマトは野菜かもしれないけど、限りなくフルーツよりという感覚が抜けなくて、ちょっとみそ汁には抵抗があります。

しかし、これがイタリア料理だったら、たぶん何の抵抗もなく受け入れるのだろうな~と思うから不思議。

私の頭はたぶんカッチカチで、自分の固定観念に凝り固まっていて、もう少し柔らか頭(古い?)にした方が良いかもしれないと思いました。

皆さんの中に、この料理にこの具材はどうなのよ(例えば酢豚のパイナップルみたいな)物があれば教えてください。

2007年5月18日 (金)

システムダウン

昨日、しろくま歯科医院は休診でした。

しかし、久しぶりに大風邪を引いてしまい、ベッドから起き上がれませんでした。

明日からまたしっかりやるために、昨日は休養をたっぷり取りました。

今日からまたがんばります。

2007年5月17日 (木)

???????

昨日の夕方から急にインターネットに繋げなくなりました。

私の地域は、よくある話なのですが、光回線がちょくちょく調子悪くなるのです。

今回もそんな感じなのかなとタカをくくっていたんです。2~3時間もすれば復旧していたのです。

もう、仕事も終盤でしたし、調べ物特に無かったので、すぐにコンピュータを終了し、その日は、もう仕事をしませんでした。

次の日になっても、インターネットに繋げない状態が続いていましたので、もしかしたら、私のコンピュータの方が悪いのかなと思い、チェックしてみましたが、どこにも異常はありません。

早速、プロバイダーに連絡を取りましたが、既に回線の方は復旧ずみとのこと。謎はますます深まります。

プロバイダーの方にチェックの方法を聞き、試してみますが、全くの無反応。

もう一度連絡して、回線の状態をチェックしてもらうことにしました。

修理の時間を確認して、もう一度試しにインターネットにつないだところ、今度はきちんとつながりました。

一体、どうなってんの?

この辺のところ、詳しい方がいらっしゃいましたら、教えてください。

2007年5月16日 (水)

歯磨き粉の量は?

今回は、波多野尚樹先生の著書「歯から始まる怖い病気」からお送りします。

大量に歯磨剤を使うと歯が悪くなる?

歯を守るには、とにかく歯を丁寧に磨くことです。食後、食前、就寝前と気が付いたら歯みがきをすつ習慣を身につけるだけで、バイオフィルム(虫歯菌の塊)を取り除くことができます。

この場合、注意しなければならないことがあります。

日本人は歯磨剤が好きなようで、年間の使用量は70576トンで、世界でも有数の歯磨剤大国です。

しかし、本当に歯を大事にしたいと思ったら、歯磨剤を大量に使わないことです。

歯磨剤をいっぱい付けて使う人ほど、歯が悪いのです。

歯科剤の中身は、大部分が糊(のり)でそれに炭酸カルシウムやリン酸カルシウム、塩、アパタイトなどの研磨剤の成分が混ぜてあります。これに、界面活性剤、保湿剤、結合剤、発泡剤、香料、色素などを加えて販売されています。

ペパーミントのさわやかさと発泡剤の泡で口の中が満たされると、もう充分にブラッシングした気分になって歯みがき時間が短くなってしまいます。

最低、10分は磨かないと細菌の除去は難しいのに、短時間で歯みがきが終わってしまうので、当然磨き残しが出ます。本人にとっては口の中はさわやかな気分なので、磨き残しに気が付かない。これが問題なのです。

もちろん、歯磨剤はまったく効能がないわけではないのです。

歯に付いた茶渋やたばこなどステインと呼ばれる着色しみを削り取るには、歯磨剤を使用すると良く取れます。

しかし、あまり大量に使うと歯が削れてしまうので、歯ブラシの先端にせいぜい枝豆一つ分程度で充分で、それ以上使う必要がないのです。

虫歯や歯周病は感染症なので、もし細菌をコントロールしようと思ったら、抗生物質や殺菌剤で菌の動きを封じ込めるしかありません。

ところが、口の中には悪い菌だけが住んでいるわけではなく、人間に有益な菌もまた数多く生息しています。もし、殺菌剤を口に入れてしまうと、悪い菌は死ぬかもしれませんが、有益な菌も死んでしまいます。

舌や食堂などの軟組織も同時にダメージを受けてしまうでしょう。

細菌は微妙なバランスを保ちながら生きている

仮に100種類の菌が生息しているとして、ある種の細菌に効果のある抗生物質を投与すると、その細菌は死ぬかもしれませんが、口腔内の細菌のバランスが崩れて、もっと別の悪さをする細菌が勢力を伸ばしてしまうかもしれません。もしくは、抗生物質に抵抗性のある耐性菌が出来てしまったら、もはや駆除することは出来なくなります。

つまり、毎日習慣的に薬物を使うと、思わぬ病気が発症しないとも限らないのです。しかも抗生物質は医師の処方箋が必要なので、歯磨剤の中には入れることは出来ません。

つまり、歯磨剤には細菌に対して効果があるものは、一つも入っていないということになります。

しかし、歯磨剤で歯を磨くと、ペパーミントの香りが口いっぱいに広がり爽快感を感じます。口の中がすっきりした感じがして、歯を磨いたという達成感さえ感じます。

実は、これが問題なのです。

歯を磨く目的は、あくまでも歯と歯の間や、歯肉との境目のプラークを取り除くことなのですが、ペパーミントの刺激によって、唾液腺が刺激され大量の唾液が出てくるのでゆっくり歯を磨いていられないのです。

歯を一本一本丁寧に磨かなければならないのに、発泡剤で口の中は泡だらけ、ペパーミントの香りだけで気分はすっきりになる。歯をしっかり磨いたわけではないのに、気分だけは歯みがきをしたいという達成感があるという状況が起こっている。

歯磨剤を使うのは、歯に着色したステインを落とすときと、ニンニクなどにおいの強い食品を食べた後のエチケットのときだけで、後はごくごく少量にすることが、歯を守る秘訣であります。

参考文献 歯から始まる怖い病気 波多野 尚樹著 祥伝社

2007年5月15日 (火)

キシロトールの口腔内環境改善効果

本日は、デンタルトリビューンからのトピックです。

砂糖に代わる甘味料として利用されるキシリトールに、口腔内環境を改善させる可能性があることが、最新の研究により示唆されました。

これまでにも、キシリトールは比較的少量で口腔内の細菌叢を変化させることが明らかにされています。

スウェーデンの歯科医師でウメア大学小児歯科分野の大学院生であるPernilla Lif Holgerson氏は、このほど行った研究で、キシリトールの摂取量を相対的に多くすると、口腔内の酸生産量が減少する可能性があることを示しました。

同氏が小児および青少年を対象に行った一連の研究では、キシロトールの1日あたりの摂取量を3.4gにすると口腔内の有害な数は減少するものの、歯垢中の乳酸産生量に変化は認められなかったのです。

また、別の研究では、キシロトールの摂取量を増加すると、歯垢の酸性度が低下することが明らかにされています。

今回の研究では、7~12歳までの128人の小児に1日3回チューインガムを食べてもらいました。

これによるキシリトールの摂取量は、1日当たり6gに相当します。4週間後、齲蝕起因性の細菌はおよそ3分の1に減少したが6ヶ月後には有害細菌は元の水準にもどりました。

研究期間中、キシリトールによる消化器系の問題は認められず、その他の副作用も観察されませんでした。

☆しろくまより一言

この研究は、大変有意義なものと感じますが、キシロトールを投与した期間が明記されていません。これにより、すこし混乱が生じるおそれがあります。この問題について、また詳細が分かりましたら、またこのブログでお伝えできればと思います。

2007年5月14日 (月)

白米と玄米の違いはなにか?

本日は、医学博士 西岡一先生の著書「噛めば体が強くなる」からお届けします。

白米と玄米の違いは何か?

私たちは今、当たり前のように白米を常食にしています。

なかには玄米党や麦飯党の人もいますが、そのような人は少数派です。

レストランで注文するカレーライス、焼き飯、定食、コンビニで買うおにぎり、弁当など、何でも白米が当たり前になっています。

高級料亭でも、最後はいかにも美味しいご飯でお客をもてなすかに腐心しています。確かにふっくらとやわらかい白米は美味しい。お米も改良が重ねられ、ササニシキ、コシヒカリなど優秀で美味しい品種を誰もが口にすることが出来るようになりました。

けれども、多くの日本人が白米を常食し始めたのは最近のことです。

米余りが叫ばれ、減反が始まった1970年(昭和45年)以後ではないでしょうか。それまでは、麦飯や玄米が普通でした。

戦前、私は京都市の中心で生まれ育ちましたが、そのころ主食は決まって麦飯で白米を食べた記憶は少ないのです。このことは我が家だけでなく、近所の家でも同じだっただろうと思われます。

ここで、白米と玄米はどう違うのかを述べておきましょう。

玄米とは、稲刈りをして取れた米からもみ殻だけを取り除いた、いわば素顔の米です。

この素顔の米からヌカを除けば胚芽米となり、その胚芽も取り除いたものが白米です。

実は、ヌカと胚芽には、ビタミンB1、B2、ニコチン酸、食物繊維、ミネラルが多く含まれています。玄米や胚芽米が健康食品といわれるのはこういう理由からです。

ビタミンB1は糖質を分解する補酵素の役割や中枢神経や末梢神経を正常に保つなどの働きがあり、ビタミンB2(リボフラミン)は細胞の再生やエネルギー代謝を促すなどの役割を果たしています。

ニコチン酸(ナイアシン)はインシュリンやホルモンの合成を促し、血液循環をゆくするなどの働きがあります。

食物繊維には便秘や大腸癌を防ぐなど様々な健康効果があります。

ミネラルとは、カルシウム、カリウム、マグネシウム、リンなどの無機質のことですが、酵素の働きを助けたり、体液の酸度を一定にするなど、体のホメオスタシス(恒常性)を保つ重要な働きを担っています。

白米は確かに美味しいですが、これらの重要な栄養は失われています。

それに、玄米や胚芽米は良く噛まないとのどを通りません。私の経験では、ほぼ30回程度は噛まなければなりません。もし、玄米を白米のようによく噛まないで食べたりすると、胃腸に余分な負担をかけ、胃腸があまりじょうぶでない人だと胃腸障害を起こす可能性があります。

したがって、玄米食は噛む習慣を付けるためには理想的な食材といえます。それに玄米は噛めば噛むほど米本来のおいしさがあらわれるので、玄米食を始めるとやみつきになる人も多いようです。

太平洋戦争のころ、内地の国民はもとより、前線にいた兵隊たちの食料も不足し、飯にはトウモロコシや大豆がたくさん混ぜられていたといいます。

このような飯は否応なく噛まないと食べられなかったらしいです。もし噛まないで飲み込むとすぐに消化不良を起こして下痢をしたという話です。

このため、兵隊達も飯をよく噛むことで健康を維持したのでしょうか。

最近、発芽玄米なるものが発売されています。発芽玄米とは玄米を温水に浸し、0.5~1ミリほど発芽させて乾燥させたものです。

発芽玄米には、マグネシウムなどのミネラル、食物繊維、ビタミンB1、ビタミンEなどが白米より豊富で、確かに健康には良さそうです。

とくに注目されるのは、ギャバと呼ばれる成分です。ギャバとはγ-アミノ酪酸の事で、抑制性神経伝達物質として重要な役割を果たし、血圧を下げ、神経鎮痛作用があります。

発芽玄米は酵素の働きでグルタミン酸からギャバが作られ、その量は白米の10~15倍、玄米の3~5倍であり、確かに白米や玄米よりも健康によさそうです。

ただし、発芽玄米は健康食品扱いをされていて、価格は白米の2~3倍もするのが難点です。

参考文献 噛めば体が強くなる 西岡一著 草思社

2007年5月13日 (日)

パニック障害2

パニック障害2回目です。

パニック障害の発作の起こり方には、3つの状況があります。

パニック障害で見られる典型的なパニック発作は、場所や状況にもかかわらず、突然起こるのが特徴です。

リラックスしているときや、睡眠中などでも、ところかまわず発作が起こります。

こうした突然の発作を何度も経験するうちに、ある種の条件づけができあがります。発作の起こった場所と状況に身をおくと、緊張が高まり、自ら発作が起こりやすい状態をつくってしまうのです。

これに対して、ある特定の場所や状況に限って発作が起こる場合は、恐怖症やストレス障害による発作か、それらが、パニック障害と合併している可能性があります。

こんな場所、こんな時に!

公の場

病院や銀行の待ち時間、美容院、式典の会場など

狭い空間

トンネルやエレベーターの中など

一人の時

誰にも助けが求められない状況、病院がしまっている夜間、入浴中など

乗り物の中

電車やバス、飛行機、渋滞中の車など

人混みの中

デパートやスーパーの中、雑路の中など

参考文献 パニック障害 心の不安はとり除ける 渡辺登監修 講談社

2007年5月12日 (土)

歯抜き絵画

本日は、今月8日、日本経済新聞に掲載された虫歯の文化史をお届けいたします。お書きになったのは、鶴見歯科大学の戸出一郎先生です。

虫歯の治療などで歯を抜いたことのある方は多いでしょう。

歯科医が鉗子を使って力いっぱい引っ張るあの感じは何度経験してもいいものではありません。

今は、麻酔技術が発達していますが、麻酔のない時代の抜歯は、今とは比較にならないほどの一大事でした。

私が勤務する鶴見大学では、抜歯をモチーフにした十六~十九世紀欧州の絵画を図書館がコレクションしています。

その数は現在六十点。私は大学勤務のかたわら、これらの絵画から伺える近代以前の歯科医学を研究してきました。378

歯抜き人が全国遍歴

まずは典型的な一枚をご覧頂きます(写真参照)。十九世紀フランスの風刺画家ボワイイのリトグラフ「冷たい鉄」(一八二三年)です。

歯科医が患者の額に手をかけてペンチ状の器具で前歯を抜こうとしています。痛みのあまり目をむく哀れな患者。酷薄な表情の歯科医。

抜歯を書いた絵画の多くはこの組み合わせで、どことなく滑稽な雰囲気です。

欧州では専門の歯科医ほか、全国を遍歴し、虫歯を抜くことを生業とする「歯抜き人」と呼ばれる人々がいました。画家たちは彼らの姿も克明に描いています。

フランスの画家ラフェのリトグラフ「歯科医」(一八二五年)を見ると歯抜き人の仕事ぶりがよくわかります。屋外で患者の頭を押さえ、もう片方の手でサーベルを振り上げる歯抜き人。

「さあさあお立ち会い。痛みなしに歯を抜いてみせるぞ」

と口上を述べています。それを半信半疑で見つめる人々の姿がっかれています。

むろん、麻酔なしの抜歯が痛くないはずがありません。患者は歯抜き人の仲間で、歯を抜くふりをしあたと、患者役が「全く痛くなかった」と喜んでみせて客をとろうとしたのかもしれません。

ラッパで悲鳴をかき消す

同じくフランスのデュプレッシ=ベルトーの銅画板「歯抜き人」(一八一〇年)では、泣きわめく患者が羽交い締めにされ歯を抜かれています。だがその悲鳴は歯抜き人の仲間が奏でるラッパやリュートの音にかき消されて見物人には聞こえません。当時は楽団付きの歯抜き人もいたのです。

抜歯の光景から当時の社会風俗も伺えておもしろいです。一八世紀の英国では、金持ちが貧乏人から歯を買うことがありました。風刺画家ローランドソンの銅板画「歯の移植」(一七九〇年)には、みすぼらしい身なりの男が健康な歯を抜かれるのを、着飾った上流階級の女性が見ている様子が描かれています。今でいう格差社会を風刺しているのでしょう。

鶴見歯科大学は過去の歯科技術を知る目的で一九九〇年代に、これらの絵画を集め始めました。画商に依頼しましたが、見つけるには苦労した様です。奮発して数十万の絵画も購入しましたが、おかげで世界でも類のない特異なコレクションが出来上がりました。鶴見大学図書館では時折展示して学生や一般の人にも見て貰っています。

患者の悲鳴が聞こえてきそうなこれらの絵には、恐怖心や欺瞞、欲深さなど人間の本性が赤裸々に表されています。単なる歯学資料ではなく、人間観察の勉強にもなり、それがこのコレクションの最大の魅力でしょう。

ただ、歯抜き人が悪者にされているのを見ると、複雑な気持ちにもなります。私も歯科医になりたてのころ、「人を痛がらせて金をとる」と嫌みを言われました。日本でも戦後間もないことは麻酔も今ほどは効きませんでした。絵の中の光景はあながち遠い昔の話でもないのです。

殉職した守護聖人

最後に、歯痛に悩む人の守護聖人である聖アポロニアの話をしておきましょう。Zurbaran18

アポロニアはキリスト教初期の三世紀にエジプトのアレクサンドリアに済む老女でした。

時のローマ皇帝から改宗を迫られたが応じなかったため、歯を抜く拷問を受けた後、自ら刑場の火に身を投げて死んだというのです。

この聖女を描いた絵画は数多く、絵の中では歯をつかんで鉗子を手にしているのですぐに分かります。

鶴見大学図書館は複製を含め一三枚のアポロニア像を所蔵しています。抜歯の絵はユーモラスなものが多く、見ていて笑いを誘われます。だがそこには「虫歯になるとこんな辛い思いをするから気を付けろ」という教訓も含まれています。皆さんもどうぞ歯をお大事に。

2007年5月11日 (金)

元気に頑張ります。

は~。(ため息)

また、今日で年を一つ取ってしまいました。

昔は誕生日といえば、すごくうれしかった想い出があるのですが、

最近は、出来るだけ平常心ですごそうとしています。

閑話休題

先日とても元気のいいお子さんがきました。

「ちょっとお口みせて~」

「イヤだ!」

それでも口の中を見せてくれました

「なんで、口の中に手を入れるんだ!この野郎 いてーじゃねーか」

「なんにもしてないよ。ちょっと見せて」

急にぐーで殴ってきました。

「・・・・・・・・(汗!)」

元気がいいのは結構な事です(笑)。

2007年5月10日 (木)

歯はなぜ抜かれるのか?

私は、暇さえあると本屋へ行くのですが、今回も本屋で「歯科受診の常識」という本を発見。

副題に「歯科に行くまえに読む本」と書いてある。

患者さんの心理を知る事もとても重要と思い、迷わず購入。

その中の冒頭に書いてあったコラムです。

歯はなぜ抜かれるのか

人は誰でも、歳をとれば身体が老化します。白髪、老眼、そして入れ歯などは、老化の減少と考えられています。

歳をとると誰でも白髪が増え、老眼が進み、歯は徐々に抜け落ちて入れ歯がどんどん大きくなっていくものと、ほとんどの人は考えている様なのです。

確かに、白髪や老眼は「老化」の現象で、誰もが避けて通ることの出来ない「老化現象」でしょう。

しかし、入れ歯は老化の象徴ではありません。なぜなら、歯が抜けるのは決して老化によるものではないからです。

つまり、どんなに高齢になっても、「年をとった」という理由で歯が抜け落ちることはないということです。だからすべての人々が、たとえ百歳過ぎまで生きたとしても、ただの一本の入れ歯も入れずに、死ぬまで自分の歯でモノを噛めるはずなのです。

それが信じられなかったら、歯が抜かれる原因を考えてみてください。「寿命」とか「老化」という理由で歯を抜かれた人を見たことがありますか。

よく、「日本人の歯の平均寿命は何歳」とか「一番寿命の長い歯は犬歯」といった話を耳にしますが、この場合、「寿命」という言葉を使うのは間違いといって良いでしょう。

なぜなら、「寿命がつきて」抜かれた歯など存在しないからです。「老衰」で抜かれる歯もないし、「老化」で抜け落ちる歯もないのです。

それでは、歯は、いったいどんな理由で抜かれるのでしょうか。答えは至極簡単です。「虫歯」か「歯周病」で抜かれるのです。

もっと詳しく言うと、虫歯やその継発症、つまり虫歯が原因でその結果生じた病気か、あるいは歯を支えている骨が歯周病によって消失してしまった結果、歯は抜かれるのです。

それ以外の理由で抜かれる歯は、極めて例外的なもので、問題にならないほどの微々たる数です。たとえば、交通事故やスポーツ事故などで歯を強打して、折れてしまった場合などです。

だから要するに、「虫歯」や「歯周病」にかからなければ、いくつになっても歯は抜かれないのです。また、もしかかったとしても、治療をすれば歯は抜かれないはずです。

しかし、かなりの知識人も含めた圧倒的多数の人々は、年をとれば「歯は抜かれるのが当たりまえ」、あるいは「歯が抜かれるのは、加齢に伴う自然の成り行き」と考えています。それでいながら、「寿命や老化という理由で歯を抜かれるのは、加齢に伴う自然の成り行き」と考えています。それでいながら、「寿命や老化という理由で歯を抜かれる人はいない」という説明にも納得します。

前述したように、実際そのような理由で歯を抜かれる人など存在しないからです。

多くの人々は、年と共に歯を失っていくことをなぜ「自然の成り行き」と感じているのでしょうか。

それは、「年をとれば、ほぼすべての人々の歯は確実に失われていく」という否定しようのない現実があるからでしょう。どんなに一生懸命歯の治療を受けても、年と共に歯は抜かれていきます。いくら歯の治療を受けても駄目なのだから、それは「年のせい」だろうと考えるのは当然かもしれません。

参考文献 歯科受診の常識 歯科に行くまえに読む本 飯塚哲夫著 愛育社

2007年5月 9日 (水)

GW 通行人観察記

GWが終わってしまいましたね。

皆さんはどのように過ごされたのでしょうか。

今年の大型GWは間に平日2日挟み、前半と後半に分かれていました。

私は、前半のGWはとにかく仕事に集中しました。GWの後半に仕事を忘れてゆっくりしたいと思いましたので、GW期間中分のブログをまとめて書いたり、レセプト(カルテ)のチェックをしたり、とにかく忙しく動き回りました。

後半は、本当にのんびり過ごさせてもらいました。後半の初日は一日中家にいて、ずっと読書をしていました。

2日目は家族と東京へ遊びに行きました。目的は、ズバリ買い物です。

しかし、今回の買い物といっても、私はメガネ、妻は食器と目的がはっきりしていたので、さっと行って、さっと帰ってくるつもりでした。

私のメガネを買おうと思った理由は、最近視力が悪くなったような気がしていたのです。

視力は、直接仕事に影響しますから、いつか時間が出来たら・・・と思っていたのです。

いつものお店に着いて、事情を説明し、早速視力を計測してもらいました。

自分ではかなり悪くなっているだろうな~と予想していたのですが、予想を裏切り、視力は、まったく悪くなっていませんでした。治療をしてると、口の中で削った金属のかけらがバンバン飛んでくるのですが、それにより多くの傷が付いていて、それで視界が狭くなったのではというお店側の意見でした。

視力が変わっていないのなら、メガネを変える必要もないので、丁寧にクリーニングをしてもらい、メガネを購入するのは次回に持ち越しました。

お店の方には本当にご迷惑をかけました。

その後、妻のお皿を買うために、どこに行こうかと相談しました。

どうせなら、新しい六本木の「東京ミッドタウン」へ行こうかという事にしました。

しかし、六本木の駅に降り立って考えが変わりました。

明らかに、「東京ミッドタウン」の方は人の行列が出来ていて、時間だけがかかってしまうと判断。すぐに六本木ヒルズの方へ変更しました。

しかし、この変更は決して間違ってはいませんでした。

人が少なくて、非常に買い物がしやすく、飲食店での待ち時間もほとんどありませんでした。

私は、何も購入するつもりは無かったのですが、少し店内を見て回ろうと思いました。

するととてもおもしろいものを多く見ることが出来ました。まずは、芸能人を多く見かけました。彼らも人が比較的少ないヒルズだと買い物がしやすいと判断したのでしょうか。

普段私の地域ではまずお目にかかれない方々ばかりなので、ずっと凝視ししてしまいました。

それと、とあるIT会社の有名な会長さんが、奥さんと買い物にきていました。

「私のもくろみ通りのものがあったね。予想どおり。」と奥さんと笑い会ってるのがとても印象的でした。いつもは控えめな印象を受けるのに、奥さんの前では、やはり気持ちがリラックスしてしまうのでしょうか。

それと、一番おもしろかったのが、洋服を選ぶ、お金持ちっぽい方々。

店員をずっと傍らに付き添わせ、気に入った洋服を一枚一枚説明させ、丹念に縫い目や品質をチェックしていくのです。試着をして、いろいろ考えたあげく、「今日は止めておく」といって帰っていく。こんな人が2~3人はいました。とても参考になりました。無駄なものと判断した物は決して買わない。こうやってお金を貯めたのかな~と考えさせられました。

それと、自分の体のサイズをきっちり分かっている方もいらっしゃいました。

「私のサイズは★×○☆だから、それに合う、~~~な感じのパンツをさがしてください」

みたいな感じで買い物をなさっている方もいました。

本当に人がたくさんいるところはおもしろい。

買い物を忘れて、マンウォッチングを楽しんでしまいました。

よいGWでした。

2007年5月 8日 (火)

ガス工事のおしらせ

まだ、先の話なのですが、来週の月曜日からしろくま歯科医院の前の道路をガス管の延長工事を行います。

時間は午前9時から午後5時くらいを予定しています。

ご迷惑をおかけしますが、なにとぞご了承くださいますよう。

なお、診療はいつも通りです。

しろくま歯科医院

院長 猪狩弓彦

2007年5月 7日 (月)

え、そうだったの・・(-_-;)

私のトレーナーの丸山さんに、マッサージをしてもらうとき、いつも楽しくおしゃべりをしています。

この会話がとにかく、有意義で、時にはゲラゲラ笑いながらマッサージを受けています。

そのなかで、私にはベリーインポータントな話題をふられました。

「先生、その後、ボーリングはいかがですか?」

「はい、最近まったくやっていません。自分の才能がわかりましたから・・」

「そうなんですか・・・」

「私、まっすぐ投げれば、そこそこスコアは出るんです。でも、かっこよく投げて、ボールが右曲がりに転がっていくような投球に憧れているのです。自分で、何度もフォークをチェックして、その通り投げているのですが・・・」

「先生、投げる際に、なにか工夫はされていますか?」

「別になんにもしていません」

「ボールはマイボール?」

「いいえ、その場にあるボールを使っています」

「先生、それでは、曲がらないかもしれません。」

「ええ、ど、どうして・・・・・・・(@_@)」

「ああいうボールは、指の穴が万人向けに調整されているので、大きすぎるのです。」

「(*_*)(*_*)(*_*)(*_*)(*_*)」

「マイボールの場合、指を入れる穴は本当に小さく、しかもフィットしているので、素直にフォーム通りに投げると、よくまがりますよ。それに、ボールにもいくつか種類があって、投げる筋道によってボールの違いもあるんですよ。」

「は~、そうなんですか」

「はい、そうなんです。」

この話は、非常に衝撃的でした。ボーリング場のボールを使っても回転はうまくかからないのですね・・・。

マイボール少し検討してみようかな・・・・・・・。

じゃあの

2007年5月 6日 (日)

唾液の6つの働き

本日は「唾液はなんでも知っている」から唾液の働きについて考えてみましょう。

唾液の6つの役割とは

唾液の大きな役割、実は口の中の環境を維持する働きです。具体的に見ると、おおよそ6つの作用に分かれます。

まず一つ目ですが、私たちは美味しいものを食べると幸せな気分になりますよね。よく「味覚を楽しむ」なんていいますが、この「甘い」「すっぱい」などの味覚の刺激を溶かし込んで確認させるのが、唾液の「溶解作用」です。この働きのおかげで私たちは食べ物のおいしさをしることが出来ます。

2つ目は、食べかすを洗い流すという「洗浄作用」です。唾液はシャワーのように出て口腔内をきれいにしてくれるのです。口臭消去や消毒の役割もしてくれます。

このシャワーの中には、殺菌作用のある成分が含まれています。ですから3つ目は、空中に飛び交う病原菌などの病原微生物に抵抗する「抗菌作用」です。抗菌因子としてリゾチーム、ペロオキシダーゼ、ラクトフェリン、免疫グロブリンIgA、ヒスタチンなどが含まれています。

4つ目は、口腔内のpHを一定に保つ「pH緩衝作用」があります。これは口腔内の細菌を繁殖させたり、減らしたりすることをコントロールしています。

また、歯の表面に皮膜を作り虫歯を防ぐ「保護作用」も見逃せません。虫歯の原因菌であるミュータンス菌が入らないような保護膜を、唾液は持っているのです。ですから唾液がたくさん出る人は虫歯になりにくいと考えられます。これが5つ目の作用です。

最後は、発音や会話をスムーズにする「円滑作用」です。唾液は、言葉を発するときに、舌や歯や口腔粘膜を微妙にコントロールしています。円滑に操作するための潤滑油、一種のオイルのような形で活躍するのです。

何の気なしに存在する唾液が、これほどまでに私たちの体をまもり、生活を豊かにしてくれていたなんて、驚きですね。

参考文献 唾液はなんでもしっている 岡崎美江子・伊藤実喜監修 宮西ナオ子著 三五館

2007年5月 5日 (土)

本当の虫歯の原因

今日は、倉治ななえ先生の著書「子どもの歯をじょうぶに きれいに」からお伝えいたします。

虫歯になる本当の原因を知っていますか?

虫歯の原因は?と聞くと、「お砂糖たっぷりの甘いお菓子の食べ過ぎ!」と答えるお母さんが多くいます。

子どもの頃、何回も虫歯に悩まされた経験をもっているお母さんからは、「私は虫歯になりやすい体質。我が子にも遺伝するのでは」といった声もよく聞こえます。

実は、これらは大きな間違い。お菓子の糖分は虫歯の原因のひとつにはなりますが、お菓子を我慢するだけでは虫歯撃退はできません。

また、虫歯になりやすい遺伝体質というものも、医学的にはありません。

親子ですから顔や顎の骨格が似ていて歯並びが悪く、歯ブラシが届きにくい場所に虫歯が出来てしまうことはあります。でも、これは虫歯の遺伝というよりも、後天的な食生活や歯のケアの問題ですよね。

子どものためにも、自分のためにも、虫歯になる本当の原因をここで正しく知っておきましょう。

「虫歯菌」が酸で歯を溶かす

皆さんは、甘いお菓子の砂糖が歯を溶かして虫歯になると思っていませんか。これはちょっと違います。

正確には、虫歯菌が吐き出す酸が歯を溶かしてしまうのです。虫歯菌は誰もが口の中にもっている常在菌で、糖分が大好き。ちなみに、糖分とはお菓子に使われている砂糖のことだけではありません。

パンやご飯など、多くの食べ物は口の中で糖質(糖分)に分解されます。ですから、歯にくっついた食べかすを見つけると、虫歯菌は喜んで活動するというわけです。

虫歯は複数の条件と環境がそろってつくられる

もう一つ虫歯の原因で忘れてならないのは、口の中に食べ物が入っている「時間」です。

しょっちゅう飴をなめ続けている、間食が多いなど、口の中に食べ物が入っている時間が長ければ長いほど虫歯になりやすいことが分かっています。

このように、虫歯は「虫歯菌」「糖分(食べ物)」「時間」といった、いくつもの条件や環境がそろったときに引き起こされるのです。

この他に、唾液が少ないと虫歯になりやすいなど、「唾液の量や質」といったことも影響があります。甘いお菓子の制限はもちろん大切ですが、それだけでなく、しっかりプラーク(歯垢)を落とせる歯みがき方法の習得、虫歯菌感染対策、おやつの時間の見直しなど、原因に合った対処法を的確に実行することが、丈夫できれいな歯を手に入れる近道なのです。

参考文献 子どもの歯をじょうぶに きれいに 倉治ななえ 著 主婦の友社

2007年5月 4日 (金)

徳川家康は何回噛んだ?

本日は、西岡一さん著「噛めば体が強くなる」からのエッセーをお送りします。

一口、四十八回噛んだ徳川家康

天下統一を成し遂げた豊臣秀吉の後、三百年にわたる徳川時代の礎を築き上げた徳川家康。

彼の巧みな管理術、卓越した戦略は、時代の管理社会で見直されつつあります。それというのも、彼が強固な肉体の持ち主で、健康に恵まれ、長生きしたことが、大きな意味を持っています。

戦国時代を生き抜き、当時としては長寿の七十六歳まで生きました。

こどもの時から人質に出され、苦労をしつくすが、心の底には、今に天下を取るのだ、という気概を持ち続けたといわれます。

そのためには、今何をすべきなのかを、つねに考えていた事でしょう。勉学や武術も大事だけれども、それにもまして健康の重要性を肝に銘じていたのではないでしょうか。そして実際、彼は健康に恵まれたようですが、そえrは生まれつきだったのであろうか、運がよかったからなのだろうか。

残された記録や伝記から想像すると、彼は若い時から、相当健康に気をつかっていたようです。体をよく鍛錬したと記録さえrていますし、水泳の達人だったことも知られています。

それに肉体的な健康だけでなく、精神的な健康も自然に身につけていた様に思われます。何しろ、無理しない。

信長は「殺してしまえ」、秀吉は「鳴かせてみよう」と言い放った鳴かないホトトギスを、家康は「鳴くまでまとう」という気性の人としても知られています。

それに彼は食生活も質素で、麦飯と豆味噌は生涯欠かさず、酒もほどほどだったといわれています。

どうやら家康の生き方が、私たちの健康に大いに参考になるようです。彼は「健康十訓」を残していますが、その第一訓が「一口、四十八回噛む」です。

食べ物を一口入れたら、四十八回噛んだということです。これが彼を健康にし、長生きする秘訣だったかもしれません。

家康が大浜(現愛知県碧南市)で鷹狩りをしたとき、土地の有力者・長田平左衛門宅で食べた食事のメニューが残されています。

  • 大根まじりの麦飯
  • いなだ(ぶりの幼魚)のみそ汁
  • たつくり(ごまめ)のなます
  • こんにゃくの煮物

おそらく家康自身が所望したものであろうが粗食なのです。しかし、栄養のバランスはよいのです。

大根まじりの麦飯をよく噛んだというのです。たつくりや味噌には、カルシウムや鉄分が豊富であり、いなだや味噌は良質なタンパク源であり、こんにゃくには良質の食物繊維であるマンナンが含まれています。

彼はこれらを一口、四十八回噛んだというのです。

しかし、よく考えてみると、当時の人は、一般的にかなりよく噛んだにちがいないのです、主食だけをみても、玄米、麦飯、あわ、ひえなど、どれも噛みごたえがあり、そうとう噛まないと飲み込めないものばかりでした。

ですから、当時の人や、もっと古い人たちは、歯が丈夫で、下顎が発達していたといわれています。

そういえば、残された家康の似顔絵をみても、なかなか立派な顔です。とくに下顎の張りはなかなかのものです。

家康は子供を16人も作りました。最後の一人は六十六歳の時です。なんという生殖能力でしょう。この精力も強さの一つにはきっとよく噛んで食べたからに違いないのです。家康から学ぶ事は多いのですが、是非噛むことも見習いたいものです。

参考文献 噛めば体が強くなる 西岡一著 草思社

2007年5月 3日 (木)

喫煙がインプラント脱落の原因に

今日は、デンタルトリビューン紙からのトピックです。

禁煙を強く勧めるべき

ムルシア大学(スペイン)の研究者らが、インプラント処置の成功率に禁煙が及ぼす影響について検討した同研究により、喫煙は歯の喪失やインプラント脱落の危険因子であることが明らかになった。

同大学歯周病科のArturo-Sanchez-Perez氏は「喫煙者においては、外科処置後の感染のリスクが増大するし、治癒も遅延しがちであります。また、喫煙者にインプラント埋入を行った場合には、脱落が生じる確率が高くなります。その結果、顔貌には悪影響がでるし、歯周組織の骨欠損は増加することになります」と述べています。

喫煙は、歯槽骨や歯周組織への血行を悪くするため、骨の創傷治癒が阻害されます。

それにより周囲骨組織とのインテグレーションが確率出来なければ、インプラントは脱落します。

同研究では、66人に患者において埋入された総計165本のインプラントについて、5年間にわたる追跡調査を行いました。その結果、インプラントの脱落率は喫煙者で15.8%であったのに対して、非喫煙者は1.4%でありました。

米国歯周病学会会長のPreston D.Miller氏は「喫煙は歯周疾患の危険因子であり、成人における歯の喪失の主たる原因になっていることは既に明らかになっています。今回の研究は、インプラントを長持ちさせたいのであれば禁煙すべきであり、インプラント治療に当たる歯科医師は事前に説明し、禁煙の大切さを理解してもらわなければならないことを示すものです」と話しています。

2007年5月 2日 (水)

パニック障害1

私の診療所を最初に受診するいわゆる「初診」といわれる患者さんには必ず「問診票」という紙に自分の症状や既往歴を記入してもらっています。

その「問診票」の中に、最近目立つ言葉があります。

それは「パニック障害」という言葉です。

患者さんにとっては、非常に重大な事で、歯科医の私も、この事に関しては無視出来なくなってきました。

不定期にではありますが、パニック障害についてまとめてみましょう。

パニック障害は、突然、激しいパニック発作に襲われ、発作がまた起こるのではないかと不安になる病気です。

以前は、心臓神経症や不安神経症、自律神経失調症などと呼ばれていました。最近は、パニック障害という病名が浸透し、病気に気づく人も多くなってきました。

症状その1

「死」を意識する切迫した恐怖感があります。以下の症状のうち4つ以上が同時に起こり、10分以内に急激に高まり、急速におさまっていくものです。3つ以下の場合は、症状限定性発作といい、パニック発作(検査で身体に異常がないと確認されたもの)とは区別しています。

  • 動悸、心悸亢進または心拍数の増加
  • 発汗
  • 体の震え
  • 息切れ感または息苦しさ
  • 窒息しそうな感覚
  • 胸痛または胸部不快感
  • 吐き気または胸部の不快感
  • 目眩、ふらつく感じ、気が遠くなる感じ
  • 現実感がない、離人症状(自分が自分でない感じ)
  • 気が変になるのではないかという恐怖
  • 死ぬ事に対する恐怖
  • 皮膚感覚のマヒ、うずく感じ
  • 体全体の皮膚が冷たい、または熱いという感じ

今後もパニック障害に付いての症状の分析お行って行きます。

また、歯科の問診票には、心当たりがある方はしっかり「パニック障害」と書いた方がいいと思います。

参考文献 パニック障害 心の不安は取り除ける 渡辺 登監修 講談社

2007年5月 1日 (火)

結婚相手より慎重に選びたいもの

本日は、歯学博士 村津和正先生の著書「歯はウソをつかない」からお届けいたします。

結婚相手より慎重に選びたい歯の詰め物

虫歯菌の存在であなたの歯に穴があいてしまいました。

穴のあいた場所を削り、中に大切な歯に変わるものを入れなくてはなりません。さあ、あなたは歯に何を詰めようとしますか?

じつは、あなたの歯の詰め物選びは、あなたの結婚相手以上に慎重に選ぶ必要があるのです。

結婚相手を選ぶ基準には、顔、スタイル、学歴、収入、趣味、人生哲学など、いろいろな要素がありますが、少なくとも自分で納得のいく方を選んで結婚に踏み切るでしょう。

最近では、バツイチ、バツ二の人も増えてきているものの、やはり結婚するときには一生この人と連れ添うのだと心に誓っていたと思います。

結婚相手を選ぶときに慎重になるのは、一生連れ添う相手なので、問題があるとその後いろいろ困るからです。

ところが、私たちは自分の歯に関しては、まったくこの慎重さを失います。歯と結婚相手では次元が違うから?

そうです。今までのパラダイムで考えている限りは、その通りです。たかが「歯」だったのです。しかし、新しいパラダイムでは、されど「歯」といってよいかもしれません。

それに結婚相手は、いくら好きだといっても四六時中一緒にいるわけではありません。しかし、歯の場合はどうでしょう。

口の中に入っていて、いつもあなた一緒にいます。何かを食べているときのみならず、仕事をしている時も、おしゃべりをしている時も、眠っている時でさえ、あなたとともにあるのです。

例えば、あなたが性格のすごく悪い人と結婚してしまったとしましょう。あなたは相手といっしょにいると傷つけられたり、マイナスの波動を受けたりするでしょう。しかし、これも四六時中一緒にいるわけではありません。

ところが歯の場合はどうでしょう?

例えば、せっかく美味しい水を飲んだとしても、水銀アマルガムやパラジウムなそ、本来は生体に存在しないような身体とは不調和な金属が詰められていたら、波動が狂わされてしまうわけです。

唾液も血液もそうです。不調和な、あるいは不適切な金属が詰められている歯は、波動を劣化する装置にかわってしまうのです。

あなたが、いくら無農薬の有機栽培野菜を食べていたとしても、不適合金属などの絶対安全とはいえない物質が歯に詰まっていれば、ぜっかく最高の波動の野菜をよく噛んで、それらに接触させ、粉砕させるうちに強震共鳴の原則から、好ましくない波動に変化していく可能性があるわけです。

たまに起こることであれば、このように取り上げる事は誇大なことであり、意味のないことですが、口や歯は食べ物の入り口であり、消化器官の上流にあたりますので、それらが毎食、毎食、1年365日、何十年にわたって、しかも唾液に至っては、毎瞬、毎瞬、わずかずつでも影響を受け受け続けるわけですから、事は重大なのです。

鍾乳洞のつららのように垂れ下がった鍾乳石がよい例です。普通の水となんらかわらないような炭酸石灰がわずかに混入した水が、一滴、一滴、あるいは何百滴れ落ちてきても鍾乳洞が形成されることはありません。

しかし、それらが継続的に常時、毎瞬、毎日、毎年と垂れ落ち続けると、そこにはとてつもない結果が現れるのです。

たとえわずかでも、口の中における身体と不調和な物質の使用も同様ではないでしょうか。その結果が原因不明の難病であり、生まれながらにアトピーで苦しむ赤ちゃんであり、そして癌などの悪性新生物の多発、人間の破壊的な異常行動の発現も引き起こしているのではないかと思っています。

歳をとったときの肌のシミ、その他の変化にまつわるさまざまな変化の一部が、命の上流の一見とるに足らないようなわずかな汚染から生じている可能性を誰も否定は出来ないでしょう。

参考文献 歯はウソをつかない 立証・歯臓説 村津和正著 三五館