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しろくま先生のブログ
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2021年7月16日 (金)

無計画治療。

開業期間が15年を超えると、色々と変化を感じる事が多いです。

開業当時は30代だったのに、今は50代だから、昔から比べたら歯科の技術や診断能力は段違いで今の私の方が良い歯科医師だと思います。

開業当時は治せなかった疾患も、今では普通に治す事が出来ます。おごりは大敵なのですが、何分比較が昔の自分なので、今回は大丈夫でしょう(笑)。

昔の私は、技術のスキルを多く勉強していました。例えば、歯の抜き方、インプラントの手術の仕方、歯の根の治し方、歯周外科の術式、歯の削り方等々です。しかし、手術の仕方が上手くなっても何にもならないというのは、歳を重ねるとよく分かってきます。

問題は、「出来る(歯科の技術)」では不十分で、患者さんの口腔内の状態を見極める診断力と、どんな状態でその技術を活用するか。。。。の判断が重要だと思うのです。

だから、昔の私もそうでしたが、インプラントは出来るけど、やって良い状態なのか、やっては駄目なのか、歯を抜歯すべきか、保存すべきか等々の判断が曖昧で下手。

勢いに乗っている若手の歯科医師と私の違いは、自分の技術に《 ブレーキ 》を掛けられるか、若手が知識不足で手が出ない症例を、内科的知識と患者さんの生活環境を見極めて処置という《 アクセル 》が踏めるかだと思います。

先日、車の免許を返納してしまった高齢者の患者さんがいるのです。車が無いので、遠方の私の歯科医院にへ来られないということで、近場の若手の先生の歯科医院を受診したそうです。

そこでは、患者さんが診て貰いたい入れ歯には手をつかず、手を付けなくてもよい状態の良い歯が折れているとの診断(実際はまったく折れてはいませんでした)で、神経の処置を始めてしまったのです。

実際は、折れてもいない健康な歯の神経を抜く行為ですから、患者さんにとっては悪夢でしかありません。しかも、その高齢の患者さんが内科的疾患があると分かった時から麻酔等の身体に負担のかかる薬剤の投与は止めてしまったというのです。

毎回、麻酔無しで神経の存在する歯を削って(麻酔なしで神経を抜こうとしていたので、痛いに決まっている)いたのだから、患者さんとしてはたまったものではありません。

その若手の先生は、とにかく自分のスキルを上げたかったのかなと思います。患者さんの利益よりも自分の経験を積む方を優先してしまったのでしょう。患者さんは入れ歯を診て貰いたかったのに、関係のない、痛みの無い歯に難癖を付けて新しい技術を、その患者さんを使った試してみたかったのでしょう。

しかし、患者さんに内科的疾患があると、処置後に気がついてしまい、削ってしまった後に、削った責任が取れない行動を起こしてしまった。

患者さんとしては堪った物では無いと思います。望んでいた治療は受けられす、今まで何の問題も無い歯を削られ、しかもその歯を治療出来ず、痛みだけを与えてしまった。これでは、歯科の信頼性は地に落ちますし、不信感しか募らないでしょう。

その若手の先生は、今後こうした苦い経験を積んで成長していくでしょうけど、今回は順番がバラバラでした。

まず、その先生は「歯を削る」が一番で、患者さんの内科的疾患や主訴をないがしろにして、無計画で欲望のままに治療を始めてしまったのが敗因です。

まず、患者さんの状態を見て、治療計画を立ててあげるべきでした。患者さんの生活環境や内科的疾患がある場合は、「本当はやった方が良い治療」もあえて行わないという選択も必要だと思います。なぜなら歯科は外科に分類されますので処置によっては口腔内のバランスが崩れてしまうからです。

若手の先生は、その患者さんに麻酔を掛けないで神経を抜くという処置をしようとしていましたが、もっと内科の知識や全身疾患を勉強されて、ある程度は麻酔を掛けても大丈夫と言うことを学んだ方が良いと思います。体に優しい麻酔薬もあるのですから。

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