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2010年2月19日 (金)

よく噛めば頭がよくなってボケない

本日は、中村輝夫先生の著書『食は一生-そのための「歯」の本』よりお届けいたします。

◇よく噛めば頭がよくなってボケない

噛まなくてもよい粉末の飼料で育てたネズミと、よく噛むうちに固形飼料で育てたネズミを絶食させた状態で、出口に餌を置いた迷路に入れ、どちらが試行錯誤が少ないかを調べてみると、固形飼料で育ったネズミの方がよい成績を収めました。よく噛まないと賢くならないのです。

生まれて間もないネズミの歯が片側だけ生えてこないよう、将来、歯になる組織を摘出しておいて固形飼料で育てると、このネズミは片側だけで咀嚼して成長します。成長してから脳細胞を顕微鏡で検査すると、歯がない側の反対側の脳の発育が遅れていることが確認できました。

ご存じのように右半身の刺激は左脳に、左半身の刺激は右脳にと、身体からの刺激は左右反対側の脳に伝わります。よって、歯がない側の反対側の脳の発育が遅れいたのは、歯がないため、咀嚼の刺激が伝わらなかったからと考えられます。

咀嚼しないと脳の発育が遅れることが推測できます。

また、幼稚園の子どもたちの噛む力と幾何学図形テストの成績の関係を調べたところ、噛む力が強い子の方がテストの結果が良かったそうです。

小・中学生の運動能力の調査でも、歯が丈夫で噛む力が強い子のほうが優れていたことがわかりました。しかしながら、おかずに硬いものが入っているとはき出してしまったり、噛まないで飲み込んでしまう幼児が増えているといわれており、心配です。

高齢者の痴呆と歯の関係については、どちらかというと、歯がなくて噛めない方のほうがボケやすいようです。また、寝たきりの高齢者に入れ歯を作って、自分で咀嚼出来るようにしたら、元気が出て起き上がって歩けるようになったという話をよく聞きます。これは、噛む動作が脳の血流量を増加させるからで、実験でも確認されています。

火を知らなかった原始時代の人間は生肉をほうばり、木の実を歯で食いちぎって生きていました。やがて、火を用い、焼いたり、煮たりして食物を調理して食べるようになりました。人間の食の変換をみると、より食べやすく、軟らかくなているのが伺えます。調理することにより、消化しやすく、美味しく、食べやすくなったので、現代人はあまり噛まなくても充分な栄養がとれるようになりました。

車社会になって歩くことが少なくなった現代人は、運動不足を解消するためにフィットネスクラブなどで器械の上を歩いたり、走ったりしています。同じように噛むことが少なくなったことを補うために、ガムを噛んだりします。

これらは、何か変かもしれません。本当は、山村の元気な高齢者のように、自分の身体を使ってよく働き、昔の日本人が食べていたような噛み応えのあるものをゆっくり咀嚼する生活がいいのでしょう。スローライフ、スローフードが頭にも健康にもよさそうです。

参考文献 食は一生-そのための「歯」の本 中村輝夫著 東京図書出版 

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