長い長い説明。
歯医者になったばかりの頃、先輩の医局員に呼ばれて、患者さんの神経を抜けって言われた事があるのです。若い歯科医師の悪い所は「やる気はあるけど、知識と経験がない」事に尽きます。
頭の中にある国家試験レベルの稚拙な知識を使って治療をするのですが、とても上手くいくモノではありません。その患者さんも上手く神経が抜けずに結局、先輩にお願いすることになったのです。
それ以来、患者さんにはキチンと事前にエックス線で撮影して、状況を説明し、自分自身も納得してから治療しようと思ったのです。
郡山で開業する時に歯科業界の雑誌に紹介された事があったのです。その時に先述した苦い経験から、初診の患者さんには1時間くらい説明するって雑誌のインタビューで答えました。その雑誌にはその時の説明時間の事も記載されていました。
地元の歯科医師の先輩には「田舎で説明に1時間も説明していると誰も来なくなるぞ」と忠告を受けました。実際、「説明を聞きに来たわけでは無く、治療を受けに来たんだ」と叱られる事もありましたが、現在でも初診の患者さんには1時間の説明を続けています。
この説明を20年続けていますので、いまでは長い説明でもご理解を頂いていると感じています。
ただ、困ってしまうのは説明は要らないから直ぐに治療してっていう患者さんです。
お気持ちは分かります。ただ、虫歯や違和感の原因を説明せずに施術を行っても、また同じ事の繰り返しになってしまい、お互いの信頼関係が築けなくなってしまうのです。
そこはご理解頂きたいのです。
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