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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
毎日のケアについてのアドバイスを載せていきます。
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AED
当院では、心停止の救命措置に必要なAED(自動体外式除細動器)を設置しております。

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2017年4月25日 (火)

もう時効だから話しますけど。

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この話しはもう時効だから言いますが、今から約6年位前に凄いクレームがあったのです。
それはどんな話しかというと、その患者さんが治療費を返還して欲しいというものでした。
で、なぜその治療を返還して欲しいって言っていたかというと、治療費が明らかに高いからって理由でした。
で、その患者さんが受けた治療というのは歯の掃除なんです(苦笑)。
治療費は4000円。
しかも、クレームを受けた時から遡ること4年前。
4年前の治療費の返還を求めてきたのです。しかも自費治療で。
今、自費治療で歯のクリーニングはこの値段では出来ません(最低でもしろくま歯科では)。最低でも4000円の倍以上するのが相場ですから。
自費治療なので、私はその患者さんに「請求書もしくは領収書お持ちですか?」と聞きました。
患者さんの答えは「もちろん4年前なのでもっていない」との答え。
全く話しになりません。
その患者さんのカルテを紐解いて見てみました。
その患者さん曰く、「歯周検査なんてしたくないから、直ぐにお掃除して欲しい」との事。
その時のカルテの記載には「保険治療では歯周検査しないと、歯のお掃除は出来ないシステムなのです。しかも、歯周病検査で歯周病と診断されなければ、歯のお掃除も出来ません」と説明していると明記されてました。
そのため、自費の説明をして承諾して歯のクリーニングを受けられたとカルテには書いてあります。
こちらには何の落ち度もありません(苦笑)。
その患者さん曰く、いつもこの金額に納得がいかなかったそう。自己啓発セミナーに行き、「言いたいことは言いましょう」的な説明をされたので、踏ん切りがついたと言うことでした。
でも、領収書も無く、4年前で、自費治療での4000円は高いから返せっていうのはあまりにも理不尽。
なぜ、高いと思ったのですが?と聞いたら、他の歯科医院で歯のクリーニングを頼んだら、歯の検査などしないで直ぐにクリーニングしてくれる。歯のクリーニングを強要しているのはしろくまだけだって仰る
(苦笑)。
そこで、私は申し訳なさそうに言いました。
「歯のお掃除は基本的に保険では認められていません。歯周病になっている場合に初めて歯および歯肉の治療が出来ます。歯肉の治療を一般的に歯のお掃除と言われているだけです。それに、その直ぐにお掃除をしてくれている歯科医院は、検査もしていないのに、患者さんに検査料を請求していますよ。面倒くさいから検査の説明もなく、いきなり保険で歯のクリーニングをしているだけなんです。うちがぼったくっているのでは無く、患者さんがやってもいない検査料を取られているだけですよ」って説明しました。
その時の患者さんの驚きようは電話越しでもよく分かりました。
患者さんは検査抜きで歯のクリーニングを望まれたので、国の規則通りに行っている当院では自費のクリーニングしか出来なかったと説明しました。
かなり納得されたみたいでしたが、それでも料金の返還をして欲しいとしつこく迫ってきました。
今なら相手にしないか、歯科医師会がお願いしている弁護士さんにご連絡する所ですが、その当時私は非常にこの患者さんを相手にしていることが無駄な能力を使っていると思い、治療費はお返し出来ないが、アドバイス料として、従業員の手数料を差し引いた料金を出すということで話しはまとまりました。
アドバイスもなにも、丁寧な説明をしたんだから、うちから貰わず検査をしなかった歯科医院に言って欲しいと思ったし、こっちが営業妨害の被害届を出しても良いくらい。バカバカしい。
しかし、こうしてブログのネタにもなっているし、その後自分でこういった無茶ぶりの患者さんの対策を立てられたので良しとしましょう。
今後こういった患者さんが来たら、面倒くさがらず対応します(笑)。

2017年4月18日 (火)

失われた1枚を探して・・・・

以前こんな記事を書きました。
バックアップや仕えそうな画像を保存していたHDを誤って壊してしまい、それを復元させたのです。画像のほとんどを回復出来たのですが、それを保存していたファイルは回復出来ませんでした。
そのため、画像の時系列はバラバラ。
家族の写真や症例の画像が入り乱れて一つのファイルに押し込まれてしまったので、その中から必要な一枚を探すのも一苦労。
今、非常に欲しい画像を探し続けて1週間が過ぎました。
しかし、同じ画像が何故か複数枚づつ復元されてしまい、画像数はなんと40万枚。
この回復画像の為のHD(4T!! かなり高かった...涙)を購入したほどです。
まだまだ掛かりそうです。
かなり肉体的、精神的に高い授業料になってしまいました。
しかし、どうしても必要な画像なので諦める訳にはいきません。
頑張ります(涙)

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2017年3月30日 (木)

インプラント専門医臨床技術向上講習会

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第28回インプラント専門医臨床技術向上講習会が開催されました。
今回主幹である奥羽大学インプラント科教授関根秀志先生よりのお声がけに答える形でお手伝いに行ってきました。
当日はまもなく4月だというのに生憎の雨。肌に突き刺すような寒さでした。
今回はあくまでもお手伝いと言うことで、出しゃばること無くあくまでも裏方に徹することが仕事となります。
私の担当は講師控え室対応となりました。
仕事は講師の案内、会場に講師の席を準備する。講師の飲食の対応、質問評対応、荷物番と行ったところです。
しかし、実際に始まってしまうと、役割を越えた仕事をしなければなりませんでした。
他の仕事もしますし、他の方が私の仕事をしたりなど。
今の感想としては、無事に終わって良かったな、関根先生および学会の方々、本当にお疲れ様でした。
会場が一杯になるほど盛況でした。
我々の席が無いくらい。
外は寒かったけど、会場内は熱く熱く議論されていました。
今度も関根先生のサポートをしっかりしていこうと思います。

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2017年3月17日 (金)

バグ

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去年決めた目標の一つに「2017年は本を買わない」というの事を掲げました。
私の場合、本当に病的に本を購入してしまうのです。
お小遣いの大半を本につぎ込んでしまうので、いつも私のお財布事情はお寒い限りなんです。
で、私のブレーンとも言うべき友人が、「本には賞味期限が無いんだから無理して買わなくても良いと思うよ」と至極真っ当なご意見をちょうだいしました。
幸い、積読の本が山のように有りますから、読む本が無いという飢餓状態には陥っていません。
そんな今年、つい買ってしまった本がありました。
それはなんとビジネス本の『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか 中島聡著』。
今年の1月に本屋で平積みされているのを偶然発見。
中身をパラパラと覗いて見て、かなり欲しいと思ったのですが、そこはぐっと我慢してその場は立ち去ったのです。
大抵こういったビジネス書というのはあっという間に消えて無くなるのですが、2月後半に同じ場所にいったらまだ同じ場所に置いてある。
同じく中をパラパラを覗いたら、もう我慢が出来なくなり購入。
その本屋さんには喫茶店も併設されているので、そのまま喫茶店に直行して読み始めました。
本の中身は、それぞれ読んで頂くということで割愛(かなり良い内容でした。為になりました)します。
この著者の中島さんはマイクロソフトで革命を起こした方なのです。
今では当たり前になっていますが、マウスの右クリックを有効活用(ドラックとかコピペとか)を提案、採用された方みたいです。
彼がこの本の中で言っていたことをちょこっと言えば、パソコンのソフトを発売する際には完全にバグ(コンピュータの中に潜む誤り)を消してしまうことは難しいと言うことなのです。
ある程度、パソコンに詳しく無いユーザーが使って問題なければ発売してしまうそうです。
全てのバグを取り除く作業をしてしまうと全くソフトが完成せず、時間ばかりかかり発売が出来なくなってしまうとの事です。
そのため、アプリは四六時中アップデートを繰り返してバグを解消させていくのだそうです。
なるほどね。納得。
内容は割愛しますなんて言っておいてかなり説明してますね(汗)。
つまり、仕事は最初から完璧をめざさず、取りあえずたたき台(8割の出来き)のような試作品(モックアップ)を急いでつくり、余裕を持って手直していきましょうって感じの内容でした。
私が言いたかったのはパソコンは発売された時は完璧では無いよって事なのです。
医療機関は月末及び月初めにレセプトという患者さんの情報を保健機関に送り、治療した事を証明し、その内容に矛盾がなければその医院に窓口で支払って貰っていない保険の分のお金が各医院に支払われます。
国の保険機構は無駄なお金は払いたく有りませんので、レセプトに不備があれば「無効」ということで医院に「支払えません」と突き返してきます。
お金が絡むため、非常に厳しいのです。
そのため、各医院はそのレセプト作製に完璧を期すためにレセプト用のコンピュータを完備しています。そのレセコン(レセプト用コンピュータ)で、何度手直しても直らないレセプトがあったのです。
レセプトは各月締め切りがあるので直ぐに対応しなければなりません。
自分では直せないのでメーカーの方に当院に来て貰いました。
そして、その場で解決したのです。
しかし、いざ発送する直前でまた同じエラーメッセージ。
残念ですが、今月はこのレセプトは諦めるしかないですね。
メーカーの方が来ても直らないって事は、これはこのブログの最初で説明した「バグ」ですかね。

続きを読む "バグ" »

2015年9月24日 (木)

乳幼児の歯磨き中の事故

今日のYahoo!の記事の中でこんなモノをを見つけました。
『乳幼児 歯磨き中事故で入院も』というものです。私も自分の子供の歯磨き中に何度も「ヒヤッ!!」とさせられた経験があります。大人は先を見通し行動を起こすことが出来ますが、子供の興味は目の前のこと一点だけ。現在行っている行動よりも興味を持ったことを優先させる帰来があります。
ニュースの内容はこんな記事です。



・ 
昨年1年間に東京都内で、歯磨き中に走り回るなどして転倒し、歯ブラシでのどや頬の内側を突いて救急搬送された5歳以下の乳幼児は前年比2人増の40人に上ったことが、東京消防庁のまとめで分かった。
 同庁や医療機関の専門家は「乳幼児は保護者がそばに付き添い、歯磨きに集中させて」と注意を促している。
 同庁によると、2014年に歯磨き中の事故で救急車で搬送された乳幼児の半数以上を1歳児が占めた。歯磨きをしながら歩いていた女児(1)が転倒してブラシが頬に刺さり、入院が必要と診断された事故などがあった。
 10~14年の5年間では、計207人の乳幼児が搬送された。入院が必要な中等症以上と診断されたのは全体の15%で、生命の危険があると診断される事故もあった。年齢別では、1歳児(97人)と2歳児(61人)で全体の約76%を占めた。
 事故の原因別では、歯磨き中に「歩いたり、走ったりして転倒」が最も多く、次いで「人や物とぶつかる」「踏み台から転落」などが続いた。
 国立成育医療研究センターの守本倫子医長(小児耳鼻咽喉科)は「口の中は脳にとても近い場所で、大事な血管もたくさんある。歯ブラシが刺されば大きなけがに発展し、最悪の場合は死に至る危険性もある」と指摘。「乳幼児が歯磨きをするときは落ち着いた所に座らせ、そばで目を離さないという基本を守ってほしい」と話している。(Yahoo!平成27年9月24日掲載)




万が一、我が子にこのような不幸が起きてしまった場合は開業医ではなく大きな病院《口腔外科》にご連絡しれみてください。

2011年9月12日 (月)

歯痛で死亡

インターネットの中に見つけた記事。

【9月7日 GlobalPost】米オハイオ州シンシナティの男性(24)が8月31日、歯の感染症で死亡した。同市の大学病院医師が語った。

 死亡した男性、カイル・ウィリスさんの遺族は、米NBCテレビの系列局WLWTテレビに対し、ウィリスさんは2週間前に親知らずが痛み始めたと語った。歯科医は、親知らずを抜歯する必要があると告げたが、ウィリスさんは当時無職で無保険だったため、抜歯をしなかった。

 その後ウィリスさんは頭痛と顔のはれに悩まされ、緊急治療室に搬送された。

 おばのパティ・コリンズさんは、WLWTテレビの取材に「(医師らは)抗生物質と痛み止めを与えた。でも、ウィリスは抗生物質を買うお金がなかった。そこで痛み止めだけもらった。でも彼に必要なのはそっちではなかったのよ」と語った。

 痛み止めは効果があったものの、感染は拡大し、最終的にウィリスさんの脳に達した。

「歯科医に行って歯痛を治療しておくべきだった。そうすればこんなことにならなかった。みんながその教訓を得たわ」と、コリンズさんは語った。

 米カリフォルニア大学サンディエゴ校の歯科医、アービン・シルバースタイン氏は、ABCテレビに対し、「歯の病気が深刻な症状をもたらすことを人びとは知らなさすぎる。問題は目で見える部分だけではないんだ。多くの人が歯の疾病で命を落としている」と語った。

 カイル・ウィリスさんは、米有名ミュージシャン、ブーツィー・コリンズのおい。(c)News Desk/GlobalPost.com/AFPBB News

日本は国民皆保険なので、痛みが出たらすぐに歯医者へ行きましょう。

2010年2月18日 (木)

歯科技工の低迷に、歯科界は何ができるだろうか

本日は、デンタルトリビューン紙2010年2月号よりお届けいたします。

◇就業環境の整備が課題

現在、歯科技工士の就業年齢のおよそ3割以上が50歳以上であり、顕著な高齢化となっている。その一方で、若者の志望者が激減のうえ、他業種への流出が後を絶たないため、年齢構成に極端な偏りが生じている。

本来、社会の需要があり、若者にとって魅力的な職業であれば、就業人口の高齢化は解消する。しかし、低賃金、長時間労働、福利厚生未整備など就業環境の悪さが若者にとって魅力を感じられない一因と思われ、魅力ある環境作りが喫緊の課題である。

国家資格として認定されている歯科技工士だが、志望する若者は極端にすくない。全国の歯科技工士養成校では、志望者の減少が悩みの種となっている。2006年以降は受験比率が1倍を下回り、その傾向は現在も続いている。

高校などの進学相談会では、歯科技工士養成校の進学をすすめない事が多いという。それでも歯科技工士として歯科医療を志す若者はわずかながら存在する。

しかし、苦労の末に取得した国家資格にもかかわらず、転職する若者が増えている。日本歯科技工会の統計では、卒後5年以内におよそ7割が退社しており、その多くは他業種に転職しているという。

◇肩たたきで「一人ラボ」も

日本歯科技工士会が3年に一度実施している2006年の「歯科技工士実態調査報告書」によると、就業する歯科技工士の平均年齢は、43.5歳である。この統計では勤務者平均年齢38.5歳に対して、自営社の平均年齢は50.7歳。

勤務者数は年を経るごとに減少している。この傾向に対して、ある技工関係者は「診療所に勤務する歯科技工士になかで、肩たたきによって独立するケースが多い」と打ち明けた。

つまり、統計上の歯科技工所数はこじょ数年微増しているいが、その背景には、勤務先の診療所から退職を迫られるケースが多いと言うことだ。

歯科医院の収益が厳しくなると、固定費を削減するため技工を外注する。その結果、退職となった歯科技工士は一人ラボとして開業することが多い。

◇問われる「国家資産」意義

歯科技工士の海外委託も大きな問題である。国外の無資格者が作成する技巧物を、歯科医師の責任と判断による裁量において、自由診療に限定して容認している。

無資格者による歯科技工行為や歯科医師が発行する指示書がない場合、歯科技工士法への接触が指摘される。口腔内に入れる補綴物を。「雑貨扱い」として区分したうえで、輸入を放任することに異議を唱えるのは常識的に判断して当然であろう。どのような成分が含まれた補綴物かわからないため、安全性が疑問視されている。

そこで、歯科技工士の有志が立ち上がった。脇本征男氏ら、81名が国を相手に訴訟を起こした。同氏らは一般人を含めた啓発活動を行い、昨年10月、東京地裁で「請求棄却」の敗訴となったため、最高裁へ上告している。

日本歯科技工士会のある関係者は「裁判の結果、海外委託が合法と判断された場合、その判例によって将来が決まってしまうことに不安を覚えます」と、判決結果を危惧している。

◇技工界内部も改善要す

歯科技工の問題を挙げれば枚挙にいとまがない。しかし、歯科技工は歯科医院収入の大黒柱であることを忘れてはいけない。歯科医院収入のなかで補綴物の割合は42.8%。およそ収入の半分を占める。

さらに、この統計には自由診療分が含まれていないため、保険診療、自由診療を含めた実質的な補綴物関連収入は総収入の半分を超える可能性がある。歯科疾患の病態変化により、予防中心とする診療が定着してきたとはいえ、超高齢化社会を迎えた現代においては歯科技工の需要は高いはずだ。

このように、歯科技工に関わる懸念事項が事欠かないのはなぜか。

下川歯科医院院長の下川公一氏は「(劣悪な就業環境について)問題の根本に歯科技工士間の労使関係もある」と指摘している。

保険診療では、安価な技工所に注文が集まるため技工所間の価格競争が激化している。安価な仕事で収益を上げるには、数をこなさなければならない。そうなれば必然的に、就業時間が長くなる。というわけだ。

歯科技工士の問題は、彼ら自身で解決する努力も必要だ。業者を代表する職域団体の組織率が30%台と低い組織率であることも認識したうえで、対策を練る必要がある。

◇“匠の技術”に誇りをもって

日本の歯科技工士は、高度な精密加工技術から“匠の技術”として世界的に評価されている。

歯科技工士が医療従事者の一員として矜持があれば、歯科技工界が一致団結して、問題の解決に取りかかる必要がある。歯科技工が衰退すると、国民も歯科医師もみんなが困る。そして、歯科医療従事者全員がこの問題を認識したうえで、歯科界全体の連携を目指した行動を起こすべきである。

歯科界発展のために歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士が団結して、歯科医療の重要性とすばらしさを国民に啓発することが一層求められている。

原宿デンタルオフィス院長の山崎長郎氏は、歯科医師と歯科技工士の関係について次のように述べる。

「患者の健康に寄与するタスクのなかで、歯科技工士は重要なパートナーだ。どちらが上でも下でもない対等な関係である。歯科技工士は最新の技術を学び夢をもって活躍して欲しい」

2010年2月13日 (土)

がん患者の苦痛

本日は、日本経済新聞2月7日号に掲載された『医師の目』よりお届けいたします。

◇がん患者の苦痛、心の問題も

がん医療現場でのうつ病について報告したい。

数ヶ月前に進行乳がんの診断を受けた60歳の女性。手術が出来ないため、ホルモン療法を行っていた。治療効果は良好だったが、副作用と思われるめまい、ふらつきに苦しめられた。

症状があまりにも辛いため、患者は治療中止を選択。1ヶ月を経過しても症状は改善せず、何かおかしいと感じた担当医が精神腫瘍科を紹介した。

患者は疲れ切っていた。ホルモン療法開始後のめまい、ふらつきが苦痛で気分がめいり、物事に対する興味も薄れ、眠れず、食欲が低下し、身体はだるく、新聞を読んでも頭に入らなくなってしまったという。

家族も急に変わってしまった患者に戸惑っている様子であった。

この患者をみて、どう思われるのであろうか。がんの進行で身体が衰弱したのだろうか。それとも、がんになったことで悩んでいるのだろうか。

実はそうではない。この患者の診断はうつ病。問診で明らかになった。食べられない、身体がだるいなどの患者の訴える苦痛は、一見がんによる症状のようだが、うつ病の症状の一部である。

患者に、精神腫瘍科の診断はうつ病であること、それが良くなってからホルモン療法の再開を伝え、抗うつ剤を投与。すると治療開始後2週間でよく眠れるようになり、3週間後にはめまい、ふらつきがなくなった。

このころから「もう一度治療を受けたい」と話すようになり、1ヶ月後にはホルモン療法を再開した。その際めまい、ふらつきはなかった。

では治療中断のきっかけとなった「めまい、ふらつき」は一体何か。実は、これはもうつ病の症状だった。患者は、それらが初めの治療開始と同時期に表れたことで、薬の副作用と感じたかもしれない。また、うつ病で治療意欲が低下していたことが治療中断に至った理由かもしれない。

治療中断の選択は人生における重大な決断であり、適切な判断が出来るよりよい精神状態の下で行われるべきだ。しかし、うつ病になるとその判断の適切さが失われることがある。何かおかしいと感じた担当医の判断がこの患者を救ったのだ。

埼玉医科大学教授 大西秀樹先生 投稿

2010年2月 9日 (火)

糖尿病、根治療法に道

本日は、Yahoo!ニュース2月2日掲載分よりお届けいたします。

◇糖尿病、根治療法に道

福岡大と理化学研究所は、重症糖尿病の根本的治療法として期待される膵(すい)島細胞移植で、タンパク質の一種「HMGB1」が拒絶反応を促し移植効果を妨げることをマウス実験で突き止めた。HMGB1の抗体投与で、拒絶反応を抑え移植効果を格段に高めることも判明。米医学誌ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション電子版に2日掲載された。
 福岡大の安波洋一教授(再生・移植医学)によると、HMGB1の抗体を治療薬として投与し拒絶反応を抑える方法がヒトでも確立されれば、糖尿病1型の重症患者に対する根本治療として膵島細胞移植の普及が大幅に進む。早ければ4~5年後には治療を開始できる見込み。

2010年1月23日 (土)

花王、歯磨き行動の脳への作用を研究

本日は、YAHOO! JAPANニュースに掲載された歯磨き行動の脳への作用への記事をそのまま記載します。

◇疲れたあとに歯磨きをすると、脳が活性化し、気分リフレッシュ

花王  の ヒューマンヘルスケア研究センターは、現在、むし歯や歯周病などのさまざまな口のトラブルに関する研究や美しい歯に関する研究などを通し、口内の健康価値の提案に取り組んできた。

 今回は、千葉大学フロンティアメディカル工学研究開発センター脳機能計測解析研究部門 下山一郎教授と共同で、脳が疲れたあとの歯磨き行動が脳や心理に与える作用を研究。このほど、歯磨き行動が脳を活性化し、気分をリフレッシュする効果を持つ可能性を見い出した。

 具体的な研究内容としては、計算作業による疲労付与後に歯磨き行動をしたときの脳への作用を客観的に評価するため、脳と心理の状態を同時に測定する“統合生理研究手法”を用いて検討。脳の活性化は、脳の疲労度や注意力に関係する指標などを用いて評価し、脳の疲労度はフリッカーテストを、注意力は脳波の測定で実施したという。また心理状態は、自己評価を数値化するVAS法 により評価している。

 その結果、疲労後に歯磨きをすると、しない場合と比べ、脳の疲労は有意に低減。また注意力も高まる傾向が認められたという。これより、歯磨き行動により脳が活性化したことが推測されたのだ。さらに心理状態についても、疲労後に歯磨きをすると、リフレッシュ感が有意に高まり、集中力やすっきり感も上昇する傾向が認められたという。歯磨き行動には、仕事や勉強などで疲れた時に脳を活性化する効果があるとも考えられるのだ。

 本結果は、IUPS2009第36回国際生理学会大会・第86回日本生理学会大会で発表し、2010 年3月発行の産業衛生学雑誌に掲載の予定だ。(編集担当:宮園奈美)

2009年12月18日 (金)

歯髄バンク、費用かかるが需要拡大

本日は、デンタルトリビューン紙2009年12月号よりお届けいたします。

◇歯髄バンク、費用かかるが需要拡大

【英国】将来、子どもが病気になったときの保険として、乳歯から採取した幹細胞を冷凍保存しておく歯髄バンクが注目されている。1.000ポンド以上の費用が必要になるが、利用者は多いという。

◇近隣諸国なからの申し込みもおおい

BioEden社は英国初の歯髄バンクであり、外務英連邦省(FCO)とビジネス・企業・規制改革省(BERR)が合同運営する英国貿易投資総省(UKTI)から支援を受けている。

同社の設立は2007年。歯科医師のDavid James氏が、米国立衛生研究所(NIH)の細胞生物学者SongtaiShi氏が娘の乳歯の中に幹細胞を発見したという研究報告をインターネットで発見したのがきっかけだった。

費用は950ポンドの保険料に加え、年間90ポンドのサービス料が必要とされているが、james氏によると、乳歯はクウェートやインド、イタリアなどからも送られてくるという。

幹細胞研究はまだ初期段階だが、アルツハイマー病や多発性硬化症、パーキンソン病など多くの疾患の治療に有望視されている。

◇歯の細胞による未来の保険(コメント~歯髄バンク株式会社 瀧川拓郎氏)

歯髄バンク株式会社は、「いつまでも元気でいてほしい」、「健康でいてほしい」、そんな想いを実現するために生まれた。従来捨てられていた乳歯に、再生医療の世界から熱い視線が注がれている。

白血病など血液疾患の治療に有効な臍帯血(造血幹細胞)については、年間約5.000件もの保管があるほど浸透してきている。一方、歯髄(間葉系幹細胞)の保管を事業化した例はまだ少ないものの、現在、米国、英国、台湾など諸外国でも盛んになっている。

提携している大学機関で、すでに歯髄の幹細胞から臓器の細胞を作ることに成功した研究結果も出てきており、これから動物実験や臨床試験へと移行していくため、まだ時間はかかるが臨床応用への道筋はついている。

現在、東京駅に隣接する聖蹟サピアタワークリニック東京再生医療センターにて、この最新治療が行われている。

《問い合わせ》

歯髄バンク株式会社

FAX03-5218-2213

http://www.toothcellbank.jp/

2009年11月22日 (日)

麻疹(はしか)絵

本日は、デンタルトリビューン紙2009年11月号の中の『歴歯散策』をお届けいたします。写真も同文より添付しました。1350

◇20年余の周期で流行した麻疹(はしか)

新型インフルエンザの猛威が巷間で話題になっている。人類の病気との戦いは、感染症との戦いの歴史とも言える。

江戸時代の人々を苦しめた病の一つに、はやり病(感染症)がある。赤痢、コレラ、梅毒が代表的であり、疱瘡(天然痘)は毎年のように流行し、治っても顔にあばたが残った。

一方、麻疹(はしか)は一度かかれば2度目はかかりずらり病気であるが、子供だけでなく、大人にも容赦なく襲いかかった。口腔内の初発症状としてコプリック斑はことに有名で、発病2~3日後、あるいは、発疹出現の2~3日前に麻疹患者の80~90%に見られる口腔粘膜の臼歯部に生じる帯青白色の斑点である。

麻疹は江戸時代に10~30年余の周期で流行しており、慶長12(1607)年、元和2(1616)年、慶安2(1649)年、元禄3(1690)年、宝永5(1708)年、享保15(1730)年、宝暦13(1763)年、安永5(1776)年、天明2(1782)年、文久2(1862)年に流行shした。

なかでも天保7年の大流行は6月半ばから始まり、7月には「麻疹患者がいない家はほとんどない」と言われたほどであった。

◇多様な情報が掲載されたはしか絵

麻疹が流行したときには護符として、あるいは世俗画として、多くの「はしか絵」が浮世絵師によって描かれた。はしか絵には迷信やまじないのもの、診察の図に加え、養生の伝として慶安2年の大流行以来、文久2年の大流行の時は年次を記載したものまで大量に刷られた。

なかには今日の疫学に類似した記述も見られ、数多くの種類がある。特に、病を抑えつける意味から東向きの馬屋にある馬のかいば桶を顔にかぶる風習が行われた。浅草寺のかいば桶は効果があったという(写真の左側)

当時、麻疹は陽毒によると考えられていたので、この陽毒を除く治療法として飲食物の取り方について書かれたものがある。「食してよろしきもの」に黒豆、大豆、インゲン豆、昆布、くず、みぞなどが挙げられている。

多くのはしか絵が、養成の心得として「食べて悪しきもの」と「食べてよろしき物」を記しているが、内容はいずれも絵によって異なり、食養の難しさを物語っている(写真左)

また、「忌むべきこと」に房事、灸治、入浴、そばなどが挙げられ、遊郭、風呂屋、酒屋、そば屋、床屋や芝居小屋がガラガラになったというから、はしか絵がいかに江戸市民に浸透していたかが伺える。

麻疹はかつて克服された感染症であったが、最近、若年層での流行が問題視されている。新型インフルエンザも特効薬がなく、予防が最重要と考えられ、食養学から抵抗力をつけることも肝要と言える。

形を変えて人類に警告を発してきたのは「はやり病」は、人類の叡智がためされているのかもしれない。

テキスト:日本歯科医史学理事 日本大学松戸歯学部教授 渋谷鉱先生

2009年11月15日 (日)

男性も健康志向くっきり

本日は日本経済新聞2009年11月10日分よりお届けいたします。

◇喫煙率最低36% 肥満5年ぶり減

たばこもやめて、ダイエットも-。厚生労働省が9日打ち出した2008年の「国民健康・栄養調査」で、人々の健康志向がくっきり浮き上がった。成人の喫煙率は21.8%と健康増進法が施行された6年前より約6ポイント低下。たばこ増税論議の影響などもあり、今後も“たばこ離れ”は進みそう。ここ数年進み続けていた男性の肥満傾向にも改善の兆しがみられた。

喫煙率を性別で見ると、男性は36.8%で前年よりも2.6ポイント低下した。03年との比較では10ポイント低下し、調査を開始した1986年以降で最も低くなった。

一日に一箱強(21本以上)吸う人は4人に一人。同省は「職場で分煙が進んだりオフィス街での路上喫煙が禁止され、喫煙場所が少なくなった」としている。

年代別では40代(51.9%)が最も多く、唯一半数超に。20代は40%を超えるものの、6年前より15ポイント近く低下し、若者のたばこ離れが進んでいる様子がうかがえる。

女性は9.1%で前年比1.9ポイントの低下。ここ数年、微増減を繰り返して男性ほど著名な禁煙傾向は見られなかったが、03年以降では初めて10%を下回った。

喫煙による健康影響の知識では「肺がんのリスクが高まる」ことを87.5%、「妊娠に悪影響」を83.5%が認識。喫煙者の半数超が禁煙を試みたい経験があった。

一方、メタボリック症候群対策などを意識してか、肥満の割合にも変化が表れた。身長と体重から算出される指数で「肥満」と判断される割合は男性で28.6%と前年(30.4%)を下回った。男性の肥満は04年以降増え続けていたが、5年ぶりに減少に転じた。女性は20.6%で前年とほぼ同時だった。

同省は「食生活の改善や定期的な運動を心がけている人が増えている」とみている。

調査は昨年11月に実施。喫煙率は8171人、肥満は6713人を無作為に選んだ。

◇街・駅 喫煙場所減る

路上喫煙への罰金、駅での全面禁煙などとたばこを取り巻く状況は厳しくなる一方だ。

歩きたばこを禁止する条例は、東京都千代田区が2002年にいち早く導入、名古屋や大阪市、福岡市など30以上の自治体に広がった。

近年は禁煙の「対象エリア」も急速に拡大。神奈川県では今年3月、屋内での喫煙を制限する全国初の「受動喫煙防止条例」が成立し、飲食店や宿泊施設に加え学校などの公共施設が規制対象となった。

民間でも私鉄各社に続き、JR東日本が今年4月、首都圏の主要圏の主要駅でホームを全面禁煙に。オフィスでの禁煙・分煙化も進み、「自宅の外でたばこを吸える場所」は確実に減少してきている。

こうした動きに拍車をかけそなのが、新政権のもとで浮上したたばこへの増税論議。仮に欧米並の一箱500円以上になれば、これを機に禁煙に踏み切る人は少なくないとみられる。

禁煙治療に詳しい大阪府立健康科学センターの中村正和健康生活推進部長は「タスポ導入やたばこ増税の論議のほか、タクシー車内などの禁煙化が背景にある」と指摘。

学校内の禁煙化にうより教員ら大人が禁煙する機械が減り、「未成年の喫煙者が減ったことも若者の喫煙率低下に影響している」とみている。

2009年11月 3日 (火)

花粉症治療~食パンでエキス吸収~

本日は、日本経済新聞2009年10月27日分の社会面に出たいた記事よりお届けいたします。

◇口腔粘膜で摂取~都が効果確認~

東京都は26日、食パンに含ませた花粉エキスを口の粘膜から吸収する舌下減感作療法を花粉症患者142人に実施した結果、約7割で症状が消えたり、軽減したり、重い副作用は1例も無かったと発表した。

減感作療法はアレルゲンと呼ばれる原因物質を徐々に体内に取り込み、症状の緩和を期待する治療法。

花粉症で実用化されているのは花粉エキスを薄めて皮下注射する方法だ。

都は「今回のような患者の規模で舌下減感作療法の有効性と安全性が確認されたのは初めてではないか。患者の負担が少ない治療法として早期の実用化を期待したい」としている。

都と共同研究した日本医科大学が29日から秋田市で開催される日本アレルギー学会秋季学術大会で発表する。

都福祉保険局によると、都内在住か在勤の20歳以上の花粉症患者から協力者を募り、皮下注射用の花粉エキスを食パンに含ませ、舌の下に2分間置いて吐き出させる方法を試した。

投与は2006年から2年間。当初は毎日投与し、残り1年間前後は2週間に1回のペースだった。患者の7割が症状が消失したか軽減し、副作用も鼻や目のかゆみなと軽い症状にとどまったという。

2009年10月19日 (月)

2009インフルエンザ

本日は、PRESIDENT 2009 11.2号の中の医学ジャーナリスト松井宏夫さんのテキスト『Health and Habit 元気なカラダ入門』よりお届けいたします。

◇2009インフルエンザ

小・中・高の夏休みあけから流行は広がる。その予想通り、休校を含め学年・学級閉鎖が四、五倍に増え、10月、11月がピークになるとみられている。そして、感染者は国民の20%に登だろう、と。

その2009インフルエンザA(HINI)は、当初“豚インフルエンザ”といわれたように、豚から人に感染。遺伝子を調べたところ、豚インフルエンザウィルスのみならず、鳥、さらにはヒトインフルエンザウィルスの遺伝子も確認された。つまり、豚の体内で豚・鳥・人のインフルエンザウィルスが混ざり、変異を起こして2009インフルエンザウィルスの誕生となったのである。

新しいインフルエンザだけにほとんどの人は免疫を持っていない。だからパンデミック(世界的大流行)を起こしてしまう。

過去、新型インフルエンザによるパンデミックは20世紀には3回起きている。1918年の「スペインインフルエンザ」、57年の「アジアンインフルエンザ」、67年の「香港インフルエンザ」。

最悪を記録したスペインインフルエンザでは約4000万人の死亡者が出たと推定されている。今回の2009年インフルエンザは弱毒性。そうはいってもほとんどの人が免疫をもっていないので感染力は季節性のインフルエンザより2,3倍は強い。

この2009インフルエンザ、症状はほとんど季節性インフルエンザと変わらず、「38度以上の発熱」「関節痛」「頭痛」などが起こり、その後、「咳」「鼻汁」が出てくる。また下痢を伴うことも多い。

感染しても多くの人は順調に回復しているが、基礎疾患のある人(心臓疾患、肺疾患、腎疾患など)や高齢者、妊婦、乳幼児では重症化するケースもあるので、十分な注意、対応が必要である。

感染ルートは「飛沫感染」と「接触感染」。予防は手洗い・うがいの徹底、外出を控えマスクの着用。それでも感染したときは、的確な対応をして、他に感染させないようにするのがエチケット。

ホームドクターのいる人は、直接受診せず、まず電話をして受診の方法を聞き、指示に従う。ホームドクターのいない人はもよりの保健所に設置されている発熱相談センターへ連絡して指示に従う。

受診すると、問診とともにインフルエンザ迅速診断キットで診断することが多い。が、これでは季節性か新型かの診断はつかない。さらに、発症の早期には陰性になることも多く、確実な診断というわけにはいかない。

インフルエンザであれば、季節性、新型にかかわらず、抗インフルエンザウィルス薬が使われる。発症から48時間以内に使うと発熱期間を多少短く出来る。内服薬タミフルで、吸入薬がリレンザである。

◇生活習慣のワンポイント

予防は前述したが、それに加えて常に「十分な休養・睡眠」と「栄養のある食事」をとることも大事である。

ここでは食事のアドバイスをする。

「ごはん、パン」といった主食、「魚・肉・卵」といった「主菜」、そして副菜は二種類は欲しい。野菜、果物、キノコ、海藻、根菜類、豆類をバランスよく摂取する。

特に免疫力アップを期待するなら、今が旬のキノコを積極的に料理に加える。シメジ、マイタケ、椎茸、松茸など数多い。炒め物によし、サラダによし、煮物によし、まぜごはんによし。

野菜は赤、緑、黄、白、黒など色をカラフルにすると、よりビタミンが豊富に摂取できる。

上手にとる簡単な方法は鍋料理。これから冬に向けて寒くなり、乾燥してくると、インフルエンザもより流行しやすくなる。そこで、鍋で栄養をとる。体が温まるうえに、室内はウィルスが嫌がる高い温度と湿度となるのである。

2009年10月18日 (日)

家事のやり過ぎ?

本日は、日本経済新聞2009年14日分の『温故知新のエコライフ』よりお届けいたします。

テキスト:ナチュラルライフ研究家 佐光 紀子さんの著作分より

◇家事のやり過ぎ

平均4時間半。さあ、何の時間でしょう?日本の主婦が一日に家事にあてる時間だそうです。

家事が苦手な私には、びっくりの数字。だって一日のうち7時間寝て、8時間仕事をして、移動に1時間かけたら残り8時間。その半分以上が家事で終わる計算です。皆さんはどうですか?

調査したのは洗剤など日用品を販売するプロクター・アンドギャンブル。

対象は子を持つ20~50代の既婚女性で、米国と英国、スウェーデン、中国でも実施したそうです。わかったのは日本女性の家事時間が長すぎることです。

他国で最も長かったスウェーデンでも160分と、日本の6割程度。最も短かった中国は2時間未満。日本の半分以下でした。もっとも、日本女性の手際が悪いわけではないみたい。

問題は家事の頻度です。

たとえば、日本では毎日洗濯をする人が9割いますが、他国ではせいぜい6割。

掃除を毎日する人が半数を超えるのは日本と中国だけ。

しかも中国では4割が「自分と家族で担当する」と答えているのに、日本では8割が「自分の担当」と回答。

家事を全部抱えてがんばる姿には、もう脱帽です。

結果はきれい好きな日本人の特性によるもの。別に他国の水準に合わせる必要も無いでしょう。でも、それは家事を担う人がハッピーであればこそ。

調査は追い打ちをかけます。家事を「義務」と感じる主婦は日本では実に6割超。これまた他国を抑えトップでした。

家事は苦手で嫌いという私みたいな主婦だって少なくないはず。それでも「やらなければならない義務」と感じているなら、つらいかも。

家族と分担するなり、負担を軽くする工夫が、もっと必要です。

ちなみに我が家では食器は食器洗い機まかせ。洗濯は、洗い終わったらしわをのばして一度たたんで、かごに入れ、干すのだけ家族によく頼みます。

絡んだ洗濯物を解きながら干すのは面倒なもの。だから作業を細かく分けて分担するのです。トイレ掃除も家族みんなで床、便器、便座をちょこちょこふくので、時間も手間もずいぶん省けます。

主婦がハッピーなのは明るい家庭の基本。かくなるうえは「日本家事簡素化同盟」を旗揚げしましょう。家事は女性がするもの、という幻想はそろそろ忘れて、みんなでハッピーに。

え、そんな恥ずかしい団体には加盟できない?その思い込みを捨て去ることが、家事簡素化の第一歩ですよ。

2009年10月15日 (木)

帯状疱疹患者10年で2割増

本日は、日本経済新聞2009年10月9日号の社会面よりお届けいたします。

◇幼少時の水ぼうそう原因で発症

子供の頃に発症した水ぼうそうのウィルスが原因で起こる「帯状疱疹(ほうしん)」の患者が10年で2割強増えていることが8日、皮膚科を対象にした大規模調査でわかった。

50代移行で発症する患者が多く、発症率は女性の方が男性より2割以上高いことも判明した。

◇50代以上で高リスク

調査は宮崎県皮膚科医会が2006年までの10年間に県内の病院・診療所計46施設を受診した帯状疱疹の患者計4万8388人を対象に実施した。帯状疱疹の調査では過去最大規模だという。

調査によると、人口1000人当たりの患者数(発症率)は10年間の平均で4.15人。調査最終年の06年は4.55人で、開始時の1997年(3060人)と比べて約26%増えた。

発症率を年代別にみると、40代までは平均2.41人だが、50代になると5.23人に急増。70代で7.84人とピークになり80代では6.93人に減少した。

代表研究者の外山望医師は「体の免疫機能が低下する50代が発症増加の分岐点になっている」とし、地域の高齢化が進み、60~70代の層が増えたことが全体の発症率の増加につながったとみている。

男女別では、女性の発症率は4.58人で、男性の3.67人より約25%高かった。発症率は30代までは性別の差があまりないが、女性は40代で男性の1.3倍、50代で1.7倍になていた。

水ぼうそうは通常冬に流行するが、同じウィルスが原因の帯状疱疹は夏に発症する患者が多かった。過去に海外で行われた帯状疱疹に関する複数の研究では、「流行の季節性は明らかではない」とされており、流行の時期が分かったのは初めてとみられる。

2009年8月15日 (土)

歯の完全再生、マウスで成功

8月4日の『Yahoo!! news』の中で東京理科大学でマウスの歯の完全再生が成功したとのニュースが出ていました。

以下全文です。

 食物をかめる硬さで、痛みなどの感覚もあるほぼ完全な歯をマウスで再生させることに、東京理科大と東北大、東京医科歯科大の研究チームが3日までに世界で初めて成功した。

 将来、「人工多能性幹(iPS)細胞」などの幹細胞を歯のもとに変え、失った歯の跡に移植して再生させられれば、入れ歯不要の生活が実現すると期待される。
 この成果は、東京理科大の辻孝教授らが2007年2月に発表した「器官原基法」の応用。細胞を試験管内で培養し、立体的で機能する臓器の形成を目指す技術で、臓器置換再生医療の実現に一歩前進した。 

 次は毛髪の再生にも取り組む。論文は米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。

これは、本当にすごい進歩です。いまわれわれが取り組んでいるインプラントなども、将来的には廃れてくるのでしょうか。

技術の進歩には目を見張るものがありますね。 

2009年8月 6日 (木)

長時間労働のツケは後からくる

本日は、デンタルトリビューン紙2009年5月号よりお届けいたします。

《フィンランド》

フィンランド国立労働衛生研究所のMariana Virtanen氏らは、2.214人の国家公務員を対象として長時間労働が精神衛生に与える影響を検討しました。その結果、週に40時間を超える長時間労働に従事している人は、一般に、壮年期を迎えると精神的に抑圧傾向に陥る可能性のあることが示されたとAmerican Joernal of Epidemiogy(2009;169:596-605)に発表しました。

◇2.214人認知機能を5年追跡

同研究所Whitehall Ⅱstudyは、1985~88年に35~55歳の公務員1万308人を登録した大規模な前向きコホート研究です。

Vitanen氏らは今回、1997~99年(ベースライン時)と2002年~04年(追跡時)のいずれも認知機能テストを試行できた2.214人(男性1.694人、女性520人)を対象として解析を行いました。

認知機能テストでは、①記憶力②推論・理論的思考力③語彙力④発音の流暢さ⑤語彙の理解力~の5つの能力を測定しました。

2.214人のうち、労働時間35~40時間/週が853(39%)、41~55時間/週が1.180人(53%)、55時間超/週では、結婚・同棲率、学歴、収入、社会的サポートの程度、飲酒量、不眠率、心理的負担感のいずれも高くなる傾向にあることがわかった。

◇55時間超/週で各種認知機能低下

多変量分散分析(MANCOVA)の結果、労働時間が長いほど認知機能全般が有意に低下することが示されました。(ベースライン時:p=0.002、追跡時p=0.037)。さらに、労働時間が長いほど、時間の経過とともに認知機能が低下する度合いも有意に大きくなることがわかりました。(p=0.044)

また、35~40時間/週と比較して55時間超/週では、ベースライン時、追跡時ともに推論・論理的思考力は有意な低下が見られ(それぞれp=0.068 p=0.002),語彙量も同様でした(いずれもP<0.001)。

今回の研究チームは職業、学歴、高血圧や心疾患といっ全身状態などさまざまな因子の関連も検討しました。Virtanen氏らは、「長時間労働と認知力低下の関連性を調べるにあたってまだ検討していない因子が残っているだろう」と述べ、「長時間労働が精神衛生上に直接的に影響するかどうかは明らかではない」と注意を付け加えました。

2009年6月17日 (水)

画期的な肥満対策~アメリカ~

本日は、デンタルトリビューン紙2009年6月号よりお届けいたします。

★加糖飲料への課税を推奨

(米国)肥満は多くの疾患の危険因子となり、国家を挙げての対策が必要とされています。このたび、《加糖飲料1オンス(約30ml)当たり1セント課税すれば、消費が減り肥満対策になる」という知見が、New jounal of Medicine(2009;360:1805-1808)に発表されました。

●●患者数減らし、税収は医療費へ●●

エール大学心理学教授Kelly D,Brownell氏らは、同報告において「米国ではたばこへの課税は既に現れており、実際に喫煙が減ってきている。これと同様にジュースに課税すれば、消費者はジュースよりも健康的な飲料を選択するようになるだろう。」と指摘しています。

たばこ税は効果的で、たばこの価格が10%上がるごとに消費が7.8%減少するとの統計データもあります。

同氏らは「子どもが一日に加糖飲料を1缶、または1杯摂取するたびに、肥満になる確率が60%増加する」とし、「炭酸飲料やスポーツドリンクなど30ml当たり1セント課税することで、その消費量は10%以上減る」と推奨しています。

ソフトドリンク業界はこのような課税に反対しており、国民の70%が加糖飲料への課税に反対しているというアンケートを発表しました

ニューヨーク州は加糖飲料への課税を提案していた州の一つでしたが、その提案は取り下げられました。

米国では、肥満症治療に、毎年約US$790億もの医療費が費やされており、この費用の約半分はメディケア・メディケイド、つまり、税金から支払われているといいます。Brownell氏らは、ニューヨーク州だけでUS$12億にもなるこの税収の有効な使い方として、肥満症治療のための医療費の補填を挙げています。

2009年6月 9日 (火)

熱すぎるお茶に要注意

本日は、デンタルトリビューン紙 2009年6月号よりお届けいたします。

●●熱すぎるお茶に要注意●●

《イラン》「食後は熱いお茶を一杯」」という習慣をお持ちの方も少なくありません。しかし発がん予防の観点から、今後は控えなければならないかもしれません。

やけどするほど熱い飲料が食道がん発症リスクとなりうることが、British Medical Journal(2009;338:b929)に報告されました。

◇喫煙率低くても発症率高い

これまでの研究で、食道扁平上皮がんの発症に喫煙と飲酒が関連していることが指摘されているが、世界でも食道扁平上皮がんの発症率が最も高い地域の一つであるイラン北部のゴレスタン州では、喫煙率、飲酒率ともに低い。一方で、この地方では紅茶を常飲する習慣があります。そこで、テヘラン医科大学のReza Malekzadeh氏らは、紅茶の温度や飲む習慣と食道扁平上皮がん発症リスクとの関連を検討することとしました。

同氏らは、ゴレスタン州の住民を対象としたケース・コントロール研究(食道扁平上皮がん患者300人、健康な男女571人)とコホート研究(健康な男女4万8582人)により、調査を実施しました。

★65~69℃で2倍、70℃以上で8倍

解析を行った結果、65℃未満の紅茶を少しづつ飲む場合と比較して65℃~69℃では2倍《補正オッズ比(OR):2.07(95%CI:1.28~3.35)》、70℃以上では8倍《補正OR:8.16(95%CI:3.93~16.91)》と、食道扁平上皮がんの発症リスクが有意に高くなることが確認されました。(p<0.001)。

さらに、紅茶をカップに注いでから4分以上待ってから飲む人に比べて、2~3分で飲む人は2倍以上《補正OR:2.49(95%CI:1.62~3.83)》、2分以内に飲む人は5倍《補正OR:5.41(95%CI:2.63~11.14)》、発症リスクが有意に高くなることも示されました(p<0.001)。

3月26日付けのReutersは同研究を取り上げ、「世界中で毎年50万人以上の人が食道がんで死亡しており、その大部分がアジア、アフリカおよび南米です。食道ガンの死亡率は高く5年生存率は12~31%と言われており、年齢や性別による差は見られない」と注意を喚起しました。

熱い飲料による発がんの機序はいまだ不明ですが、Malekadeh氏らは「常に熱い紅茶を飲む事で喉の内側を覆う細胞が繰り返し損傷し、その損傷により発がんへ至ることが一つの可能性として考えられる」と指摘しています。

2009年5月31日 (日)

医療従事者は携帯電話も消毒を!!

本日は、デンタルトリビューン紙2009年5月号よりお届けいたします。

★医療従事者は携帯電話も消毒を!

《トルコ》 トルコのオンドクズ・マユス大学のFatma Ulger氏らは、医療従事者が使用する携帯電話が院内感染の原因となる細菌に汚染されている可能性があるとAnnnals of Clinical Microbiology and Antimicrobials(2009;8 7-10)で発表しました。

◇携帯電話の95%から細菌検出

Ulger氏らは病院の集中治療室と手術室で働く医師、看護しなど医療従事者200人の利き手と携帯電話を調査しました。

その結果、95%の携帯電話から1種類以上の細菌が見つかり、抗生物質の効かない細菌も多数みつかりました。同氏らはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を含む重篤な感染を引き起こす細菌は、集中治療室の電話機から検出された可能性があると報告しました。また、携帯電話を規定通りに消毒したことがある医療従事者はわずか10%にすぎず、残りの90%は携帯電話を消毒したことは1度もないことがわかりました。

なお、指輪を一つ以上付けている医療従事者で細菌検出率が高くなる傾向が見られたが、指輪を付けていないものと比較して有意差は確認出来ませんでした。

以上の結果を受けて、同氏らは「携帯電話が病棟内や院内での患者から患者への細菌の伝播を容易にした可能性がある」と結論し、「除菌作用のあるアルコールで日常的に携帯電話を消毒することを推奨する」とまとめました。

2009年5月22日 (金)

牛乳を飲んで牛乳アレルギー緩和

本日は、デンタルトリビューン紙2009年5月号よりお届けいたします。

★牛乳を飲んで、牛乳アレルギー緩和

《米国》牛乳アレルギーの治療として、アレルゲンである牛乳を摂取することが有効であるというのです。ジョンズホプキンス小児センターのアレルギー・免疫学の責任者RobertWood氏らは、牛乳アレルギーの子どもに何度も多量の牛乳を与える事によって牛乳へのアレルギー反応が緩和し、完全寛解する可能性もあるとJournal of Allergey & Clinical Immunology(2008:122;1154-1160)に発表しました。

◇上限摂取耐容量が有意に増加

同研究では二重盲検比較試験であり、重症で持続性のある牛乳アレルギーを持つ6~7歳、19人が対象とされました。

被験者の牛乳の上限摂取量中央値は小さじ約4分の1(約40mg)であり、その量を超えるとなんらかのアレルギー反応が見られました。

4ヶ月にわたって、実験群(12人)にはミルクパウダーを徐々に増加しながら経口で与え、対照群(7人)には見かけと味がミルクパウダーと類似しているプラゼボを与えました。

投与期間終了後に、どの程度の用量でアレルギー反応を起こすかを調べるため、両郡へ本物のミルクパウダーを与えました。その結果、上限摂取耐容量中央値た対照群は40mgのまま変化が見られなかったのに対し、実験群では5.150mgと、有意に増す事が示されました。(p=0.0003)

◇医師の指導のもとで行うべき

同結果を受けて、Wood氏らは「牛乳アレルギーの子どもに牛乳をアレルゲンとして全く認識しないか、アレルゲンの対し寛容を獲得するよう免疫システムが徐々に再構成されることが示唆された」と結論している。

一方で、同氏らは、日々、アレルゲンを摂取し続けることの重要性を示唆し、「免疫システムが毎日アレルゲンに晒されることがなくなったら、この寛容が失われることも十分にありうる」と指摘しています。

今後は、患児が牛乳を定期的に飲むことを一時中止した場合、免疫寛容を維持することが必要です。

なお、同氏たは両親やケア担当者に対して、アレルゲンを子どもに与えるのは医師の指導のみで行うよう忠告しています。

2009年5月12日 (火)

新型インフルエンザ流行を防ぐには感染させない~歯磨きも有効~

本日は福島民報 平成21年5月5日分に社会面よりお届けいたします。

★新型インフルエンザ流行を防ぐには感染しない、させない!

新型インフルエンザの流行を防ぐには、個々人が「うつらない」努力をするとともに、知らずに感染していた場合に備え、「うつさない」ことも必要です。ウィルスに社会社会全体で立ち向かう為の方策について、横浜市立付属病院の満田年宏感染制御部長に聞きました。

Q:これまでのインフルエンザと予防法は違うのか。

A:従来の季節性インフルエンザと基本的性質は変わらないから、対策も同じ。せきやくしゃみで飛散するしぶきによってウィルスが広がる飛沫(ひまつ)感染が中心で、次いで手を介した接触感染が主な経路。マスクやうがい、手洗いが有効だ。

Q:マスクの効果は

A:マスクは自分の感染予防に有効なだけでなく、もし自分が感染していた場合はウィルスの拡散を防ぐ事になる。公衆の場に出かける場合はマスクをし、しぶきを飛ばさないことが大切。マスクの無いときは、せきやくしゃみをハンカチやティシュペーパーなどでおさえる。不織布のマスクが防護性能が高い。

Q:装着する際に気をつけることは

A:鼻にあたる部分のワイヤを鼻の形に合わせて曲げ、プリーツを広げてから装着する。横漏れしないようにぴったり密着させることが大切。

Q:うがいはどうすればよいか。

A:普通の水道水を使えば十分だ。うがい薬には、口の中の粘膜を傷つけるものもあり、薦められない。

Q:アルコール系の手指衛生剤で手の消毒をするべきか。

A:アルコールを用いるのも、流水と石けんによる手洗いも、汚れをウィルスの量を減らすのに有効。

Q:そのほかに効果的な対策は。

A歯磨きだ。歯垢(しこう)の中の細菌はウィルスを付着させやすくする酵素を出す。インフルエンザにかかった高齢者の場合は、誤嚥(ごえん)による2次性細菌性肺炎の予防にも有効。毎食後と寝る前、一日4回磨くのが良いだろう

Q:生活上の一般的な注意事項は

A:普段から抵抗力をつけておくことが大事。十分な休養、睡眠、栄養が必要だ。

Q:国内、特に自分の近くで感染者が出た場合はどうしたらいいか。

A:感染者の行動半径による。例えば自宅と幼稚園を往復するだけの子どもに感染がわかったら、園児、職員への接触状況に応じた観察や、濃厚接触者にはタミフルやレリンザ薬の「予防内服」を行い発症を抑えることで拡大が防げる。一方、公共交通機関で通勤する社会人などは、接触者の特定が困難で同様の対応は出来ない。感染者や接触者についての正確な情報が不可欠。かぜ症状のある時には出来るだけ外出を控えるべきです。

Q:感染が疑われた生徒の学校には、生徒の通学ルートを問い合わせる電話があったというが。

A:通ですれ違ったぐらいでは感染しない。過剰な反応だ。また、今回の新型ウィルスによる感染症の症状は、季節性のインフルエンザより、すこし重い程度である可能性が大きい。体力のない乳幼児や高齢者、合併症があるなどの場合以外は回復する可能性が高い。

Q:社会全体として考えるべきことは

A:インフルエンザのような伝播力の強い感染症を防ぐには、一人でも多くの市民が予防策に参加して初めて高い効果が期待できる。他人まかせにせず、誰もがこの事態に取り組むという意識が必要だ。

2009年5月 2日 (土)

私立歯科大学 6割定員割れ

本日は、平成21年4月19日の読売新聞の記事よりお届けいたします。

◇歯科医の過剰が背景

全国17の私立歯科大・歯学部のうち6割強の11校で、今春入学者が定員割れをおこしていることが、読売新聞の調査でわかりました。

中には定員の4割以上にあたる35~43人の欠員が出た大学が3校ありました。

受験者数も4973人と、前年より約2800人減少しました。大幅な定員割れで質的に一定のレベルの入学者を確保出来ないおそれもあります。

「歯科医療の崩壊につながりかねない」として日本私立歯科大学協会も危機感を強め、対策等の検討も始めることになりました。

定員割れとなった11校のうち、奥羽大学歯学部(定員96人に対し入学者53人)、松本歯科大学(80人に対し45人)、日本歯科大学新潟生命歯学部(96人に対し57人)も3校の欠員は定員の4割以上に達しました。

さらに、北海道医療大学歯学部、岩手医科大学、神奈川歯科大学も、1割~3割の定員割れでした。予定されていた入試試験終了後の、急遽追加募集を行いながら、定員に届かなかった学校も5校ありました。

これほど、大幅な定員割れは初めてだということです。また、2006年度までは1万を上回り安定していた私立大の受験者総数も、今春は4973人でした。国公立大で定員を満たさなかったもは1校だけでした。

大手予備校などによると、受験者が減少した最大の原因は、歯科医師の過剰感。歯科医師総数は90年の7万7000人に年々増加。それに対し、歯科医医療費の総額は伸びておらず、過当競争が目立つとのことでした。

現在は、たしかに歯科医院が多く感じますが、何十年後かに不足の事態にならなければよいのですが。

2009年3月13日 (金)

スウェーデン・・水銀利用の全面禁止

本日はデンタルトリビューン紙 2009年3月号よりお届けいたします。

(スウェーデン、米国)スウェーデン政府は、環境汚染防止のため6月1日から国内の水銀使用を全面的に禁止することを1月15日に発表しました。

この措置は歯科用アマルガムも対象になるといいます。一方で米国歯科医師会(ADA)はこの発表を受けて、「このような禁止措置は米国では必要ない」との声明を1月16日に発表しました。

◇スウェーデンでは環境への影響を、米国では経済的損失を重視

スウェーデン政府は「水銀は分解不能な物質であり、環境汚染のみならず脳やメンタルヘルスにも影響する。今回の措置により、環境および人体を水銀汚染から保護することが可能となる」と発表しました。

今回の規制について「相対的に有害廃棄物の総量が少ないスウェーデンだけでなく、EUに加盟しているヨーロッパ諸国全体として検討すべき解決法でもある」とコメントしました。

一方で、スウェーデン政府の発表を受けたADAは「米国の歯科医院では標準処理装置で約80%のアマルガム廃棄物を回収している。スウェーデンの全面的禁止措置は米国には適合しない」との声明を出しました。

Public Health Reportsでは、米国でアマルガムの使用が禁止された場合、歯科医療費が1年で82億ドル(約7.400億円)上昇するとの試算が紹介されています。

また、米国では100万人以上の患者が歯科用アマルガムなしでは、歯を喪失するとしている。

2009年3月12日 (木)

中傷する人々の心理

本日は、平成21年3月9日付けの日本経済新聞よりお届けいたします。

私は、毎日ブログという情報を発信しています。また、HPを通じて医院の情報なども広く公開しています。しかし、それらは全てが良い方向へとつながっているわけではありません。

本日は、この記事を全文そのまま掲載したいと思います。

◇発現欲 満たせぬ現実社会

インターネットの掲示板やブログに個人攻撃の文面が書き込まれるケースが多発している。中傷と言わざるを得ないものもあり、その攻撃性は日常生活でも会話と比べて、より厳しい。ネット上では人間の心は変わってしまうものなのか。

お笑いタレントのブログに「殺人犯」などと事実無根の中傷を書き込んだとして、男女十数名を名誉毀損容疑で警視庁が摘発する方針を固めた事件は記憶に新しい。

地道な社会活動をしている個人にも犯罪には至らないが、しつこい嫌がらせの書き込みが集中することがある。

◇相談1万件越え

例えば、産婦人科のある女性医師のブログには「女性は家庭にいるべきだ」というような内容の書き込みが同じ人物から何回も繰り返された。

一般に女性のブログには卑猥な言葉を書き込んでくるケースが目立つ。他に「おもしろくなかった」というような捨てぜりふをあえて書いて過ぎ去るケース例もある。

警察庁によると、都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口に寄せられた名誉毀損や中傷に関する相談は2008年に一万件を突破し、04年の3倍に膨らんだ。

こうしたことが頻発する要因は何だろうか。「人はなぜ悪口を言うのか?」の著がある立教大学の斉藤勇教授(心理学)は第一の要因に「普段の生活で意見や不満を表に出しにくくなった社会」をあげる。

「空気を読む」という言葉があるように、近年の職場や学校の人間関係では雰囲気を壊すゆような発現、他人と異なる意見などは「はっきりと言い出せない状況にある」。

居酒屋で不満を言い合って憂さを晴らす機会も減った。「仲間同士の信頼感も薄い。付き合いは浅く、酒場でも愚痴など言わず、きれいに飲むといった風潮だ」と斉藤教授。

この結果、漠然とした不満や発現欲が心の中に溜まる。インターネットはその「はけ口」として格好の道具。「自宅のパソコンをたたけば自由に書ける。制止する人もいない。家の中では言いたい放題という弁慶の攻撃性がネットにもろに現れる」と見る。

攻撃的な書き込みで多いのが断罪型。正義の立場から悪を懲らしめるパターンだ。だが、十分に事実を検証したかとなると、不確かなことも。しかも断罪は強い組織に向かうより弱い個人に向きやすい。

「〈悪口〉という文化」を著した静岡文化芸術大学の山本幸司教授(日本中世史)は、「余裕のない正義感」と最近の傾向を危惧する。ネットの書き込みなど人々の反応が「ヒステリックというか、許容度が恐ろしく低い」と語る。

何か問題となる行為や事件があった場合、まず当時者の動機や内面を詳しく知りたくなるのが旧来型の反応。そして「その人のことを知れば知るほど、問題の白黒をつけるのが難しくなることがある。意外に普通の人間だとわかって、場合によっては許すことさえある」と山本教授。

ところが現代は、いとも簡単に白黒をつける人が多い。他人を理解しようとする意欲や、人間行動への想像力が乏しくなっている証ではないかという。「悪口も昔はもっと陽性だった」とも。

過激な書き込みが、より過激な表現を呼ぶ形でネットが「悪口競争」の場になりやすい点を指摘するのは「ブログ炎上」の著者、ゼロスタートコミュニケーションズ(東京都目黒区)の伊地晋一専務だ。「うわさや悪口などは会社でも以前からあった。ただ昔と異なるのはネット上では悪口が記録され、人々に伝わって増幅されること。悪口がより大きく見える」と特徴を語る。さらに「ユーザーは自分の個性をアピールするため、他人の書き込みより、もっと過激に書こうとする。行き過ぎると『死ね』といった脅迫になってしまう」。

◇小さな世界を意識

玉石混交の情報が飛び交うネット社会。きちんとした情報戦力を持たないと、「石の情報」に振り回されかねない。心理学の斉藤教授は次のように結んだ。「昔から小さな世界に住んできたのが人間。だからネット上で自分への同調者が二人か三人いればもう多数派になった気分で強きになる。自分の判断は社会的に認められたと勘違いしやすい。その弱点をわきまえてネットとつき合う必要がある」(編集委員 須貝道雄) 

2009年3月 8日 (日)

他者を見る目、自分を見る目(バイアス)

本日は、デンタルトリビューン紙2009年2月号の中から、群馬大学非常勤講師 高橋美保先生のコラム『歯科のココロ 患者のココロ』よりお届けいたします。

◇人の行動の理由はどこにある

たびたび遅刻してくる同僚を、「あの人は時間にルーズだから」と思うことはないだろうか。私たちは他者の「行動」の理由を、その人の「性格」として判断しがちである。

ところがその同僚が、毎朝子どもを保育園に送り届けてから出勤しているとしったらどうだろう。時間にルーズというより、「小さい子どもがいるからだ」と考え直すだろうか。

一般に人の行動の原因を考えるとき、その人自身の資質や性格に基づくもの(内的要因)、または、その人自身以外の周囲の状況に基づくもの(外的要因)に理由づけて(=帰属して)いる。冒頭の例では、「時間にルーズだから」と考えるのが内的要因への帰属であり、「小さな子どものため」と考えるのが外的要因への帰属である。

◇他者の行動は「性格のせい」?

しかし、実は私たちは他者の行動の原因を必要以上に内的要因に帰属しやすいことが心理学の多くの実験で示されている。これを社会心理学では「基本的帰属のエラー」と呼ぶ。

たとえば、他者の書いたエッセイを読み、その人の本当の態度を推測するという実験がある。大学生を被験者とし、ある政治家をどの程度支持しているかを推測させた。

このとき、被験者を2群に分け、一方には「書き手は賛成(反対)意見を強制的に書かされた」と知らせた。

しかし、強制的に書かせたという状況(=外的要因)は考慮されず、「賛成(反対)意見を書いたのは、その政治家を支持している(していない)からだろう」と、書き手の態度(=内的要因)に帰属されたのである。

つまり、遅刻しがちな同僚に小さな子どもがいると知っていても、「時間にルーズな人だから」と、思ってしまう可能性が高いということだ。

◇「見えるものの違い」が強力に

一方で、私たちは、自分自信の行動については外的要因を大きく見積もる傾向がある。友人がテニスの試合で負けたときには、「実力がないから」と内的に帰属するのに対して、自分が負けた場合は、「不利なコートだった」などと失敗の理由を外的要因に求めようとする。このように同一の出来事であっても、自分のことは外的要因に帰属し、他者のことは内的要因に帰属しようとする傾向を「行為者ー観察者帰属差(バイアス)」と呼ぶ。

自分が行為者である場合と観察者である場合となぜ帰属の偏りが起こるのか。いくつか説明が試みられている。他者を観察する場合は行動そのものが目立って状況などの要因はああまり目に留まらず、自分が行為者の場合は自分自身よりも周囲の状況の方が目立って知覚されるため、という説明が代表的である。つまり、判断するときの「視点」が鍵となるようだ。

しかし、紹介した実験のように、出来事に関する情報を十分に持っていたとしても、客観的・合理的な判断をするのは難しいようである。自らの判断の偏りも減らしたい時には、行動からその人の性格を無意識に判断していないかを常に意識すること、自分が相手の立場ならどう考えるか想像すること、そして、せめて「人の判断には常にこうした偏りがつきもの」と認識しておくことなどを心がけたい。

2009年3月 1日 (日)

色覚とコミュニケーション

本日は、日本経済新聞に平成19年12月9日号に掲載された『サイエンス』の欄よりお届けいたします。

◇色覚とコミュニケーション

ヒトやサルは哺乳類では例外的に色覚が発達しています。イヌやウマが赤と青の二つの色覚センサーしか持たないのに対し、ヒトやサルは緑を加えた三原色の世界で生きています。森で果実を見つけるのに有利だからというのが定説ですが、「仲間の顔色をうかがうため」とする新説が登場しました。

脊椎動物が色を識別するようになった始まりは、「カンブリア記(およそ五億五千年前)。魚類が生まれたこと」と河村正二・東京大学准教授は見ます。

そのころ、地球にあった巨大な大陸が分裂し浅瀬が出来ました。浅瀬の水中は光が差し込み、きらきらゆらめく。そこで生き抜くには明暗だけでなく、色の違いも見分けた方が有利だったと考えられ、魚たちは優れた色覚を発達させました。

多くの魚は四つの色覚センサーで世界を見ます。赤青緑に加えて紫外線。ゼブラフィッシュなど熱帯魚の中には八種類のセンサーを発達させた魚もいます。

魚の色覚の四色型は爬虫類や鳥類にも受け継がれています。ヘビや小鳥が鮮やかな皮膚や羽を持つのは視覚の発達と関係あると考えられます。カエルなど両生類についてはまだよく分かっていません。

ところが、同じ能力を受け継いだはずの哺乳類は四種のセンサーのうち二つを失いました。哺乳類の誕生直後にやってきたのは恐竜全盛期。恐竜から身を隠すため長らく夜行性の生活を続けた結果、色を細かく見分ける必要がなくなったらしいのです。

多くが二色型である哺乳類にあって、なぜかヒトを含めたサルの仲間だけがセンサーを一つ回復して三色型になりました。これが「木漏れ日で暮らすことに関係するのは間違いない」と河村准教授は話します。

ちらちらとする不安定な光環境は浅瀬と似ているわけです。

しかし、三色型の色覚のどこが有利なのかという点は実ははっきりしていないといいます。定説とされるのは「果実説」。緑の中で熟した赤い実を見つけるのに有利と考えます。また、「若葉説」は栄養価の高い若葉を見つけるのに三色型が役立つともいわれます。どちらも採色の優位が三色型誕生の原動力とみます。

そこで河村准教授らは中米コスタリカでオマキザルとクモザルの群れをカナダなどのチームと協力して調べました。

これらのサルは同じ種内に二色型と三色型が混じって存在します。観察を通じてどちらが採食に有利なのかを検証出来ると考えました。サルがどちらのタイプであるかは排泄物のDNA(デオキシリボ核酸)分析でわかるので、個体ごとに食事の様子を追跡するという手間のかかる観察を協力して行いました。

結果は予想外。三色型を有利だとするデータは得られなかったのです。そればかりか昆虫を食べるには二色型の方が有利らしいということが示唆されました。二色型の方が明暗をとらえるのは鋭敏なため「保護色でカムフラージュした昆虫を見つけやすいと考えらえられる」(河村准教授)。定説に一石を投じた形になりました。

論争にまったく別の立場からボールを投げ込んだのが、米カリフォルニア工科大学のマーク・チェンギジ教授、下條伸輔教授らです。「仲間の顔色を知るコミュニケーションのために進化した」と主張します。

怒ったり悲しんだりすると顔色が変わります。血液の量や血中の酸素量が変化する。ヒトの色覚がどんな波長の光を鋭敏にキャッチするかを調べると、顔色の変化を読みとるのに非常に適していることが分かった。「偶然とは思えない」と下條教授。

また様々なサルの顔面の皮膚の露出度と色覚の発達を見比べると、毛が少なく皮膚がよく見える種類ほど、三色型の色覚を発達させています。

群れで生活し社会性が強い霊長類の仲間では、顔がコミュニケーションの道具となっていることは良く知られています。チンパンジーなどは怒りや悲しみなど情動を豊かな表情で表します。生まれたばかりの人間の赤ん坊は母親の表情に敏感です。

「顔色仮説」は顔色と色覚の関係にまで顔のコミュニケーション機能を発達を広げて考えるものといえます。

「霊長類の色覚発達は最初は採食のためだったのかもしれないが、発達した色覚がコミュニケーションに役立つということでさらに進化、維持されてきた」と下條教授。

現状では、結果からみた傍証しかなく決定打とはいえません。しかし、周囲の顔色をうかがいながら生きているヒトにとっては妙に納得のいく説ではないでしょうか。

編集委員 滝純一 編・著

2009年2月21日 (土)

オバマ政権の医療政策への期待

本日は、デンタルトリビューン紙2009年2月号よりお届けいたします。

◇オバマ政権の医療政策への期待

(英国)米国で誕生したオバマ新政権において、医療を巡る問題が象徴的な政治課題となるだろうとの巻頭論評がLancet〔2008;372:1707〕に発表されました。

◇包括的医療システム構築

論評では「約4600万人の無保険者が医療を受けられるようにするためには、医療システムの強化を最優先課題として取り組む必要がある。

オバマ氏が掲げる支払い選択肢の拡大や、すべての小児を医療保険に加入させるという公約、保険会社に既存の疾患も保険でカバーさせるといった改革案は、包括的な医療システムの構築に向けた前向きな第一歩である」と期待を示しています。さらに英国のブラウン首相が「オバマ氏が国内外の健康格差問題に取り組むことを公約した」と述べていることは心強いと評価しています。

また、ブッシュ前政権で続いた国連との緊張関係を改善する必要性を指摘し、「世界保健機関(WHO)への資金援助も含めた支援の拡大は、国際社会におけるグローバル・ヘルス問題への取り組みに米国が再び参加する意志を示すことになるだろう」としています。

◇歯科医師には不安の声も

〔米国〕米国大統領での民主党の勝利を、歯科医師の多くは必ずしも歓迎していないことが、歯科開業専門マーケティング会社The Wealthy Dentist社のアンケートに回答した歯科医師の70%が、歯科医師にとっては共和党のマケイン氏の方がよかったと答えており、オバマ氏の支持は16%にとどまっています。

一般に共和党は高所得者層を優遇する政策をとるとされ、歯科医師の多くは共和党を支持する傾向があるとされています。

ルイジアナ州のある歯科医師は、「オバマ大統領の高所得者に対する課税強化政策により、高額所得者世帯が歯科治療に当てる支出は縮小するだろう」との懸念を示します。

2009年2月 4日 (水)

食品媒介疾患 世界的に拡大

本日は、デンタルトリビューン紙2009年1月号よりお届けいたします。

食品媒介疾患 世界的に拡大 ~WHO,NPO 最優先の対策を呼びかけ~

◇(スイス)国の貧富にかかわらず、世界的に食品媒介疾患が増加していることを世界保険機構(WHO)が警告しています。2008年11月20日付けのReutersで報じられました。

◇感染症の30%に関与

最近では、中国で汚染されたミルクにより5万人以上の幼児が腎疾患を発症し4人が死亡したほか、米国では1.400人以上がサルモネラ菌に感染するなど、汚染された食品による疾患や死亡が相次いでいます。

WHOの食品安全責任者Jorgen Schlund氏は「新たな感染者の約30%が、食品の生産過程において、混入したバクテリア、ウィルス、寄生虫、化学物質、毒物によって発症していると推定される」と指摘し、「いくつかのデータにより食品媒介疾患が増加している状況を把握するにはさらなる研究が必要とされる」と話しました。

国連によりますと、毎年220万人の幼児が汚染された水や食物、劣悪な衛生状態が原因のコレラなど下痢疾患で死亡しています。

同氏は、食品の製造過程においては、あらゆる段階での監視が必要であるとし、「食の安全を徹底させたいと考えるならば、“農場から人の口に入るまで”、つまりすべての過程に関わらなければいけません。食品製造過程の最終段階だけで食の安全を保証できると考えるのは明らかに誤りです」と述べました。

しかし、多くの国で、規制当局は協力して対応することが出来ていません。中国のメラミン混入事件では、実に16の異なる部局がなんらかの形でかかわっているといいます。

◇正確な発生予測は困難

また、ハーバード医科大学小児腎疾患教授のJulie Ingelfing氏は、障害の程度や割合も高かった。そこで、年齢、機能障害の程度、認知機能の程度、肺炎の臨床徴候などによって補正を行い、再び解析しました。その結果、口腔ケアなしの群における肺炎による死亡リスクは、口腔ケアあり群に比べて3倍以上高いことがわかりました(オッズ比:3.57 p=0.03)。

高齢者の肺炎は、唾液や食物の誤嚥により引き起こされることが多いのです。Bassim氏らは「肺炎のリスクは、誤嚥を起こした時に咽頭内に存在する細菌叢の質と量によって変わる」と述べ、「口腔ケアにより誤嚥される唾液の量や誤嚥の頻度が減少するわけではないかもしれません。しかし、本結果は、口腔ケアによって口腔内の環境が改善し、肺炎による死亡リスクが有意に減少することを示した」とまとめました。