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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
毎日のケアについてのアドバイスを載せていきます。
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2007年3月31日 (土)

自分を追い込めない

毎週1回、トレーナーの丸山さんに体を診て貰っているのですが、その後非常に調子が良くなります。

ただ、週1回では、まったく体を鍛えたことにはならないのです。この辺は、歯槽膿漏の治療に似ています。週1回だけ歯科医で歯の掃除をしても、その他の日に歯を磨かなければ意味がないのと一緒です。

ですから、出来るだけ時間があいた日に、丸山さんに鍛えて貰った所やその他の部位をしっかりと鍛え直さないといけないのですが、私はもともと自分に甘いので、それがうまくいかないのです。

私はよく知らなかったのですが、この業界の方達は、鍛えて行くことを「自分を追い込む」と言うそうです。

ウェイトが重くても、きつくても、頑張って、限界のその上を目指して初めて達成できる境地みたいです。

私の通っているジムは、従業員のトレーナー達皆が時間があると必ずトレーニングしています。本当に良いジムです。自分たちが皆の見本になろうと頑張っている。口先だけではないのです。

私のトレーナーの丸山さんも、本当によく鍛えていて、自分を追い込んでいるみたいです。ブログを書くときも鍛えすぎて指が震えるのだとか。

そこで、私。まったく自分を追い込めない。頑張っているのですが、つい「もういいか・・」となってしまう。こんな自分が大嫌い。

マラソンの様に、辛い時期を乗り越えるとランナーズハイという境地にたどり着けるとか。

早く私もそのような気分になってみたいものです。

2007年3月30日 (金)

歯科用具

今日は、花田信弘先生の「もう虫歯にならない」からお送りいたします。

用具あれこれ

虫歯の予防には個人の努力が必要なことは言うまでもありません。

まず歯磨きです。

1日1度は時間をかけて、歯の汚れを落とすことです。

1日3回食後3分以内に3分間歯磨きをという3・3・3運動が奨励された時期もありましたが、それにはあまり医学的根拠がありません。

食べ物に含まれた糖(砂糖)がミュータンス菌にとり込まれて、バイオフィルムが作られるまでに18時間以上かかります。

ですから、1日1回でもいいから、しっかり時間をかけて歯の汚れを落とすことに重点を置くことを今は提唱しています。

プロがやっても歯の汚れを取るには1時以上かかります。そのことを頭に入れておいてください。鏡を使いながら、磨き残しが無いように、一日20分くらいはかけて欲しいものです。

歯ブラシだけでなく、デンタルフロスを使って歯と歯の間の汚れも落としましょう。

歯と歯の間は歯ブラシの先も届きにくく、汚れが残りやすい所です。歯と歯の間の虫歯は検診でも発見しにくいので、発見したときにはかなり進行している事も多いようです。

デンタルフロスを使った事が少ない人が多いかもしれませんが、歯周病予防には欠かせない道具です。

宣伝では見たことあるけど、使い方がわからないという人のために、使い方を紹介しておきましょう。

デンタルフロスを40㎝ほどの長さに切り、両端を左右の中指に2・3回巻き付け2~3㎝の間隔をとって人差し指と親指でデンタルフロスをつまみます。

ピント張って、歯と歯の間にノコギリを引くように前後させながら入れていきます。

歯の側面に沿って2~3回上下させます。すべての歯の間を掃除していくと、デンタルフロスに黄色い汚れが付いたり、歯と歯の間に挟まっていた食べもののかすが取れ、びっくりするはずです。

最初は使いづらいかもしれませんが、慣れればむしろ、しないと気持ち悪いくらいです。

うまく使いこなせない人は、デンタルフロス用のハンドルを利用したり、糸ようじを使うといいかもしれません。

歯と歯の間にかなり隙間がある場合には歯間ブラシを用いた方が良いでしょう。歯間ブラシも太さがいろいろありますから、歯の隙間にあう太さを選びましょう。

基本的な食べ物による歯の汚れは、唾液が十分出ていれば落とせます。繊維性のものをよく噛んで食べていれば歯の平面の汚れは取れるはずです。歯をいい加減に磨くくらいならリンゴを1個食べた方がずっときれいになるくらいです。

ただ、歯と歯の間の汚れは取れません。ですから、歯ブラシよりむしろデンタルフロスや歯間ブラシの方が重要だと思います。

最近、キシリトールガムが普及していますが、キシリトールは白樺や樫の木から生成される糖アルコールで、砂糖に近い甘味を持つ天然の甘味料です。

ミュータンス菌が乳酸を作りだす時の餌にならないので、虫歯の原因になりにくく、長期的にとると、ミュータンス菌の数を減少させることも観察されています。

しかし、これを取っていれば虫歯にならないというわけではありません。フッ素と同じように補助的に使うものとして位置付けてほしいと思います。取りすぎると下痢をしやすいという欠点もあります。

すでに入れ歯(義歯)の人は、入れ歯が合わないと周囲の歯や歯肉に傷をつけ、歯周病を悪化させることもありますから、義歯の調整をしてもらうという意味でも検診が大切です。

また、義歯には大量のバイオフィルムが付きますから、毎日清掃する必要があります。毎晩寝る前に義歯をはずして洗ってください。

参考文献 もう虫歯にならない 花田信弘著 新潮文庫

2007年3月29日 (木)

大丈夫ですから。

先日、東京のワンダフルというデザイン会社を訪れた話をしました。

そこでは、担当の杉本さんと社長の深澤さんと今後の事をお話しました。

他業種の杉本さんと深澤さんとお話をすると、我々歯科業界の常識が意外と非常識なことが多く、ビジネスチャンスがたくさん転がっている気がします。

今回は、社長の深澤さんが言っていたことなのですが、彼も歯科にかかるときがあるそう。でもたまに予約の時間に間に合わなくて行かなくなることがあるのだとか。

その時の心理として、「歯医者に怒られる」と思うのだそうです。

人間ですから、時間の約束ぐらい忘れる事がありますよ。ましてや、歯科の時間は融通が利きにくいし、不便なことこの上ない。

他の先生はちょっとわかりませんが、私は怒りません。

でも、例外はあります。確信犯的な患者さんです。

予約の患者さんがずっと待っているのに、割り込んで来て、急いでいるから、次も必ずくるからと言って仮歯だけを付けて、こなくなる。

1年後にまた仮歯だけを着けにくる。とりあえず歯があれば良い、噛めれば良いという患者さんです。

このような患者さんに関しては、怒ってはいないけど、少し心配です。

仮歯は所詮、仮歯なので、歯には良い影響はあまりありません。歯医者が意図して仮歯を長期にわたって入れている場合は別ですが。

長期入れている予定のない仮歯は歯や歯肉にしっかりと合っているとは断言できないため早急な治療を望みます。

でも、予約をすっぽかしてしまっても、決して怒っていないですから、安心して来院してください。

2007年3月28日 (水)

虫歯は減ってきている

今回は、波多野尚樹先生がお書きになった「歯から始まる怖い病気」の中から、「虫歯は減ってきている」をお送りします。

虫歯は減ってきている

30年近く小学校や幼稚園の歯科検診で子供達の歯を診て感じるのは、最近は本当に虫歯の子供が減ってきているということです。

20年前は800人検査すると半分以上は虫歯だったけれども、ここ何年かは100人にせいぜい2,3人と激減しています。

昔よくいたような「みそっ歯」の子供などはほとんど見かけなくなっています。おそらく、お母さんが子供達に歯磨きを励行しているおかげです。

21世紀を担う日本人は、デンタルIQが上がってきているようです。

ところで、どうして虫歯になるのでしょうか。

簡単にいえば、虫歯を引き起こす細菌が増殖し、大量の酸を出すために、歯のエナメル質や象牙質が溶け出し歯を壊していくのです。虫歯の正式名称が齲蝕(うしょく)-カリエスと呼ばれるのは、この症状のためです。

このように、虫歯というのは細菌による感染症です。

歯を赤い染色剤で染めてみると、大半の人が真っ赤に染まります。

とりわけ歯と歯の隙間と歯と歯肉の境目は赤い色が強くでます。これは食べかすが染まっているわけではありません。

この赤い染料は、細菌がいるかどうかを検査する薬品です。この赤く染まった部分こそ、虫歯の原因となる細菌が生息していることを示しています。

人間の口の中には、300種とも500種ともいわれる細菌がいるとされます。

赤ちゃんは産道を通って生まれますが、その際母親が体内に保存している細菌を受け継いできます。

胎児の時代に、胎盤を通して母親から貰うものもあります。それらの細菌は良い働きをするものも、悪い働きをする細菌も混在しており、常在菌として体内に溜まり、その人が死ぬまで生き続けます。

ところで虫歯菌ですが、生まれたばかりの乳児には虫歯の原因となる菌がほとんど見られないことから、大人が口移しで食べ物を与えたりする際に、食べ物と一緒に口の中に入るのではないかと考えられています。大人から子供へ、虫歯菌が伝染したということです。

細菌は目には見えないのだから、どこからどんな方法でも口の中に入る可能性があります。そして、自分に適した環境になるととたんに増殖を開始します。

虫歯の原因が細菌だと初めて発表したのは、ペンシルバニア大学のミラーという研究者であります。1890年の事です。しかし当時は虫歯の原因菌を特定できておらず、口腔の細菌と感染が全身疾患を引き起こす主な原因であるという細菌学の考えを発表したのみでした。

その後、多くの研究者によって虫歯が起こるメカニズムが研究されてきましたが、なかなか虫歯菌の真犯人が見つからず、乳酸桿菌という細菌が犯人ではないのか、いや他の細菌が原因だと様々な説がでました。

ほぼ100年近く経った1970年代のこと、虫歯に直接関係のある菌が突き止められました。ストレプトコッカス・ミュータンス(ミュータンス連鎖球菌)がそれです。ほんの30年まえの事です。

エジプトのミイラの頭蓋骨には、虫歯や治療の痕跡が見つかっています。人類は大昔から虫歯に悩まされていましたが、その原因が細菌であるとわかり、しかも菌が特定させずにずいぶん長い時間がかかったものです。5000年近い年月、人間は原因もわからないまま虫歯に悩まされ、見えない敵と戦ってきたのです。

このテキストを読んで驚いたのは、私が生まれた時代に虫歯菌が特定されたということ。ということは私が生まれるずっと前から親父は歯科の治療をしていたわけですから、まさに原因不明の敵を戦っていたことになります。そのときの歯に付ける薬はどんな根拠で扱っていたでしょう。

虫歯の原因菌がわかった今は、虫歯が減ってきたといってもそれは当たり前の事かもしれません。

2007年3月27日 (火)

サムギョプサルとワンダフルな人々2

昨日の続きです。

1時を少しすぎたくらいに目的地「ワンダフル」へ到着。

ここに来るのは1年ぶりくらいかな?もっとかもしれません。とにかく久しぶりです。

このワンダフルは住宅地の真ん中にあり、マンションの1階の奥まった所にあるので、最初はとても迷ったものです。

ワンダフルに着いてからは、多くの事を話し合うことが出来ました。

何しろ、いつもはメールの交換で、用件を伝えていたため、なかなか要領を得ない事があるのですが、今回は直接自分の希望や意見を発言することが出来て、大変充実していました。376

今回は、インプラントと無痛歯科治療をHPに377 どのように入れていくか、患者さんにお渡しする治療説明用のリーフレットの作成依頼、各種紙袋の確認等いろいろチェックすることが山積みでした。

時間はあっという間に過ぎて、とても有意義でした。

この打ち合わせには、担当の杉本さんと社長が必ず同席するのですが、この社長の話がとにかくおもしろいし、ためになる。異業種の方から見た歯科についての感想を教えてくれるし、歯医者の私には想像も付かないアドバイスもいただける。とても良いです。

私の次にも打ち合わせが詰まっているということだったので、今回は残念ながら4時には打ち合わせを終わりにしました。

話の中で、しろくま歯科医院のマークの白クマのデザインをしている杉本さんが、東京のワンダフル本社で、いままでに作成したしろくまのデザインの展覧会をするというので、それも楽しみ。余裕があればしろくま歯科医院内でもやって欲しいとお願いしてきました。

また、しろくま歯科医院のロゴや院内の様子がデザインの雑誌に掲載されることにもなったらしいので、それも今後チェックしなければなりません。

楽しみな企画が盛りだくさんです。

帰り際に、食欲が無く、胸周りが苦しい原因がはっきりしました。買ったばかりのこのシャツのサイズが小さいのです。パツパツなのです。

胸が締め付けられていたので、食欲が無かったのです。そうか。

帰り際、デパートに立ち寄り、シャツを1枚購入。すぐに着替えて、やっと落ち着くことが出来ました。後にこのサイズの合わないシャツは合うものと交換して貰いました。だって、サイズを測って貰って購入したのに、サイズが合わないなんて許せないですものね。

胸の締め付けが無くなったおかげで、急に食欲が出てきました。

東京駅の地下に美味しい韓国料理があると妻が探してくれたので、二人でそこの店へ。

本当は、駅の中の料理店なので、まったく期待していなかったのです。でもどこのお店も大繁盛している様子。

目的のお店もしばらく待たねばなりませんでした。

そこのお店で注文したのは、サムギョプサルという食べ物。初めて聞く名前。なぜ、この料理を選んだかといえば、店内で「サムギョプサル!サムギョプサル!」と声が聞こえるし、店の前にお奨めと書いてあったから。実際どんなものが出てくるかまったくわかりませんでした。

出てきたものは、三枚豚バラ肉の焼き肉。タレはごま油ともう一つ(なんだかわからん)。とにかく、単純なものなのだけれども、食べてみた。

感想は、なんていったらいいのか。

もう焼き肉の牛は要らないと思いました。本当に。豚ですよ。これからは。・・・・・・・と思わせるうまさ。

他に、チジミも食べたのですが、さっくりとして、中はしっとり。チジミって餅のような食べ物だと思っていたのですが、本当はまったく違うものなのだと再認識。

さらにもう一品というところで、タイムアップ。新幹線最終の時間が迫っていました。残念です。東京の人は本当にうらやましいと思った限りです。

次回は、ここのお店のために時間をたっぷり取ろうと決心してを出ました。

2007年3月26日 (月)

サムギョプサルとワンダフルな人々1

今月はじめの木曜日に東京へ出かけました。

目的は、しろくまのHPの件とリーフレットや印刷物の打ち合わせのためです。

前日の夜遅くまで、HPの原稿や写真を整理していたので、本当に眠かったのです。なんだか、スタートからイヤな予感がします。

打ち合わせは午後1時からなので、比較的余裕をもって準備する事が出来ます。

前日に、ワンダフルの杉本さんに東京の気温等を聞いていたのですが、やはりまだ寒いとの事。でも、12度くらいというので、その程度ならここ福島より全然暖かいし、ジャケット1枚で大丈夫だろうと思いました。

先日勉強会の帰りに購入したシャツにジャケットにマフラーという出で立ち。

実際、そんなに寒いという感じではありませんでした。しかし食欲が全くないのです。新幹線の中でも購入したサンドイッチを完食出来ませんでしたし、なんだか息苦しい感じ。

東京へ着いても、不運は続きます。

どうせ東京へ行くのだから、昼食はお目当ての場所で食べようと言うことで渋谷へ。しかし、工事中のため閉店中。仕方がなく、近くの牛タン屋さんで昼食をとりました。しかし、まったく食欲がないのです。半分ぐらい残してしまいました。

時間はすでに12時半。約束の時間は1時。余裕をもって行けばいいと思い、早めに地下鉄へ。

予定では、15分くらいで目的地へ着くかなと思っていたのですが、すでに15分が経過。もうそろそろ到着しても良い頃なのに・・・・。と思い外の駅名を見れば、「青山」!?

まったく反対の方向へ乗車していました。今日は、とことん変な日です。

大事な打ち合わせの日なのに、うまくゆくと良いのですが・・・。

明日へ続きます。

2007年3月25日 (日)

歯医者との相性も大切

毎日、患者さんの悩みを聞いて、励ましつつ治療を行っているつもりですが、やはり、患者さんとの相性が残念なだら存在します。

説明をしたと思っても、説明不足だと感じる患者さんもいらっしゃいましたし、「説明なんか良いから早くやれ!」という患者さんもいました。

求めているベクトルが歯科医師と患者さんであわないとなかなかうまくいかない事が多いみたいです。

もちろん、私が相性がとても良いと思っても、患者さんが、「この歯医者は駄目だな」と思ってしまう事も多いと思います。

今日は、そのあたりの事がある本に書いてありました。審美歯科に関する本なのですが、それを頭に置いて読んでください。

歯科医師との相性も大事

審美歯科を受ける場合、患者さんの目標が明確で、そのための治療法について十分理解があり、かつその治療をどうしても受けたいという意思があること。これがとても大切な条件であることは、これまでの説明で理解していただけたと思います。

その上でどこでその治療を受けるか、すなわちいかに歯科医師を選ぶかという問題が出てきます。

歯科医師を選ぶにあたって、その技術的なレベルを問うのは当然の事です。審美治療の場合、歯科医師の技術だけでなく、審美という主観の関与が大きい領域では仕上がりの差がさらに大きくなる可能性があるからです。

けれども、「イヤな奴だが、技術が優れているので我慢する」というのは感心しません。

技術的な面をクリアしているのはもちろん不可欠の条件ですが、その上で医師の人間性に対して「好き嫌い」をいっても、いっこうに構わないと私は思っています。むしろそれを重視すべきではないでしょうか。

審美治療に限らず、歯科治療は治療後のメンテナンスが重要です。ですから治療はそのとき限りではなく、歯科医師とは「長いつきあい」で考えるべきです。

普通の人間関係でも、「嫌いな人間」と長く付き合うのには相当の努力を要しますし、ストレスもかかります。相手はまして、自分の口を預ける歯科医師です。

またご承知のとおり、歯科治療では至近距離で歯科医師と患者さんが接しています。そういう位置関係で治療を受ける以上、患者さんは歯科医師に対してもっと好き嫌いをいっても良いのではないでしょうか。

審美治療は、歯科医師の力だけではなく、患者さんの協力があって初めて成り立つものです。インテグレーション(著者の先生は、シェイプインテグレーションという治療法を提唱しています)つまり積み重ねという言葉からも、少しずつ形を修正し、構築していく治療です。

患者さんの「なりたい形」を作り上げるには、患者さんと歯科医師が協力しあわなければ達成出来るものではないからです。

また歯科治療は、其れを受ける側にとっても楽なものではありません。しかしそれを乗り越えたとき、必ず「やってよかった」という結果が待っています。

ですから私から患者さんに強くお願いしたいのは、結果のために治療を楽しむくらいの余裕と、最後までやり通す強い意志をもって頂きたいということです。そのためにも、共に協力しあう歯科医師選びは慎重にしていただきたいと思います。

参考文献 歯の審美治療入門 河野陽一著 夏目書房

2007年3月24日 (土)

歯がしみる!!

最初に言わなければいけないのは、私も歯がしみるのです。

でも、原因が分かっているので、我慢できます。しみる仕組みがわかってからは、半分諦めもあるのかもしれません。

今日はそんなしみる歯について、歯学博士山崎博嗣先生の「歯・口腔のことがよくわかる本」からお伝えします。

歯科の2大疾患は、齲蝕と歯周炎(歯槽膿漏)ですが、歯に穴が開いているわけでもなく歯が黒くなっているわけでもないのに、歯がしみるという症状を経験したことがありませんか?

場合によっては歯科受診して異常なしといわれてしまうこともあります。正常でもビール、冷水、あんこなどでしみる事もあります。またその人の感じ方にもよるようです。

この場合には知覚過敏症が疑われることが多いのです。

知覚過敏症(象牙質知覚過敏症)について考えてみます。この状態は歯周炎と関連して起こることが多いのです。

しみるのを感じる過程を考えますと、これはとりもなおさず歯の中心部にある歯髄という部分から三叉神経を通じ、脳に神経刺激が到達し、歯の部分で感じている事になりますが、歯髄の中で軽度の炎症を起こしているということになります。

齲蝕で歯の外側、最表層のエナメル質から、次の象牙質がおかされ、菌が歯髄に達し、そこで炎症を起こす場合とは異なり、歯の硬組織が破壊されずに炎症を起こしていることになります。

そこで、なぜ歯髄が外界に露出していないのに炎症を起こすのかということになりますが、これは歯の微細構造にあります。

歯の中心部の歯髄から象牙質に向かって微細な管、象牙細管というものがあり、外からの刺激がこの細管を通じて歯髄に到達し、軽度に炎症を起こし、歯がしみるという症状がでます。

さらに歯冠(歯の頭の部分)と歯根に分けて考えますと、歯の最表層のエナメル質があるのは歯冠部分だけで歯根にはセメント質といわれる薄い層しかありません。それで歯周炎で歯根を支えている歯槽骨が細菌の塊(プラーク)あるいは過度の刺激で吸収・消失しますと(骨の吸収と表現されます)、歯の根の部分が歯肉より露出した状態になります。

外観的には、中年以降で、何となく歯が長くなったと感じる、あの状態です。

歯の根が歯肉より露出した状態になりますと、外界からの刺激、物理的刺激(歯ブラシ・温度差)、科学的刺激(酸味など)がここに到達しやすくなり、またこの状態はセメント質が破壊されている場合が多く、象牙細管が外に開いている状態になりますので、刺激が即、歯髄まで到達し、しみることになります。

この状態は歯冠のエナメル質が破壊された部分(齲蝕により、あるいは歯ブラシによる摩耗などが原因です)にも同様に起こります。

さて、この知覚過敏症の予後はどうなのかといいますと、自然治癒があり得るのです。

齲蝕を始め、歯や骨など硬組織疾患に自然治癒はないと一般的にはいわれていますが、ここだけは自然治癒があり得るのです。

どのようになっていくかと申しますと、歯髄の入っている空間がありますが、その部屋の内側から壁塗りすると考えてください。時間はかかりますが、その機転が起こるまで外部からの刺激を遮断する薬剤を塗布するということが治療になります。

しかし、その間はしみるので、その部分に歯磨きがおろそかになるために汚れがたまり、その結果、歯槽骨の吸収が促進されるという悪循環が形成されてしまいます。

そこで症状の程度によっては、歯髄を除去する処置(抜髄)が必要になることもあります。

気温が低下してくると冷気でもこのような症状を呈する患者さんが多くなってきます。ぬるま湯で歯ブラシするのも一考です。

また外気が冷たい時には、余計に強く感じることになります。その場合には、鼻呼吸をして、口呼吸をしないようにすることも必要でしょう。

参考文献 歯・口腔のことがよくわかる本 山崎博嗣 本の泉社

2007年3月23日 (金)

エクセル大好き

昨日は、お彼岸のため、実家と家内の実家のお墓参りに行きました。

午前中は母と家内と3人で近くのお蕎麦屋さんへ行き、その後、家内の実家へ行きました。

お墓参りが終わった後、皆で居間でくつろぎました。おばあちゃんも機嫌がよさそう。

夕食は、近くのおこわ屋さんへ行く予定になっています。これもまた楽しみ。今日は、このおこわのために極力お菓子を口にしないようにしているのです。

外食までまだ少し時間があるので、お父さんが仕事で使う表計算ソフト《エクセル》を教えて欲しいというので、久々にエクセルにさわりました。

エクセルは、大学院時代は毎日使っていました。ひどいときは10時間以上も使っていたときがあります。そのくらい私にはなじみのあるソフトです。

お父さんも、エクセルを始めた時に、必ず頭を悩ませる所で悩んでいるようでした。この壁をこえれば、あとはすいすいとエクセルが使いこなせる様になると思います。

私も今後お父さんに協力していきたいと思います。それにしてもエクセルを使うのは、とても楽しい。すごく好き。またエクセルを使って大学院時代のデータを引っ張り出して、もう一度やり直してみようかな。

2007年3月22日 (木)

材料の使い方

1ヶ月前からある材料に替えました。入れ歯を作るときに使うものです。

私は義歯を作るときは、とても良い材料を使います。自費と同じ材料を使って入れ歯を作ります。出来てくる入れ歯は保険の入れ歯なのですが、作る過程で使用する型をとる材料やその他の行程は自費のものとまったく同じです。

言い換えれば、自費の入れ歯を作るときも、保険のやり方と同じでと言う事です。

これは、以前から税理士さんから、材料費が高いと注意されているのですが、出来上がりの入れ歯を見ると、やはり止めることは出来ません。

その入れ歯の型を取る材料を替えたのです。しかし、どうもその材料は私にはあわないのです。粘度が高くて、流れが悪いのです。以前のものに比べると。とうとう技工士の鈴木君からクレームが来ました。

精密な型が取れていないというのです。私もそれは実感していましたから、しばらくは以前の材料に戻して、また一から材料を吟味していこうと思っています。

2007年3月21日 (水)

おしゃぶりや指をやめられないのはなぜ?2

昨日の続きです。

指しゃぶりについての2回目です。

★指やおしゃぶりに変わるものを

ターナー博士によれば、親のなかには、おしゃぶりや指のかわりに愛着の対象となるものを与えるのに成功した人もいます。

それは、子供が指しゃぶりを始めたときに差し出される毛布だったり、ぬいぐるみの動物だったりします。もちろん、子供の気持ちが指やおしゃぶりから新しい愛着の対象へと移るには少しばかり時間がかかるし、しばらくの間はその両方が必要かもしれませんが、中にはすんなりと移行できる子もいます。

★かわりに食べものを与えるのはよくない

親の中には、指やおしゃぶりをやめるご褒美として食べ物を与える人がいます。長い目でみれば、妙な時間にものを食べるという不健康な習慣をみに付けるくらいなら、指やおしゃぶりをしゃぶっていた方がずっと良いでしょう。食べ物で解決しようとしないことです。

★おしゃぶり派なら

おしゃぶりの長所は、指のようにいつもそこにあるわけではない点です。日中は決まったときだけおしゃぶりをしてもいい、と取り決めをかわせることも多いようです。例えば、「おしゃぶりはベッドのなかだけ」と言い聞かせて、昼寝や夜の就寝時だけおしゃぶりを持たせるというやり方もあります。

★手を忙しくさせておこう

ターナー博士は、両手を使う活動をさせて、子供の探索欲や知識欲を利用する方法を勧めています。色を塗るとか粘土で遊ぶという手作業をすれば、両手がふさがって指しゃぶりが出来ません。

指人形をしたり、お姫様ごっこで手袋を付けたり、歌に合わせて手をたたく遊戯をしたりしても同じ効果が得られます。

★力づけ、励まそう

もし、子供自身が、おしゃぶりを使ったり指をしゃぶったりする時間を減らすことに同意したら、ちょっとした進歩を見逃さずにほめ、つまずきは見て見ぬふりをしましょう。子供が指しゃぶりをやめようという気になったというのは進歩ですが、それを達成するにはしばらく時間がかかるかもしれません。

参考文献 「うちの子、どうして同じ服ばかり着たがるの?」 ジェイナ・マーフィ 草思社

2007年3月20日 (火)

おしゃぶりや指をやめられないのはなぜ?1

今日は、「うちに子、どうして同じ服ばかり着たがるの?」ジェイナマーフィ著からお送りします。

おしゃぶりや指しゃぶりをやめられないのはなぜ?

夜、両手両足をまるめて、うつぶせになり、親指をしゃぶりながら深い眠りについている子供の姿を見ると、赤ちゃんの時代を思い出して、いとおしさを感じるでしょう。

ところがその指しゃぶりやおしゃぶりも、日中に目にすると、残念ながら親のストレスや不安の種になりかねません。おしゃぶりは不潔になるし、他人の非難の目や身内からの批判的なコメントを受けやすいのです。親指はやはり不潔になるし、さんざんしゃぶられて赤くなり、炎症を起こすことさえあります。

幼い子供が、小児科医や歯科医が「非栄養吸綴(栄養をとる目的ではなく、ものを吸うこと)」と呼ぶその種の行為をなかなか辞められないのは、それで精神的な安定が得られるからだとテリ・ターナー博士は説明します。

ある意味で、それは素晴らしいことでもあります。なぜなら、まだあまりにも未成熟な子供が、怖いとき、疲れたとき、刺激が強すぎる時に、自分で自分をなぐさめる方法を見つけたのですから。

親の手助けなしにそういう事ができるのは、社会的に見れば、一つの強みといえるのです。けれども一般的には、指しゃぶりやおしゃぶりに眉をひそめる人も多いのも事実です。

2歳未満の子供の「非栄養吸綴」にもっとも批判的な歯科医の多くも、子供の顎は柔軟なので、指しゃぶりの影響はほとんど残らないだろうと考えていますが、一部に、2歳を過ぎると過蓋咬合(下の歯が上の前歯の奥で噛み合う状態)が起こる可能性があるというという考えをする人もいます。

一方、それ以外の医師(歯科の専門医も多く含まれる)は、遙かに寛容で、とくに小児科の多くは、子供が十分に大きくなるまで指しゃぶりに干渉しないように勧めています。

「5歳前後までは、指しゃぶりやおしゃぶりが医学的に大きな問題になることはなさそうです。5歳ごろから、私たちは歯への影響を本気で心配しはじめますが、5歳といえば、子供が指しゃぶりをやめるために積極的に協力できるようになる年齢でもあります。」とターナー博士は言います。(*3歳という説もあります)

それまでの間は、子供の指しゃぶりやおしゃぶりを必要以上に気にしないことです。指しゃぶりを見ても、叱ったり、子供のいるところでその癖について話し合ったりするのはやめましょう。

精神安定を得るために吸綴行動をする子供について普遍的な真理があるとすれば、周りの大人が大騒ぎをするほど、子供ごその癖を辞めるのが難しくなるということです。

子供にまだその心構えが出来ていないうちに、無理矢理吸綴行動をやめさせようとしても(しゃぶる指の場合はとくに)失敗するのは目に見えています。されに子供の心に不安を植え付ける事にもなりかねません。

指しゃぶりに頼る子供を相手に、親が出来ることはほとんどありません。全米小児歯科医学界によれば、3歳までには、おしゃぶりを使ったり指をしゃぶったりする子供の数は、およそ20%にまで減っていると言います。その20%の子供も、5歳になるまでには大部分が指しゃぶりをしなくなります。

明日へ続きます。

2007年3月19日 (月)

最近の私

今書いている曜日は日曜日なのです。

今日は、最近の私の事をすこし書きます。

まず始めに、最近すごく仕事に対して前向きなのです。

人様の歯を触る職業なので、不真面目なのは問題なのですが、前向きと言うのは、とてもやり甲斐を感じているのです。この仕事に。

逆算して考えると、まじめに仕事が出来るのはあと15年と思っているので、時間がとても足りないと感じてしまってから、どんどん、どんどん前のめりに仕事をしようと思っています。

個人的に歯科に関する研究も始めました。歯科文献も多くを買い込んで、仕事の後にがつがつ読んで理解しようとがんばっています。

ついでに、体も鍛えちゃおうと思って、ジムにも時間があれば行くようにしています。先週から風邪ひいてしまって行っていないですが、がんばってやろうと思っています。だいぶ体が絞れてきて動きやすくなってきました。

こんな風に書いてしまうと、自分の事ばかり気にしていると思われがちなのですが、実際そうで、家族には本当に迷惑をかけている気がします。家族の皆さんすいません。

明日からまたがんばります。

2007年3月18日 (日)

先生のお父さんにやって貰いました。

毎日、診療をしていると思わぬ出会いをする場合があります。

連絡が取れなかった級友もありますし、珍しい病気と出会うときもあります。

それぞれに、心にずしっと残るものです。

昨日、診療した時です。

診療前に患者さんといろいろお話していたときですが、そのとき患者さんが私に言ったのです。

「私も、以前治療したのはもう20年以上も前になります。今日先生にお願いするこの歯は、以前先生のお父さんに治して貰ったところなんですよ」

私の父が他界してもうすぐ20年になります。

彼との想い出は、だんだん色あせていき、若い頃の写真が私の想い出の父になっています。

思わぬ父との対面に、小さい頃みた父の白衣姿が思い出されました。

お久しぶりだね、お父さん。

私は元気にやってます。

2007年3月17日 (土)

寝ているときの口の中は?3

昨日の続きです。

今日は、「いびき」です。

いびきとは、呼吸時に空気が出入りする上記道、とくに鼻腔から咽頭までは軟組織で構成されており、その周囲には上気道を開大する筋であるオトガイ舌骨筋、口蓋筋、咽頭括約筋など多数の筋が存在します。

睡眠時はこれらの筋活動も低下しますが、安静呼吸の維持に必要最低限の筋活動は保持されています。

しかし、この筋緊張は舌根沈下をもたらし、上気道を構成する軟組織同士の距離を減少させます。

このとき、前後方向の距離だけでなく、咽頭腔径も縮小しています。この状態で、呼吸に伴い空気が上気道を通過すると、軟口蓋、口蓋垂(のどちんこ)、舌根部の軟組織による振動音が生じ、これがいびきとなります。

いびきが生じている時には、呼吸の際に上気道を出入りする空気の抵抗が増大します。その結果、安静睡眠時の呼吸に比べ、努力して呼吸することが必要となり、そのため覚醒を生じ、安定した睡眠が分断され、睡眠の質を低下させる事もしばしば起こります。

慢性的にいびきをかくひとでも、いびきの強さや回数は日によって変動し、普段いびきをかかない人でも時にはいびきをかく時があります。このような個体間差・個体内差は、上気道の形態や呼吸流量に影響を与える様々な要因によって生じます。

形態的には、軟口蓋肥大、小顎症、巨舌症、扁桃・アデノイド肥大、咽頭周囲への脂肪蓄積などが挙げられます。

また、上気道粘膜の潤滑性も粘膜の振動を左右します。

機能的には、ベンゾジアゼピンなどの筋を弛緩させる薬物の服用や飲酒、舌根が沈下しやすい仰臥位での睡眠が考えられます。

また、アレルギー性鼻炎、鼻中隔湾曲症などによる鼻閉があると、呼吸時の上気道空隙に過大な陰圧がかかり、上気道の軟組織が引き寄せられていびきが生じやすくなります。

この3日間を通しての参考文献 口腔の生理から?を解く デンタルダイヤモンド社

2007年3月16日 (金)

寝ているときの口の中は?2

昨日の続きです。

今日は、歯ぎしりです。

睡眠中、咀嚼筋(口の開け閉めのための筋肉)の活動は通常抑制されています。

閉口筋緊張の低下によってノンレム睡眠の80%以上、レム睡眠の90%において、上下切歯間距離(口が開いている距離)が2.5mm以上となります。

つまり、睡眠中のほとんどの時間で開口しており、上下の歯が接触していないともいえます。

しかし、歯ぎしりをしているときは閉口筋が活動し、口が閉じて上下接触します。

この閉口筋活動が生じる“直前”に、心拍上昇や脳波活動の亢進が見られるので、歯ぎしりを含め睡眠中に観察させる様々な閉口筋活動は、中枢神経系の活動上昇は、正常な睡眠中においても頻繁に生じる覚醒現象の一つであることが分かっています。誰でもするということです。

睡眠中の閉口筋活動が頻繁に起こり、かつ強くなると、上下顎の歯の接触頻度が増え、接触強度が上昇します。

睡眠時のブラキシズム(歯ぎしり)患者さんの歯ぎしり音は、リズム性の閉口筋活動に伴って発生します。

このような閉口筋活動の80%以上が、浅いノンレム睡眠(stage1や2)で発生し、睡眠周期のうちノンレム睡眠やレム睡眠に推移する期間に多いです。

健常者でもこのリズム性の閉口筋活動が若干数認められますが、歯ぎしりの音が生まれるためには、睡眠時ブラキシズム(歯ぎしり)患者では健常者に比べて、リズム性の閉口筋活動が約3倍の高頻度で発生し、筋活動量も40%も高いのです。また、歯ぎしりの音は、観察されるリズム性の閉口筋活動の約40%程度で認められます。

したがって、歯ぎしり音の発生には、上下顎の歯の接触状態がある一定条件に達する必要があると思われますが、現時点では、咬合状態、歯の接触状態などの形態学的な要因が、歯ぎしりの音にどのような影響を与えるか分かっていないのが現状です。

歯ぎしりを悪化させると考えられている要因として、筋活動を上昇させる薬剤(選択的セロトニン再吸収阻害薬)、喫煙やアルコール、ストレスなどが挙げられているが、因果関係を生理学的に証明するまでには至っていないのです。

また、顎関節症を併発していない睡眠時ブラキシズム(歯ぎしり)患者は健常者と違いが無く、睡眠の質も正常であることから、歯ぎしりが本人の睡眠を妨害することは少ないといえます。

明日は、いびきについてです。

2007年3月15日 (木)

寝ているときの口の中は?1

私が、歯科治療でもっとも感心をもって臨んでいるテーマに顎関節症があります。

顎関節症の治療は、主にスプリントといわれるマウスピースを夜間口の中に入れて治療を行います。

つまり、寝ているときの口の中にヒントが隠されているのかもしれません。

本日は、何回かに分けて、寝ているときの口の行動を見て行きましょう。

まずは、睡眠からです。

人の睡眠は4段階のノンレム睡眠(stage1~4)とレム睡眠に分けられ、ノンレム睡眠・レム睡眠が交互に出現する睡眠周期を形成します。

それぞれの睡眠段階と睡眠周期の進行に伴い脳神経活動、自律神経活動、呼吸、筋活動など、体内の様々な機能が変化します。

例えば、ノンレム睡眠では呼吸のリズムは規則的でゆっくりと、レム睡眠では不規則になるなど。

顎口腔・咽頭領域の筋活動は、睡眠中には低下もしくは消失しますが、その仕組みはノンレム睡眠とレム睡眠では異なります。

覚醒中(起きているとき)は、大脳など広範囲の上位中枢神経が活動し、運動神経細胞を興奮させる事によって、筋緊張度が維持されますが、ノンレム睡眠では、上位中枢神経が低下し、興奮性入力が減少して緊張度が低下します。

一方、レム睡眠では大脳などの上位中枢神経が活動していますが、会の脳幹にある運動中枢系が活動しているが、下位の脳幹にある運動抑制系が働き、筋緊張を持続的に抑制しています。

明日へ続きます。

2007年3月14日 (水)

一日に出る唾液の分泌量は?

今日は、鶴見大学歯学部教授 斉藤一郎先生の著書「ドライマウス」からお届けします。

唾液の分泌量は一日に1.5~2リットル

歯科治療は唾液との戦いです。

虫歯の治療に行けば、歯医者さんの傍らにいる衛生士さんが、絶えず俳唾管やバキュームという器具で患者さんの唾液を吸っています。

治療の際には、唾液は邪魔なものなのです。

ですから、唾液の少ない患者さんは、歯医者にとっては治療しやすい「良い患者さん」と言うことになります。したがって、歯医者が「あなた口が乾いていますね」と自発的に診断することは、これまではほとんどありませんでした。

逆に、患者さんが、自ら口の乾きを訴えても、医師や歯科医のドライマウスに対する認識度が低かったせいでしょうか、「たくさん水を飲んで、なるべく口の中を潤わせてください」という言い方しかされてこなかったようです。

水で口の中を潤すことは、確かに、ドライマウスの患者さんにとっては効果のあるものです。

何しろ唾液の分泌量は、正常な人で驚くことに一日当たり1,5リットルから2リットルもあります。

普通に生活する上でまったく意識はしていませんが、これほどの量が分泌されているのです。

ドライマウスの人は、この分泌量が著しく減っています。半減する人もいれば、唾液腺が破壊されたため、数分の一程度に激減している人もいます。

従って、絶対的に不足している口腔からの水分を外部から補給してやることは大事な事です。

しかしながら、それは、根本的な解決策ではありません。なぜなら水と唾液は、似て非なるものなのですから。

ついでに、唾液が分泌される場所について説明しておきましょう。唾液線には2種類あり、一つが大唾液腺、もう一つが小唾液腺です。

大唾液腺は耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つがあります。何かを食べるときや話をするときに大量に分泌される唾液の大部分がこの大唾液腺からでます。

耳下腺はもっとも大きい腺で、頬の皮膚のすぐ下、耳の下あたりにあります。ここで生産された唾液は、管を通り、上顎の奥歯当たりの粘膜の穴から口の中に分泌されます。ここから出る唾液はさらさらしています。

顎下腺は下顎の骨の内側にあります。ここから出た唾液も管を通り、口の中に分泌されます。口を大きく開けて舌を持ち上げ、舌先を上顎に付けると、舌の裏のひも状のものが舌の裏を引っ張ります。その下のほうで盛り上がった所に顎下腺があります。

舌下腺は三つの大唾液腺の中で最小です。顎下腺の開口部の近くに数十個に分かれて管があります。

小唾液腺は、口の中の粘膜に下に存在します。鏡の前で唇をめくってみてください。しばらくすると水滴が見えるはずです。これは唇の粘膜から分泌された唾液です。

頭部のガンの治療などの一貫で、放射線治療が行われた場合、これらの大小の唾液腺が破壊されドライマウスとなります。しかし、唾液腺そのものが原因でドライマウスを引き起こすケースはそれほど多くはありません。唾液腺は保持されているにもかかわらず、ストレスや筋肉の低下などの原因によって、分泌量が低下しているケースの方が多く見られます。

参考文献 ドライマウス 著者 斉藤一郎 日本評論社

2007年3月13日 (火)

積もっています。

本日、雪がふっているかは定かではないのですが、この日記を書いている月曜日は大雪でした。

土曜日くらいから、体調が悪化していて、月曜日の朝の雪かきでまた風邪の状態が悪化しているみたいです。

変えの効かない商売は、こういうとき辛いと感じます。

でも、やる気はあるので不思議です。

2007年3月12日 (月)

風邪をひいたかも

私の周りの人たちが軒並み風邪でダウンしています。

私も気を付けないといけないと思った矢先に、体調を崩しました。

睡眠不足と疲れがあるなとは思っていたのですが・・・・。

朝起きたら、喉が痛くて、やる気が出ません。

これを書いているのが、土曜日ですから、明日の日曜日は一日寝ていようと思います。

2007年3月11日 (日)

どんだけ自分が好きなのか!の人たち

毎週、ジムにてトレーナーの方に鍛えて貰っているのですが、最近は鍛えて貰っているというより、1週間の疲れを取って貰っている感じなのですが。

ジムへ行くと、自分のこと大好き人間がたくさんいます。はじめは、すごくびっくりしちゃったのですが、今は私も自分の事大好きになってきました。

だって、お風呂上がりに裸のまま鏡の前でポーズをとるようになってきましたから。

私のトレーナーが今度ブログを開設しました。なかなか医学的な事がわかりやすく書いてあって、大変ためになります。一度覗いてみてください。

このトレーナーの丸山さんと一緒に患者さんを診たりもしています。私が、顎や噛み合わせのバランスを治し、彼が全身の歪みを治す。非常によい組み合わせだと自分でも思います。

やはり、顎から肩、腰など全身に歪みが出てしまうと、顎の噛み合わせだけでは少し不十分な気がしますので。これからも良いコンビを組んでいきたいと思います。

彼は、実は私の患者さんでもあるのですが、彼も噛み合わせを少し治している最中です。マウスピースをしながら運動をして貰っているのですが、力がうまく全身に行き渡り、踏ん張れるようです。良かったです。

で、彼のブログはこちら 。彼がどれぐらい自分の事が好きかどうかは自分の目で確かめてみてください。

2007年3月10日 (土)

何を読んでいるのですか?

毎日、多くの患者さんが、しろくま歯科医院に来院してくだいます。本当にありがたい事です。

私たちは、歯科の治療をしているのですが、患者さんのによって、治療の中身が違います。

根の治療のようにあまり、時間のかからないものから、歯の型を採ったり、顎のプレートを調整したり、様々です。

いつも時間のかかる治療をされているMさん。

診療台の上で、待たれている間は、雑誌をお貸ししているのですが、このM さんは、いつも自前の本をご持参されています。

熱心に本を読んでいるので、いつも気になっていたのです。

なのを読んでいるのかなって。

でも、本にカバーが掛けてあって、何の本か分からない。

治療が進み、何週目かの日、ついにその本のカバーが無くなっていました。

私は、その本には見覚えがありました。ずっと前に買うか、買わないかで迷った事のある本でした。

そんなに夢中になる本ならば、読んでみる価値があるなと思い、早速購入。読み始めました。

久しぶりに夢中になって読みました。おもしろかったです。

読了後、そのMさんに、「実は、私もその本を読みました。Mさんに影響されてです」

といったところ、その本には、まだ続編が2冊もあって、そちらもお奨めとの事。

早速2冊購入したのは言うまでもありません。

Mさん、また良い情報をお待ちしています。

2007年3月 9日 (金)

大いなる診療法

私たち歯科医師が行う治療は、様々な種類があります。

アメリカで研修を行っていた時の話です。

私は当然、日本で歯科診療を行う事を前提で研修を行っていますから、当然研修中は頭の中にあるのは、日本で治療を行っている事をシュミレートしながらです。

日本人は、入れ歯も作れば、歯も抜きます。当然ホワイトニングもするし、神経も抜きます。

これは日本の保険治療では当然の事です。

ところが、アメリカの歯科治療は違います。少なくともわたしが付き合ってきた(それほど多くはないですが・・・。)アメリカの先生達はそうでした。

どう違うのかというと、アメリカの先生は専門性が強くて、その分野のみを診療するというスタイルが多いのです。

その時は、顎関節症の事を勉強していました。先生は、すべての歯がそろっている患者さんを対象に話を進めていきます。

「先生、ちょっと待ってください。」

私は思わず、質問してしまいました。

「先生、歯がそろっている場合の顎関節の治療は理解できました。しかし、私たち日本人は、入れ歯を入れている患者さんも診なくてはいけないのです。入れ歯を入れている人の顎関節症の場合はどう対処したらいいのでしょうか?」

すると、先生が言われました。

「君は技工士なの?」

「いえ、違います。日本では、すべての診療を一人の歯医者が担当します。」

「そうか、私は、入れ歯をやったことがないから、分からないね。でも基本が同じなら、入れ歯でも同じだと思うよ」

実にアバウト。顎関節症では、噛み合わせや筋肉のバランスの崩れが大きく症状を悪化させます。日本では、その症状を悪化させないために、人工臓器である「入れ歯」を入れるのです。

しかし、アメリカの患者さんは、日本人の私が診て、「入れ歯を入れた方がいいのに・・。」と思う患者さんが多くいます。しかし、保険に入れない患者さん達に無理に入れ歯を進める事が出来ないそうです。

入れ歯やインプラントを入れることなく、解剖の知識を強引な思いこみにより、難なく顎関節症の患者さんを診療しています。

私は、どうしても入れ歯を入れなければならないのに、入れることが出来ない、歯の欠損症例の場合には、このアメリカで習った方法を採用します。

最初は、かなり信頼性が低いと思ったのですが、今はこのアメリカの大いなる診療法が役に立ってます。やはり患者さんが喜ぶのがうまくいっている証拠です。

2007年3月 8日 (木)

歯の神様

3月5日のyahoo!ニュースにこのような記事が出ていました。

例大祭:歯ブラシさん、ありがとう! 供養に500本--浜松・光月神社 /静岡

歯の神様をまつる光月神社(浜松市細江町小野)で4日、歯ブラシを供養する例大祭が開かれ、訪れた人が使い古した歯ブラシを奉納した。
 同神社が寺だった約400年前、僧が法力で人々の歯を治療したという言い伝えが残っており、これにちなんで同神社のご神体は「歯の神様」とされている。
 供養は年々参加者が減る祭りの目玉企画として始め、今年で15年目。旧細江町が浜松市と合併したことで市中心部にも認知度が高まり、家族連れを中心ににぎわいを見せている。今年は約500本が納められた。
 古い歯ブラシを奉納した人は、新しい歯ブラシと、歯を強くするとされるご神木のニッキの木を受け取る。近くの主婦、谷下圭子さん(41)は家族4人分の歯ブラシを納め、「子供の歯が丈夫になりますように」と願った。【竹地広憲】

歯の神様なんて、神殿でどのくらいあるのかと思い、調べて見ると結構全国に散らばっている。ちょっとびっくりです。

こちらで見られます

2007年3月 7日 (水)

息の合った双子。虫歯はどう?

最近、テレビのバラエティーでは、双子タレントを使って、「どのくらい息が合うか?」という実験をよく目にします。

では、虫歯は双子で似てくるのでしょうか?

今日はその辺をDental Tribune紙のレポートから見てみましょう。

ニューヨーク大学の研究員であるWalter Bretz氏とPatricia Corby氏は齲蝕を引き起こす可能性のある15の原因の重要性を評価するため、1100組の双子を集めて研究を行っています。

この研究は、これまでに行われた双子における口腔保険の研究において最も大きな規模のものであり、5年間の予定で、国立歯科頭蓋顔面研究所(NIDCR)から170万ドルの助成金を受けて実施されます。

研究では、解剖学的問題、唾液中のタンパク質の分析結果、口腔最近レベル、ショ糖に対する味の好み、その他遺伝的要因、環境的要因について調査を実施します。

また、フッ素添加水が入手出来ない、歯科治療を受けられないなどの、社会経済的な問題に付いても評価を行います。

共にブラジル出身であるBretz氏、Corby氏によって集められた1.100組の双子は、ブラジル北東部のモンテスクラロスという貧しい地域に住む21歳までの男女で、一卵性、二卵性を含んでいます。

モンテスクラロスでは、水への不適切なフッ素添加物と質の悪い歯科治療により、住民は齲蝕の危険にさらされています。

両氏は、遺伝子をすべて共有している一卵性双生児と、平均で半分の遺伝子を共有している二卵性双生児を比較することで、齲蝕における遺伝の影響についての知見が得られるだろうと述べています。

研究の初期結果では、齲蝕の原因となる細菌が、一卵性双生児では2人にともに認められず、遺伝的要素がきわめて重要であることが示唆されています。

両氏は、NIDCRの遺伝学者Thomas Hart氏と共同で、齲蝕に関与する遺伝子を特定する研究も行う予定です。

まだ、研究結果が出ていないので、なんともコメントしづらいですが、双子における齲蝕との関わりについて、はっきりしてくると、今後の予防にも大きく良い影響が見られると思うので、是非がんばっていただきたいと思います。

2007年3月 6日 (火)

入れ歯安定剤について

本日は、歯科技工士さんが書いた本「入れ歯至急相談室 宮野たかよし著 現代書林」から、入れ歯安定剤についてお届けします。

入れ歯安定剤の恐怖

連日テレビCMなどで紹介されている「入れ歯安定剤」が、歯肉にとって、どんなに危険なものか、皆さんはご存じでしょうか。

最初は1日1回しか付けていなかったのに、それが2回3回と増えていき、挙げ句の果てに、食べるたびに付けなくてはならなくなってきます。

このように、「入れ歯安定剤」を毎日使っていると、歯肉がこんにゃくのようにぐにゃぐにゃになってしまいます。なぜでしょうか?

入れ歯安定剤を使うと、今日はA、翌日は少しずれてBという具合に、入れ歯が安定する位置が毎日すこしずつ違ってきます。

すると、入れ歯の下の歯肉はいつも違った位置で力をくわえられる事になり、それが続くとぐにゃぐにゃしたこんにゃく状粘膜になってしまうのです。

そして最後には、入れ歯を支える土手のようなふくらみが無くなり、入れ歯自体もはめられなくなってしまいます。

安定剤の取り扱い説明書にも、よく見ると「長期の使用は歯ぐきに悪影響を与えるかもしれません」と書いてあります。

入れ歯は正しい位置に付けて同じように噛んでいると、歯肉がマッサージされ引き締まってきます。安定剤はやめて、きちんとした入れ歯で、歯肉を健康にしましょう。

少し付け足しなのですが、やはり入れ歯安定剤は、あまり歯肉や歯肉を支える骨に良い影響は与えないみたいです。

大学に在籍していたとき、この安定剤を麻薬のように使い続ける患者さんがいました。合わない入れ歯をこの安定剤で無理矢理歯肉に押しつけるので、骨が吸収してしまうのです。

入れ歯は歯肉の中の骨の量が多ければ多いほど、はずれにくい入れ歯になります。しかし、骨が吸収してしまう事により、上記に書いたようなこんにゃく状顎提(フラビーガムといいます)になってしまいます。

しかし、顎にぴったり合っている良い状態の入れ歯に使用すると、非常に優れた威力を発揮します。安定剤を使用する場合は、一度、歯科医で入れ歯の調整を行ってからの方が良いかもしれません。

2007年3月 5日 (月)

咀嚼を身につけるには訓練が必要?

本日は、「噛み合わせと顎関節症の治療と予防 志賀泰昭著 日東書院」からのエッセイをお届けします。

咀嚼を身につけるには訓練が必要

植物は、太陽エネルギーと窒素、リン酸、カリなどの無機質を取り入れて、生育に必要な栄養を自ら作り出す事が出来ます。

しかし、それが出来ない動物は、植物や他の動物を食べる事で生命維持に必要な栄養を得ています。

人の場合には食べ物を丸呑み出来ないので、咀嚼します。そして咀嚼の主役は歯ですが、歯だけでは咀嚼はできません。咀嚼は、歯のほかに舌、唇、下の顎と顎関節、多くの筋肉など口腔とその周辺の器官が関わる複雑なシステムなのです。

この複雑な咀嚼システムは、海に住んでいた脊椎動物が上陸して哺乳類に進化する過程で成立したものです。

上陸する前の脊椎動物は、口から吸い込んだ水に含まれている酸素をエラの血管で取り込んでいました。

しかし、上陸後の脊椎動物は、口に吸い込んだ空気を肺に送り、そこで酸素を取り込まなければなりません。エラ呼吸から肺呼吸に変化したのです。

これによって口の中に仕切り(口蓋)が出来て、口腔と鼻腔が分離しました。つまり、呼吸は鼻腔と肺で行い、口腔は摂食に専念出来るようになったわけです。

また、餌をしっかりくわえるために、強くてよく動く顎が発達しました。上陸したばかりの脊椎動物にとって、陸上は海に比べて環境が厳しかったので、以前よりも多くの酸素と栄養を獲得する必要があったのです。

このように、口腔はいち早く環境に適応して進化を先導下のです。

顎を発達して咀嚼運動をするようになると、脳の分化も進みました。また、眼、鼻、耳といった感覚器官は餌を発見するために鋭敏さをまして、脳に情報を送りました。口腔もまた、餌と異物を区別する感覚器官として、情報を脳に送るようになりました。このように多くの情報で刺激されることで脳は発達しました。

呼吸は生まれてすぐに本能的に行われますが、中枢神経と咀嚼器官の連携によって行われる咀嚼運動は、学習によって身につける必要があります。

咀嚼運動の学習は、まず授乳期の吸綴運動からスタートし、乳歯が生えそろう2歳半ころから食事によって本格的な訓練を始めます。また、咀嚼訓練によって咀嚼器官自体が発達するので、この時期によく咀嚼することはますます重要なことが分かります。

2007年3月 4日 (日)

新規開業

先月、10年ぶりに大学の同窓会があった事は既にこのブログで書きました。

そこでは、多くの友人が集まったのですが、年代が近く、気心が知れているためか、情報交換が多く行われていました。

その中で私が一番よく質問されたのが、開業に関する事でした。

開業するにも2つのタイプがありました。お父さんやご家族と今まで一緒にお仕事をされて来たけれど、この度晴れて独り立ちするという先生、今まで開業医や病院に勤めていたけれど、退職し、開業するという先生。

私も開業して4年目に入りましたが、4年前の事を思い出すと冷や汗がでます。開業と言うのは本当に大変でした。多くの時間と労力、多くの方の手助けが無いととても一人で解決出来るものではありません。

正直、もう一回はじめからやり直せと言われたら、歯医者辞めるかもしせません。そのくらい大変でした。

開業に関しては、自分がすべてにおいて監督なわけです。資金繰りから開業地の選択、何百何万とある歯科材料の選択に始まり、玄関にひくフロアマット、トイレのドアノブまで全部自分で決めるのです。

開業して1週間くらいは、患者さんを診察しながら、あれがない、これがないの繰り返しで、しまいには、「先生、これどうするのですか?」と私も分からない質問までされる始末。

そんなに大変な開業をこれからなさる先生方には、心からがんばって欲しいと思いますし、私も出来るだけ協力したいと思っています。

しろくま歯科医院も新規開業医とまではいきませんが、今年から、新しい診療科目をどんどん増やす予定です。既に下準備も出来ていて、後はHPにどんどん紹介するまでになっています。

今は、毎日HPをリニューアルすべく毎日がんばっているところです。

ご期待ください。

2007年3月 3日 (土)

中では何をしているの?

私の歯科医院は、ユニットといわれる歯科治療台が4台あります。

そのうち、日常で稼働しているのが3台です。1台は、緊急用かオペに使用しています。

いつも稼働している一番奥のユニットは、技巧室と隣り合わせになっているのです。

技巧室の壁は一面ガラス張りになっているため、中で技工士さんが働く様子を見る事ができます。

昨日の事です。

午後の診療が始まってすぐの事。一番奥のユニットに座っていた男の子がじーっとガラス越しに技巧室の中を凝視しているのです。

「中が気になる?」声をかけてみました。

恥ずかしそうにうなずく男の子。

「それじゃ、治療が終わったら、お兄さんに頼んで中を見せてもらおうか?」

男の子は、恥ずかしそうにまた大きくうなずきました。

写真は、中を見学している男の子と技工士さんとの2ショットです。372

その直後、このブログにもよくコメントしてくれるマボさんから、白熊のフィギアをプレゼントして貰いました。

なんでも、ぽら之介にそっくりなんだそうだ。374

ぽら之介良かったね。

2007年3月 2日 (金)

歯を支える構造とは

我々人間はほ乳類です。そのため、歯を支える構造は歯槽骨というソケットに歯が植え込まれた状態になっています。

ちなみに爬虫類や両生類や魚類の歯は顎骨から直接生えています。

歯肉から出ている部分を歯冠といい、その表面は人体で最も硬いエナメル質で覆われています。

歯肉に埋もれて目で見えない部分を歯根といい、その表面はセメント質で覆われています。エナメル質とセメント質の内側は象牙質で出来ています。

エナメル質もセメント質も象牙質も骨と同じ硬タンパク質のコラーゲンとハイドロキシアパタイトが主成分です。ただし、乳歯のエナメル質と象牙質は薄いので虫歯になりやすいです。

象牙質の内側には歯髄腔という空間があり、多くの神経と血管からなる歯髄が詰まっています。この歯髄腔は歯細管を介して、歯根膜(歯周靱帯)につながっています。セメント質と歯槽骨の間を埋めているのが歯根膜です。

歯根膜には、多くの毛細管と歯髄につながっている神経繊維が分布しています。この神経繊維は歯が受ける様々な刺激を感知するセンサーであり、その情報を脳に伝えています。歯と歯の隙間にごく小さな食べかすが挟まっているだけで気になるのは、鋭敏な歯根膜の神経繊維がそれを感知しているからです。

歯根膜は、コラーゲンを主な成分とする厚さ約0.2ミリという薄い結合組織ですが、咀嚼によって歯に加わる力を周囲にほぼ均等に分散して和らげるクッションの役割もしています。

参考文献 噛み合わせと顎関節症の治療と予防 志賀泰昭著 日東書院

2007年3月 1日 (木)

一人で悩んではいけない

昨日、どうしても解決しない問題が発生。

体は太いが、心は細い私は、ぽきっと折れそうになっていました。

そこで、10年来の友人へメール。

ついで、今まで逢ったことはありませんが、歯科コンサルタントと言われる方へもメールしました。

すぐに二人とも返事をくれました。

しかも二人とも同じ答えだったのです。

つまり、誰が考えてもこの答えしか無かったのです。

私も同じ質問を友人から受けていたら、こう答えていたのでしょう。

悩むと、先が見えなくなり、自分を見失うものだと痛感。

今後は、どんどん相談して問題を一人で解決しないようにしようと思いました。