しろくま歯科医院 WEBサイトへ

しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
毎日のケアについてのアドバイスを載せていきます。
calender

2024年3月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
AED
当院では、心停止の救命措置に必要なAED(自動体外式除細動器)を設置しております。

最近のトラックバック

アーカイブ

リンク



« 咬合関連症候群4 | メイン | 連夜の咬合研究 »

2007年12月 4日 (火)

咬合関連症候群5

昨日の続きです。難しい話が連日続きますが、本日が最後ですcoldsweats01

聴力はかみ合わせセンサー

いままでは耳鼻科の聴力測定法について述べましたが、これからは歯科での聴力の測定、聴力の変化からみた「かみ合わせ」の状況に変化について述べることになります。

臨床においてさまざまな症例や統計分析から聴力は顎の運動に対応して、即時、変化するということが分かったのです。

つまり、聴力はかみ合わせのセンサーということは、かみ合わせの機能の良否を数値的な判断によって行えるものが聴力であるという考え方です。

良い「かみ合わせ」は、良い「聴力」値となり、悪い「かみ合わせ」は、悪い「聴力」となります。

そのことから、歯科治療より「かみ合わせ」を改善し、悪いかみ合わせをよいバランスのかみ合わせに改善させ、さらに、かみ合わせの訓練が必要になるのです。それにより、良い聴力値になり、よい口腔環境になり、加えてからだ全体の健康に結びついていくことになります。

かみ合わせ訓練前後の聴力の変化では、奥で噛む傾向のある人は、噛んでいない部分で噛む練習を重ねることによって、聴力の左右の均等化が起こります。

聴力をセンサーとしたかみ合わせで、聴力を測定する歯科専門のかみ合わせバランス測定器「咬聴計」が開発されました。また、その他のかみ合わせを視覚的に判定するものとしてオクルーザーという機器があります。

それは上下顎の物理的なかみ合わせの接触状態を計測する測定器で、「咬聴計」による聴力改善時のデータと比較することで、さらにかみ合わせバランスの状況が改善していることを客観的に確認することができます。

つまり、聴力改善時のオクルーザルのデータは左右バランスおよび前後バランスの中心点が一致することが多いことがわかりました。

聴力のデータとオクルーザルのデータを加えることで、このあたりのバランスの良否の判定を科学的に計測することが可能となりました。

いままでの研究や臨床経験から、聴力は「かみ合わせ」部位に対応していることがわかりました。

125ヘルツから250ヘルツの低周波あたりは「大臼歯部」に対応し、500、1000,2000ヘルツあたりは「小臼歯部」に対応しています。

また、4000ヘルツから8000ヘルツ辺りは、「前歯部」に対応しています。ですから歯科用「咬聴計」の場合、周波数で分けられていた数値が対応部位大臼歯部、小臼歯部、前歯部と3つの領域に区別され、確認することが出来ます。

それで、咀嚼運動を行うことによって、聴力低下部位の向上による左右差の減少がおきます。つまり、左右差がなくなり、均等化してくるというわけです。

具体的には、低い周波数から高い周波数までの聴力の水平化をイコライジング効果といいます。測定では、聴力は普通に聞こえれば良いのです。聞こえないのも良くないし、聞こえすぎるというのも、異常値になります。ですから、マイナス10デシベルから30デシベルくらいの値が正常値になります。

つまり、聴力を見ることによって、かみ合わせ状況がよいか、悪いかということが分かり、歯科治療による「かみ合わせ」に回復と咀嚼指導がいかに必要かということが分かるのです。

かみぐせにならないために

ここで「かみぐせ」の発生はどのような時に起きるかということについて述べたいと思います。

  1. 歯の萌出期間(乳歯から永久歯の交換期)にまず起きます。
  2. 食べ物の好み(奥歯で食品を噛む食品を好むか、前歯で噛む食べ物を好むか)
  3. 右利きか左利きか(右利きの場合、右手でお箸を持ち、最初に食べ物が届くところは左の奥歯で、その奥歯で噛むことが通常多く、日本人の特徴になります。これは私見ですが、聴力を採りますと、左側の低周波帯の聴力が低下している人が多く見られ、日本人など、箸を使って食べることが多い人々に多い事が挙げられます。また、フォーク、ナイフを使用の場合は、左手でフォークを持ちますので、最初に噛むのは通常右の奥歯になります。しかし、右手でフォークを持つというケースもありますので、フォーク、ナイフ、の方が左右差のバランスが良いように思います。また、ハンバーガーなど西洋料理は前の歯で噛む料理もありますのでバランス良く食べる食事がおおいのではないかと思います。
  4. 歯科疾患(歯が抜けている、および痛みがある場合)
  5. かみ合わせ状態(正常か不正咬合か)
  6. 生活状況(緊張した生活をしていて、食いしばりが発生するかによって、かみ合わせが変わります)
  7. スポーツなどの関係(力を入れる場合、噛む箇所が普段と異なります。瞬発力を感じる箇所が普段とことなります。その箇所で食いしばることで噛みぐせが発生することがあります。

今回、5日間に渡り、長坂先生の著書からの引用を用いましたが、これには理由があります。

最近、私の患者さんで、かみ合わせの治療を続けていた所、聴力が上がり、耳鼻科の治療が非常にうまくいく患者さんが続出しているのです。

解剖学的な理由と自分自身勉強したいという気持ちが強く合ったために、今回かみ合わせと聴力の関係を詳しくブログに書いた次第です。

私自身、自分の治療にさらに強い確信がもてましたし、今後も患者さん力になれるのではと思いました。

参考文献 アンチエイジング かみ合わせ力 長坂 斉著 アートダイジェスト

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/161388/10744857

このページへのトラックバック一覧: 咬合関連症候群5

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。