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2007年12月24日 (月)

顎関節症を考える1

本日は、木野先生、杉崎先生、和気先生の共著である「顎関節症で困ったら」からお伝えします。

日本人の二人に1人は顎関節症?

家族や友達と会話しながら、ピーナッツをポリポリ、おせんべいをボリボリ。

よくある光景ですね。そんな時に、顎がだるくなったり、疲れてしまったことはないですか?そのだるさがひどくなって、「顎に痛みを感じる」とか「口が開けずらい」という人は、顎関節症にかかっているかもしれません。

顎関節症は、このような日常生活のちょっとしたタイミングで起きてしまうことがある病気です。

ちょっとしたことで起きてしまうだけでなく、実は顎関節症はそんなに珍しい病気ではありません。まだまだ聞き慣れない方もいらっしゃると思いますが、顎関節症はごくありふれた病気で、軽い症状を含めると、なんと日本の人口の半数はその経験があるのではないかと言われています。そんなにたくさんの人がかかっているのなら、もっと病名が知られていたり、もっと身の回りに患者さんがいてもよさそうなものです。でもそうでもないのは、顎関節症で現れる症状が、顎関節症に限ったものとは言えないことに原因があります。

1950年代に決められた初期の頃の定義では、「カクカク」という雑音、口があけずらい、顎が痛い、のうちのひとつの症状があれば顎関節症と診断することになっています。

しかし、口が開けにくかったり痛かったりという症状は、他に原因があっても起こりえるものです。そのため、この症状だけでは顎関節症だと診断しにくいという事情がありました。

加えて、顎関節症は、放っておいても自然に症状が消えてしまうという特徴があります。

例えば、硬いものを噛んで顎に痛みがあったときは、しばらく軟らかい食事に変えてみたり、自分でマッサージをしているうちに痛みがとれてしまうことがあるのです。ですから、一時的に症状があっても、総ての人が病院や歯科医院にかかっているわけではありません。

このようなことから、昔から多くの人がかかっていると推測される病気でありながら、最近になって注目されるまで、あまり知られない病気だったわけです。

思いがけないささいな事も顎関節症の原因に

「硬いものを食べたら、顎が疲れるのは当然。病気だなんて、大げさでは?」と思う人もいるでしょう。しかし、顎関節症は運動をした後に疲れを感じるような単なる筋肉痛とは違います。

顎を酷使したわけでもなく、もっと些細なことで顎関節症になった例をご紹介しましょう。

ある人は、会社でパソコンを導入したてのころ、早くパソコンを覚えようと熱中していました。4~5時間もパソコンと格闘し、ようやく昼食を食べようとすると、口を大きく開けることが出来ません。かみ合わせもおかしいような気がします。しかし、数回噛んでいるうちに症状は治まってしまいました。

こんなことが続いたのですが、これは顎関節症でした。おそらく、覚えたてのパソコンと格闘しているうちに、知らず知らず歯を食いしばっていたのが原因でしょう。

またある人は、初めて飛行機に乗ったときに、しばらくしてジーンとした耳の痛みを感じました。気圧のせいで起こった症状だろうと思っていたのですが、一向に治まる気配がありません。治まるどころか、痛みはどんどんひどくなり、その範囲も顎の後ろの方まで広がってしまいました。結局、痛みが消えたのは飛行機から降りてしばらくしてからでした。これも初めて飛行機搭乗体験で緊張していたため、歯を食いしばっていたものと思われます。

中学生のころに、顎を開け閉めするとカクンカクンという音が鳴るようになって、面白がって良く鳴らしていたという人もいますが、これも顎関節症なのです。

毎週日曜日のテニスの後、どうも口が開きにくくなる人、長い会議のあった日は夕方になると顎の痛みが強くなるという人もいましたが、これも顎関節症です。

この程度の事で・・・・・などと思わないでください。それに、口があけずらかったり、痛みが伴ったりするのであれば、日常生活にも支障をきたすことになりますから、それらの症状を取り除く必要があります。

痛みには必ずその原因があるのですし、発症のメカニズムなど詳しいことは後で述べます。顎関節症は立派な病気なのです。

明日へ続きます。

参考文献 顎関節症で困ったら 木野孔司 杉崎正志 和気裕之共著 砂書房

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