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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
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2006年5月22日 (月)

歯石を取ってみよう2

昨日の続きから入ります。

昨日、歯周病は生活習慣病と思われているが、実は「感染症」という話を書きました。

そのことをふまえて、本題に入ります。

・感染症の原因菌(歯周病原菌)

歯周病には2つの感染経路があります。

  1. 誰もが持っている(内因性)の細菌に、防御力の低下した時に日和見感染として発症する場合。
  2. 本来健康な人には存在しない細菌が、人から人へと感染して発症する場合

*若年性(若い人が感染してしまう)歯周炎の原因菌とされるA.a(Actinobacillus actinomycetemcomitans)という菌は、思春期の頃両親から感染します。

また、P.g(Porphyromonau gingivalis)という菌は、感染するためには最低10数年の接触が必要とされています。またこの菌には夫婦間の感染もあることが報告されています。

歯周病そのものは遺伝するものではありませんが、家庭環境や歯周病を進行させやすい素因の存在(口移し、同じスプーンを使うなど)は無視できません。家族全体の診査や治療が必要なのは、このような理由によるものです。

・症状が重くなる場合の2パターン

・非常に病原性の強い細菌に感染した場合

煙草も吸わず、糖尿病のような全身性疾患もなく、生体の抵抗力も特に低くないのに、歯周炎になる場合もあります。通常の抵抗力を上回る非常に強い細菌に感染した場合です。早期発現型歯周炎はこれにあたります。

・抵抗力が極めて低い場合

誰もが持っているような細菌でも、重い歯周炎を引き起こすことがあります。身体や歯周組織の抵抗力が、他の人より低くなっている場合です。その原因となるものを危険因子(リスクファクター)といいます。

・歯周病の進行を止めるには

歯周病の進行を停止させるには、まずプラーク(歯垢・リスクファクター)を出来るだけ取り除き(プラークコントロール)、歯周病原菌を減少させなくてはなりません。

同時に患者さんの局所的、全身的な危険因子を取り除いたり、改善することによって、生体の防御力を強めることも必要です。

毎日の生活リズムを規則正しくし、ストレスの少ない生活環境を作ることも大切です。ストレスが多いと唾液の分泌量が減少し、その結果唾液中の免疫物質が十分働かなくなるからです。十分な唾液の分泌は、虫歯や歯周病の予防に重要な役割を果たし、口腔の健康増進に大きく影響いたします。

前回と2回に分けて歯周病治療の意味を解説してきましたが、次回はいよいよ歯石除去に入ります。バイオフィルムという強敵も現れます。これは手強そうです。

参考文献 やさしい説明、上手な治療(2)歯周治療 末永書店

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家庭では食後の歯磨き、しっかりでしようか。
それと、時々の検診ですね。

by ティース | 2006/05/22 16:16:40

しろくま歯科医院のHPを拝見させていただきました。とてもよくできていて感銘しました。自分も歯科医師2年目のDrですが是非非常勤で働きたいと思いました。とても勝手な事とは思いますが良かったらお考えください。よろしくお願い致します。


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