口臭とは
本日は川口陽子先生監修の『「息さわやか」の科学』よりお届けいたします。
◇口臭とは
口臭とは、呼吸や会話をする時に口からでる息が第三者にとって不快に感じられる臭いです。重要なのは、自分ではなく第三者が不快に感じるかどうかです。
口臭の診断名は、医学用語では「ハリトーシス(Halitosis)」と表現します。その語源は、“息”を意味するラテン語の「halitus」と“異常な状態”を意味するギリシャ語の「-osis」であると、考えられています。
口臭のことを、英語では「バッドブレス(Bad breath)」といいます。まず、非常に口臭が強い人を、「ドラゴンブレス(Dragon breth)」や「ドラゴンマウス(Dragon mouth)」と表現することもあります。
ドラゴン(竜)が火を吹くように、口から強烈な臭いを発する人は、周囲の人々に敬遠されています。
ロビンソン・クルーソーのように、他人との接触が全くない無人島に、たった一人で生活しているのであれば、どんなに口が臭っても、口臭を病気として意識することはないでしょう。また、動物であるならば、自分の口臭について悩むことはないでしょう。
集団で社会生活を営んでいる人間だからこそ、口臭が深刻な悩み、苦しみとなるのです。
口臭は、人間が社会生活を送るための基本となるコミュニケーションに支障をきたします。「自分に口臭があるせいで、人に迷惑をかけている」といつも気にしていると、心理的に不安になり、だんだん行動が消極的になっていく、ということもよくあるのです。
また、口臭の発生には、口の中の不潔な状態や病気、鼻などの病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気など、多くの原因が複雑に影響している場合があります。
口臭の原因の90%以上は、口の中と関係があります。ですから、口臭が気になったら、まずは歯科医院で診てもらってください。最近は、大学病院を中心に、口臭の質や強さを化学的に分析し、診断を行ってその原因を突き止め、口臭の予防法をアドバイスしたり、必要な治療を行ったりするところが増えてきています。
参考文献 「息さわやか」の科学 川口陽子著 明治書院
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