歯に大きな穴が開いたときの治療~乳歯編~
本日は、熊谷先生と医療ジャーナリストである秋元秀俊さんの『徹底解剖 むし歯・歯周病~「一生笑顔」を約束する新しい歯科の知識~よりお届けいたします。
◇乳歯のむし歯は取り返せる
さて、むし歯がひどくなり、大きな穴があいてしまったら、どうしたらいいでしょう。
まず乳歯についての話です。乳歯は軟らかく、簡単にすり減るうえに、対酸性が低いので簡単にむし歯になってしまいます。そのうえいったんむし歯になると、あっという間にひどくなり、口中至る所がむし歯になったり、歯がすっかりなくなるまでひどくなることもあります。
また、その間も子どもの顎はぐんぐん成長するので、乳歯のひどいむし歯は大人になってからの歯並びにも影響します。
乳歯がむし歯になってしまった場合には、見かけを治すことよりも、ここでむし歯をつくってしまうリスクをコントロールし、いずれ生えてくる永久歯をむし歯にしないことのほうが大切です。
乳歯は米粒のように小さいので、精密な治療はとてもむずかしい上に、子どもをむし歯治療に協力させるんは至難の業です。
そして、乳歯はいつか永久歯に生え変わる歯ですから、仮にむし歯をつくってしまっても、取り返しのつかない失敗ではありません。
ですから乳歯がむし歯になった場合には、とりあえず痛みを無くした上でリスクコントロールを徹底し、永久歯に悪い影響が出ないようにすることがキーポイントになります。
明日は永久歯編です。
参考文献 徹底解剖 むし歯・歯周病~「一生笑顔」を約束する新しい歯科の知識~ 熊谷崇 秋元秀俊 共著 法研
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