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しろくま先生のブログ
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2010年1月28日 (木)

『インプラント使い回し』について考えること

1月29日の週間朝日にスクープ記事として、『インプラント使い回し』の記事が出ていました。テレビ等でも大々的に報道されていましたので、知っている方も多いかもしれません。

その記事の内容は大まかにいえば、こういう事になります。

「埋めたインプラントが骨にくっつかず、抜ける場合があります。関歯科ではそのインプラントを洗い、消毒して、滅菌バッグに封入します。それをストックして、他の患者さんに使っていました。」

つまり、患者の骨に埋めて抜けたインプラントを、他の患者の骨に埋めるために、使い回していたというのだ。告発した助手Aの方によると、新品のインプラントを出したものの、太さや長さが合わないときにはそれをケースに戻して、使い回しのインプラントを埋めることが多かったという。

同じく勤務経験のあるBさんは「洗浄、消毒したいっても明らかに不潔なものが多かった」と話す。

「数週間前に治療して抜けた患者さんのインプラントもストックするように関院長から指示されました。洗うからといっても、台所洗剤の「ママレモン」で他の治療器具と一緒に洗いますから、汚れを取りきれず、タンパクのような付着物が残っているものもたくさんありました。とても不潔そうでした。」

実は、この関院長のブログは2年ほど前からたまに読んでいました。すごくインプラントの埋入本数が多く、一日の来院患者数もすごく多くて、いつも関心していたのです。この院長はとても尊敬されていて、インプラント希望者が多いのだろうなと、感心していたのです。しかも、良いインプラントを使用しているのに、信じられない安さを実現している。

インプラントは基本的に患者さんとの話し合いが非常に大事なのです。1本埋入するのでも、念入りに歯牙や骨の状態を整え、本当に入れ歯では対応出来ないのかなど、何度も何度もカウンセリングを重ね、手術を行うものなのです。

それに、インプラントが一番嫌うものが、タンパク質の変性です。昔、手術中にインプラントに術者の汗(タンパク質)が落ちたのを見たことがあります。その時の対応としては、いったん手術を中止して、患者の口腔内をもう一度清掃しなおし、まったく新しいインプラントを入れました。そのくらい、インプラントは他人のタンパク質を嫌うのです。それが、今回の話では、他人の骨片の付いたインプラントを埋入するなんて・・・・。ここにインプラント手術の低価格の秘密があったのかもしれません。

また、ほかのインターネットを探したら、関歯科についてのその後対応に関する記事も見つけました。以下に添付します。

◇東日新聞~豊橋のインプラント問題広がる

インプラント(人工歯根)の使い回し疑惑が浮上している豊橋市南大清水町、関歯科クリニック(関志乃武院長)問題で、豊橋市歯科医師会(豊橋市三ノ輪町、朽名正也会長)には連日、同院でインプラント埋入を受けた患者から心配する相談電話が相次ぎ、対応に追われている。

 歯科医師会は、理事ら7人による「インプラント対策委員会」を設置。会員には、患者が同院から転院してきた場合、きちっと対応するように通達を出した。

 相談件数は、告発記者会見翌日の20日に25件。21日に29件、22日は午後5時までに36件あり、日に日に増えている。

 電話相談は日中、歯科医師会事務局が受け、相談者の氏名や連絡先などをいったん控える。その後、診療を終えた同委員会の歯科医師が、午後8時ごろから歯科医師会館に集まり、あらためて相談者に電話を掛け、相談に応じるようにしている。合間には対策会議を開き、今後の対応を協議するなど、てんてこ舞いだ。

 相談内容は「何の説明もなくインプラントを埋入された」というものがほとんどだ。「とりあえず相談に行ったつもりが、いきなり麻酔を打たれた。『検査のためかな』と思っていたら、『はい、(インプラントを)入れておきました』と関院長に言われ、治療費を請求された」というもの。

 「(同様の手口でインプラントを入れられ)治療費を請求されたが、お金の用意がなく、そのまま通院を止めて未払いになっているが、払わなければいけないのか」というものも複数あったという。

 相談者に共通するのは「もう(関歯科には)戻りたくないが、ほかで診てもらえるのか」という問い合わせだ。

 対応に当たる歯科医は「この先、相談件数がどれだけ増えるのかは、全く予想できない。でもやるしかない」と早くも疲労感をにじませる。
 木下洋専務理事は「体の不調に対する治療はもちろんだが、相談者は最も精神的なケアを必要としている。不安を取り除くことを最優先して対応に当たりたい」と話す。

 歯科医師会の相談窓口は、電話0532(62)1565=まで。受付時間は午前8時45分から午後5時まで。

この関院長は患者の同意も得ずにインプラントの埋入を独断で行っていた形跡もあります。インプラント治療はとても優れた治療法だけに、今後インプラント治療を検討していた患者さんに悪い影響を与えないかとても不安です。

私が現在教えを受けている三好先生は、万一の事を考え、1本のインプラントにサイズや長さの違うもの、同じものなど5本の余裕をもって手術に望まれています。どんな状況にも対応できるようにです。ここまでしっかり考えて手術を行うのが普通になりつつあります。歯科医師も命がけなのです。そのため、インプラント治療は多少高額になってしまう傾向にあるのです。しかし、安全と安心を手に入れるためにはしょうがないのかなとも思っています。

安すぎるインプラントと説明のない歯科医院には気をつけましょう。

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