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2008年1月12日 (土)

口から始めるアンチエイジング2

昨日の続きです。

本日も、斉藤教授の著書からお届けいたします。

老化のプロセス

老化のプロセスを見てみましょう。

私たち人間の体は、約60兆個の細胞で構成されています。目も、耳も、口も、手足も、すべて細胞から出来ていますが、細胞は分裂を繰り返しながら増殖しています。

細胞を構成する細胞膜や核などは、常に外部からの障害を受け傷つけられていますが、傷付けられながらも、多くの細胞は本来備わっている防御機構が働いてちゃんといけるわけです。

しかし、その防御機構は完全なものではありません。

中には重い障害を受けてしまう細胞もあります。障害を受けた細胞が年を取るとともに蓄積してしまうと、全身の機能にも悪影響を及ぼします。こうしたプロセスが進行することで、人間は老化していくのです。

このあたりの事を、もう少し詳しく見てみましょう。

現在、老化を促進する主因に「フリーラジカル説」が考えられます。フリーラジカルとは「不対電子」のことで、不安定な状態でも対になろうとするための反応性が強く、ラジカル(過激)な働きにより、近くにある物質とすぐに結合する習性があります。

私たちの一番身近にあるフリーラジカルは、酵素です。

大気中の酵素は不対電子を二個持っていて、それ自身は比較的安定しているのですが、生体内に取り込まれると、「活性酵素」に変化します。

よく、フリーラジカルを活性酵素と同じものと考える人がいますが、実際にはフリーラジカルの一つに活性酵素がある、ということになります。

酵素が体の中に入って活性酵素になると、いったいどんなことが起こるのでしょうか。

鉄が時間の経過とともに錆びたり、切ったリンゴを放置すると変色したり、使い古した油が黒く変色したりします。これらは酸化減少によるものです。これと同じ事が人間の体の中でも起こっているのです。細胞や組織を構成する核酸、タンパク質、糖質、脂質も、時間の経過とともに酸化し、劣化します。

酵素は私たち人間にとって必要不可欠である反面、体内では有害な生成物を発生させるのです。

人間のように、エネルギー生産に酵素を必要とする生物は、必然的に活性酵素を生じてしまいます。こうして肉体が酸化されていくのです。この世に生を受けた瞬間から休むことなく進行し、体の構成部分を酸化し、劣化させ続けています。

さらに、活性酵素はDNAを徐々に劣化させ、生活習慣病を始めとする多種多様の病気を発生させてしまいます。というのも、活性酵素は単独でも共同でも、あるいは相互反応によっても、体内のタンパク質、脂質、核酸、酵素などを攻撃するするからです。

特に著名なのは、細胞膜に対する攻撃です。細胞の一番外側にある細胞膜は、細胞と細胞を仕切っていますが、役割はそれだけではありません。

細胞間の情報伝達という重要な役割を持っています。つまり、外からの情報を受けて細胞内に伝えるというインターフェースとしての役割を担っているのです。また、生理活性物質の素材や酵素としての機能も持ち合わせています。

こうしてみると、細胞膜は単なる膜ではないことが分かります。「生命が誕生したときに最初に必要だったのが細胞膜」と言われるぐらい、重要な働きをしているのです。

細胞膜は不飽和脂肪酸で構成されますが、フリーラジカルによって簡単に攻撃されてしまい、毒性の強い過酸化脂質を生成してしまいます。

したがって、フリーラジカルによる攻撃は膜構造の破壊だけではなく、そこで働く受容体の機能にも障害を与えるわけです。

明日へ続きます。

参考文献 「現代病」ドライマウスを治す  斉藤一郎著 講談社

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