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2008年1月13日 (日)

口から始めるアンチエイジング3

昨日の続きです。

老化を促進するフリーラジカル

フリーラジカルは酵素だけではありません。例えば、大気汚染やタバコの煙などで問題になっている一酸化窒素(NO)もフリーラジカルの仲間です。また、放射線や紫外線、次亜塩素酸などもふくまれます。

これまでの説明で、ほとんどの人は「フリーラジカルは恐ろしい」という印象を抱きます。しかし、強い毒性を利用して、フリーラジカルを医療や日常の生活に役立てている面もあります。

例えば、放射線はガン治療に紫外線は殺菌灯に、次亜塩素酸はプールや歯科治療の際の消毒剤に、その殺菌作用が利用されています。有害なものを利用する人間の知恵といえるでしょう。

ところで、何の抵抗もせずに人間の体が活性酵素による攻撃を受けているのかというと、そうではありません。活性酵素の害から体を守る「酵素防御機構」というシステムが備わっているのです。その役割を担っているのは、細胞内にあるミトコンドリアです。

ミトコンドリアはそれ自身の中で、食べ物に含まれている水素と、呼吸によって体内に取り入れた酵素を使ってエネルギーを生産しています。その過程ですべての酵素を使い切れば問題ありません。ところが、数%の酵素はどうしても漏れだし、それが活性酵素となると考えられています。

もっとも、漏れだした活性酵素を捕まえるシステムも、体には備わっています。「フリーラジカルスカベンジャー」という坑酸化物による酸化防御機構です。

フリーラジカルスカベンジャーには、SOD(スーパーオキシドディスメーターゼ)、CAT(カタラーゼ)、GPO(グルタチオンペルオキシターゼ)といった抗酸化酵素やビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどがあります。

これらのフリーラジカルスカベンジャーは、スカベンジャー(掃除人)という名の通り、活性酵素の発生を抑えたり、すでに発生した活性酵素を消去したりする掃除人としての役目を担っているわけです。

こうした酸化防御機構がきちんと働いていれば体も酸化せず、したがって老化も進まないはずですが、実際には何らかの理由でフリーラジカルスカベンジャーの働きが弱まり、そのために体のあちこちが痛み始め、老化が進むと考えられています。

また、ミトコンドリアは細胞のDNAとは異なるDNAを持っています。現在はDNAの変異が老化の主因であるという説も有力視されています。それを裏付けるように、人為的にミトコンドリアDNAを操作したマウスは、そうでないマウスよりも明らかに寿命が短くなることが発表されています。これによって、DNAの変異が老化スピードを速めたと考える事が出来るわけです。

余談ですが、私たち人間の細胞はそれぞれDNAをもっていますが、細胞内にいるミトコンドリアも自分自身のDNAを持っているというのは不思議な感じがするのではないでしょうか。実は、ミトコンドリアは、もともと別の生命体の細胞内に入り込んで寄生した細菌だったと考えられています。

いずれにしても、ミトコンドリアは体に取り入れた酵素を取り扱っているのですから、体の酸化(老化)と深い関係があることは間違いありません。

そこで生じた活性酵素を始めとするフリーラジカルが、老化を考えるうえで重要なポイントになると言うわけです。

明日へ続きます。

参考文献 「現代病」ドライマウスを治す  斉藤一郎著 講談社

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