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2008年1月 5日 (土)

まだ、お正月気分が抜けませんが、アマルガムの話です。

本日のテキストは、藤井佳朗先生の著書からお届けいたします。

アマルガムの人体への影響

体に害を及ぼすものは、歯科医療の材料にも存在しています。その代表が歯に詰めるアマルガムです。

アマルガム中の有害な水銀の含有量は、約50%にのぼります。水銀含有量は長期間口の中に置かれると、少しずつ蒸発し、体の中に入っていきます。

熊本県水俣湾の例を挙げるまでもなく、水銀の毒性は広く社会に知られています。アマルガムを作製する歯科医師や歯科助手が水銀中毒にかかる事例は世界で報告されています。その水銀を含んだ詰め物が、歯に充填(抜けた歯や欠けた歯に歯科材料を使用して治療すること)されているのです。

歯科材料としてのアマルガムは、昔から安定した合金だと見なされ、歯の詰め物に使用されてきました。ところが、1800年代からその安全性は疑問視されており、1980年代頃からはアマルガムが健康に大きな影響を与えることが、世界中で次々と発表されてきました。

日本でもアマルガムの危険性は指摘され、難治性の疾病との関連性が報告されています。

ヨーロッパでも国によっては、こうした毒性の高いアマルガムに対し、使用を法律で禁止しています。

しかし、アメリカの歯科医師会ではアマルガムを安全であるとし、アマルガムを除去した医師の免許を剥奪した程です。

アメリカの歯科医師会がこうもアマルガムの安全性を主張する背景には、アメリカが訴訟社会であり、これまで広く使用し続けてきた歯科材料の危険性など口が裂けても言えないという事情があります。しかし、一方で「アマルガム治療の犠牲者の会」なるものも存在し、集団訴訟も起きています。

日本ではどうかというと、アマルガムによる治療は保険の適用になっています。つまり、国が承認する形で、様々な病気の原因となる危険な物質が歯に詰まられているのです。

もちろん、私はアマルガムを除去しても、詰めることはしていません。アマルガムを除去することでアトピー性皮膚炎をはじめ、さまざまな不定愁訴が表れている患者さんを治療して来たからです。

アマルガムの使用によって引き起こされる症状は、多岐にわたります。『口の中に潜む恐怖~アマルガム水銀中毒からの生還』(ダニースタインバーグ著 マキノ出版刊)によると、アメリカ、スウェーデン、デンマーク、カナダの患者さん(合計1569名)が訴える症状のトップ10は、疲労感、頭痛、視覚障害、ふさぎ込み、めまい、皮膚炎、注意散漫、物忘れ、舌のざらつき、胃腸障害となっています。

この報告では、患者さんのアマルガム除去後の快復率も示しています。アマルガム除去後の症状に快復率は平均で80%を超え、最も多い症状の疲労で86%、ふさぎ込みは91%、舌のざらつきは95%もの快復率を上げています。これは驚くべき結果と行って良いでしょう。アマルガムを口の中から取りさることによって、症状が回復する可能性がいかに高いかがわかります。

こうした危険性の高いアマルガムを、放置していいはずがありません。

日本でも多くの歯科医師が、アトピー性皮膚炎などの各種金属アレルギー、神経疾患、慢性症候群と歯科材料との関連を報告しています。さらに電磁波障害への関与も疑われています。

歯に詰めたアマルガムが、携帯電話などの電磁を吸収しやすくしているのではないかという意見もあるのです。

民主党の歯科医療改革案については、桜井充参議院議員は、2002年10月に、国会で歯科用水銀アマルガムに関する質問を提出しています。

日本におけるアマルガムの使用程度、水銀が口腔内で気化する可能性、アマルガム使用を禁止しない理由などについて質問したのです。ところが、厚生労働省の答弁では、アマルガムは毒物だが世界保健機構(WHO)主催の専門家会議(1997年)で、安全であると報告されているという理由から、禁止する予定はないという見解を示しました。

水銀は毒物だがアマルガムは毒物でないという人がいますが、これは誤りです。アマルガムは毒物と認定されています。

厚生労働省がWHO主催の専門家会議におけるアマルガムは安全という報告を支持しているとなると、安全な毒物がこの世に存在するという矛盾が生じます。

電磁波にしろ、水銀アマルガムにしろ見えない危険性を見て見ぬ振りするのではなく、解明していく努力をしなければいけないのです。

ちなみに、、1999年の薬事工業生産動態統計によると、歯科用水銀にお出荷量は64万3444グラムとなり、これに歯科アマルガム用合金に含まれる水銀の量を合わせると、1999年に歯科治療に用いられた水銀の量は、およそ700㌔グラムになると推定されています。現在アマルガムを使用する歯科医師は減少傾向を示していますが、今でも数千万人の日本人の口の中にアマルガムが存在していると考えられます。

参考文献 歯科からの医療革命 藤井佳朗著 現代書林

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