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2008年1月30日 (水)

インプラント治療が制限されるケース1

今回は、増岡健司先生がお書きになった「絶対失敗しないインプラント」からお届けいたします。

治療が制限される可能性のあるケース 1

これまで、インプラント治療に関してプラスとなる情報が多かったのですが、インプラントにも課題となる問題があります。

入れ歯やブリッジなど従来の治療方と比べると、どうしてもメリットの多さが目立つインプラント治療ですが、「インプラントにはデメリットはないのでしょうか?」と質問されることもあります。

インプラントの治療のすべてを知ってもらうためにも、あらゆる面から説明をしたいと思います。インプラントの良い面、悪い面も理解した上で治療を希望するかどうかを決定するのも選択方法の一つだと私は思います。

さて、まずはインプラントの治療が制限される可能性のあるケースについて説明しましょう。

①年齢制限について

インプラントの治療に年齢の上限の制限は無いといっていいでしょう。実際の年齢よりも重要なのは口腔内と身体の健康状態です。高齢の方でも口腔内と身体が健康であればインプラントの治療は可能でしょう。逆に若年齢の場合には、骨や歯の成長が終わった時点で可能になるので一般的にいって18歳前後からインプラントの治療は可能ということになると思います。つまり、成長が終わっていて健康に安全に手術が受けられる方なら、年齢を問わずインプラントの治療は可能になるでしょう。

ただし、インプラントの「寿命」についても頭の片隅に置いておかなければならないことも事実だと思います。

インプラント本体はチタン製で耐久性に優れているので理論上は半永久的に持つものとされています。ただし、たとえば60歳の方にインプラントを装着した場合と20歳の方にインプラントを装着した場合では、両者がそれぞれ80歳になった時点でのインプラントの疲労度は異なると考える方が自然でしょう。

この事に関しては、今後もさらにいろいろな臨床の結果が報告されると思います。少なくとも現段階では、健康な歯を削るブリッジよりも、隣接する歯に負担がかからないインプラントを選択する方法が支持されています。

②金属アレルギー

金属が体内で溶け出すことによってタンパク質と結合して抗体となってアレルギー反応を起こすことが考えられているのが金属アレルギーです。

水銀、ニッケル、コバルト、スズ、パラジウム、金などで発生するケースが多いと言われています。

インプラントの材料であるチタンはどうでしょう。純チタン製のインプラントの場合、正確にいうと純チタンと骨が結合するのではなく、純チタンの周囲に出来た何重もの酸化膜と骨の結合です。ですから、チタンが体に溶け出すことはあり得ません。

万が一、体内にへ入ったとしても心配はないといわれています。現在は歯科医療の領域をこえて人工心臓や人工関節にも使用されているチタンですが、極めて金属アレルギーを起こしにくい金属であることは間違いありません。どうしても心配な方は皮膚科やアレルギー外来で、チタンのアレルギー反応を検査してもらうのもいいでしょう。

③骨粗鬆症

日本には約1000万人以上が患っているといわれ、中高年に多い病気の一つである骨粗鬆症には、骨に小さな穴が多数開いてしまう状態のことです。

患者の多くは女性で、実際には骨量が低下して骨が弱くなることで骨折しやすくなると言われています。インプラントの治療をスタートさせる前には、治療を受ける方の骨の状態を十分に検査します。

骨粗鬆症のみならず骨量がすくなかったり、歯周病が原因で骨が溶けてなくなっていたりする方でもGBR法やGTR法といった何らかの策を講じることによってインプラントの治療は可能になります。

④妊娠

インプラントの治療に直接影響があるというよりは、治療に際して必要になるレントゲンや麻酔に対する懸念から「妊娠中は治療は控えた方がいいでしょう」というように一般的にいわれています。虫歯や歯周病の治療で継続して歯科医院に通っている方や、個人的な事情のあるケースもあり、ひとりひとり状況は異なりますので、まずは一度、担当医に詳しく相談してみましょう。

明日へ続きます。

参考文献 絶対失敗しないインプラント 増岡健司著 廣済堂

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