2月1日のブログの続きです。
麻酔の勉強会へ来ているのですが、先生が衝撃の「午後には受講の先生にお互い麻酔を打ち合ってもらいます。」という血圧がぐーんと上がってしまう話を聞いた後、午前中の講義に入りました。
講義の内容は以下の通りです。
- なぜ、歯科の麻酔は痛いのかについて
- 完全に無痛下での局所麻酔を行うためには
- 麻酔効果を高めるポイント
- 偶発事故を防ぐために歯科医師が最低限しなければならないこと(バイタルサインの正確な測定)
私は、講義を真剣に聞いてはいましたが、心は完全に上の空。午後の麻酔の実習の事ばかり考えてしまいました。
午前の最後には、正確な血圧のはかり方の実習があり、お互いに血圧を測り合いました。緊張しているためか、少し高めでした。
午前の講義は、かなりの時間がオーバーしてしまい、昼食はかきこむ様に食べました。
午後に入り、いよいよ麻酔実習です。
お互いにペアになる先生を決めて、複数回づつ麻酔を打ち合います。その間、血圧測定器を装着したままで行います。
最初はわざと痛く打つように指示されます。次は電動麻酔器を用いて麻酔を行い、最後は笑気というガスと表面麻酔を用いて麻酔を行います。
私は、気持ちの中で、「どうせやって貰うなら、最初に麻酔をして貰おう」と心に誓いました。イヤな物は最初にやる性格なのです。
そうしたら、「先生、私に最初に打ってください」
「あ・・・・・。(先に言われてしまった)・・・はい。」
これは、もう言った者勝ちみたいな所があるので、もうしょうがないです。
先生の注意の後に、いよいよ実習が始まりました。
最初は、痛い打ち方での麻酔、続いて電動式注射器を用いて行い、最後は表面麻酔を施したあと、笑気ガスによる麻酔を行いました。
最初の麻酔をする時なのですが、いつもの癖で、ゆっくり優しく注射してしまっていました。先生が後方から、「もっと早く打って!」と注意が飛びます。
(だって、痛く打ったら、痛く打たれ返される!!)実習よりも自分の事ばかり考える自分が本当にイヤになります。
無事に最後まで麻酔を打ち終わりました。
今度は私が麻酔を打たれる番です。
もう心臓はフルスロットルでバクバクしています。
腕にはめた血圧計もどんどん急上昇。
最初はわざと痛く麻酔を打たれます。
「じゃあ、先生いきますよ」
「は、はい。」
歯肉の針が触れるのが分かります。次の瞬間、グググ・・・という感触のあとギューンという痛みが出てきました。(あ、本気ですか?)
「い、いた・・・」
本当に勢いよく注射を打つと痛いんです。
次は、電動注射器を用いた麻酔です。
今度は、見ていると辛いので、目をつむっていることにしました。
「はい、終わりました」
「え、終わったんですか?」
「はい、終わりました」
針が少し触れたのは気が付いたのですが、刺されたり、薬液を注入するのは全く気が付きませんでした。
最後は笑気を吸入しながら、表面麻酔を施して麻酔を打ちます。
笑気をすいながら、だんだんと手足が軽くなっていくのが分かります。ちょうど眠る前のまどろみの様です。5分ほど笑気をすったのですが、すっかり麻酔の恐怖が無くなって行きました。
うとうとしていると、「はい、先生おわりました」の声。
これは、すごい。今度は触れたのすら気が付かなかった。
その後、先生を捕まえて、いろいろと質問をぶつけました。
先生は、イヤな顔もせず、すべての質問に丁寧にお答えになってくれました。
今後の歯科治療を考える上で大事なのは、歯科医院の利益ではなく、患者さんの利益につながるような行為を行うことが大事だと力説されました。
本当に素晴らしい先生だなと感激。
痛く無い麻酔を施すには、ここに書ききれない多くの手順があるのですが、それは長いので割愛させていただきます。
早めに機材の設備を整えて、無痛の歯科診療を患者さんに提供したいと考えています。
問題は、勉強会の楽しみの一つ、帰りの食事があるのですが、口の中全体に麻酔がばりばり効いていて、食事があまり美味しく無かった事です。
P・S このブログを書いている日にたまたま子供の抜歯が相次いだのですが、どの子も麻酔を打たれているのすら気が付かなかったです。これは本物です。
最近のコメント