口腔という呼び方
歯学博士の山崎博嗣先生の著書の中のエッセーから今日はお届けいたします。
口腔という呼び方
口腔〈こうくう〉と呼びますが、パソコンで〈こうくう〉と入力しても変換されないようです。
ちなみに広辞苑を引くと「こう・くう【口腔】コウコウの慣用読み。医学でいう」となっています。
あらためて〈こうこう〉で引くと「口から咽頭に至る部分。食物の摂取・咀嚼・消化および味覚の場であるとともに、発声器の一部をなす」とあり、最後に「医学ではコウクウという」と付記されています。
いうまでもなく口の中のことで、取り扱う診療科は歯科もしくは耳鼻科です。耳鼻咽頭科は歯を除いた口腔をその診療領域にしていますが、実際には口腔に興味を示さない耳鼻科の先生も多いので、歯科口腔外科の方が多くの症例を経験しているといっていいでしょう。
耳・鼻・口・咽頭・喉頭と、耳鼻咽頭科の守備範囲は広く、特に粘膜に生ずる疾患を診断・治療しています。
一方、歯科となりますと、歯を含めた口腔全体がその守備範囲となりますが、歯しか診ない歯科医が多いのも実情のようです。
また、耳鼻咽頭科でも歯を抜くことがありますが、歯科医師法違反にはなりません。ところが、歯科口腔外科医が扁桃腺を除去手術しますと医師法違反になります。
ただし、智歯周囲炎から扁桃周囲膿瘍を起こした切開した場合には医師法違反にはなりません。“領域疾患”といわれるもので、微妙ですね。
参考文献 歯・口腔にことがよくわかる本 山崎博嗣著 本の泉社
おもしろい、お話
微妙ですね
身体は一つ、つながっている、
よろしく と言うところ。