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2009年11月10日 (火)

小児虐待の早期発見に

本日はデンタルトリビューン氏2009年11月号よりお届けいたします。

◇小児虐待の早期発見に~小児歯科への大きな期待~

(英国)小児歯科医は小児虐待を見つけるキーパーソンの一人と考えられており、英国において子供の歯科治療放棄(デンタル・ネグレクト)に関する政策書が作成された。

Warwick大学、Sheffield大学およびLeeds大学歯科研究所による共著であり、このような政策書は欧州初とのことである。

◇デンタル・ネグレクトを見逃すな

児童虐待は大きく分けて、①子供に危害を加える虐待(身体的虐待、性的虐待、心理的虐待)②生活上必要な配慮を怠るネグレクト-の2つがある。

これまでに虐待を受けている子供はそうでない子供に比べ、歯科疾患の未治療率が高いことを示す調査結果が得られている。デンタル・ネグレクトは口腔衛生を損ない、子供の健康に甚大な影響をもたらす可能性があり、激しい痛みや睡眠不足、さらには体重の減少や身体発育の遅れまで引き起こす危険性がある。

Warwick大学小児科准教授のPeter D .Sidebotham氏らは、「デンタル・ネグレクトの徴候が、より広範なネグレクトや児童虐待の危険信号を意味する可能性がある」と指摘し、「小児歯科医は子供を治療する際に、そいった徴候を見逃さないよう注意して観察してほしい」と述べた。

◇対応は困難、児童保護の専門家へ

同政策書では、デンタルネグレクトが疑われる子供を評価する際に考慮すべき要因として、う蝕の評価や保護者の観察、治療癧の確認、診療における児童の反応など、多数列挙。また、歯科医療チームとしてそれらにどのように対応するべきかについて教示している。すべての歯科医療関係者は定期的に児童保護研修を受けるように呼びかけており、虐待やネグレクトの徴候の見分け方、そして、児童虐待の懸念がある場合の具体的な対応法に関する研修が必須であるとしている。

一方で、児童保護研修を受けている歯科医師は多いが、実際に児童虐待が行われるケースに対して、研修で学んだことを実践するのは困難だということが報告されている。

このため、もしも児童虐待が少しでも疑われるケースに遭遇した場合は、児童保護の経験がある他の医療従事者にアドバイスを求めることや、児童保護サービスに委任することが推奨されている。

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