帯状疱疹患者10年で2割増
本日は、日本経済新聞2009年10月9日号の社会面よりお届けいたします。
◇幼少時の水ぼうそう原因で発症
子供の頃に発症した水ぼうそうのウィルスが原因で起こる「帯状疱疹(ほうしん)」の患者が10年で2割強増えていることが8日、皮膚科を対象にした大規模調査でわかった。
50代移行で発症する患者が多く、発症率は女性の方が男性より2割以上高いことも判明した。
◇50代以上で高リスク
調査は宮崎県皮膚科医会が2006年までの10年間に県内の病院・診療所計46施設を受診した帯状疱疹の患者計4万8388人を対象に実施した。帯状疱疹の調査では過去最大規模だという。
調査によると、人口1000人当たりの患者数(発症率)は10年間の平均で4.15人。調査最終年の06年は4.55人で、開始時の1997年(3060人)と比べて約26%増えた。
発症率を年代別にみると、40代までは平均2.41人だが、50代になると5.23人に急増。70代で7.84人とピークになり80代では6.93人に減少した。
代表研究者の外山望医師は「体の免疫機能が低下する50代が発症増加の分岐点になっている」とし、地域の高齢化が進み、60~70代の層が増えたことが全体の発症率の増加につながったとみている。
男女別では、女性の発症率は4.58人で、男性の3.67人より約25%高かった。発症率は30代までは性別の差があまりないが、女性は40代で男性の1.3倍、50代で1.7倍になていた。
水ぼうそうは通常冬に流行するが、同じウィルスが原因の帯状疱疹は夏に発症する患者が多かった。過去に海外で行われた帯状疱疹に関する複数の研究では、「流行の季節性は明らかではない」とされており、流行の時期が分かったのは初めてとみられる。
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