なぜ何度も通う必要があるの?
今日は、nico(ニコ)という歯科医院の待合室に置いておく雑誌のなかから歯の根に関する事を。
Q:歯の根の治療に、なぜ何度も通わなければならないのですか?
A:将来問題が発生しないように、細菌に対してのさまざまな配慮が必要だからです。最後まで治療にお付き合いください。
この質問には、歯内歯周専門室 宮下歯科院長 宮下裕志先生がお答えになっています。
歯根の治療には大きく分けて2つあります。一つは炎症を起こしている歯髄を取り除く治療です。
もう一つは以前に歯髄を取る治療を受けたけれども、また治療が必要な場合です。
歯髄を取る治療は普通麻酔をして行います。小さな歯の中には何千本もの神経や血管が枝分かれしており、その炎症を起こしている歯髄をきちんと取り除くには時間がかかります。
歯髄をとる治療でなによりも大切なことは、治療中のすべてのステップで歯のなかに細菌が入らないようきちんと配慮してもらうことです。そうすることで2度と問題が発生することはありません。
再治療が必要とされる場合は、細菌が根管のなかで繁殖して根の先の部分に炎症が起こっています。これを出来る限り取り除く必要がありますが、しぶとい細菌が繁殖している時があります。
また治療が困難な状況が作られてしまっている場合や、根管を探すのが難しい場合もありますので大変です。
再治療は通常、冠を外して行いますので、それまでの治療が無駄になるばかりでなく、歯自体にも大きな負担となります。
だからこそ、最初に歯髄を取る治療をする際にしっかりと治療をしてもらう事が大切です。
この様に歯根の治療は、細菌を歯のなかに入れない配慮と、入れてしまっている細菌をきちんと取り除くという配慮の2つの原則が守られていると成功します。治療には通常2回~5回程度の通院が必要となるでしょう。是非じっくりとお付き合いください。
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