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2007年6月 9日 (土)

象牙質知覚過敏症を予防する歯ブラシ

本日は、知覚過敏治療等でご活躍の安田登先生と深川優子歯科衛生士さんの共著である「象牙質知覚過敏症」からお届けいたします。

象牙質知覚過敏症の関連する不適切なブラッシングとは、主にオーバーブラッシングを意味します。

オーバーブラッシングの回避は、力のコントロールもさることながら、歯ブラシの選択も重要なのです。

そこで、ここでは最近、著者らが使用したうえで、使用感が良く、象牙質知覚過敏症予防の可能性を感じられた手用歯ブラシと電動歯ブラシを紹介します。

《手用歯ブラシ》

手用歯ブラシに歯面にかかる圧力は、通常、200g~400gですが070528_1 「ruscello(ルシェロ):ジーシー」は、患者さんの口腔内の状態に合ったものを処方するというコンセプトで製造されました。

これは、患者さんの口腔内に合わせて毛の硬さだけでなく、植毛デザインまで最適化したブラシを処方(選択)できる全く新しい歯ブラシといえます。

特に、著者らが使用した「B-10(s:ソフト)」は、健康な歯肉の方の齲蝕、歯周予防、歯肉炎の方の齲蝕、歯周病予防、ブラッシング圧が強く、歯肉に傷を作りやすい方、歯肉の厚みが薄い方に適しているとの事でしたが、その形状は、植毛部(先端集中毛、段差毛)、ラバークリップ、フィット感の良いハンドルなど、随所に工夫が凝らしてありました。

実際の使用感は、グリップの把持が安定しており、従来の歯ブラシにはない歯面への効率的なフィット感には好感がもてました。

なお、このB-10のブラッシング最適圧は、「M(ミディアム)で150g~200g、S(ソフト)で、125~175gである」とされていますが、その最適圧を実践するにあたり、50g、150g、250gを示した社hしんは非常にわかりやすく、参考になりました。B10_ph02

ただし、価格も少々高めの設定です。昔から「高価なものはそれなりの価値(理由)がある」といわれたりもしますが、今後歯ブラシ1っ本にもこだわりを持つ患者の増加が予想されます。私たちプロも実体験に基づく保健指導をするために、最新情報には敏感でなければなりませんね。

《電動歯ブラシ》

近年の家電製品の進歩は目覚ましく、特に「オートマチックで効率的な作業ができる」と全自動の洗濯乾燥機や食器洗浄機が普及しています。歯科関連商品もたぶんに漏れず、電動歯ブラシの市場は拡大し、各メーカーが競って回転数が高いものや動きも反復運動だけではないもの、また音波から超音波へと性能をアップしたものを販売しています。

私たちも患者さんにブラッシング指導をする際、必ずどんな歯ブラシを使っているかを質問していますが、最近では3人に1人は電動歯ブラシを使用していると答えます。

2回目以降のブラッシング指導からは、「電動歯ブラシに変えたのですが、あれってどうなのですかね?」と聞かれる事も多くなりました。

やはり、皆さんの関心が高いようです。

電動歯ブラシを用いたブラッシング指導の基本は、次の用に集約されると思います。

  • 手用で適切なブラッシングのストロークをマスターしてから使用する
  • 歯磨剤を付けすぎない
  • 長時間磨かない
  • 手用歯ブラシのように電動歯ブラシを動かさず、歯面にそっと当てるだけにし、動かすときは歯面の移動だけにとどめる

以上のように正しく電動歯ブラシを使用しても、機能がうまく活用できずにそjの性能(回転数が高く、動きも複雑であるなど)に振り回されてしまっては、歯質への影響も身になるところです。

参考文献 チームで取り組む象牙質知覚過敏症 深川優子 安田登共著 クインテッセンス出版

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