真上から自分を見る生活
あまり、私のテニスの上達自体はぱっとしなかったのですが、とても厳しい先輩がいました。
厳しいといっても、練習が終わればとても良い先輩で、いまでも私は尊敬してやみません。
その先輩がいつも言っていたことがあります。
『テニスの練習にしろ、試合にしろ、常に自分の状態を把握しろ。常に空から自分のことを見ながらテニスをしろ。そうすると相手の事も、自分のことも客観的に捉えることが出来る』
いつも、そういっていました。その先輩は、ハードヒットでポイントを稼ぐタイプではなく、戦略でポイントを稼ぎ、相手を多く走らせ、戦略的に試合に勝っていました。
正直、負けた試合を覚えていません。苦戦したとしても、必ず勝っていました。
自分や試合相手を常に上から見ていたんですね。
当時の私は、ボールを返すのが精一杯で、とてもそんな余裕は無かったのです。
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私の診療所は、ユニット(診療台)が4台あるのですが、たいていすべてのユニットに患者さんが座っています。
どのユニットにどんな状態の患者さんが座っているのが、すべてすんなりと把握出来るようになっていました。
頭の中に、天井の無い診療所が写っていて、上から眺めている状態が浮かんでいたのです。
こんな状態が何ヶ月か続き、最近では私生活にまで上から見れるようになってきました。
例えば、この選択をすればたぶん、困ったことになるけれど、将来的には必ず良いことに繋がるから、現在は苦渋の選択をしようとか、とっさの行動にもブレーキが効いて、冷静になれるとか。
まだまだ、未熟なのですが、先輩の入っていた空から見る自分というのは、こういう感覚だったのかな?と思っています。
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