名医の裏に名患者あり
何事も相性というのは存在すると考えます。
それは、医者と患者の間にももちろんあると思います。
私は歯医者なので、まずその患者さんの歯にまつわる不快部分を取り除くことを優先的に考えます。
そのための説明を順を追って説明して、同意を得られて次のステップに進んできます。もちろん患者さんも人間ですから、手順通りには行かない場合もあります。それは致し方ないことです。
そのような事態は想定して診療計画は立てていきます。
患者さんはその後、大体2つのタイプに分かれて行きます。
まず、歯医者をその気にさせてどんどん治療効果が上がっていく患者さん。またその逆の患者さん。
歯医者も人間なので、やはり相性が合わない患者さんにはどんどん消極的になっていきます。
それはどういう事かといえば、当初立てた計画通り治療を進める為に患者さんがきちんと約束を守ってくれる場合は、どんどん私も積極的になり、治療がおもしろいほど進みます。つまり薬をきちんと説明通り飲んでいただき、きちんと歯磨きをして、禁煙や健康管理に努めてくれる患者さんのことです。
こちらも前向きな患者さんに出会うと、俄然その患者さんを何とかしなければと思い、がんばり抜く気力が沸いてきます。
それに引き替え、相性が悪い患者さんとは、いいわけをしながら、何度も診療をドタキャンしたり、薬を飲まなかったり、指示通りの行動をしなかった場合です。
指示通り行ってこその治療効果なわけですから、効果が上がらなくて当然です。しかし、こういう患者さんに限って、治療効果が上がらないと文句をいいます。
そうなると、こちらも治療が消極的になってきます。神経や歯を抜かないように努力しても、当然結果が伴いません。そうすると患者さんからのクレームも大きくなります。悪循環です。人間の治癒能力に頼れないので、神経を抜いたり、歯を抜いたり、結果を早く出すしかなくなってしまうのです。
とても残念なことです。
結論から言えば、治りが早い患者さんというのは、医者をその気にさせる名患者なのです。ともに協力して治す努力を怠らない患者さんは、その担当の先生を名医にすることが出来ます。
でも、一番大事なのは、患者さんをその気にさせる先生の責任でもあるのですけどね。
本当に患者のことを考えているのでしょうか?相性が合わなかったら、他院に行けということでしょうか?医者が患者を選んでどうするのでしょうか?消極的になるということは、まじめに診ないということですかね?まじめにこないから、まじめに診ない?先生の人間性を疑います。
名無しさん
コメントありがとうございます。
よく、私の文章を読んでくださいね。
誰もまじめに診ないなんて一言もかいていませんよ。
本当に患者さんの事を考えているから、約束は守って欲しいのです。
私たちが行っているのは、曲がりなりにも医療なのですから。
それから、消極的になるというのは、これも文章をよく読んでいただきたいのですが、『神経や歯をぬかざろう得ない処置を行うこと』と書いてあります。
普通、歯医者に行って、歯が痛いといえば、問答無用で神経を抜くという処置をされていませんか?でも私はそうはしません。出来る限り、抜かない処置を考えます。しかし、約束も守れず、痛みばかりを訴えたら、神経を抜いたり、歯を抜いたりするしか方法がなくなってしまうでしょ。そういうつもりで今日のブログは書いています。
それと、名無しさんは『まじめにこないからまじめに診ない?』と書いてありますが、患者さんがドタキャンするのは患者さんが決めることです。しかし、その時間には多くの歯科医院では時間を空けて、事前に準備をしているんですよ。ドタキャンされるとその時間はぽっかりと空いてしまうのですよ。すべては無駄になるのです。衛生士さんの準備や、技工士さんの苦労が。事前に連絡さえいただければ、他の患者さんを診ることもできるのに。
時間に遅れるのはかまいません。しかし、連絡もなく来ないというのは、まじめに取り組んでいる私たちに失礼です。『仕事が忙しくて』と言い訳されますが、私たちもこれが仕事なんですよね。これで生活しているんです。そこを理解していただくとありがたいです。
それと、まじめに診る診ないというのは、明らかに失礼な質問です。まじめに診なかったことなど一度もありません。全国のまじめな医師達もみな同じ意見だとおもいますよ。
もう一度いいます。本当に患者さんのことを考えているか?はい、もちろんです。
では、こちらから質問。患者さんは本当に自分の歯のこと、体の事考えていますか?
最後に、私は人間性を疑われてもかまいません。
ろくでもない人間ですから(笑)
また、ご意見お待ちしています。
ドタキャンの前歴のある患者さんには、やはり消極的になってしまうのでしょうか…?
先のコメントを読んで、大変反省しておりますが…
通りすがりの患者さん
コメントありがとうございます。
なにか、私のブログの文章が誤解を与えているようなので、もう一度いいます。
『約束を守らないのに、治りが悪いと文句をいう患者さんには、最終的な決断(神経を抜く、歯を抜く)をしなければならない』ということです。
つまり、患者さんと私との間に、初診の時に説明させていただいた治療方針にぶれがなければ、消極的になることはありません。
歯科や医療は、人間の治癒能力に期待しないと治りにくいのです。とくに歯科の場合は、細菌と、くいしばり、不良な技工物が原因で状況が悪化していく場合が多いです。そのため、それらを防ぐ、歯の清掃や歯くいしばりを防ぐマウスピースを装着して欲しいとお願いしているのです。
ですから、一度来院が途絶えると、もう一度しっかりとした診断と計画を練り直す必要があります。リセット仕直さないといけないのです。
歯のお掃除の途中で来院が途絶えれば、状況は悪化する可能性がありますから、もう一度現状を確認するために、検査をやり直したり、歯ぎしりやくいしばりの治療の途中でマウスピースの装着を止めてしまえば、歯を支える歯根膜の寿命は確実に縮まりますから、歯根破折や歯根膿瘍のような抜歯の処置が必要になる可能性があると言うことなのです。
最初にコメントをもらった『名無しさん』のコメントが、私が未熟なばかりに“悪意のあるコメント”と勘違いしてしまったばっかりに、勢いで書いてしまった駄目なコメントなのです(苦笑)。
確かに、ご指摘のように人間性に問題があるようです。
でも、『名無しさん』があのようなコメントを書いてもらって、今は大変ありがたいと思っています。自分もこの1日で多くのことを考え、反省することが出来ました。
現在は、生活するのが大変なご時世になっています。本当にやむを得ずこれない事情は理解しているつもりです。しかし、きちんと予約を守って来院してくれている患者さんもいるんですよね。そこは難しい所です。やはり遅れてしまった患者さんは、すこし待ってもらう場合が多いです。治療台や介護の人数は決まっていますので。すいません。
私も、予約の時間にきちんと来院してくれているのに、こちらが時間をオーバーしてしまうのも事実です。申し訳ないと思っております。しかし、患者さんから術後の説明を求められれば、説明をしないわけには行かないのですよね。難しい問題です。
たまに、患者さんに時間にルーズだと怒られる場合があります。しかし、ファーストフードの様に短時間で治療を終わらせることは、私の場合は難しいです。
時間通りに終わるように予約に余裕を持たせて行おうとすれば、現在の場合、次回来院するのは、3ヶ月後になってしまい、計画通りに進めなくなってしまうのですよね。
ですから、現在は非常にタイトな予約状況になってしまっているのです。
『通りすがりの患者さん』の答えからはだいぶ脱線してしまいましたが、責任をもって仕事をするには、ある程度の決断をしながら仕事をしていくしかないことを理解してもらえるとありがたいです。