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2009年12月 6日 (日)

アルカリ性物質でも侵食症に

本日は、デンタルトリビューン紙 2009年12月号よりお届けいたします。

◇アルカリ性物質でも侵食症に

(スウェーデン)酸性物質が歯牙のエナメル質を浸食するということはすでに広く知られている。このたび、酸性物質と同様にアルカリ性物質も歯牙の有機成分を破壊しエナメル質を脆弱化することが、10月29日付けのイエテボリ大学プレスリリースで報告された。

◇有機成分が溶解し多孔性に変化

イエテボリ大学労働衛生学部Fabian Taube氏らは、脱脂剤やその他のアルカリ性溶液中に抜去歯を浸漬し、走査型顕微鏡(SEM)による観察、および各種電子分析機器による測定を行った。

その結果、エナメル質中の有機成分が急速に溶解し、多孔性へと変化してしまうことがわかった。同氏らは、「酸性物質で引き起こされる浸食症とはプロセスが異なるが、アルカリ性溶液でも歯牙の浸食が生じることが明らかになった」と述べた。

こうした歯牙の浸食は、自動車修理工場の従業員に見られる職業病の一つでもある。車体各部にスプレー噴霧されるアルカリ性脱脂剤は、pH12~14という強アルカリ性を示す。

また、アルカリ性脱脂剤は調理場の清掃や、落書きの汚れ落としにも使われている。

共同研究者である同大学総合健康科学教授Jo”rgen Nore’n氏は「アルカリ性物質にさらされると歯牙表面はダメージを受け、フレーク状のエナメル質に変化する。このような変化は、う蝕やその他の歯牙損傷リスクを急速に高める」と警告している。

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