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2009年9月 9日 (水)

4000年前の骨格

本日は、デンタルトリビューン紙2009年9月号よりお届けいたします。

◇4000年前の骨格に歯牙欠損と歯根露出の痕跡

〔ドイツ〕米国アパラチアン州立人類学助教授Gwen Robbins氏およびインド研究チームは、ハンセン病の痕跡を示す最古の骨格がインド北西部のウダイプル近郊で発見されたとPLoSONE(2009;4:e5669)に発表しました。

◇最古のハンセン病のエビデンスに

今回発見されたのは4000年前の成人男性の骨格であり、Robbins氏らは解析の結果、歯牙欠損や歯根露出などの状態からハンセン病の痕跡だと推定しました。

これまでのハンセン病の起源について、約5万年前に現代型ホモ・サピエンスがアフリカを去った際に伝播したものが、紀元前4世紀頃にインドから伝播したか、不明でした。

歴史学者は、紀元前1550年頃に書かれたサンスクリット語の賛美歌『アタルバ=ベーダ』にハンセン病について記されていることや、紀元前4世紀にアレクサンダー大王の軍がインド遠征から帰国した直後にヨーロッパで最初の症例が報告されたことから、ハンセン病の起源はインド亜大陸であると考えられてきました。

一方で、多くの生物学者はハンセン病の原因となるらい菌は容易には伝播せず、ヒトの間で長期間密接な接触が必要であるため、都市での密集した暮らしや長期間密接な接触が必要であるため、都市での密集した暮らしや長距離貿易が開始した紀元前約3000年以前は伝播していなかったと主張していました。

ロンドン大学感染症講座のHelend,Donoghue氏は、「今回の歯牙解析により、アレクサンダー大王の軍が遠征先のインドからハンセン病を持ち帰ったという学説を裏付けられた」と高く評価しました。

ハンセン病は最終的には末梢神経障害を発症し、皮膚の感覚麻痺や筋肉の衰弱を引き起こします。長期間ハンセン病を患う患者は、感覚麻痺による負傷を繰り返すため四肢の使用が不可能になります。感染力は強くないですが、潜伏期が長いため感染時期や場所の特定が難しいのです。

世界で約25万人が発症し、特にインドは患者数が最も多い国の1つであり、2007年の新たなハンセン病患者数は13万8000人でした。さらに、一生涯ハンセン病の障害を抱える患者数は約200万~300万人以上であるといいます。

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