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2009年4月24日 (金)

噛み合わせの悪さと不眠症

本日は、青山健一先生の『よくわかる家庭の歯学』よりお届けいたします。

◇噛み合わせの悪さと不眠症

ストレス社会といわれる今、ストレスが眠りを妨げています。厚生労働省の調査によると、十人に一人が不眠症であるといわれています。いろいろな枕や布団の売れ行きが好調な要因には、こうした不眠症で悩む人のワラをもつかみたい気持ちが表れているのでしょう。

睡眠は本来、大脳を休ませるための機能ですが、ノンレム睡眠とレム睡眠が交互に生じています。眼球が素早く動いている状態の睡眠(rapid eye movement)の頭文字のremをとってレム睡眠とし、眼球が動かない、深い睡眠(non  rapid eye movement)がノンレム睡眠と分類されています。

浅い眠りのレム睡眠では、夢を見ているので、脳幹は休まず活動しています。昼間のストレスが夢となり、歯ぎしりや歯の食いしばりも生じます。

歯ぎしりや歯の食いしばりは、悪い噛み合わせの人には、自律神経系に異常を生じる原因になり、その異常を睡眠中に体が察知することで目が覚めるのです。噛み合わせの悪い人が、朝までに何度か目を覚ましたり、眠りが浅く感じるのは当然のことです。

不正な噛み合わせがある人の中には、自分の噛み合わせに異常があることが潜在的に頭の中にあって、歯が抜ける夢や、歯に関係した夢を見るかたも多くいらっしゃいます。

不眠症のキーワードは「浅い眠りのレム睡眠」「夢」「ストレス」「歯ぎしり、歯のくいしばり」「不正咬合」の五つです。

昼間に「ストレス」がたまると、それが「レム睡眠」中に「夢」として現れます。それを解消しようと「歯ぎしりや歯のくいしばり」をすると、不正咬合のために、自律神経系のバランスを崩して不眠症になるのです。

したがって、加齢とともに、「レム睡眠」が多くなるので、年配者の方の不眠症も多くなりますが、「不正咬合」の人ほど、「歯ぎしり、歯の食いしばり」を悪い方向に導いてしまいます。

年とともに眠りが浅くなるのは仕方がないことなのではなく、たとえ年配の方でも、正しい噛み合わせの人の眠りは深く、歯ぎしりをしたり歯を食いしばったりしても、不眠症にはなりません。

不眠症は、自律神経系のバランスを崩すので、風邪を引きやすくなったり、肌荒れ、倦怠感など、多くの悪影響をおよぼします。

参考文献 よくわかる家庭の歯学 青山健一著 桐書房 

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