しろくま歯科医院 WEBサイトへ

しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
毎日のケアについてのアドバイスを載せていきます。
calender

2024年3月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
AED
当院では、心停止の救命措置に必要なAED(自動体外式除細動器)を設置しております。

最近のトラックバック

アーカイブ

リンク



« 良い香り | メイン | 自分を追い込んだ2日間 »

2009年4月15日 (水)

お母さん、ご存じですか?授乳、哺乳、そして離乳

本日は、第21回日本歯科医学学会総会記念誌編集委員会編の『ご存じですか? ライフステージでわかる歯と口の健康ガイド』よりお届けいたします。

◇母乳やミルクだけで十分?

乳幼児前半の赤ちゃんにとって、母乳やミルクはほぼ完全な栄養が含まれる食品です。しかし、生後5~6ヶ月頃からビタミン、カルシウム、鉄分などの栄養素が不足し、「ミルク」だけから栄養を摂ろうとすると、大量に飲まなくてはならなくなってしまいます。ですから、「ミルク」以外のいろいろな食べ物を消化し、その栄養を吸収出来るようにならなければなりません。それはその後の成長の過程でも大変重要になっていきます。

◇離乳にはどんな意味があるの?

生まれてすぐの赤ちゃんでも、母乳やミルクを吸って飲むことは出来ます。それは食事というよりも、生まれもった「反射」の一つです。ですから固形状のものをかみつぶして飲み込むことは出来ません。固形状のものが食べられるようになるには、食べ物に応じた口の中への取り込み方、消化吸収をよくするための口の中での処理の仕方などを覚えて行くことが必要となります。

このようにお母さんのおっぱいを吸って母乳を飲むことから、固形状のものを噛んで食べられるようになるまでの一連の流れを離乳と言います。離乳は、ほぼ大人と同じものを食べるのに必要な「食物を口に取り込む(補食)」、「食物を潰して唾液と混ぜることによって消化を促す(咀嚼)」、「食べ物を飲み込む(嚥下)」の3つをゆっくりと時間をかけて学び、身につけるための大切な過程なのです。

離乳は生後5ヶ月ころから1歳3ヵ月くらいまでの約1年間の時期に行うのが良いとされています。その際の食事を「離乳食」と言います。離乳食をスムーズに進めて行くためには、口の機能と食べ物の形状が調和していることが重要となります。

◇子どもの成長を暖かく見守る

哺乳から離乳完了までの段階は、乳児から幼児へと成長していく過程と重なっています。食器を使い、自分で噛んで飲み込むことが出来るようになるまでの流れから順に考えて見ましょう。

①初期:唇を閉じて飲み込めるようになる状態

②中期:舌と上顎で食べ物を潰して飲み込めるようになる状態

③後期:歯肉で食べ物をつぶせるようになる状態

④完了期:歯肉や歯でかみつぶせるようになる状態

哺乳から離乳への移り変わりは、それぞれ子どもの口・歯の成長や感覚・運動の発達とともに進んでいきますので、個人差はあります。

何歳までにどの段階という決まったものはなく、子どもの成長に合わせて変化していけばいいのです。食べるという行動の成長は、全身の成長・発達に深く結びついています。成長がゆっくりな子どもも、早い子どももいますが、到着地点が同じならば、時期はそれほど気にする必要はありません。あくまで目安として考え、それぞれの子どもにあったペースで進めて行くことが大事です。

◇赤ちゃんの発育の二つの面

赤ちゃんが育っていくと言うことには二つの意味があります。一つは体の形の成長で、もう一つは運動の発達です。食べるということは全身の成長・発達の大切なポイントになります。食べるための手の動きはもちろん、食事は姿勢にも影響を与えます。

感覚や心の発達、内臓の発達ととも密接に結びついているのです。乳児の口は生まれもって母乳やミルクを吸うのに適した形になっています。やがて乳歯が生え、それを支える顎の骨も形が変化していきます。この頃に離乳が始まり、唇や舌の動かし方、顎の開け閉めの仕方、そしてものを噛んで飲み下すことを覚えはじえめていきます。

成長と発達という両方の大きな変化が同じ時期に起こり、ものを噛んで飲み込むことが出来るようになります。私たちはなにげなく、食べ物を噛んで飲み下していますが、唇や歯、舌などの感覚が食べるという行動のために非常に重要な働きをしています。それは私たちが赤ちゃんだった頃に「離乳」の一連の流れを経てきたからこそ出来ることなのです。

乳児はおもちゃなどいろいろなもをすぐに口に入れようとします。それは口や唇の感覚が最も敏感だからです。口に物をもっていくことで、その感触を確かめ、そして様々な感覚を高めていきます。多くの感覚を体験することによって、より複雑な運動もできるようになります。離乳食などでいろいろな食べ物を覚え、その感覚を十分に確かめてもらうことが、子どもの発達につながります。(吉田昌史先生著)

参考文献 ご存じですか? ライフステージでわかる歯と口の健康ガイド 第21回日本歯科医学学会総会記念誌編集委員会編 医歯薬出版   

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/161388/19185763

このページへのトラックバック一覧: お母さん、ご存じですか?授乳、哺乳、そして離乳

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。