顔の表情・しわについて2
昨日の続きです。
「老け顔」はなぜ生まれるのか?
顔の筋肉に関する基本的知識をまずお話いたします。
人の首から上の部分には、57もの様々な筋肉がついています。これらの筋肉が共同作業することによって、顔が、喜怒哀楽の表情を作ったり、口で食べ物を咀嚼したりしているわけです。そして、昨日述べたように、これらの筋肉の7割が口の周りに集中しているのです。
顔には口輪筋(こうりんきん)、オトガイ筋、頬筋、咬筋などがあります。
咬筋は頬骨付近から、下あごのエラのあたりまでつながっている幅の広い筋肉で、「骨格筋」と呼ばれます。骨格筋というのは、骨にしっかりとくっついていている筋肉のことです。
この筋肉を動かすと大きな力が出るようになっています。中でも最も強い力が出せるのは上下の歯で噛むときの力(咬合力)で、これは体重と同じ大きさの力が発揮させるとされています。
骨格筋は咬筋だけで他の顔や頭部の筋肉は、「表情筋」と言われる筋肉です。表情筋は皮膚と骨、あるいは皮膚と皮膚にくっついています。大きな力は発揮できませんが、複雑で細やかな動きをすることで表情の微妙な変化を司っている筋肉です。
この表情筋がキリッと引き締まっていれば若々しい顔でいられます。年をとって、しわやたるみが出来るのは、皮膚の下で皮膚を支えている表情筋が衰えていくからです。
表情筋を衰えさせないためには、トレーニングで鍛えることが大切です。そのとき咬筋を動かす事によって、表情筋がよく動くように促す事も必要です。
噛むために使われている顔の筋肉の中で咬筋を動かせば、他の筋肉も刺激されるのです。
義歯を装着すると、「老け顔」になるスピードが速くなることが知られています。これは、噛む力が著しく弱くなってしまうからです。しっかりかまないでいると咬筋が弱まるので、その影響で表情筋のバランスが悪くなり、その結果、頬にたるみができ、鼻の横には深い縦じわができ・・・・・と老け顔になっていくのです。
さらに噛まないことで、あごを引き上げる力も弱くなるため、唇の両端が下がって、口をへの字に結んだような形になってしまいます。
参考文献 不老は口から 斉藤一郎著 知恵の森文庫出版
義歯の人ってなんとなく解るような
口もとをしている気がします。