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しろくま先生のブログ
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2007年4月29日 (日)

手になじんでいるもの

私が歯医者になってすぐに、補綴という入れ歯や差し歯を扱う講座に入局しました。

そこは、大学では密かに軍隊と呼ばれるほど厳しい講座でした。

そこの講座で学生に受け持つ実習は、もちろん入れ歯です。

私は、ひどく不器用だったので、密かにこの実習を恐れていました。

学生さんに、「先生、このワイヤーの曲げ方教えてください」と言われるのが一番恐れている事でした。

歯科医師の先生なら分かると思うのですが、このワイヤーは専門用語でクラスプといのですが、非常にセンスのいる作業です。

器用な人は、パッパッパと歯の湾曲に合わせてワイヤーを屈曲させ会わせていき、10分足らずでまげてしまいます。

私は、非常に不器用なので、30分~40分もかかってしまうのです。

学生相手に行う実習は、素早く的確にワイヤーを曲げていかなくてはいけないので、ほんとに冷や汗ものでした。

学生よりは少しだけうまかった私は、何とかごまかして急場をしのいでいました。

このワイヤーを曲げる器具を屈曲鉗子といい、私の母校では2本ありました。1号鉗子と2号鉗子です。

1号鉗子はワイヤーの屈曲が緩く曲げられ、2号鉗子は、屈曲が強くでます。

私は、学生の頃から、2号鉗子を好んで使っていました。屈曲が強いので、早く曲げられるからです。

しかし、講師の先生や手先の器用な同僚は皆、1号鉗子を使うのです。

私も、1号鉗子を使ってみるのですが、なかなかうまくいかないのです。

最近、自分でふと気が付いたのです。私は日々の臨床で、2号鉗子をまったく使わなくいました。あの頃憧れた1号鉗子を多様していたのです。

何気なく気が付いたのですが、10年かかってやっと、自分の手になじんできました。感動・・・。

現在、この鉗子は手に入りにくくなっているとのこと。せっかくなじんだこの鉗子を大切に使ってゆきたいです。

道具といえば、抜歯をするときに使うヘーベルという道具。

歯と歯肉の間の隙間にするりと入れて、てこの原理で歯を抜いていくのですが、私は最初、非常に高価なH社のヘーベルを購入しました。

しかし、どうもしっくりこないのです。いろいろと試行錯誤した結果、一番安いY社のN型ヘーベルというのが一番しっくりときます。安いので、2年と持たないのですが、今はこれしか駄目です。

値段が高けりゃいいってものでは無いみたいです。

気がつかないうちに先輩と同じ物を使う、
日々、精進して先輩と同じ物を使っていた。
わかるよなお話です。
物言わぬ道具、いや言っています。

by ゆここ | 2007/04/29 21:02:26

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