歯の歴史4
紀元前460年頃のヒポクラテスの時代の歯磨きの第一の目的は、どうやらプラークコントロール中心ではなく、口中を清め、爽やかにすることが第一だった様です。
この頃のギリシャでは、口腔清掃用の薬をインドの薬と呼んでおり、口を清める風習はインド(紀元前6世紀)の方が、東方諸国や西洋より古いことが分かります。
さて、この頃の虫歯の成因説は、ヒポクラテスの体液説が主流であったが、紀元1~2世紀頃からは、歯質を食う虫(歯虫 はむし)によって起こるとされ、この説は洋の東西を問わず、なんと18世紀まで信じられていたそうです。
(現在虫歯になるメカニズムは、菌が食べ物の中の糖を分解して、酸を出すことにより起こるとされています。)
ギリシャの大哲学者アリストテレス(紀元前384~322年)は、
「なぜ無花果(いちじく)は柔らかく、甘いときに食べると歯を害するのだろう。おそらく、その粘り気と柔軟性が、無花果の小片を歯肉に粘着させ、歯間に留まり、安易に腐敗するからだろう」と自著に書いています。
これは現在のプラークコントロールにも充分通じる鋭い意見です。虫歯にならないように口腔清掃をしっかりやりなさいというメッセージとも受け取れます。
さすがです。
参考文献 クインテッセンス出版 歯科の歴史おもしろ読本 長谷川正康
紀元前400年から、人類は歯の病にかかわってきたのですね。文化はめまぐるしく発展しましたが、歯を守ることは、変わっていませんね。
プラークさま
コメントありがとうございます。やはり、歯が痛いと憂鬱になるのは昔も今も変わらないと言うことですね。