妖の華(ネタバレあり)
誉田哲也さんの本を初めて読んだのは『ストロベリーナイツ』という本でした。
この本がとても怖くて、学会で宿泊したホテルで読み終わったのですが、怖くて怖くて外出するのが嫌になるほどでした。
誉田さんの本はリアリティーが強く、本を読む度、本の情景が頭に浮かびます。
それ以来、誉田さんのファンなのです。
先日、そのストロベリーナイツがドラマ化されました。あれをどうやってドラマ化するのか、テレビを見ていないのでわかりませんが、それを記念して、誉田さんのデビュー作が復刊文庫化されました。それが本日ご紹介の『妖の華』です。
購入してから、しばらく他の本を読んでいたのですが、先日手に取り読み始めました。
氏の作風は、緻密なリアリティーでプロットを構成していくのが、いつもの感じなのですが、なんとこの作はSFでした。舞台はいつものように刑事物なのですが、実はバンパイアものでした。
氏の作風を知っているため、最初は、『そんな馬鹿な、誉田さんがこんなことを・・・』と思って読んでいたのですが、やはりれっきとしたバンパイアもの。
考えてみれば、氏の作品の中には「ジウ」という近未来ものがあったし、冷静に考えればSFもありかな・・・と。
私、実はバンパイアもの大好きなのです。アメリカの古典から、最新の小説、はたまた映画に至るものまでほとんどを読み尽くの見まくり状態なのです。
ですから、この「妖の華」はとても面白く読みました。現代日本で、バンパイアだとしたら、こんな感じなのかな~って気もします。
しかし、ヤクザがバンパイアになると、やっぱりそうなるよね、、、、って予想がつく想定はお約束。
バンパイアものでおきまりのパターンとして、必ず弱点があげられます。ここが他のモンスター関係と違って面白いところ。日向やニンニク、はたまた銀の銃弾に十字架などなど。
今回もそうしたものがプロットにちりばめられていて、面白かったです。
思いもかけず良質のバンパイアものが読めて、ちょっと満足です。
良本でした。
最近のコメント