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2010年2月16日 (火)

正しい噛み合わせとは

本日は、青山健一先生の著書『よくわかる家庭の歯学~歯磨き、歯周予防から矯正治療、審美治療、インプラントまで~よりお届けいたします。

◇悪い噛み合わせの弊害

噛み合わせが悪いと、将来、いったいどんなことが起こるのでしょう。

虫歯や歯周病は、患者さん自身で自覚したり、歯科医から説明を受けると、自分の状態を把握することが出来ます。

しかし、自分の噛み合わせについて自覚している人はほとんどいませんし、歯科医院で医学的な説明を聞いても、何を言われているか難しくてチンプンカンプンという人がほとんどではないでしょうか。

そこで、わかりやすく、噛み合わせが悪いことによるデメリットをいくつかあげてみます。

①奥歯に過度の負担がかかり、歯が磨り減ったり、歯の根本が折れやすくなります。その結果、奥歯が駄目になると前歯に負担が掛かって、将来、出っ歯になったり、差し歯が外れやすくなります。

②顎周辺の筋肉が正しく運動をしていないので、慢性的な肩こり、偏頭痛、耳鳴り、不眠症などが起こりやすくなります。

③顎がズレることにより、頭の位置バランスを取ろうとして、頸椎に異常な屈曲を生じ、バランス感覚が悪くなり、それに不随したいろいろな不定愁訴(倦怠感、めまい、生理痛など)が生じやすくなります。

④奥歯の噛み合わせが悪いと、結果的に前歯も歯並びが悪くなる人が多く、でこぼこの歯並びでは、ブラッシングがやりずらく、歯周病や虫歯の原因になってしまいます。

◇噛み合わせのいい人は数%

従来、歯科医院に来る人は、虫歯のチェック治療がほとんどでした。しかし、最近は、顎関節症という言葉を日常的に使う人も増え、噛み合わせの具合悪さを訴える患者さんが年々増えてきています。

しかし、私は、患者さんのほうから軽い気持ちで、「噛み合わせを診てください」と言われることに少し違和感を感じています。といいますのも、本当に噛み合わせのいい人というのは数%で、ほとんどの人には大なり小なり何らかの何らかの不正咬合があります。

もし、すべての人の噛み合わせの検査をしたら、ほとんどの人に問題があり、治療をしたほうがよいという結果になってしまいます。

そもそも“正しい噛み合わせ”について、患者さんに知識がなければ、勉強不足の歯科医に適当に「これが正しい噛み合わせです」と言われても、患者さんは本当にその噛み合わせが正しいのかどうかわからないことになってしまいます。

そこで、正しい噛み合わせについて、一般にわかりやすい二つの判断基準を述べてみます

①顎をリラックスした状態で、口をゆっくり閉じて、上の歯と下の歯が当たった状態で強く髪根でも、顎がずれないこと

これは、寒いときのように顎を勢いよくカチカチ噛んだときに、奥歯が安定していれば、筋肉の引っ張る力と奥歯の位置関係が一致していることを示しています。しかhし、ほとんどの方は、噛み込むときに前後や左右などにずれるようになってしまいます。

②歯をくいしばった状態で顎を左右に動かしたときに、顎がスムーズに左右対象に動くこと

前歯と奥歯にはそれぞれの役目があり、顎の運動の違いによって、お互いの歯を保護市合っているのです。

顎を左右に動かした時、前歯によって奥歯があたらないのが理想です。左右の動きをじゃまする関係に歯が並んでいると、顎はスムーズに左右対象には動かなくなり、片側ばかりに動きやすくなってしまうのです。

このほかの噛み合わせのチェック方法は専門的になってしまうので、やはり歯科医院で調べてもらうしかないでしょう。

参考文献 よくわかる家庭の歯学~歯磨き、歯周予防から矯正治療、審美治療、インプラントまで~ 青山健一著 桐書房 

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