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2009年12月 2日 (水)

口腔環境の維持には2つのコントロールが必要

本日は、島谷浩幸先生の著書『歯磨き健康法』よりお届けいたします。

◇2つのコントロール

一般的に言われるように。口腔内の健康維持には次の2つのコントロールが必要です。

①炎症のコントロール

②力のコントロール

一つの例として、歯周病の炎症で痛くて噛めない場合の治療法について見ていきましょう。

歯周病の炎症は、歯周病菌が歯周ポケット内で過剰に増殖して炎症を引き起こしているわけですから、まず「炎症のコントロール」として、歯周ポケット内を徹底的に機械的に清掃して、出来る限りの細菌を排除します。

しかし、ポケットの深い部分まで完全に細菌の排除をするのは不可能ですから、抗菌剤をポケット深部に注入したり、あるいは内服として抗菌薬を飲むことで対応します。

また、炎症が強いと歯が浮いて噛んだときの痛みになるので、「力のコントロール」として、歯を削って噛み合わせを調整し、咬合力の負担を和らげる必要があります。

それと合わせて、患者さん自身には、歯磨き・うがい薬を使ったブクブクうがいの徹底と固い物は噛まない、体を安静にする、薬をきちんと飲む、といった注意を与えます。

このように、歯科の治療において、「炎症のコントロール」と「力のコントロール」の組み合わせは非常に重要なのです。そこでそれぞれについて、さらに詳しく見ていきましょう。

①炎症のコントロール

「炎症の五大徴候」と言われる、疼痛、腫脹、発赤、熱感、機能障害が炎症の主要症状として現れます。口腔二大疾患の虫歯・歯周病関連の症状で、全患者さんの9割以上がこれらの症状を訴えます。歯科で認められる症状もほとんどが虫歯・歯周病に関連します。

例えば、「虫歯が疼く」場合はもちろん、「冷たいもので歯がしみる」、「噛むと歯が響く」といったこれらの症状すべてが炎症によるものですし、「歯磨きの時に歯肉から血が出る」、「歯肉が腫れた、膿が出る」といった歯肉の症状もすべて炎症です。

何度も述べているように、虫歯・歯周病は口腔内細菌の感染症です。ですから、①の炎症のコントロールは、いかに口腔内細菌をコントロールするか、つまり「プラーク・コントロール」をいかに上手にしていくか、と言うことなのです。その手段としては、歯磨きやうがい薬を使ったブクブクうがいも効果的な方法ですし、歯磨きの出来ない所は、薬の力によって細菌をやっつけることになります。

②力のコントロール

口腔内での「力」で言えば、まず第一に「咬合力」、つまり「咬み合わせ」の力です。

この力は相当強いものであり、成人男性の咬合力は、1センチ平方あたり60キログラム以上にもなります。この強い力は時として、歯・歯肉や顎関節を痛めるというような悪影響を及ぼすことがあるので、過度の力がかからないような力のコントロールが必要になります。

参考文献 歯磨き健康法 島谷浩幸著 アスキー新書 

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