乳児のおしゃぶりについての見解
本日はデンタルトリビューン紙からのトピックです。
(米国)The Academy of General Dentistry(AGD)がおしゃぶりの使用に関して、子どもの口腔衛生に必ずしも有害と言うわけではないが、乳児におしゃぶりを与える際には十分に気を付ける必要があるとして、注意を促しています。
米国小児歯科委員会渉外担当者で、AGDの機関誌General Dentistryに論文が掲載された歯科医師のJene Soxman氏は「おしゃぶりを行う行為には、一般に信じられているのに反してプラスの効果もあります。ひとつは乳児突然死症候群の危険性を減ずる働きであります。おしゃぶりを与えられた乳児の睡眠は、与えられない場合に比べて深くなりすぎず、これにより呼吸停止に至るような深睡眠に陥ることを防いでいる可能性があります。さらに、おしゃぶりの吸飲により乳児は満足感を味わい、快適に過ごすことができます」と指摘しています。
しかし、乳児を持つ親は、おしゃぶりの使用が口腔衛生に及ぼしうる影響に十分に配慮する必要があります。
歯科医師でAGDのスポークスマンであるLuke Matranga氏は、
「おしゃぶりの使用は2歳までにとどめるべきで、歯列不正や顎骨の発育異常が生じても、2歳までにおしゃぶりの使用を止めれば、6ヶ月以内に十分に矯正が可能であります。その以上おしゃぶりを使用したり、指しゃぶりを放置していると、口腔や歯列の正常な成長・発育、あるいは口蓋の形態などに何らかの障害が生じるおそれがあります」と警告しています。
乳児からおしゃぶりを取り上げるのは安易な事ではないが、いくつかの対処法も考えられます。
例えば、おしゃぶりを酢に浸して嫌な味を付ける、おしゃぶりの乳頭部分に穴を開けたり、短く切って吸飲により得られる満足感を減らす、外出したときに意図的に忘れてくる、突然、変わりのものと変えてしまうなどの工夫です。
AGDでは、おしゃぶりの使用に関して、以下のような注意と提案を呼びかけています。
- おしゃぶりを与えるのは、乳児が眠りにつこうとしているときに限定する
- おしゃぶりのつばの部分が、口唇の内側に巻き込まれると、裂傷をおう危険がある
- つばの部分に、通気口があって空気の通路が確保されたおしゃぶりを使用する。誤って飲み込んでおしゃぶりを喉につまらせても、呼吸が出来るようにしておくことは大変重要である。
- おしゃぶりを落とさないように、ひもを付けて乳児の首にかけるのは、誤って首を絞める恐れがあるため、してはならない。指にはめられたおしゃぶりを使用する。
- 正しい位置で吸飲できるよう、乳首の形態は対象形であることが望ましい
- 使用しなくなったおしゃぶりは廃棄する。そのまま放置したり譲渡するのは衛生上このましくない。
子育てのころを思いだしました。