のど飴症候群
1日に人間は、どのくらいの唾液が出ているのでしょうか。
だいたい、大人で1日に1~1.5リットルもの量の唾液が出ているのです。かなりの量です。
しかもこれは、健康な人が1日に出す尿の量とほとんど同じです。
もちろん、1日の間に徐々に出てくる量ですし、人種や個人差によっても異なります。
また、同じ人間でも気持ちの変化や自律神経の働きで変わります。酸っぱいものを見たり、食べたりすれば、一度にたくさん出る事もあります。
チューイングガムを噛むと10倍くらいの量に増加するようです。
それではもし唾液が出なくなったらどうなるでしょうか?
まず、口の中が乾燥して舌が動かなくなります。こうすると、話すことは出来ません。次に、食事も取れなくなるでしょう。さらには、口の中の匂いがきつくなり、ひどい口臭に自分も周囲の人も悩まされます。やがて口の中はひからび、カビだらけになってしまうのです。
なお、口の中の唾液が少なくなると、歯と歯の間の隣接面が乾燥し、虫歯も発生しやすくなります。
以前、唾液の働きをこのブログで書きましたが、常に口の中を潤してくれる唾液があるからこそ、私たちは高いQOL(生活の質)を保つ事が出来るのです。
ところがです、現在、国民の4人に1人が「のど飴症候群」で悩んでいるという報告があります。のど飴症候群というのは口の中の乾燥症のことで、唾液が無いためにいつもあめ玉を口にしていないといられないという状況の事です。
高齢者では40%の人が、口の乾燥を訴えているといいます。
唾液は、口の中にある唾液腺から湧き出ます。この唾液腺は15歳くらいまでは発達するものの、その後20歳を越えると老化現象が見られ、唾液の量もすくなくなってくるようです。
ですから、加齢によって、「のど飴症候群」になる方も増えてくるわけです。
やはり、「唾液の多さ」は「若さの象徴」といってよいでしょう。
参考文献 唾液はなんでも知っている! 岡澤美江子/伊藤実喜監修 宮西ナオ子著 三五館
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