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2007年4月30日 (月)

加齢~歯周病のリスク②~

本日は、志賀先生の著書「歯周病の予防と治療法」からお届けいたします。

歯周病は歳を取るとかかりやすくなるものなのでしょうか?答えはイエスです。

では、歯周病のすべての原因は老化でしょうか?答えはノーです。

歯周病は若い頃からきちんとブラッシングと歯科医の定期管理を受けていれば、発症しにくく、場合によってはかなりの本数の歯を残すことが可能です。

歯周病は「沈黙の病気」といわれています。何十年という時間をかけてゆっくりと進行していき、高齢で体の免疫が弱まってくると一気に症状を悪化させ歯肉を腫らし歯を脱落させるのです。

したがって、老化は歯周病のリスクの一つであってもすべての原因ではありません。歯周病の原因は細菌の感染です。

しかし、細菌に感染すれば、誰もが同じ経過、状態で歯周病が進行していくというわけではありません。歯周病の症状の変化や、進行状況には老化以外にも様々なリスク(危険因子)が絡んでいるのです。

10代から20代前半で、歯石やプラークがそれほどたまっていないのに、歯周病が急速に進行する「若年生歯周炎」などもそのひとつです。

前歯や第一大臼歯に症状が現れやすく、白血球機能低下などの免疫機能や、特殊な細菌の感染が起因しています。

この歯周病のリスクと考えられているのは遺伝的素因です。先天的な免疫力の低下が、微量のプラークでも症状を進行させることになるわけです。

歯周病のリスクは遺伝的因子と環境的因子の二つに大きく分かれます。遺伝的因子とは、さきほどの先天的な免疫力の低下などの、いわゆるDNA(遺伝子)が関与するものです。これは病態の把握の手がかりにはなるものの、予防対策や治療が非常に難しいリスクです。

もう一つの環境的因子とは、後天的に発生するリスクであり、気を付ければ予防が可能なものです。

細菌が繁殖しないような環境を整えてやれば良いわけです。この環境的因子は、喫煙習慣、食生活、糖尿病などの疾患、薬物の副作用、ホルモン分泌、ストレスなど多岐にわたります。

これらのリスクが歯周病の発症、進行に重大な影響を及ぼしているわけですが、遺伝的因子と環境的因子を合わせて考えた場合、歯周病にかかりやすい人とかかりにくい人に分けられます。

これまでの既往歴や生活習慣から考えて、自分自身が歯周病にかかりやすいかどうかが、なんとなく見えてくると思います。

もちろん、はっきりとした事を知るには歯科医院で詳しい検査を受ける必要がありますが、セルフチェックをすることは自分の現状を知ることと、歯周病の予防そのものに役立ちます。

参考文献 歯周病の治療と予防法 志賀泰昭著 日東書院

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