口の介護予防3
口の介護予防の3回目です。
私も介護予防に付いて勉強し始めたばかりなので、分からない事がたくさんあります。このブログを通じて、皆さんと一緒に勉強できればと思っています。
さて、介護の本を読んでいて、見慣れない言葉がたくさん出てくるのです。その一つが「サルコペニア」。
今日は、この「サルコペニア」を中心に、介護を考えてみましょう。
以下の文章は「実践!介護予防 口腔機能マニュアル 平野造彦 細野純著」の本よりまとめたものです。
「低栄養」は、高齢者、特に要介護高齢者を中心に高頻度に認められてきています。この低栄養は免疫能の低下などを招くことから、生命予後に深く関与することが知られており、低栄養の予後や改善は高齢者の要介護状態の危篤化を防ぐ介護予防の重点項目でもあるのです。
この「低栄養」を示す高齢者は、口腔機能が低下している者も認められ、口腔機能向上支援を中心とした関わりは栄養改善に寄与します。
さて、「サルコペニア」ですが、これは、サルコ=筋肉、ペニア=減少をあわせたの造語です。加齢とともに、身体を支える筋肉を作る能力であるタンパク質合成能力が低下し、筋肉が著しく衰えます。このような加齢に伴う骨格筋の量や筋力の低下を意味します。
筋肉の減少は、筋力の低下にもつながり、身体機能の低下を招きます。筋肉は体の中でも体熱を多く産生する重要な器官です。
すなわち筋肉が衰えると、基礎代謝量が減少し、エネルギーの消費量の低下を招きます。これは、不十分な栄養摂取につながり、体タンパク質の合成を低下させ、サルコペニアを取り巻く負のスパイラルを形成してしまいます。
また、筋肉はタンパク質を貯蔵する最大の器官でもあり、筋肉の減少は栄養素を貯蔵するといった面からも大きな問題となります。
サルコペニアといわれる状態は口腔内にも現れることが予想されます。これを裏付けるように私たちは、加齢とともに、舌の筋力が低下し、さらに、要介護高齢者は介護度の悪化と共に、舌の筋力は口唇の筋力とともに低下することを報告しています。
太幹を支える筋力が低下すると自分の体を支える筋力が低下すると自分の体を支える事が出来なくなり、身体機能の低下に繋がります。
同様に、舌などの口腔の筋力が低下した場合は、食べる機能の低下をきたすことが予想されます。
サルコペニアの対策として体タンパク質の材料となる栄養素(タンパク質)を摂ることや、体タンパク質合成を促進するためにレジスタンス運動(重量の刺激を筋肉に与える運動)を行うことが推奨されているそうです。
同様に、口腔機能向上訓練によって舌の筋肉が上昇することが示されています。
今後も、口にたいする介護についてレポートしていきたいと思います。
参考文献 財団法人 東京都高齢者研究・福祉振興財団 「実践!介護予防 口腔機能マニュアル 平野造彦 細野純著
タンパク質の摂取と筋肉をつける
心がけます。