しろくま歯科医院 WEBサイトへ

しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
毎日のケアについてのアドバイスを載せていきます。
calender

2024年11月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
AED
当院では、心停止の救命措置に必要なAED(自動体外式除細動器)を設置しております。

最近のトラックバック

アーカイブ

リンク



« かっこう | メイン | 歯石を取ってみよう2 »

2006年5月21日 (日)

歯石を取ってみよう1

先日、歯石除去についての質問がありました。

歯石除去という大変重要な事を今まで書いてこなかった事に大変反省しつつ、どうせなら、しっかり説明していこうと思います。

1:口の中の健康

人間の口の中には、健康な状態であっても、ごくわずかですが細菌が存在しています。人体にはもともと細菌の活動に抵抗する力があり、歯と歯肉の間には、白血球、マクロファージ、リンパ球といった免疫系の細胞が移動してきます。そして細菌と戦う準備をします。

これが免疫の働きです。このように人体には防御機構が働いているのです。

2:虫歯も歯周病も細菌感染症です。

最近では、歯周病は「生活習慣病」という言い方をされますが、厳密に言えばそれは間違いです。

虫歯も、歯周病も細菌によって起こります。細菌は歯の表面や、歯肉についたプラーク(歯垢、歯苔)の中にいます。細菌の活動に対する抵抗力(生体の防御力)は人によって大きな差があり、虫歯や歯周病になりやすい人と、なりにくい人がいるのはそのためです。

3:なぜ歯周病になるのでしょう。

歯周病は、歯と歯肉の間(歯肉縁下)に入った歯周病原菌によって起こります。細菌の活動は、歯と歯肉の間の結合組織を徐々に壊し(付着の喪失の始まり)、隙間(歯周ポケット)を作ります。このときの生体の防御力は、煙草やストレスなどの危険因子によって、大きく左右されます。歯周病の初期の段階が歯肉炎で、炎症が深部組織に移行したものが歯周炎です。

4:歯肉炎は知らない間に始まっている

口の中の細菌数が増えるにつれて、歯肉溝の部分に炎症症状が現れます。歯肉が赤く腫れ、出血が起こり、仮性ポケットが形成されます。この段階で、病気に気づいて適切な治療をうければ、大部分の歯肉炎は健康な歯肉に回復します。

5:こうなったら歯周炎

歯肉炎を放っておくと、歯と歯肉を結び付けている歯周靱帯(歯根膜)が壊され(付着の喪失)、そこに歯周ポケットが形成されます。続いて、歯槽骨(歯を支えている骨)が吸収して歯はぐらぐらになり(歯の動揺)、さらには歯周ポケットから膿が出るようになります。進行してしまった歯周炎は、治療して元通りの歯肉や歯槽骨の状態にもどすことはできません。しかし、患者さんと歯科医師の努力によって、ある程度まで健康な状態を取り戻すことは可能です。

今日は健康な歯肉から重度の歯周病までの流れを説明しました。明日はもう少し詳しい説明を行います。

参考文献 やさしい説明、上手な治療(2)歯周治療 末永書店

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/161388/5581897

このページへのトラックバック一覧: 歯石を取ってみよう1

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。