患者さんの訴え
先日、仙台での勉強会の事です。
講師の先生は、わざわざ早朝に東京から来てくれたのです。
勉強会に入るときに、必ず講師紹介の様な事をするのですが、それはたいていその勉強会を主催した歯科材料の業者が行うのですが、その講師はなんと自分で自己紹介を始めました。
それが、何とも嫌みではなく、聞き惚れるような名調子です。自分は、日本の大学を出てからすぐにアメリカの大学へ行ったこと、補綴(入れ歯や詰め物、かぶせ物)を行った後、歯周(歯肉)の勉強をしたことなど、話が流れるように続きます。
アメリカと日本の診療体制の違い、保険診療の問題点、患者さんとのコミュニケーションなど。
話は、自分の話をしている様にしながら、実は、今回の勉強の主旨にしっかり入っていき、講習している先生達を釘付けにしていました。
その時、気になる話をいくつか聞きました。
アメリカの患者さんは、歯科治療が保険が利かないために、非常に高価になるため、治療にも積極的になっていく傾向があり、日本は保険適応なため、痛いときにしかこない傾向があり、しかも痛くなるとこなくなる率が高いとの事でした。
そのため、アメリカでは治癒率が高いとの事です。
この傾向は、あくまでも講師の先生の診療所での感想なので、一概にすべての歯科医院に当てはまるかといえば疑問です。私はアメリカで診療した経験が無いために、アメリカの事は分かりませんが、日本の傾向は、当てはまるかもしれません。
それと、非常に興味深いのは、診療の技術ばかりに目を奪われがちですが(歯科医師は)、一番大事なのは、患者さんの訴えを良く聞く技術(もちろん聞かせる技術もです)が必要だと言うことを力説していました。
ただ話しを聞くだけじゃないかと思われがちなのですが、実はテクニックがあるのです。先生はそのことを「ちらっと」おっしゃっていました。なぜ「ちらっと」なのかと言えば、それが非常に大切だからです。アメリカの大学ではそれをしっかりやるという事でした。
先生の初めの紹介から勉強内容までを飽きずに、講習者に聞かせる事が出来たのは、そのテクニックを利用していたのです。まんまと聞き惚れました。
そのアメリカで使用する教材という本が、実は日本でもずっと昔から販売されていました。なぜ私がその本を知っているかと言えば、実は私もその本を以前から購入していて、その本のテクニックを使っているのです。おかげで、患者さんの言いたいことを上手く聞き出すことが出来る様になり、また自分の主張もきっちりと出来る様になりました。
同じ本をアメリカの歯科大学で使っている事にもびっくりしましたが、自分のやっていたことが間違いないことだと分かって、少し自己満足のしろくま先生でした。
有難いお話です、講師と同じ資料を前もって、持って目を通していたなんて尊敬です。患者へのサービスだと思います、私も常に聞き上手になろうと心がけて、いるつもりです。
さすがしろくま先生、先見の明がありますね。いやあ、その先生のお話も拝聴したいものです。
ゆここ様
コメントありがとうございます。これからも頑張ります。
須田先生
先生は私より、患者さんの事を気遣う先生だと思います。
はじめまして。
楽しくてためになるお話、いつもありがとうございます。私はサプリメントメーカーに勤めておりますが、最近はとくに
「話す」以上に「聞く」ことの重要性が問われているように感じます。コーチング関連の本もかなり出ておりますし。
私の取引先のドラッグストアでも、もっとお客様から引き出すことが求められています。
よろしければ、今回のしろくま先生のお話の本を是非知りたいと思いました。
のなか様
コメントありがとうございます。
本の名前は、D・カーネギー著「人を動かす」です。是非ご一読を。