歯磨き1
歯科治療の一番の欠点は、治療期間がとても長いということです。歯科の欠点はまだまだ続きます。整形外科の様に骨折したのでギプスで固定して、1ヶ月使わないというような事も出来ません。虫歯の歯も使って食事をしたり、会話したりしなければなりません。
そのため、歯科医師は、刻一刻と状況が悪化する口腔内状況を見ながら治療を行っていかなければならないのです。口の中の状況が良かろうが、悪かろうが、毎日使って行く歯をどうしたら良くすることが出来るのでしょうか?
たとえば、一つの例ですが、歯がすごく悪くて、ご飯が上手く食べられないという患者さんが来院したとしましょう。しかも、歯肉からも出血しています。
私たち歯科医師は、その患者さんの口腔内状況をよく観察しながら患者さんのライフスタイルを聞き、そして今どんな悩みがあるのかを聞いていきます。
そこで患者さんと共に治療の計画を立てていきます。そのとき、患者さんにもっと丁寧に歯を磨いてくださいとお願いします。磨き方なんて考えないで、とにかく毎日丁寧にってお願いします。
最初は渋々承諾する患者さんですが、しっかりと毎日磨いてくれたとします。
しばらくすると、歯肉の出血も止まり、歯も悪いながらもご飯が食べられる様になってきます。そのころになると患者さんも歯磨きの重要性がわかってくるので、さらに丁寧に磨くようになって来ます。その間も歯科治療は続くので口腔内の状況はどんどん良くなっていきます。
私たちは患者さんがしっかりとした歯磨きの習慣が出来たとき、その患者さんにとってもっとも効果的な歯の磨き方を指導していきます。患者さんは歯に対する感心が益々高まり口腔内の状況はとても良くなっていきます。
今回、私が言いたかった事は、歯科治療はとても長くなることが多いのです。毎日患者さんの口の中をチェックすることが出来ません。
そのため、考え方を変えて、歯を良くしていくのは、毎日の患者さんの歯磨きで、私たち歯科医師はそのお手伝いをするにすぎないと言うことです。
本当に歯磨きをしっかり丁寧にするだけで(すべてとは言いませんが)、口腔内の状況は一新します。磨き方なんて考えなくても良いから、とにかく歯を磨いてみてください。職場へ歯ブラシを持っていってください。もっと自分の歯に感心をもってください。
今度、何回かに分けて歯磨きのコツをお伝えできればと思います。
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