努力の先にあるもの(叱られ覚悟ブログ)。
子供の頃に一度母親に、「お前は必ず2回失敗する子だね」とため息をつかれた事があります。
実を言えば、それを母親に言われた時に、「マズイ、親には分かっていたんだ」って恥ずかしい思いをした事があります。実は自分でも分かっていたのです。2回失敗癖の事は。
私は子供の頃、危機感をあまり持たずにのんびり育ってしまったので、友人との競争(スポーツや勉強など)には全く興味が無く、負けず嫌いの反対の「負けても気にしない」という駄目な性格でした(苦笑)。
だから、なにをやっても長続きしないし(飽き性)、反省も無し。
本当に親からしたら、心配の塊みたいな子供でした。
そのため、何事にも本気で取り組まなかったので、1回目は知識不足や、やる気の無さで失敗。2回目はおめでたい性格だったので、「まさか、2回は失敗しないでしょう?」と人生を楽観視して、反省と復習をせずに失敗してしまう・・・・こういうことを繰り替してばかりいました。
大学を2回留年した時も同じ気持ちでした。ただ、大学は親から離れて一人暮らしだったため、頼れる人はいないし、友人は先に歯科医師になっているし、後輩は先輩になっているしで、精神的にかなり落ち込んだし、反省もしました。
そこから、同じ境遇の友人(苦笑)と相談して、気持ちを入れ替える事にしました。
こんな生き方をしていると人生詰んでしまうと思ったから。
これが良かったです。今考えると。
どんな風に考えたかと言えば、「とにかく失敗しないように頑張る。もし失敗してしまったなら、自分の物になるまで練習したり、勉強する」という風な感じ。
これで、2回失敗癖が減りました。2回失敗してしまったとしても実りの多い経験になりました(以前は経験にすら成らなかったです。反省が無かったので)。
前置きが長くなってしまいましたが、何が言いたいかと言えば、毎日行っている失敗しないための努力は、全て生活する為に行っている努力だということです(人生を詰まない為)。ゲスな言い方をすれば、その努力は必ず「稼ぎ」に繋がっていなければならないといけないと考えています。
《 稼ぎがあれば、精神的に余裕が出るし、スタッフを幸せに出来るし、最新の機材や新しい技術を研鑽しやすくなり、患者さんに貢献できます 》
稼ぎに繋がらない「努力」は、「趣味」だと思っています(趣味は何度失敗しても良いし、それも楽しいし)。
医者や歯科医師は、スキルや知識を向上させないと行けない職種です。人の体に触れる職業で責任が伴いますので。
だから、人体の構造(我々は口腔や顔面の解剖)を熟知していないといけないし、スキル(技術)も向上させないと行けません。一度スキルを身につけようと決心したなら、何度も何度も何度も何度も練習して練習して練習を繰り返す必要があります。
そうして身につけたスキルは、自分自身の体に定着して、医療を施す事が出来る様ようになり、脳が瞬時に術野に反応し、勝手に指先が動く様になります。ここまで出来て初めて医療です。
だから、一つの技術を身につけたら、おいそれと次の技術には行けません。深掘りして自分のものにしないと。
ジャンボジェット機の免許は、飛行機の機種ごとにあると聞いています。免許以外の飛行機は飛ばせられないと聞いています。慣れないと多くの乗客の命を危険にさらすので。
現在は歯科医師過剰時代と言われています。
多くの歯科医師は貧困に喘いでいます。しかし、残酷な言い方をすれば、貧困に喘いでいる歯科医師が不真面目という訳ではないのです。彼らは実に多くの研修会や学会に真面目に何度も何度も通っています(同じ研修会に2回も3回も通っている強者もいます)。しかし、それが稼ぎに繋がっていない。
だから、通っている研修会は趣味なのかもしれません。勉強会に出席している友人に会いたいとか親睦を深めたいとか。
多分、これを読んで不快に思っている先生も多いかと思います。しかし、これが現実です。
私は不謹慎だとお叱りを受けるかもしれません。
ストレス過多のこの世の中、口腔の疾患は溢れています。患者さんが減っている訳では無いと思います。
研鑽を積んで、それが実りに繋がっている先生は、良い努力を続けているのでそれを継続するべきですが、全く患者さんに恵まれない先生は、努力のベクトルを自分に向け過ぎですので、患者さんへ向けるべきだと思います。
上から目線では無く、患者さん目線で。患者さんの分かる言葉で説明し、安心を提供する。それが医療。
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